事件じけん)” の例文
千九百二十四年、すなわち大正十三年に、彼はにました。これで一時代じだいが終わったといわれるほど大きな事件じけんでありました。(訳者)
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
これで、とにかく、ひとまず事件じけんわってしまったので、六年生ねんせい二人ふたりも、あちらへろうとしました。すると、突然とつぜん青木あおき
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
明治になっても、陸奥むつ宗光むねみつを出し、大逆だいぎゃく事件じけんにも此処から犠牲ぎせい一人ひとりを出した。安達君は此不穏の気の漂う国に生れたのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
わたしがIとの事件じけんでM、H攻撃こうげきされたことを、わたし悲観ひかんしてゐるやうなことを、わたしわたし最近さいきん作品さくひんいたりしたので
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
こゝに一だい事件じけん出來しゆつたいした、それはほかでもない、丁度ちやうどこのふね米國ベイこく拳鬪けんとう達人たつじんとかいふをとこ乘合のりあはせてつたが、このうわさみゝにして先生せんせい心安こゝろやすからず
村落むらいきほ嫉妬しつと猜忌さいぎとそれからあらたおこつた事件じけんたいするやうな興味きようみとをもつ勘次かんじうへそゝがれねばならなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ここにわたくし神社じんじゃはいってからもなくにかけた事件じけんがございますから、あまりめずらしくもありませぬが、それをひとつおはなしいたしてましょう。
「そうでした。すみません。わけをハッキリとはなさなくちやいけなかつたんです。じつは、この事件じけん発見者はっけんしゃは、島本守しまもとまもるというわかいお医者いしゃさんでしたね」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
おまけにさんざんかけて息が切れていたので、ひと言もものが言えなかった。そこへちょうど巡査じゅんさがやって来た。二言三言で全体の事件じけん説明せつめいされた。
博士はくしは、ぼんやりと前方ぜんぽうを見つめて、考えこんでいたが、ぽとりと新聞を手から落としてしまった。いくらかんがえても、この奇怪きかい事件じけんははっきりしない。
ちょうどそのころ、スコーネ地方にある事件じけんが起こりました。それは大評判だいひょうばんになって、新聞にまでのりました。
いろいろめんどうなしょう事件じけんになって、船のにもつは、そっくりとり上げられ、商人は、出かけたときよりも、もっとびんぼうになって、またとぼとぼ
かれやまにゐるあひださへ、御米およねこの事件じけんいて何事なにごとみゝにしてれなければいがと氣遣きづかはないはなかつたくらゐである。宗助そうすけ年來ねんらいれたいへ座敷ざしきすわつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
著者ちよしや事件じけんがあつて二月にがつのち其場所そのばしよ見學けんがくしたが、土砂とさ圓錐えんすい痕跡こんせき其時そのときまでもることが出來できた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
阿關おせきことなればなみ大底たいてい此樣こんことしさうにもなく、よく/\らさにたとえるが、して今夜こんやむこどのは不在るすか、なにあらたまつての事件じけんでもあつてか
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
また父子爵にしても彼を引上げて、子爵家の繼嗣よつぎとする必要が無かツたのであツた。雖然子爵夫人に子の無いといふ一ツの事件じけんが、偶々たま/\周三を子爵家の相續人そうぞくにんとすることにした。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そのころ、それが賭博とばくとのうたがひをけて、ばんどうがそのすぢから調しらべをけるやうな事件じけんあがつたが、調しらべるがはがその技法ぎはふらないのでだれかが滔滔たうたう講釋かうしやくをはじめ
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
事件じけんくわんして、其方そのはうぞんじてることは!』と王樣わうさまあいちやんにまをされました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そのあひだ彼女かのぢよは、無産者むさんしや××同盟どうめい支部しぶはたらかたはら、あるデパート專屬せんぞく刺繍ししう工場こうぢやうかよつて生活せいくわつさゝへた。そのうち、三・一五事件じけんとして有名いうめいな、日本にほん×××ゐん全國的ぜんこくてき大檢擧だいけんきよおこなはれた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
マユミさんは、探偵助手になるとまもなく、「妖人ゴング」(この全集三十七巻)のために恐ろしい目にあいましたが、その事件じけんもおわって、いまでは、勇敢な少女名探偵になっていました。
魔法人形 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
