金銀きんぎん)” の例文
そのとき、ふと、くに時分じぶんに、荷物にもつなかれてってきた金銀きんぎん細工物さいくものとさかずきのまだ、らずにあったことをおもいつきました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金銀きんぎん珠玉しゆぎよくたくみきはめ、喬木けうぼく高樓かうろう家々かゝきづき、花林曲池くわりんきよくち戸々こゝ穿うがつ。さるほどに桃李たうりなつみどりにして竹柏ちくはくふゆあをく、きりかんばしくかぜかをる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
どこもかしこも金銀きんぎんやさんごでできていて、おにわには一年中いちねんじゅうくりかきやいろいろの果物くだものが、りきれないほどなっていますよ。
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
日本書紀につぽんしよき』のなかにも、新羅しらぎくに金銀きんぎんのたくさんにあるくにであるとゐてありますがそれはたしかにほんとうです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
漫々まん/\たる海洋かいやううへ金銀きんぎん財寳ざいほう滿載まんさいせるふねみとめたときには、ほうまた衝角しようかくをもつて一撃いちげきもとそのふね撃沈げきちんし、のち潜水器せんすいきしづめてその財寳ざいほう引揚ひきあげるさうである。
「いろいろですね。金銀きんぎん、ニッケルやコバルトなどの化合物かごうぶつ、そしてさんやアルカリです」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
殺害せつがいに及び國元を脱走かけおちし當地へまかり出小川町へん武家奉公ぶけほうこうに身分をいつはりて住込すみこみ奉公中所々にて金銀きんぎん衣類等をぬすみ取右の金を資本もとでとして當時の住所へ借宅しやくたくなし醫業を表に種々の惡事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのうちに、皇子おうじのほうからは、たびたび催促さいそくがあって、そのうえに、たくさんの金銀きんぎん宝石ほうせきるいくるまんで、おひめさまにおくられました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
哥太寛こたいくわん餞別せんべつしました、金銀きんぎんづくりの脇差わきざしを、片手かたてに、」と、ひぢつたが、撓々たよ/\つて、むらさききれみだるゝまゝに、ゆる博多はかた伊達卷だてまきへ。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ごちそうをべてしまうと、こんどは金銀きんぎん、さんご、るり、めのうと、いろいろのたからしました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
耳にはさみ神奈川より付て參り江尻えじりに於て其侍士さふらひを切殺し金銀きんぎん諸品しよしなうばひ取候と申立ければいさぎよき白状神妙しんめうなり又幸之進かうのしんを殺せしはたれにて馬士まごを殺たるは誰なるやとたづねられしに幸之進を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おとこったあとで、むすめふくろけてみますと、そのなかには、無数むすう金銀きんぎんこなはいっていて、もくらむばかりでありました。
ろうそくと貝がら (新字新仮名) / 小川未明(著)
とき流行りうかうといへば、べつして婦人ふじん見得みえ憧憬しようけいまとにする……まととなれば、金銀きんぎんあひかゞやく。ゆみまなぶものの、三年さんねん凝視ぎようしひとみにはまとしらみおほきさ車輪しやりんである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しばらくするとこうにりっぱなもんえて、そのおく金銀きんぎんでふいた御殿ごてん屋根やねがあらわれました。
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
このとき、うらなしゃそらあおぎました。いつしかそらには、金銀きんぎんすなをまいたように、燦爛さんらんとしてほしかがやいていました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
したまたたなありて金銀きんぎん珠玉しゆぎよくれり。西にしばうには漆器しつきあり。蒔繪まきゑあらたなるもののごとし。さてそのきたばうにこそ、たまかざりたるひつぎありけれ。うち一人いちにん玉女ぎよくぢよあり。けるがごとし。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
って、さっそくつづらのふたをあけますと、中から目のさめるような金銀きんぎんさんごや、宝珠ほうじゅたまが出てきました。それをるとおじいさんは、とくいらしいかおをしていました。
