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障
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さは
ふりがな文庫
“
障
(
さは
)” の例文
中にも苦味走つた顔の男は、巡査の人を見るやうな見方をしたと思つたので、八は
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
つたが、
怯
(
おく
)
れ
気
(
ぎ
)
が出て下を向いてしまつた。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「父親が殺されたといふのに、何事も隱し立てをしてはいけない、——下手人を逃がすやうな事があつては、
冥土
(
めいど
)
の
障
(
さは
)
りにもならう」
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
云掛られ夫さへ心に
障
(
さは
)
らぬ樣
云拔
(
いひぬけ
)
て居しに今日
隅田川
(
すみだがは
)
の
渡船
(
わたしぶね
)
にて誰かは知ず
行違
(
ゆきちが
)
ひに面を見合せしより
俄
(
にはか
)
に吾助が顏色變り
狼狽
(
うろたへ
)
たる
體
(
てい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
群集の中から三人の男が影のやうに舟にすべり込んで
纜
(
ともづな
)
を解いた。
徐
(
しづ
)
かに艣を操つて、松明の火を波に
障
(
さは
)
るやうに低く持つて漕いでゐる。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
只
(
たゞ
)
一
部
(
ぶ
)
、三
角測量臺
(
かくそくりやうだい
)
の
見通
(
みとほ
)
しに
障
(
さは
)
る
爲
(
ため
)
に
切
(
き
)
り
拂
(
はら
)
はれた
空隙
(
すき
)
がそれを
導
(
みちび
)
いた。
火
(
ひ
)
の
子
(
こ
)
は
東隣
(
ひがしどなり
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
屋根
(
やね
)
の一
角
(
かく
)
にどさりと
止
(
とま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
仲冬のすゑ此人
居間
(
ゐま
)
の二階にて
書案
(
つくゑ
)
によりて物を
書
(
かき
)
てをられしが、
窓
(
まど
)
の
庇
(
ひさし
)
に
下
(
さが
)
りたる
垂氷
(
つらゝ
)
の五六尺なるが
明
(
あか
)
りに
障
(
さは
)
りて
机
(
つくゑ
)
のほとり
暗
(
くら
)
きゆゑ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これは「
障
(
さはり
)
」の用例に本づく説であるが、「
障
(
さは
)
りあらめやも」、「
障
(
さは
)
り多み」、「
障
(
さは
)
ることなく」等だけに
拠
(
よ
)
るとそうなるかも知れないが
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
すなら
御米
(
およね
)
の
寐
(
ね
)
てゐる
今
(
いま
)
である。
今
(
いま
)
ならどんな
氣不味
(
きまづ
)
いことを
双方
(
さうはう
)
で
言
(
い
)
ひ
募
(
つの
)
つたつて、
御米
(
およね
)
の
神經
(
しんけい
)
に
障
(
さは
)
る
氣遣
(
きづかひ
)
はない
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたし
)
は
胸
(
むね
)
が
裂
(
さ
)
けるほど
亭主
(
ていしゆ
)
の
言葉
(
ことば
)
が
気
(
き
)
に
障
(
さは
)
つた。
最
(
も
)
う
死骸
(
しがい
)
に
成
(
な
)
つてる、と
言
(
い
)
つたやうな、
奴
(
やつ
)
の
言種
(
いひぐさ
)
が
何
(
なん
)
とも
以
(
もつ
)
て
可忌
(
いまは
)
しい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
榾
(
ほだ
)
の煙は「自然の香」なり、篠田の心は
陶然
(
たうぜん
)
として酔へり、「私よりも、伯母さん、
貴女
(
あなた
)
こそ
斯様
(
こんな
)
深夜
(
おそく
)
まで
夜業
(
よなべ
)
なさいましては、お体に
障
(
さは
)
りますよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「どうぞもうわたくしに
障
(
さは
)
らないで下さい。障らないで下さい。あゝ。実になんともかとも言はれない苦痛です。」
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
ヂュリ その
若
(
わか
)
にロレンスどのゝ
庵室
(
あんじつ
)
で
逢
(
あ
)
うたゆゑ、
女
(
をなご
)
の
謹愼
(
つゝしみ
)
に
障
(
さは
)
らぬ
限
(
かぎ
)
りの、ふさはしい
會釋
(
ゑしゃく
)
をしておきました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
で
御座
(
ござ
)
いますけれど
私
(
わたし
)
