線路せんろ)” の例文
すると、ここに、しろ着物きもの大男おおおとこが、その真昼まひるごろ、のそりのそりと線路せんろうえあるいているのをたというものがありました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのへんは、単線たんせんで、一筋ひとすじ線路せんろきりありませんでした。両方りょうほうから汽車が走ってくれば、ましょうめんから衝突しょうとつするばかりです。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
輕便鐵道けいべんてつだう線路せんろ蜿々うね/\とほした左右さいう田畑たはたには、ほのじろ日中ひなかかへるが、こと/\、くつ/\、と忍笑しのびわらひをするやうにいた。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
線路せんろのへりになったみじかい芝草しばくさの中に、月長石げっちょうせきででもきざまれたような、すばらしいむらさきのりんどうの花がいていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
京王電鉄調布上高井戸間の線路せんろ工事こうじがはじまって、土方どかた人夫にんぷ大勢おおぜい入り込み、鏡花君の風流線にある様な騒ぎが起ったのは、夏もまだ浅い程の事だった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
母はときどき手のひらにいきをはきかけては仕事をすすめていった。しずかだ。遠く線路せんろを走ってゆく貨物列車かもつれっしゃのとどろきが、かべをゆすぶるようにはっきり聞こえてくる。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
最後さいごに、偶然ぐうぜんにも、それは鶴見驛つるみえきから線路せんろして、少許すこしつた畑中はたなかの、紺屋こうや横手よこて畑中はたなかから掘出ほりだしつゝあるのを見出みいだした。普通ふつう貝塚かひづかなどのるべき個所かしよではない、きはめて低地ていちだ。
ところが大森驛おほもりえき附近ふきんにおいて線路せんろうへしろ貝殼かひがらおほ散亂さんらんしてゐるのをつけまして、これはきっと石器時代せつきじだい貝塚かひづかがあるのにちがいないとおもひ、それからもなくこの大森おほもり發掘はつくつかけました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
線路せんろすなに——あゝこの時
哀音 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
子供こどもいしひろって、わざわざ線路せんろほうまで、のあぜみちつたわってゆきました。そして、いしをつばめにかってげようとおもったのです。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほんの蝋燭おてらしだ、旦那だんな。」さて、もつと難場なんばとしたのは、山下やました踏切ふみきりところが、一坂ひとさかすべらうとするいきほひを、わざ線路せんろはゞめて、ゆつくりと強請ねだりかゝる。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのまま、しばらくにらみあいのままでいましたが、さて、線路せんろ一筋ひとすじなので、おたがいとおりぬけることができません。どちらかあとしざりをしなければなりません。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そのとき、すうっときりがはれかかりました。どこかへ行く街道かいどうらしく小さな電燈でんとう一列いちれつについた通りがありました。それはしばらく線路せんろ沿ってすすんでいました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あくるは、はや、くら貨物列車かもつれっしゃなかすられて、いつかきた時分じぶんおな線路せんろを、都会とかいをさしてはしっていたのであります。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
た※渺々べう/\としてはてもない暗夜やみなかに、雨水あめみづ薄白うすじろいのが、うなぎはらのやうにうねつて、よどんだしづかなみが、どろ/\と線路せんろひたしてさうにさへおもはれる。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
がもうその時、両方りょうほう火夫かふ線路せんろの上でであっていました。立どまって、何か話してるようでした。すると、こちらの火夫かふが、いきなりむこうの男になぐりかかりました。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
それはだんだん数をしてきて、もういまはれつのようにがけ線路せんろとの間にならび、思わずジョバンニがまどから顔を引っめてこうがわまどを見ましたときは、うつくしいそらの野原の地平線ちへいせんのはてまで
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大河おおかわにかかっている鉄橋てっきょうもとがくされていたのをこのごろ発見はっけんした。しろかげ線路せんろうえあるいていたのは、それを注意ちゅういするためだった。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天利てんりにて、晝食ちうじき料理屋れうりやかどにて小杉天外氏こすぎてんぐわいしふ。それより函嶺はこねおもむ途中とちう電鐵でんてつ線路せんろまよあぶなはしわたることなどあり、午後四時半ごごよじはんたふさはちやく
