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斯
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かゝ
ふりがな文庫
“
斯
(
かゝ
)” の例文
生田は二人の入来るを見て別に驚く様子も無く立来りて丁寧に「何の御用でお出に成りました」と問う、目科は
斯
(
かゝ
)
る事に慣れし
丈
(
だ
)
け
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
半次郎
(
はんじらう
)
が雨の
夜
(
よ
)
の
怪談
(
くわいだん
)
に始めてお
糸
(
いと
)
の手を取つたのも
矢張
(
やはり
)
斯
(
かゝ
)
る家の
一間
(
ひとま
)
であつたらう。
長吉
(
ちやうきち
)
は
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
へぬ
恍惚
(
くわうこつ
)
と
悲哀
(
ひあい
)
とを感じた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
捨るぞや
強面
(
つれなき
)
親
(
おや
)
と
怨
(
うらみ
)
なせぞ
只
(
たゞ
)
此上は
善人
(
よきひと
)
に拾ひ上られ成長せば其人樣を父母と思ひて
孝行
(
かうかう
)
盡
(
つく
)
すべしと
暫時
(
しばし
)
涙に
昏
(
くれ
)
たりしが
斯
(
かゝ
)
る姿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
而
(
しか
)
して
斯
(
かゝ
)
る気運を喚起せしめたるもの種々あるべしと
雖
(
いへども
)
、トルストイ伯の出現こそ、露文学の為に万丈の光焔を放つものなれ。
トルストイ伯
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
都
(
すべ
)
て
人
(
ひと
)
たる
者
(
もの
)
は
常
(
つね
)
に
物事
(
ものごと
)
に
心
(
こゝろ
)
を
留
(
とゞ
)
め、
世
(
よ
)
に
新
(
あた
)
らしき
事
(
こと
)
の
起
(
おこ
)
ることあらば、
何故
(
なにゆゑ
)
ありて
斯
(
かゝ
)
る
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
しやと、よく
其本
(
そのもと
)
を
詮索
(
せんさく
)
せざるべからず。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
今
(
いま
)
から
數分
(
すうふん
)
以前
(
いぜん
)
にかの
船
(
ふね
)
が
本船
(
ほんせん
)
右舷
(
うげん
)
後方
(
こうほう
)
の
海上
(
かいじやう
)
に
於
(
おい
)
て
不思議
(
ふしぎ
)
にも
難破信號
(
なんぱしんがう
)
を
揚
(
あ
)
げた
事
(
こと
)
とで
考
(
かんが
)
へ
合
(
あは
)
せると
斯
(
かゝ
)
る
配慮
(
しんぱい
)
の
起
(
おこ
)
るのも
無理
(
むり
)
はあるまい。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ゆるし
給
(
たま
)
へ
我
(
わ
)
れはいかばかり
憎
(
にく
)
きものに
思召
(
おぼしめ
)
されて
物知
(
ものし
)
らぬ
女子
(
をなご
)
とさげすみ
給
(
たま
)
ふも
厭
(
いと
)
はじ、
我
(
わ
)
れは
斯
(
かゝ
)
る
果敢
(
はか
)
なき
運
(
うん
)
を
持
(
も
)
ちて
此世
(
このよ
)
に
生
(
うま
)
れたるなれば
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
かれかくして國を得ず、罪と恥をえむ、これらは彼が
斯
(
かゝ
)
る禍ひを輕んずるにより、彼にとりていよ/\重し 七六—七八
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
お瀧どのが一体逃去ったる義で御座り奉つり
候
(
そろ
)
、茂之助さんが大金を
出
(
いだ
)
して身請に及び、
斯
(
かゝ
)
る処の一軒の家まで求め
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
されど余は此事に就きて極々の素人なれば君が果してマクレオッドやらバスチヤやらそんな事は存ぜぬなり。
斯
(
かゝ
)
る詳細の系統は専門家たる君の命に従はん。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
斯
(
かゝ
)
る
風聞
(
ふうぶん
)
聞
(
きこ
)
えなば、
一家中
(
いつかちう
)
は
謂
(
い
)
ふに
及
(
およ
)
ばず、
領分内
(
りやうぶんない
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
まで
皆
(
みな
)
汝
(
なんぢ
)
に
鑑
(
かんが
)
みて、
飼鳥
(
かひどり
)
の
遊戲
(
あそび
)
自然
(
しぜん
)
止
(
や
)
むべし。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ヨセフの坑とは例の附会なるべきも、ドタンは昔より
