一枚いちまい)” の例文
それだけあれば、もうはやくに煙草たばこ燒芋やきいもと、大福餅だいふくもちになつてた。煙草たばこ五匁ごもんめ一錢いつせん五厘ごりん燒芋やきいも一錢いつせんだい六切むきれ大福餅だいふくもち一枚いちまい五厘ごりんであつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二三株にさんかぶ比較的ひかくてきおほきなはんつてところわづか一枚いちまいいたはしなゝめけてある。おしなはしたもと一寸ちよつとどまつた。さうしてちかづいた自分じぶんいへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それは日本につぽんにもちょっとられないすばらしいかたちのもので、下部かぶ長方形ちようほうけいはこのようにつくり、そのおほきいものになると、うへせてある一枚いちまい天井石てんじよういしながさが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ソレカラ私は誰にも相談せずに、毎晩掻巻かいまき一枚いちまい敷蒲団しきぶとんも敷かず畳の上に寝ることを始めた。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
清楚せいそな八畳、すみに小さな仏壇がある。床に一枚いちまい起請文きしょうもんを書いた軸が掛かっている。寝床のそばに机、その上に開いた本、他のすみに行灯あんどんがある。庭には秋草が茂っている。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
この屏風形べうぶがたいわは、遠方えんぽうからると、たゞ一枚いちまい孤立こりつしてるやうだが、いまそのうへのぼつてると、三方さんぽう四方しほうおなかたちいわがいくつもかさなつて、丁度ちやうど羅馬ローマ古代こだい大殿堂テンプル屋根やねのやうなかたちをなし
吉林の古著の市の一枚いちまいべつかとばかりわれ哀れなり
いたまぬならねどしゆうへなほさらにづかはしくかげになり日向ひなたになり意見いけん數々かず/\つらぬきてや今日けふ此頃このごろそでのけしきなみだこゝろれゆきてえんにもつくべしよめにもかんと言出いひいでしことばこゝろうれしく七年越しちねんごしのえて夢安ゆめやすらかに幾夜いくよある明方あけがたかぜあらくまくらひいやりとして眼覺めさむれば縁側えんがは雨戸あまど一枚いちまいはづれてならべしとこ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おゝい、おゝい、母屋おもやつどへる人數にんずには、たらひたゞ一枚いちまいおほいなる睡蓮れんげしろはなに、うつくしきひとみありて、すら/\とながりきとか。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
王樣おうさまはかおもはれる立派りつぱはかでも、かゞみ一枚いちまいされないのは、じつ奇妙きみようおもはれますが、まさか新羅しらぎひとでもかゞみ使つかはず、お化粧けしようをしなかつたとはおもはれませんので、かゞみもちひてゐたけれども
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
……すこしばかり巾着きんちやくからひきだして、夫人ふじんにすゝむべく座布團ざぶとん一枚いちまいこしらへた。……お待遠樣まちどほさま。——これから一寸ちよつとうすどろにるのである。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其處そこ原稿料げんかうれうは?……んでもない、わたしはまだ一枚いちまいかせぎはしない。先生せんせいのは——内々ない/\つてゐるが内證ないしようにしてく。……
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こゝにをくふ平吉へいきち博奕仲間ぶちなかまたのんで、あはせ綿入わたいれ一枚いちまいづゝ、おびへて質入しちいれにして、小助こすけにぎつた金子かねが……一歩いちぶとしてある。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かしても、何處どこにもその姿すがたえないで、まつた銀杏いてふが、一枚いちまいひら/\とぶのがえた。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
先生せんせい小清潔こざつぱりとまゐりませんでも、せめて縞柄しまがらのわかりますのを、新年しんねん一枚いちまいぞんじます……おそりますが、お帳面ちやうめんを。」「また濱野屋はまのやか。」神樂坂かぐらざかには
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白井しらゐさんの姿すがたは、よりもつきらされて、正面しやうめんえんつて、雨戸あまど一枚いちまいづゝがら/\としまつてく。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
濱野はまのさんがかへつてから、その一枚いちまいみづひたして、そして佛壇ぶつだんあかりてんじた。つゝしんでまもつたのである
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二日ふつか午後ごごけむり三方さんぱうながら、あきあつさは炎天えんてんより意地いぢわるく、くはふるに砂煙さえん濛々もう/\とした大地だいち茣蓙ござ一枚いちまい立退所たちのきじよから、いくさのやうなひとごみを、けつ、くゞりつ
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かういふときだ。在郷軍人ざいがうぐんじんが、シヤツ一枚いちまいで、見事みごとくつわ引留ひきとめた。が、このおほきなものを、せまい町内ちやうない何處どこへつなぐところもない。御免ごめんだよ、たれもこれをあづからない。そのはずで。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
爪紅つまべにのまゝに、一枚いちまいづゝ、きみよ、とむるにや。あにひとりきよふべけんや。袖笠そでがさかつぎもやらず、杖折戸しをりど立出たちいづる。やま野菊のぎくみづて、わたつまさきみだれたり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
印半纏しるしばんてん一枚いちまいされて、いさゝかもめげないで、自若じじやくとしてむねをたゝいてるのに、なほまんちやんがある。久保田くぼたさんは、まるけのしかも二度目にどめだ。さすがに淺草あさくさにいさんである。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とんさんの厚意こういだし、こゑいたら聞分きゝわけて、一枚いちまいづゝでもつけようとおもふと、れてもククともかない。パチヤリとみづおともさせなければ、ばんはまた寂寞しんとしてかぜさへかない。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
木尻座きじりざむしろに、ゆたかに、かどのある小判形こばんがたにこしらへてんであつたもちを、一枚いちまい、もろ前脚まへあし抱込かゝへこむと、ひよいとかへして、あたませて、ひとかるうねつて、びざまにもとの障子しやうじあなえる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
地獄ぢごくぶやうにすべむと、あを火鉢ひばち金色きんいろひかつて、座布團ざぶとん一枚いちまい、ありのまゝに、萌黄もえぎほそ覆輪ふくりんつて、しゆとも、とも、るつぼのたゞれたごとくにとろけて、燃拔もえぬけた中心ちうしんが、藥研やげんくぼんで
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じつ六十幾歳ろくじふいくさい婆々ばゞで、かもじをみだし、しろぬのを裸身はだかみいた。——背中せなかに、引剥ひつぺがした黒塀くろべいいた一枚いちまい背負しよつてる。それ、トくるりと背後うしろきさへすれば、立處たちどころ暗夜やみ人目ひとめえたのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたしたのが手織木綿ておりもめん綿入わたいれ一枚いちまい
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)