に
其時
(
そのとき
)
自分
(
じぶん
)
を
省
(
かへりみ
)
る
考
(
かんが
)
へは
出
(
で
)
ませぬゆゑ、
良人
(
をつと
)
のこゝろを
察
(
さつ
)
する
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ませぬ、
厭
(
いや
)
な
顏
(
かほ
)
を
遊
(
あそ
)
ばせば、それが
直
(
す
)
ぐ
氣
(
き
)
に
障
(
さは
)
りまするし
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫
(
それ
)
を
又
(
また
)
他
(
わき
)
へ
行
(
い
)
つて
云
(
い
)
はれるとね、
私
(
わたし
)
の
処
(
ところ
)
の
商売
(
しやうばい
)
に
障
(
さは
)
るから、
他
(
わき
)
へやらねえやうに
棒縛
(
ぼうしば
)
りにしたんでございます。
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「まだこんなに温いんですが……」と、肌に
障
(
さは
)
つて見て、彼はやつぱり
思切
(
おもひきり
)
わるさうに醫員の方を振り返つた。
嘘をつく日
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
だから、時々、私もあなたのやうに、組織的な配列に從ふことに、我慢出來ないつて云ひ出すのよ。これがまつたくスキャチャード先生の氣に
障
(
さは
)
ることなの。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
いや、お気に
障
(
さは
)
りましたらお
赦
(
ゆる
)
し下さいまし。貴方とは
従来
(
これまで
)
浸々
(
しみじみ
)
お話を致した事もございませんで私といふ者はどんな人物であるか、御承知はございますまい。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ソロドフニコフはパンと麹との匂のする
生温
(
なまぬる
)
い水を飲んだ。その時歯が茶碗に
障
(
さは
)
つてがちがちと鳴つた。
死
(新字旧仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
私はAがあゝ云つた言葉の中に、『俺に
交際
(
つきあ
)
つてゐないと損だぞ。』といふやうな、友情の脅威が自ら含まつてゐるのを、何よりも
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
つて聞き取つたのだつた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
窓掛の間へ月が滑り出て、銀色の指で、そこらぢゆうの物に
障
(
さは
)
る。音楽が清く優しく、一間の内に漂うてゐる。その一つ一つの
音
(
おん
)
は、空の遠い星の輝きのやうである。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
左
(
さ
)
しも
気遣
(
きづか
)
ひたりし身体には
障
(
さは
)
りもなくて、神戸
直行
(
ちよくかう
)
と聞きたる汽車の、
俄
(
には
)
かに静岡に停車する事となりしかば、其夜は
片岡
(
かたをか
)
氏
(
し
)
の家族と共に、
停車場
(
ステーシヨン
)
近
(
ちか
)
き旅宿に投じぬ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
江戸
(
えど
)
から
新
(
あた
)
らしく
此
(
こ
)
の
町奉行
(
まちぶぎやう
)
として
來任
(
らいにん
)
してから
丁度
(
ちやうど
)
五ヶ
月
(
げつ
)
、
見
(
み
)
るもの、
聞
(
き
)
くもの、
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
ることだらけの
中
(
なか
)
に、
町醫
(
まちい
)
中田玄竹
(
なかだげんちく
)
は
水道
(
すゐだう
)
の
水
(
みづ
)
で
産湯
(
うぶゆ
)
を
使
(
つか
)
はない
人間
(
にんげん
)
として
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「それが
好
(
い
)
いぜ。休みが多い
奴
(
やつ
)
はどし/\解雇してる時節だからなあ、今解雇されちやお前だつて楽ぢやあんめえ。」と、老職工は妙につけつけ云つた。彼は直ぐ
疳
(
かん
)
に
障
(
さは
)
つた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
と云つて笑顔もせずに二重
廻
(
まはし
)
の儘で山田は
座
(
すわ
)
つた。保雄は山田の態度が
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
つたので
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
『
昨日
(
きのふ
)
我々
(
われ/\
)
は
那麼
(
あんな
)
に
話
(
はな
)
したのですが、
何
(
なに
)
を
俄
(
にはか
)
に
御立腹
(
ごりつぷく
)
で、
絶交
(
ぜつかう
)
すると
有仰
(
おつしや
)
るのです、
何
(
なに
)
か
其
(
そ
)
れとも
氣
(
き
)
に
障
(
さは
)
ることでも
申
