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途端
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とたん
ふりがな文庫
“
途端
(
とたん
)” の例文
忽ち
背後
(
うしろ
)
でガラガラと雷の
落懸
(
おちかか
)
るような音がしたから、驚いて振向こうとする
途端
(
とたん
)
に、トンと突飛されて、私はコロコロと転がった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
いつの間にやら、第三コメディ「
砂丘
(
さきゅう
)
の家」は幕となった。弦吾は同志帆立に
脇腹
(
わきばら
)
を突つかれて、
慌
(
あわ
)
てて舞台へ拍手を送った。
途端
(
とたん
)
に
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と投出すやうに謂ツて
湯呑
(
ゆのみ
)
を取上げ、冷めた
澁茶
(
しぶちや
)
をグイと飮む。
途端
(
とたん
)
に
稽古
(
けいこ
)
に來る
小娘
(
こむすめ
)
が二三人
連立
(
つれだ
)
ツて格子を啓けて入ツて來た。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
自分は
半
(
なか
)
ば風に吹き寄せられた厚い窓掛の、じとじとに
湿
(
しめ
)
ったのを片方へがらりと引いた。
途端
(
とたん
)
に母の寝返りを打つ音が聞こえた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
荷田は力を
極
(
きわ
)
めて袋を引ったくる、惣太は力任せにそれをやるまじとする、その
途端
(
とたん
)
にころがり出したのが
炭団
(
たどん
)
ほどな火薬二個。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
此時
(
このとき
)
にふと
心付
(
こゝろつ
)
くと、
何者
(
なにもの
)
か
私
(
わたくし
)
の
後
(
うしろ
)
にこそ/\と
尾行
(
びかう
)
して
來
(
く
)
る
樣子
(
やうす
)
、オヤ
變
(
へん
)
だと
振返
(
ふりかへ
)
る、
途端
(
とたん
)
に
其
(
その
)
影
(
かげ
)
は
轉
(
まろ
)
ぶが
如
(
ごと
)
く
私
(
わたくし
)
の
足許
(
あしもと
)
へ
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
傾
(
かたむ
)
けて
見返
(
みかへ
)
るともなく
見返
(
みかへ
)
る
途端
(
とたん
)
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
るは
何物
(
なにもの
)
蓬頭亂面
(
ほうとうらんめん
)
の
青年
(
せいねん
)
車夫
(
しやふ
)
なりお
高
(
たか
)
夜風
(
よかぜ
)
の
身
(
み
)
にしみてかぶる/\と
震
(
ふる
)
へて
立止
(
たちどま
)
りつゝ
此雪
(
このゆき
)
にては
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おこのが
払
(
はら
)
った
手
(
て
)
のはずみが、ふと
肩
(
かた
)
から
滑
(
すべ
)
ったのであろう。
袂
(
たもと
)
を
放
(
はな
)
したその
途端
(
とたん
)
に、
新
(
しん
)
七はいやという
程
(
ほど
)
、おこのに
頬
(
ほほ
)
を
打
(
う
)
たれていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
こういわれて、
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
が
函
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
へ
頭
(
あたま
)
を
突込
(
つっこ
)
んだ
途端
(
とたん
)
に、ガタンと
蓋
(
ふた
)
を
落
(
おと
)
したので、
小児
(
こども
)
の
頭
(
あたま
)
はころりととれて、
赤
(
あか
)
い
林檎
(
りんご
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
どぼうんと、
途端
(
とたん
)
に真っ白な
飛沫
(
しぶき
)
が橋杭の下から立った。
欄干
(
らんかん
)
を越えて、一閑の体にも、数右衛門の影にも、水玉がかかった。
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盲人は杖をつき立てながら、そのまま向うへはいろうとする、——その
途端
(
とたん
)
に黒幕の外から、さっきの巡査が飛び出して来た。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
時間には
後
(
おく
)
れたれどともかくも
停車場
(
すてーしょん
)
へ
赴
(
おもむ
)
かんと大原は中川家を辞して門外へ
出
(
い
)
でたる
途端
(
とたん
)
、走り寄って
武者振
(
むしゃぶ
)
り
付
(
つ
)
くお代嬢
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
が、
人
(
ひと
)
が
寄
(
よ
)
る
途端
(
とたん
)
に、ぱちぱち
豆
(
まめ
)
を
燒
(
