小山こやま)” の例文
「このつぎから、教室きょうしつへこんなものをってはいったらゆるさないぞ。」と、時間じかんわったときに、先生せんせいは、小山こやまにおっしゃいました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むさゝびからぬがきツ/\といつてむねへ、やがおよ小山こやまほどあらうと気取けどられるのがむねすほどにちかづいてて、うしいた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
砧村きぬたむら途中とちう磨石斧ませきふひろひ、それから小山こやまあがくちで、破片はへんひろつたが、此所こゝまでに五ちかあるいたので、すこしくまゐつてた。
小山こやまのような鼻、くさむらのようなまゆ、例の黄と黒のダンダラのかみの毛は、部屋の天井にただよう、あやしい雲のようです。
虎の牙 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかうすひかりはたけうねかたちづくつてなが小山こやま頂點ちやうてんえていくらもちからおよぼさなかつた。どのうねでもそのかげ依然いぜんとしてしろかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「この前、わたしたちがここを通ったときにはね、ここらあたりは赤土の小山こやまだったがね、たしかに、穴なんかなかった」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
碑文谷ひもんや、武蔵小山こやま戸越とごし銀座など、見たことも聞いたこともない名前の町が、広漠たる野原の真中に実在して、夢に見る竜宮城のように雑沓している。
秋と漫歩 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
「ガーフ」になつかしき帝國ていこく軍艦旗ぐんかんきひるがへせるかの白色はくしよく巡洋艦じゆんやうかんは、此邊このへん海底かいていふかくして、いかりたうずることもかなはねば、あだか小山こやま動搖ゆるぐがごとく、みぎひだり漂蕩へうたうしてる。
秋のことだから尾花おばなはぎ女郎花おみなえしのような草花が咲き、露が一杯に下りて居ります。秋の景色は誠に淋しいもので、裏手は碓氷の根方ねがたでございますから小山こやま続きになって居ります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
とほくからますと小山こやまのようであり、ちかくにきますとおほきなまつ御陵ごりようのまはりにしげつてじつ神々かう/″\しく、參拜者さんぱいしやたれでもその威嚴いげんたれるのであります。(第六十三圖だいろくじゆうさんず
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
自分の書斎にはいって来たるは小山こやまという青年で、ちょうど自分が佐伯にいた時分と同年輩の画家である、というより画家たらんとて近ごろ熱心に勉強している自分と同郷の者である。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さして高くない一連の小山こやまふもとに添って
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
こんこん小山こやま野狐のぎつね
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
小山こやまの上の草原くさはら
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
小山こやまさん——」
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
青き小山こやま
くるとしちゃんは、学校がっこうへいくと、やすみの時間じかんに、運動場うんどうじょう砂場すなばで、小山こやまといっしょに砂鉄さてつるのに夢中むちゅうになっていました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほどたつて、裏山うらやま小山こやまひとした谷間たにあひいはあなに、うづたかく、そのもちたくはへてあつた。いたちひとつでない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
叫んだのは小山こやまミチミだ。杜はかねてその生徒に眩しい乙女シャイニング・ミミーという名を、ひそかにつけてあった。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かゝしまこととて、みちなどのあらうはづはなく、熊笹くまざゝあひだ掻分かきわけたり、幾百千年いくひやくせんねんらいつもつもつて、あだか小山こやまのやうになつて落葉おちばうへんだり、また南半球みなみはんきゆう特有とくいう黄乳樹わうにうじゆとて
午後ごごから村落むらのどのいへからも風呂敷包ふろしきづゝみめしつぎや重箱ぢゆうばこれうはこばれた。老人等としよりらみなそれほこりだらけな佛壇ぶつだんまへそなへた。きたな風呂敷包ふろしきづゝみ小山こやまごとまれたとき念佛ねんぶつ太鼓たいこまたつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
小山こやまさんおどくですね。』
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
小山こやま観音」
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
磁石じしゃくうごかし具合ぐあいで、人形にんぎょうどうしは、たちまちチャンバラをはじめるのです。小山こやまは、先生せんせいのおはなしなど、みみれようともしないのです。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれはさうしてふたゝびきよろ/\と周圍ぐるりた。勘次かんじいくつかの小山こやまかたちづくつたはひわら粟幹あはがらでしつかとふたをした。かれはそれをはたさうとしたので、あめたせぬ工夫くふうである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何処どこまでもひとしのいだ仕打しうち薬売くすりうり流盻しりめにかけてわざとらしうわし通越とほりこして、すた/\まへて、ぬつと小山こやまのやうなみち突先とつさき蝙蝠傘かうもりがさしてつたが、そのまゝむかふへりてえなくなる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をりからはるかのおきあたつて、小山こやまごと數頭すうとう鯨群くじらのむれは、うしほいておよいでた。
小山こやまくんが、先生せんせいに、ぼくたちのことをいいつけたんだ。だから、先生せんせいが、ぼくたちのそばまできて、のぞこうとしたんだ。」
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
工事中こうじちう土瓦つちかはらのもりあがつた海邊橋うみべばしを、小山こやまごと電車でんしやは、なだれをきふに、胴腹どうばら欄干らんかんに、ほとん横倒よこだふしにかたむいて、橋詰はしづめみぎつたわたしたちの横面よこつらをはねばしさうに、ぐわんととき
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ござをかしてくれれば、一つあげるよ。」と、勇二ゆうじが、いいました。小山こやまは、きゅうに、たのしそうな顔色かおいろになりました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
くびめてころさばころせで、這出はひだすやうにあたま突附つきつけると、真黒まつくろつて小山こやまのやうな機関車きくわんしやが、づゝづと天窓あたまうへいてとほると、やはらかいものがつたやうな気持きもちで、むねがふわ/\と浮上うきあがつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「もし、きていらして、あの小山こやまくんのおとうさんみたいに、凱旋がいせんなさったらなあ。」と、かんがえると、おもっただけで、びたつようながしました。
夕焼けがうすれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
とゞかぎ不残のこらずいはで、次第しだいおほきみづひたつたのはただ小山こやまのやう。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おんな乞食こじきは、ふたたび、ままなからだになって、はな野原のはらや、うみえる街道かいどうや、若草わかくさしげ小山こやまのふもとなどを、たびしたくなったのであります。
お姫さまと乞食の女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たっちゃん、べいを一つあげよう、これは、ほんとうに、きみにあげるのだよ。」と、善吉ぜんきちが、こまをやって、小山こやまのきげんを、なおそうとしました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの野原のはらや、小山こやまえているようなまつとちがって、おれは、ひどいあらしにも、またゆきにもけるものじゃない。
海の踊り (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、いまにもなにか不思議ふしぎな、めずらしいものが、その小山こやまのいただきのあたりにおどがらないかと、はかない空想くうそういだきながらっていたのでした。
北の少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくたちは、んぼの、小道こみちあるいて、もりのあるむらとおり、そして、さびしい小山こやまのふもとへました。
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのときおもいがけなく、れい木島きじま梅沢うめざわ小山こやま乱暴者らんぼうものが三にんでやってきて
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
光治こうじきゅうにも、やはり木島きじまとか梅沢うめざわとか小山こやまとかいう乱暴らんぼうのいじ悪者わるものがいて、いつもかれらはいっしょになって、自分じぶんらのいうことにしたがわないものをいじめたり、かせたりするのでありました。
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)