線路せんろ修繕しゅうぜんされて、やがて列車れっしゃは、いままでのように往復おうふくするようになりました。そのになって、ふたたびおなじような事件じけんかえされました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかるにこゝ一大いちだい事件じけんおこつた。それはほかでもない、吾等われら生命せいめいつなたの沙魚ふかにくがそろ/\腐敗ふはいはじめたことである。
ふか罪惡ざいあく包藏はうざうしてない事件じけんはそれでんだ。勘次かんじ依然やつぱりおつぎにはたゞひとつしか大樹たいじゆかげであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
法律ほうりつをあなどらないようにしろ。まあどういうしだいの事件じけんだか、話してごらん。おまえに五シルリングやる。ろうの中で金を持っていればよけい気楽だ」
『三万年まんねん!』とわたくしはびっくりして、『そのあいだには随分ずいぶんいろいろのかわった事件じけんおこったでございましょう……。』
なにかおこつたらおこつたときのことだし、S、Hがまたそんなすきをもつてゐるともおもへなかつた。Iにしたところで、このさいあたらしい事件じけんちあげることは、慵いことだとおもはれた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
貴君あなたのおかほますのさとへば、此奴こやつめがとにらみつけられて、おゝこわいおかたわらつてるに、串談じやうだんはのけ、今夜こんや樣子やうすたゞでないきいたらおこるからぬがなに事件じけんがあつたかととふ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
四月になった、とある日、とうとうたいへんな事件じけんが持ちあがってしまった。
これが大評判だいひょうばんになったという事件じけんです。しかも、これは新聞にまでのりました。けれども、なんとも説明しようのないできごとなので、たいていの人たちは、信じようとはしませんでした。
発見者はっけんしゃは、老人ろうじんうちのすぐとなりにんでいて、去年きょねんあたり開業かいぎょうした島本守しまもとまもるという医学士いがくしだつたが、島本医師しまもといしは、警察けいさつ事件じけん通報つうほうすると同時どうじに、大要たいようつぎのごとく、その前後ぜんご事情じじょうべた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
さうして當分たうぶんこの事件じけんついかたけたやうかんじた。自然しぜん經過なりゆきまた窮屈きゆうくつまへせてまでは、わすれてゐるはう面倒めんだうがなくつてくらゐかほをして、毎日まいにち役所やくしよてはまた役所やくしよからかへつてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
正吉しょうきちはあとで、この事件じけんいたのであるが、これがため、青服あおふく家主やぬしじゅうかえされなくなったので、弁償べんしょうすることに、はなしがついたといいました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
おもつてせねばらぬ事件じけん出逢であうても二や三逡巡しりごみするのがどうかといへばかれくせの一つであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「二百十フランで買おう」わたしは事件じけん解決かいけつしたと思って、そう言いながら牛のはづなを取ろうとした。
そしてははったらこれもかたろう、あれもきたいと、生前せいぜん死後しごにかけてのつもつもれるさまざまの事件じけんが、丁度ちょうどあらしのようにわたくし頭脳あたまなかに、一せてたのでした。
ひろやうでもせまいのは滊船きせん航路かうろで、千島艦ちしまかんとラーヴエンナがう事件じけん實例じつれいまでもなく、すこしく舵機かぢ取方とりかたあやまつても、屡々しば/\驚怖きやうふすべき衝突しようとつかもすのに、底事なにごとぞ、あやしふね海蛇丸かいだまる
むろん、その事件じけんを調べたその土地の警察けいさつからである。奇妙きみょうな事件であった。
閑靜かんせい宗助そうすけ活計くらし大晦日おほみそかにはそれ相應さうおう事件じけんせてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これで事件じけん完全かんぜん解決かいけつされたといつてよいのであろう。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
松葉まつばづえの少年しょうねんは、及第きゅうだいしたろうか。」と、おもったからです。どうしたのか、その姿すがたえませんでした。このとき、おもいがけない事件じけんこったのです。
中学へ上がった日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのほうの事件じけんは親方とミリガン夫人との間の相談そうだんでうまくまとめてくれるだろう。そう思って、わたしの子どもらしいゆめでいろいろに事件を処理しょりしてみた。
どちらかがきずついてたおれるのだとると、かれは、そんな事件じけんこす必要ひつようがあろうかとうたがったのです。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
ジョリクールは事件じけんの重大なことを理解りかいしなかった。そこでおもしろ半分なわりの中で巡査じゅんさとならんで歩きながら、その一挙一動いっきょいちどうを身ぶりおかしくまねていた。
男は承知しょうちしてくれた。そこでのすみにすわりこんで、はらいっぱい食べながら、事件じけんのくわしい話をした。バルブレンはくずれた足場の下にしかれて大けがをした。