や
)
く
音
(
おと
)
がして、ばら/\と
飛着
(
とびつ
)
いた、
棕櫚
(
しゆろ
)
の
赤
(
あか
)
いのは、
幾千萬
(
いくせんまん
)
とも
數
(
かず
)
の
知
(
し
)
れない
蚤
(
のみ
)
の
集團
(
かたまり
)
であつたのです。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ハッと思ってその枝を
避
(
よ
)
けようとする
途端
(
とたん
)
に馬は進む。私は仰向けになるという訳でとうとう馬から落ちてしまいました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
家を出た
途端
(
とたん
)
に、ふと東京で集金すべき金がまだ残っていることを思い出した。ざっと勘定して四五百円はあると知って、急に心の
曇
(
くも
)
りが晴れた。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
と、
蝋燭
(
ろふそく
)
の火を
下
(
さ
)
げて身を
屈
(
かゞ
)
めた
途端
(
とたん
)
に、
根太板
(
ねだいた
)
の上の或物は
一匹
(
いつぴき
)
の白い
蛇
(
へび
)
に成つて、するすると
朽
(
く
)
ち
重
(
かさな
)
つた
畳
(
たヽみ
)
を
越
(
こ
)
えて
消
(
き
)
え去つた。
刹那
(
せつな
)
、貢さんは
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
しかし、ゴオルに入った
途端
(
とたん
)
、ぼく達の
耳朶
(
じだ
)
に
響
(
ひび
)
いたピストルは、過去二年間にわたる血と
涙
(
なみだ
)
と
汗
(
あせ
)
の苦労が、この五分間で終った合図でもありました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
途端
(
とたん
)
に、そのスペードの女王が皮肉な冷笑を浮かべながら、自分の方に眼配せしているように見えた。その顔が彼女に生き写しであるのにぎょっとした。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
譜本
(
ふほん
)
で
歌
(
うた
)
を
唱
(
うた
)
ふやうに、
時
(
ま
)
も
距離
(
きょり
)
も
釣合
(
つりあひ
)
も
違
(
ちが
)
へず、
一
(
ひい
)
、
二
(
ふう
)
と
間
(
ま
)
を
置
(
お
)
いて、
三
(
みッ
)
つと
言
(
い
)
ふ
途端
(
とたん
)
に
敵手
(
あひて
)
の
胸元
(
むなもと
)
へ
貫通
(
ずぶり
)
、
絹鈕
(
きぬぼたん
)
をも
芋刺
(
いもざし
)
にしようといふ
決鬪師
(
けっとうし
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
やがて彼は
鉄鞭
(
てつべん
)
を
曳鳴
(
ひきなら
)
して大路を右に出でしが、二町ばかりも行きて、
乾
(
いぬゐ
)
の
方
(
かた
)
より狭き坂道の開きたる
角
(
かど
)
に来にける
途端
(
とたん
)
に、風を帯びて
馳下
(
はせくだ
)
りたる
俥
(
くるま
)
は
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
『これが水道ツて言ふんですよ。
可
(
よ
)
ござんすか。それで恁うすると水が
幾何
(
いくら
)
でも出て來ます。』とお吉は笑ひながら
栓
(
せん
)
を
捻
(
ひね
)
つた。
途端
(
とたん
)
に、水がゴウと出る。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ちょうどその
途端
(
とたん
)
に、まだらな大きなキツツキが現われて、ほっそりした
白樺
(
しらかば
)
の幹をせかせかと登り始めたので、すっかりそのほうに気を取られてしまった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
私は獨り取り殘された。
途端
(
とたん
)
に、私は馬車の
袋棚
(
ふくろだな
)
の中にしまつておいた荷物を忘れて來たことに氣がついた。それを安全の爲めに袋棚に入れて置いたのだが。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
一層静になったように思われる時、つけたばかりの燈火の
下
(
もと
)
に、独り
夕餉
(
ゆうげ
)
の
箸
(
はし
)
を取上げる
途端
(
とたん
)
、コーンとはっきり最初の
一撞
(
ひとつ
)
きが
耳元
(
みみもと
)
にきこえてくる時である。
鐘の声
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だが移った
途端
(
とたん
)
に東京は大東京と
劃大
(
かくだい
)
され砂村も城東区砂町となって、立派に市域の内には
違
(
ちが
)
いなかった。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
やがて凡ての執着を、帛を裂くやうな鋭く高い一聲に集めて絶叫すると、その
途端
(
とたん
)
に彼女は死んでゐた。
実験室
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
その
途端
(
とたん
)
に私はゆうべ紅茶に浮かされて寝られなかったことを思い出しまして、これは頭がだいぶ疲れているなと気が付きましたからそのまま諦めてしまいました。