斯
(
かゝ
)
る泉の為に羊を牧すべき地なりしならん。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
妾
(
せふ
)
を
斯
(
かゝ
)
る悲境に沈ましめ、殊に胎児にまで世の
謗
(
そし
)
りを
受
(
うけ
)
しむるを
慮
(
おもんばか
)
らずとは、是れをしも親の情といふべきかと、会合の
都度
(
つど
)
切
(
せつ
)
に
言聞
(
いひきこ
)
えけるに、彼も
流石
(
さすが
)
に憂慮の
体
(
てい
)
にて
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
振つて追立るなれば其の危うさは目もくるめき心も
消
(
きゆ
)
るばかりなりあはれ
斯
(
かゝ
)
る
景色
(
けいしよく
)
再びとは來られねば心のどかに杖を立て飽までに眺めんと思ふに其甲斐なし命一ツ全きを
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
斯
(
かゝ
)
る
中
(
なか
)
にも
社会
(
しやくわい
)
に
大勢力
(
だいせいりよく
)
を
有
(
いう
)
する
文学者
(
ぶんがくしや
)
どのは
平気
(
へいき
)
の
平三
(
へいざ
)
で
行詰
(
ゆきづま
)
りし
世
(
よ
)
を
屁
(
へ
)
とも
思
(
おも
)
はず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
斯
(
かゝ
)
る時、人は往々無念無想の
裡
(
うち
)
に入るものである。利害の念もなければ
越方
(
こしかた
)
行末の
想
(
おもひ
)
もなく、恩愛の情もなく憎悪の悩もなく、失望もなく希望もなく、たゞ空然として眼を開き耳を開いて居る。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
今まで余の集め得たる証拠は
総
(
すべ
)
て
彼
(
か
)
れの
外
(
ほか
)
に
真
(
まこと
)
の罪人あることを示せるに彼れ自ら白状したりとは何事ぞ、
斯
(
かゝ
)
る事の有り得べきや
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
礑
(
はた
)
と
白眼
(
にらみ
)
し其
形容
(
ありさま
)
に居並び居たる
面々
(
めん/\
)
何れも身の毛も
彌立
(
よだつ
)
ばかりに思ひ
斯
(
かゝ
)
る惡人なれば如何成事をや言出すらんと
皆々
(
みな/\
)
手に
汗
(
あせ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
恐
(
おそ
)
らく
私
(
わたくし
)
の
想像
(
さうぞう
)
は
誤
(
あやま
)
るまい、
實
(
じつ
)
に
天
(
てん
)
の
禍
(
わざはひ
)
は
人間
(
にんげん
)
の
力
(
ちから
)
の
及
(
およ
)
ぶ
處
(
ところ
)
ではないが、
今更
(
いまさら
)
斯
(
かゝ
)
る
災難
(
さいなん
)
に
遭
(
あ
)
ふとは、
實
(
じつ
)
に
無情
(
なさけな
)
い
次第
(
しだい
)
です。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
愛山君とて
正可
(
まさか
)
に
斯
(
かゝ
)
る御考にはあらざるべし、余とて正可に山陽が一代の文豪なりしを知らざる訳にもあらざるなり。
賤事業弁
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
然
(
しか
)
し目に見えない将来の
恐怖
(
きようふ
)
ばかりに
満
(
みた
)
された
女親
(
をんなおや
)
の
狭
(
せま
)
い胸には
斯
(
かゝ
)
る
通人
(
つうじん
)
の
放任
(
はうにん
)
主義は
到底
(
たうてい
)
容
(
い
)
れられべきものでない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そゞろに
発
(
おこ
)
りし悪心より人を殺した
天罰覿面
(
てんばつてきめん
)
、
斯
(
かゝ
)
る最後を
遂
(
と
)
げるというも
自業自得
(
じごうじとく
)
、
我身
(
わがみ
)
は
却
(
かえ
)
って
快
(
こゝろよ
)
きも、只
不憫
(
ふびん
)
な事は娘なり、血縁にあらねば重二郎どの
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯
(
か
)
うすれば斯うなる者、
斯
(
かゝ
)
る場合には斯る現象を生ずと
予
(
あらかじ
)
め人事を推断して、而して史を評する者なり。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
吹く風に
和
(
くわ
)
す唄ひ終つて忽ち見えず梅花道人鞍を打て歎じて曰く山川秀絶の氣
凝
(
こ
)
りて
斯
(
かゝ
)
る男子を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
老
(
おい
)
たる
親
(
おや
)
の
痩
(
や
)
せたる
肩
(
かた
)
もむとて、
骨
(
ほね
)
の
手
(
て
)
に
当
(
あた
)
りたるも
斯
(
かゝ
)
る
夜
(
よ
)
はいとゞ
心細
(
こゝろぼそ
)
さのやるかたなし。