(
まを
)
しましたか、
或
(
あるひ
)
は
貴方
(
あなた
)
の
意見
(
いけん
)
と
合
(
あ
)
はん
考
(
かんがへ
)
を
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
したので?』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
斯
(
かゝ
)
る
曲物
(
くせもの
)
を置きたりとて何の
障
(
さは
)
りにもなるまじけれど、その
芥
(
あくた
)
ある処に集り、
穢物
(
ゑぶつ
)
あるところに群がるの性あるを見ては、人間の往々之に類するもの多きを想ひ至りて
聊
(
いさゝ
)
か
心
(
むね
)
悪くなりたれば
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
そしてこの子供をスタニスラウス様だと極めた。そして色の青いオスワルドの、尖つた肘に
障
(
さは
)
らないやうに皿を持つて行く時、さも小さいスタニスラウス様をいたはると云ふ態度をしてゐた。
祭日
(新字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
助十 そりやあおれも知つてゐるが、あの野郎があんまり癪に
障
(
さは
)
るからよ。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
唯
黄泉路
(
よみぢ
)
の
障
(
さは
)
りとなるはその方どもの未来なり、その方どもは心得悪しく、
切支丹
(
きりしたん
)
の御宗門にも
帰依
(
きえ
)
し奉らず候まま、未来は「いんへるの」と申す地獄に
堕
(
お
)
ち、悪魔の餌食とも成り果て候べし。
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
立ちとまり霧の
籬
(
まがき
)
の過ぎうくば草の戸ざしに
障
(
さは
)
りしもせじ
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
その寂しい生活が
大分
(
だいぶん
)
健康に
障
(
さは
)
つたらしい。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何んの
障
(
さは
)
りもなく、武士は二三人
繋
(
つな
)
がつて歩いて居ても、そのうちのたつた一人だけが見事に髷を切られることさへあるのでした。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此位な事が
障
(
さは
)
りもすまいと思つて、小石川から馬車を自分の西片町の宅に寄せて貰つて、妻を案内者として附けて遣ることにしたのである。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
握
(
にぎ
)
り向ふを
佶
(
きつ
)
と見詰たる手先に
障
(
さは
)
る
箸箱
(
はしばこ
)
をば
掴
(
つか
)
みながらに
忌々
(
いま/\
)
しいと怒りの餘り
打氣
(
うつき
)
もなく
側
(
かたへ
)
に
茫然
(
ぼんやり
)
坐
(
すわ
)
りゐて獨言をば聞ゐたる和吉の
天窓
(
あたま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
明日
(
あした
)
の
障
(
さは
)
りにでも
成
(
な
)
りやしめえし
管
(
かま
)
あこたあんめえな、おとつゝあは」といつておつぎは
勘次
(
かんじ
)
を
壓
(
お
)
しつけて
畢
(
しま
)
ふのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さるをおん
僧
(
そう
)
しば/\こゝにきたりて
回向
(
ゑかう
)
ありつる
功徳
(
くどく
)
によりてありがたき
仏果
(
ぶつくわ
)
をばえたれども、
頭
(
かしら
)
の
黒髪
(
くろかみ
)
が
障
(
さは
)
りとなりて
閻浮
(
えんぶ
)
に
迷
(
まよ
)
ふあさましさよ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
しばらくして
又
(
また
)
ばさりと
障
(
さは
)
つた、
恁
(
かゝ
)
る
時
(
とき
)
、
恁
(
かゝ
)
る
山家
(
やまが
)
に
雪
(
ゆき
)
の
夜半
(
よは
)
、
此
(
こ
)
の
音
(
おと
)
に
恐氣
(
おぢけ
)
だつた、
婦人氣
(
をんなぎ
)
はどんなであらう。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
忌
(
いや
)
なら忌で其れも
可
(
よう
)
御座んすサ、只だ其の
言
(
いひ
)
ツ
振
(
ぷり
)
が
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
りまさアネ、——ヘン、軍人は
私
(
わたし
)
は
嫌
(
いや
)
です
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
私の顏付か態度か何かゞ、氣に
障
(
さは
)
つたらしく、こらへてゐたが、ひどくいら/\とした調子で云つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
貴方、
決
(
け
)
して私共がそんな事を夢にだつて思ひは致しません。けれども、そんなに
有仰
