必要ひつよう)” の例文
それがまへつたように人間にんげんおほくなるにつれて木材もくざいがいよ/\おほ必要ひつようとなり、どんどんるため、村落そんらくちかやまはもとより
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
「なに、こればかしの病気びょうきは、じきになおってしまう。あとになって、また、あのくすり必要ひつようなときがあるだろう。」と、あにこたえました。
村の兄弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もちろんこういう散歩さんぽのおり、リーズはものは言えなかったが、きみょうなことに、わたしたちはなにもことばの必要ひつようはなかった。
おな日本につぽん石器時代せつきじだい人々ひと/″\のおたがひ交通こうつうとか、文化ぶんか關係かんけいなどをるには、土器どき模樣もようかたちなどを研究けんきゆうすることが必要ひつようであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
見るところ、花前は、ほとんど口をきく必要ひつようのないまで、自分の思うとおりを直行ちょっこうするほか、なんの考えるところもないらしい。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
わがくにごと地震國ぢしんこくおいては、地震ぢしん出會であつたときの適當てきとう心得こゝろえ絶對ぜつたい必要ひつようなるにもかゝらず、從來じゆうらいかようなものがけてゐた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
つまりその作物さくぶつ背景はいけいになつてゐるものをのみこんで、しんうたなり俳句はいくなりをあぢはるといふことが、どうしても必要ひつようなのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
カワウソはそれ以上言う必要ひつようはありませんでした。ズルスケはガンのあとを追っかけて、もうずっと遠くへいってしまっていたのでした。
が、このとしてはそうした方便ほうべん必要ひつよう毛頭もうとうなく、もともと純潔じゅんけつ小供こども修行しゅぎょうには、最初さいしょから幽界ゆうかい現実げんじつ目覚めざめさせるにかぎるのじゃ。
ていいさゝか空氣くうき缺乏けつぼうかんずることなく、十時間じかんでも二十時間じかんでも、必要ひつようおうじて海底かいてい潜行せんかう繼續けいぞくすること出來できるのである。
城内じょうないの者ならば、なにも、このんであんなところにひそんでいる必要ひつようはあるまい。第一、なんだかそのかげ大人おとななみの人間にしてはすこし小さい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いったいどんなものを歌う必要ひつようがあるのか?」ゴットフリートは長い間だまっていてから、ほっといきをしていった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
しかし、ペテロの銅像どうぞうには、ぜひ、馬が必要ひつようでした。なぜなら、ペテロは馬にのって、戦場せんじょうにかつやくしました。そして、馬といっしょに、死んでいました。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
きさきよ、わたしたちは、ヨハネスをもういちど生きかえらせてやることができるのだよ。しかし、それにはふたりの子どもが必要ひつようなのだ。わたしたちは、あのふたりを
冷却れいきゃくしてのち飛散ひさんするとすれば、高尚こうしょうなるほとんかみごと智力ちりょくそなえたる人間にんげんを、虚無きょむより造出つくりだすの必要ひつようはない。そうしてあたかあざけるがごとくに、またひと粘土ねんどする必要ひつようい。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
けれどもこれは必要ひつようがない。かえって混雑こんざつするだけだ。とにかくひどくさかになった。こんな工合ぐあい丁度ちょうどよく釜淵かまぶちに下りるんだ。遠くで鳥も鳴いているし。下の方でたにがひどく鳴っている。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
つまり、あのマレイとの出あいは、わたしのたましいおくに、わたしがちっとも気がつかないのに、ひとりでにいつのまにかはいりこんでいて、ちょうど必要ひつようなときになって、ふいにかび出たわけです。
しかしその時代にいちばん必要ひつような腕っぷしの力がなかった。体は小さく腕やあしはひょろひょろしていて、自分より五つも六つも年下の子供とすもうを取っても、たわいもなく投げばされてしまった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
灰色はいいろ着物きものあねは、べつに姿すがたえる必要ひつようもなかったので、あるほしひかりももれないくら真夜中まよなか下界げかいりてきたのです。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
行火あんかかはりにまでももちひられるようになり、今日こんにちでは人間にんげん生活上せいかつじよう電氣でんき寸時すんじくことの出來できない必要ひつようなものとなりました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
火山かざん地震ぢしん強敵きようてきである。強敵きようてきおそれずとは戰爭せんそうだけに必要ひつよう格言かくげんでもあるまい。むかしひとはこれらの自然現象しぜんげんしようなりおそれたものである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
このごちそうがけっして食後の卓上演説たくじょうえんぜつ必要ひつようとするほどりっぱなものではなかったのはもちろんであるが、わたしは食事がすんだところで
繪葉書えはがきよりおほきな寫眞しやしん必要ひつようひとには、その希望きぼうにまかせてそれ/″\の寫眞しやしんるようにもなつてゐるのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「ところで、ただいまもうした咲耶子さくやこという女は、なにか、そこもとのほうでらえておく必要ひつようがおありなのか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「じぶんが生きていくのに、必要ひつよういじょうの動物を殺さないものは、生きていたっていいですがね。ところが、あいつらときたらまったくひどいんですよ。」