雨の夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
籠中
(
かごのなか
)
の
人
(
ひと
)
聲
(
こゑ
)
を
震
(
ふる
)
はし、「お
人
(
ひと
)
の
惡
(
わる
)
い、
斯
(
かゝ
)
る
難儀
(
なんぎ
)
を
興
(
きよう
)
がりてなぶり
給
(
たま
)
ふは
何事
(
なにごと
)
ぞ。
君
(
きみ
)
の
御心
(
おんこゝろ
)
はいかならむ、
實
(
まこと
)
に
心細
(
こゝろぼそ
)
くなり
候
(
さふらふ
)
」と
年效
(
としがひ
)
もなく
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
す、
御傍
(
おそば
)
の
面々
(
めん/\
)
も
笑止
(
せうし
)
に
思
(
おも
)
ひ
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
暫らく秘して人に知らしむる
勿
(
なか
)
れとの事に、
妾
(
せふ
)
は不快の念に堪へざりしかど、
斯
(
かゝ
)
る不自由の身となりては、今更に
詮方
(
せんかた
)
もなく、彼の言ふが
儘
(
まゝ
)
に従ふに
如
(
し
)
かずと閑静なる処に寓居を
構
(
かま
)
へ
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
願ふ所にて
恨
(
うら
)
みも
晴
(
はれ
)
たれば一ト通りの
歎願
(
たんぐわん
)
にてはとても助命
覺束
(
おぼつか
)
なく思ひ六右衞門の申立たる棄子に事寄吉兵衞が差當りての
作意
(
さくい
)
にて
斯
(
かゝ
)
ることを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何者が何の為にコロップの栓の裏に
斯
(
かゝ
)
る切創を附けたるにや、其創は
最
(
もっとも
)
鋭き刃物にて刺したる者にて老人の
咽
(
のんど
)
を刺せし
兇刃
(
きょうじん
)
も
斯
(
かゝ
)
る
業物
(
わざもの
)
なりしならん
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
勿論
(
もちろん
)
私
(
わたくし
)
は
不束
(
ふつゝか
)
ながらも
一個
(
いつこ
)
の
日本男子
(
につぽんだんし
)
であれば、
其
(
その
)
國
(
くに
)
の
名
(
な
)
に
對
(
たい
)
しても、
斯
(
かゝ
)
る
塲合
(
ばあひ
)
に
第
(
だい
)
一に
逃出
(
にげだ
)
す
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
この時に当つて句を求むるも得べからず。
作調家
(
タイミスト
)
は遠く離れたり。詩人は
斯
(
かゝ
)
る境界にあつて、句なきを甘んずべし。
松島に於て芭蕉翁を読む
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
呆
(
たわけ
)
、其の方支配を致す身の上で有りながら、其の
店子
(
たなこ
)
と云えば子も同様と下世話で申すではないか、其の子たる者の
斯
(
かゝ
)
る難儀をも知らんで
居
(
お
)
るという事は無い
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
肥
(
こ
)
えたる
腮
(
あご
)
の
二重
(
ふたへ
)
なるなど、
斯
(
かゝ
)
る
人
(
ひと
)
さへある
身
(
み
)
にて
我
(
わ
)
れは
二心
(
ふたごゝろ
)
を
持
(
も
)
ちて
濟
(
す
)
むべきや、ゆめさら
二心
(
ふたごゝろ
)
は
持
(
も
)
たぬまでも
我
(
わ
)
が
良人
(
をつと
)
を
不足
(
ふそく
)
に
思
(
おも
)
ひて
濟
(
す
)
むべきや、はかなし、はかなし
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
日本の座敷に据付けた古物のピアノの恐しく音色の惡いばかりでない。自分の手腕の未熟なばかりでない。日本の居室全體の心持が
斯
(
かゝ
)
る種類の音樂にはどうしても一致しない。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
斯
(
かゝ
)
る注入的の教育を以て人物を作らんとす、吾人其
太
(
はなは
)
だ難きを知る、昔し藤森弘庵、藤田東湖に語りて曰く、水藩に於て学校の制を立てしこと尋常一様の士を作るには足りなん
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
出
(
いだ
)
す此人
若
(
も
)
し東京に
出
(
いで
)
て學ぶこと多年ならばいかなる英傑とならんも知れずと我輩曰く
斯
(
かゝ
)
る奇才子は宜しく此の山間に生涯を終りて奇を
丘壑
(
きうがく
)
に
埋
(
うづ
)
むべし然らずして東京へ
出
(
いで
)
てなまじひに學問を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
斯
(
かゝ
)
る無邪気の労力をもて我はわが胸中に
蟠
(
わだかま
)
りたる不平を抑へつ、疲れて帰る夜の
麦飯
(
むぎめし
)
の味、今に忘れず、老畸人わが往事を説きて大に笑ふ時、われは頭を垂れて冥想す。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