(
おつしや
)
いますなら、何か私共の致しました事がお気に
障
(
さは
)
りましたので御座いませう。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何
(
なん
)
だか
可笑
(
をか
)
しな
樣子
(
やうす
)
だね
私
(
わたし
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
何
(
なに
)
か
疳
(
かん
)
にでも
障
(
さは
)
つたの、それなら
其
(
その
)
やうに
言
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れたが
宜
(
い
)
い、
默
(
だま
)
つて
其樣
(
そん
)
な
顏
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
られると
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
つて
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
いと
言
(
い
)
へば
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
海
(
うみ
)
つ
路
(
ぢ
)
の
和
(
な
)
ぎなむ時も渡らなむかく立つ浪に船出すべしや」(巻九・一七八一)、「たらちねの母に
障
(
さは
)
らばいたづらに
汝
(
いまし
)
も吾も事成るべしや」(巻十一・二五一七)等である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
心
(
こゝろ
)
のうちで、
此
(
この
)
まめやかな
細君
(
さいくん
)
に
新
(
あた
)
らしい
感謝
(
かんしや
)
の
念
(
ねん
)
を
抱
(
いだ
)
くと
同時
(
どうじ
)
に、かう
氣
(
き
)
を
張
(
は
)
り
過
(
す
)
ぎる
結果
(
けつくわ
)
が、
一度
(
いちど
)
に
身體
(
からだ
)
に
障
(
さは
)
る
樣
(
やう
)
な
騷
(
さわ
)
ぎでも
引
(
ひ
)
き
起
(
おこ
)
して
呉
(
く
)
れなければ
可
(
い
)
いがと
心配
(
しんぱい
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
サン いやさ、
俺
(
おら
)
が
癇
(
コーラー
)
に
障
(
さは
)
るが
最後
(
さいご
)
、すぐにも
引
(
ひ
)
ッこ
拔
(
ぬ
)
いてくれようといふンぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
セルギウスはパシエンカの差し伸べた手には
障
(
さは
)
らずに、跡に付いて上つて来た。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
其の後道臣とお時とは、寄ると
障
(
さは
)
ると金毘羅參りの話ばかりしてゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
人々には少しも気分に
障
(
さは
)
りなき
旨
(
むね
)
を答へ、胸の苦痛を忍び/\て、
只管
(
ひたすら
)
母上の全快を祈る程に、
追々
(
おひ/\
)
薄紙
(
はくし
)
を
剥
(
は
)
ぐが如くに
癒
(
い
)
え行きて、はては、
床
(
とこ
)
の上に起き上られ、
妾
(
せふ
)
の
月琴
(
げつきん
)
と兄上の
八雲琴
(
やくもごと
)
に和して
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
其滿足
(
そのまんぞく
)
な
顏
(
かほ
)
、
人
(
ひと
)
を
見下
(
みさげ
)
るやうな
樣子
(
やうす
)
、
彼
(
かれ
)
を
呼
(
よ
)
んで
同僚
(
どうれう
)
と
云
(
い
)
ふ
言
(
ことば
)
、
深
(
ふか
)
い
長靴
(
ながぐつ
)
、
此等
(
これら
)
は
皆
(
みな
)
氣障
(
きざ
)
でならなかつたが、
殊
(
こと
)
に
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
るのは、
彼
(
かれ
)
を
治療
(
ちれう
)
する
事
(
こと
)
を
自分
(
じぶん
)
の
務
(
つとめ
)
として、
眞面目
(
まじめ
)
に
治療
(
ちれう
)
をしてゐる
意
(
つもり
)
なのが。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『おい、
然
(
そ
)
う感動するな。平気で
居
(
を
)
れ。
身体
(
からだ
)
に
障
(
さは
)
るから。』
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
して居ると知れると、身分にも
障
(
さは
)
るだらう。それを書面にして目安箱へ投り込むとか、御目付衆の耳に入れるとか、工夫のしやうがあるだらうよ
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
障
常用漢字
小6
部首:⾩
14画
“障”を含む語句
障碍
支障
障子
障礙
故障
目障
罪障
破障子
手障
障子越
気障
戸障子
耳障
硝子障子
眼障
障害
罪障消滅
泥障
氣障
腰障子
...