本当ほんとうだ、どんなものを歌う必要ひつようがあるか?……彼はやさしさとかなしみでむねが一ぱいになるのをかんじた。牧場まきばを、河を、空を、なつかしいほしを、むねきしめたかった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
だからそのてんにおいて、そのおうたが、第一番だいゝちばんのものでなくとも、なに失望しつぼうする必要ひつようはありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
答『むろん沢山たくさん眷族けんぞくがある。人霊じんれい天狗てんぐ動物霊どうぶつれい……必要ひつようおうじていろいろそろえてある……。』
つまり、こうすれば、からだをまげる必要ひつようがありませんから、背中せなかのいたむようなこともありませんし、またもうひとつには、思いがけないわざわいをこうむることもないのです。
『しかしきみわたしなにもワルシャワへ必要ひつよういのだから、きみ一人ひとりたまえ、そうしてわたしをどうぞさき故郷こきょうかえしてください。』アンドレイ、エヒミチは哀願あいがんするようにうた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
けれど、わたくし大佐たいさいま境遇きやうぐういては、一言いちげんとひはつしなかつた。差當さしあたつてたづねる必要ひつようく、また容易ようゐならざる大佐たいさ秘密ひみつをば、輕率けいそつひかけるのは、かへつれいしつするとおもつたからで。
なに心配しんぱいする必要ひつようはなかった。昨日きのうとおったばかりのみちでも、すこしも退屈たいくつではなかった。こころ誠意せいいをもっておこないをするときには、ぼくらはなんどおなじことをしても退屈たいくつするものではない、とわかった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
いますこし勉強するのはもっとも必要ひつようだね
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
それで、美代子みよこは、大事だいじにして、そのまめはこなかにいれてしまっておきました。しかしこの必要ひつようは、まったくなかったのです。
ごみだらけの豆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たゞ此斥候このせつこう報告書ほうこくしよともづくべきものは、たん地震波ぢしんぱ種々しゆ/″\形式けいしきのみであるから、これを書取かきと其上そのうへにそれをることを必要ひつようとする。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
第一だいいちに、青々あを/\した、といふものは、植物しよくぶつにとつては一番いちばん大切たいせつで、ちょうどわれ/\の心臟しんぞうちようのような、生活上せいかつじよう必要ひつよう器官きかんです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
もう雌牛めうしを買うことも、人形を買うこともいらなかった。お金持ちの両親の所へお金を持って行ってやる必要ひつようもなかった。
おほきい博物館はくぶつかんをつくることはかねさへあれば容易よういでありますが、博物館はくぶつかんをつくることは金以外かねいがいさら知識ちしき必要ひつようでありますから、餘程よほど困難こんなんなことになります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ヤッローは、もうクローリナには答える必要ひつようはないと思いましたが、セーサルの耳もとでこう言いました。
そなたの統一とういつもそのへんまですすめば大丈夫だいじょうぶ大概たいがい仕事しごと差支さしつかえることもあるまい。したがってそなたがこのうえここに必要ひつようもなくなったわけ……ではこれでおわかれじゃ……。
書物しよもつはたくさんまなくても、耳食じしよくひとにならない用心ようじん必要ひつようです。うた解釋かいしやくしてると
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
……どんなのでも、どんなのでもあるんだよ。なんでほかのをつくる必要ひつようがあるものか。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
しかるにこんな不潔ふけつ有様ありさまでは駄目だめだ。また滋養物じようぶつ肝心かんじんである。しかるにこんなくさ玉菜たまな牛肉汁にくじるなどでは駄目だめだ、また補助者ほじょしゃ必要ひつようである、しかるにこんな盗人ぬすびとばかりでは駄目だめだ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それほどくつが必要ひつようにせまられていたのだ。すると、たしかにほかのみせよりは、よい品物しなものやすえるので、もとめたのである。
アパートで聞いた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みぎはなしすゝめるについて必要ひつようなのは津浪つなみ概念がいねんである。津浪つなみ海嘯かいしようなる文字もんじがよくあててあるがこれは適當てきとうでない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
十年まえかれらの父親はこの花畑を買って、自分で家をてた。かれに土地を売った男は植木屋として必要ひつよう材料ざいりょうを買う金をもやはりかれにしていた。
ちからつよいくまは、いままで、こんなに、からだなかにあったちからをすっかりしたことはなかったのです。なぜなら、その必要ひつようがなかったのでした。
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おい、気をつけて、わたしの姿すたが見失みうしなわないように」と親方が注意した。けれどかれの注意は必要ひつようがなかった。
本篇ほんぺんおいては全部ぜんぶこれを活火山かつかざんづけて必要ひつようのあつた場合ばあひ休活きゆうかつ區別くべつをなすことにする。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
みなみくにへさえってゆけば、一つがいくりょうにもなる品物しなものばかりだ。これをやるのはしい。こんなに高価こうかなものをおれいにする必要ひつようはないのだ。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)