藤「いや面目次第もございません、一時の心得違いから屋敷を出まして、
尾羽
(
おは
)
打ち枯らした身の上、
斯
(
かゝ
)
る処へ中原
氏
(
うじ
)
が参ろうとは存じません、面目次第もございません」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若し母と寧児さえ無くば
妾
(
わらわ
)
斯
(
かゝ
)
る危き所へ足蹈もする筈なけれど妾の如き薄情の女にも母は懐しく児は愛らしゝ一ツは母の懐しさに
引
(
ひか
)
され一ツは子の愛らしさに引されしなり
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
始めて東京へ出て来た地方の人は、電車の
乗換場
(
のりかへば
)
を間違へたり
市中
(
しちゆう
)
の道に迷つたりした
腹立
(
はらだち
)
まぎれ、
斯
(
かゝ
)
る地名の虚偽を以てこれ
亦
(
また
)
都会の憎むべき悪風として観察するかも知れない。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
斯
(
かゝ
)
る苦界に沈んで居るとは如何にも不憫、盲目の身で会っても益ないが、何うかして此の金をやりたいというので、渡邊外記から餞別に貰った百両を包み、重三郎に頼み
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
吾人は敢て魯文柳北二翁を詰責するものにあらず、唯だ斯かる混沌時代にありて、指揮者をもたざる国民の思想に投合すべきものは、悲しくも
斯
(
かゝ
)
る種類の文学なることを明言するのみ。
明治文学管見:(日本文学史骨)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
肋
(
あばら
)
へ
突込
(
つきこ
)
みこじり廻せば、山本志丈は其の儘にウンと云って身を
顫
(
ふる
)
わせて、
忽
(
たちま
)
ち息は絶えましたが、此の志丈も伴藏に
与
(
くみ
)
し、悪事をした天罰のがれ難く
斯
(
かゝ
)
る非業を遂げました
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯
(
かゝ
)
る
曲物
(
くせもの
)
を置きたりとて何の
障
(
さは
)
りにもなるまじけれど、その
芥
(
あくた
)
ある処に集り、
穢物
(
ゑぶつ
)
あるところに群がるの性あるを見ては、人間の往々之に類するもの多きを想ひ至りて
聊
(
いさゝ
)
か
心
(
むね
)
悪くなりたれば
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
斯
(
かゝ
)
る次第ゆえ、此の始末を娘が
聞知
(
きゝし
)
る時は、
憂
(
うれい
)
に
迫
(
せま
)
り
病
(
やまい
)
重
(
おも
)
って
相果
(
あいは
)
てるか、
願
(
ねがい
)
の成らぬに力を落し、自害をいたすも知れざるゆえ、
何卒
(
どうぞ
)
此の事ばかりは娘へ
内聞
(
ないぶん
)
にして下さらば
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
後の世の
仕合
(
しあわせ
)
であると申したという、お咳などには大妙薬である、
斯
(
かゝ
)
る結構な物を毒とは何ういう
理由
(
わけ
)
だ
尤
(
もっと
)
も其の時に
盜跖
(
とうせき
)
という大盗賊が手下に話すに、
是
(
こ
)
れは
好
(
よ
)
いものが出来た
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯
(
かゝ
)
る
殊勝
(
しゅしょう
)
の
体
(
てい
)
を見て、作左衞門は始めて夢の覚めたように、茫然として暫く考え
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
只一人
斯
(
かゝ
)
る山の中に居って、
躬
(
みずか
)
ら
自然薯
(
じねんじょ
)
を掘って来るとか、
或
(
あるい
)
は
菌
(
きのこ
)
を
採
(
と
)
るとか、
薪
(
たきゞ
)
を採るとか、女ながら随分荒い稼ぎをして
微
(
かす
)
かに暮しておるという
独身者
(
ひとりもの
)
さ、見れば器量もなか/\
好
(
よ
)
い
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又「是は
怪
(
け
)
しからん所で御面会、
斯
(
かゝ
)
る場所にて
何
(
なに
)
とも面目次第もござらん」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯
(
かゝ
)
る悪人を助けおかば
旗下
(
はたもと
)
の次三男をして共に大伴の悪事に
染
(
し
)
みて、非道の行いを見習わせれば実に天下の
御為
(
おんため
)
にならぬ、捨置きがたき奴、此の兄弟は文治郎
此処
(
こゝ
)
に
於
(
おい
)
てずた/\に斬り殺し
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯
漢検準1級
部首:⽄
12画
“斯”を含む語句
斯様
僂麻質斯
斯々
如斯
螽斯
波斯
莫斯科
斯樣
斯道
窒扶斯
腸窒扶斯
瓦斯
瓦斯灯
斯般
瓦斯暖炉
俄羅斯
斯如
水素瓦斯
瓦斯燈
毒瓦斯
...