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのこえは、なにかしきりに、自分じぶんかって、げようとしているようです。子供こどもは、つばめがまっている、した線路せんろのそばをました。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、にもつかぬことをうつかり饒舌しやべつた。靜岡しづをかまでくものが、濱松はままつ線路せんろびよう道理だうりがない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今度こんどは、すこしみちからはなれたうえいていました。ちょうどそのしたには汽車きしゃ線路せんろがあって、土手どてがつづいていました。
長ぐつの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うだ北八きたはち線路せんろわきもり鶯花園あうくわゑんだよ、いた天女てんによ賣藥ばいやく廣告くわうこくだ、そんなものに、見愡みとれるな。おつと、またその古道具屋ふるだうぐやたかさうだぜ、お辭儀じぎをされるとむづヶしいぞ。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「たとえ、とおいたって、ここから二筋ふたすじ線路せんろわたしまちまでつづいているのよ。汽車きしゃにさえれば、ひとりでにつれていってくれるのですもの。」
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
うまし、かるたくわいいそわかむねは、駒下駄こまげた撒水まきみづすべる。こひうたおもふにつけ、夕暮ゆふぐれ線路せんろさへ丸木橋まるきばし心地こゝちやすらむ。まつらす電車でんしやかぜに、春着はるぎそで引合ひきあはごころ風情ふぜいなり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
汽車きしゃや、線路せんろは、てつつくられてはいますが、その月日つきひのたつうちにはいつかはしらず、磨滅まめつしてしまうのです。みんな、あなたに征服せいふくされます。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぶやうに列車れつしやぐる、小栗栖をぐるすまどからのぞいて、あゝ、あすこらのやぶからやりて、馬上ばじやうたまらず武智光秀たけちみつひで、どうと落人おちうどから忠兵衞ちうべゑで、あし捗取はかどらぬ小笹原こざさはらと、線路せんろ堤防どて枯草かれくさ料簡れうけん
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
線路せんろ修繕しゅうぜんされて、やがて列車れっしゃは、いままでのように往復おうふくするようになりました。そのになって、ふたたびおなじような事件じけんかえされました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりは、線路せんろのそばのさくにもたれて、シグナルや、石炭せきたんやまや、トロッコのある、構内こうない景色けしきをながめていました。
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「しかられないかなあ。」と、よっちゃんは、かんがえながら、トロッコのとおるたびに、線路せんろほうました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
時間じかんいくかいとなく、貨車かしゃや、客車きゃくしゃ往復おうふくするために、ねつはっし、はげしく震動しんどうする線路せんろでも、ある時間じかんは、きわめてしんとして、つめたく白光しろびかりのする鋼鉄こうてつおもて
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
出征しゅっせいさいは、○○えきから、徳蔵とくぞうさんは、出発しゅっぱつしたのです。兵隊へいたいさんをせた汽車きしゃとおると、国防婦人こくぼうふじん制服せいふくおんなたちは、線路せんろのそばにならんで、はたりました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
やまを一つすと、すでにさくらはな満開まんかいでした。あるちいさなえきにさしかかるまえさくらのある土手どてで四、五にん工夫こうふが、ならんでつるはしをげて線路せんろなおしていました。
汽車は走る (新字新仮名) / 小川未明(著)
としとった工夫こうふが、うつむきながら、線路せんろうてあるいていました。わか時分じぶんから、今日こんにちにいたるまではたらきつづけたのです。元気げんきで、よくふとっていたからだは、だんだんやせてきました。
よっちゃんは、汽車きしゃのことを、チイタッタといっていました。チイタッタといって、汽車きしゃ線路せんろうえはしってゆくからです。ちょうどこのときでした。ぐらぐらといえれはじめました。
時計とよっちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとこは、どうしたらいいだろうかとあわてて、すぐにもそうかとしました。汽車きしゃっている人々ひとびとは、みんなまどからかおして、何事なにごとこったのだろうかと線路せんろうえをながめていました。
窓の下を通った男 (新字新仮名) / 小川未明(著)