舌切りすずめ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして、だなのなかから、昨夜ゆうべった金銀きんぎん小判こばんしてみようとしますと、また、いつわったものか、やはりせんべいの小判こばんであったのであります。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こゝにおいて、はじめは曲巷ちまた其處此處そここゝより、やがては華屋くわをく朱門しゆもんされて、おくらざるところほとんすくなく、かれすもの、不具ふぐにしてえんなるををしみて、金銀きんぎん衣裳いしやうほどこす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
するとどうでしょう、中を目のくらむような金銀きんぎんさんごとおもいのほか小僧こぞうだの、ひと小僧こぞうだの、がま入道にゅうどうだの、いろいろなおけがにょろにょろ、にょろにょろして
舌切りすずめ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
年寄としよりのいうことですが、なんでもしずかな真昼まひるごろ、足音あしおとをたてずに、いけちかよると、金銀きんぎんの二ひきのへびが、たわむれながら、水面すいめんおよいで、おやしろのほうへ
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
とき十二月じふにぐわつなんだけれど、五月ごぐわつのお節句せつくの、これこひそれ金銀きんぎんいとつばさかゞやにじ手鞠てまりにしてげたやうに、そらつて孔雀くじやくも、にはかへつてるの……燻占たきしめはせぬけれど
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
するとその拍子ひょうしあたまはちがぽっくりちて、それといっしょに、ばらばらと金銀きんぎん宝石ほうせきがこぼれちました。宰相さいしょうはこのときはじめてつきひかりはちかつぎのきれいなかおて、びっくりしてしまいました。
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それは金銀きんぎん宝石ほうせきんだ幽霊船ゆうれいぶねが、あるみなといたときに、そのおかね宝石ほうせきがほしいばかりに、幽霊ゆうれい自分じぶんうちにつれてきてめた、欲深者よくふかものはなしでありました。
善いことをした喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)
いざ、金銀きんぎんあふぎつてふよとれば、圓髷まげをんな、なよやかにすらりときて、年下としした島田しまだびんのほつれを、透彫すかしぼりくしに、掻撫かいなでつ。心憎こゝろにくし。かねつたふらく、ふね深川ふかがは木場きばかへる。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひめさまは、だれものつかないうちに、あちらのしまかくすことになさいました。あるのこと三にん侍女こしもととともに、たくさんの金銀きんぎんふねまれました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みづ金銀きんぎん縫目ぬひめである。川中島かはなかじまさへはるかおもふ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それは、りこうな、りっぱな皇子おうじであらせられます。御殿ごてん金銀きんぎんかざられていますし、みやこひろく、にぎやかで、きれいでございます。」と、家来けらいこたえました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
幸作こうさくゆめました。それは、った小判こばんがほんとうの金銀きんぎん小判こばんで、自分じぶん大金持おおがねもちになったというゆめたのであります。かれおどろきとよろこびからをさましました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
幸作こうさくは、ますます不思議ふしぎおもって、それを両手りょうてでつかんでたたみうえろしてみますと、いつのまにわったのか、まったくほんとうの金銀きんぎん小判こばんつつみでありました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、このとき、うつくしい花嫁はなよめせた自動車じどうしゃとおりました。花嫁はなよめは、金銀きんぎん宝石ほうせきで、あたまや、むねかざっていました。そして、はなやかな空想くうそうにふけっていました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
したにはまどがあって、一つのガラスまどなかには、それはうつくしいものばかりがならべてありました。金銀きんぎん時計とけいや、指輪ゆびわや、あかあおむらさき、いろいろのいろ宝石ほうせきほしのようにかがやいていました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、むかしからいえにあったものや、金銀きんぎんちいさな細工物さいくものや、また、ながほとけさまにさけげるさかずきになっていた、ひきだしのなかにしまってあった利助りすけのさかずきなどをひとまとめにして
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)