所感
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
途端
(
とたん
)
に、空から長い網がするすると落ちて来ました。それが、見ている
間
(
ま
)
に、するするするすると落ちて来て、
忽
(
たちま
)
ち爺さんの目の前に山のようになってしまいました。
梨の実
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
その
途端
(
とたん
)
私はグラグラと
眩暈
(
めまい
)
がして、暫くは気を失った様になって了いました。……あったのです。その風呂敷包の中に、債券と株券がちゃんと入っていたのです……。
二癈人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その
突
(
つ
)
きあたりから本通りの方へ曲ろうとした
途端
(
とたん
)
に、私は、その本通りの入口の、ちょうど宿屋の前あたりから、ぽうっと
薄明
(
うすあか
)
るくなりだしている
圏
(
わ
)
の中に、五六人
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
子路は
一瞬
(
いっしゅん
)
耳を疑った。この窮境に在ってなお驕るなきがために楽をなすとや? しかし、すぐにその心に思い
到
(
いた
)
ると、
途端
(
とたん
)
に彼は嬉しくなり、覚えず
戚
(
ほこ
)
を執って
舞
(
ま
)
うた。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そうだ! この
奴
(
やっこ
)
こそ、いま江戸中の御用の者を煙に巻いている神尾喬之助というお尋ね者に相違はねえのだ——! と、気が付いた
途端
(
とたん
)
、一時ははっ! とした壁辰も
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と止める
手先
(
てさき
)
を
振切
(
ふりき
)
つて
戸外
(
そと
)
へ出る
途端
(
とたん
)
に、感が悪いから池の中へずぶり
陥
(
はま
)
りました。梅
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
敏
(
とし
)
ちゃんは、
握
(
にぎ
)
っていた
石
(
いし
)
を
手
(
て
)
から
放
(
はな
)
して、その
方
(
ほう
)
を
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
いていると、
男
(
おとこ
)
は、なにかいいたげなようすをして、こちらをにらんでいたが、ちょうどカーブへさしかかった
途端
(
とたん
)
に
白い雲
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あれ聞け」というのは二、三人集まっている席上の一人が、「あれを聞け、鐘の音がして来た。」とそう言ったので、それは折節時雨の降って来た
途端
(
とたん
)
であったというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
途端
(
とたん
)
に恐ろしい
敏捷
(
すばや
)
さで東坡巾先生は
突
(
つ
)
と出て自分の手からそれを
打落
(
うちおと
)
して、やや
慌
(
あわ
)
て
気味
(
ぎみ
)
で、飛んでもない、そんなものを口にして成るものですか、と
叱
(
しっ
)
するがごとくに制止した。
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
思いたえてふり向く
途端
(
とたん
)
、手にさわる一蓋の菅笠、おおこれよこれよとその笠手にささげてほこらに納め行脚の行末をまもり給えとしばし祈りて山を下るに兄弟急難とのみつぶやかれて
旅の旅の旅
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
いづれも
嬉
(
うれ
)
しさうにして、
舟
(
ふね
)
へ
近付
(
ちかづ
)
いて
來
(
く
)
るのを、
突
(
つ
)
き
退
(
の
)
けるやうにして、
天滿與力
(
てんまよりき
)
は
眞
(
ま
)
つ
先
(
さ
)
きに
舟
(
ふね
)
へ、
雪駄
(
せつた
)
の
足
(
あし
)
を
跨
(
また
)
ぎ
込
(
こ
)
んだ。
其
(
そ
)
の
途端
(
とたん
)
、
玄竹
(
げんちく
)
はいつにない
雷
(
らい
)
のやうに
高聲
(
たかごゑ
)
で、
叱咜
(
した
)
した。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
その
途端
(
とたん
)
に扉の
軋
(
きし
)
る音がして入った者があった。それは白い
前垂
(
まえだれ
)
をした
壮
(
わか
)
い女が盆の上に
瓢箪
(
ひょうたん
)
の形をした
陶品
(
せともの
)
のビンを載せ、それに小さな
脚
(
あし
)
の長いコップを
添
(
そ
)
えて持って来たところであった。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
庄造は、
途端
(
とたん
)
に階下の柱時計が「ぼん、………」と、半を打つのを聞いた。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「あすこへ行ってる。ずいぶん
奇体
(
きたい
)
だねえ。きっとまた鳥をつかまえるとこだねえ。汽車が走って行かないうちに、早く鳥がおりるといいな。」と云った
途端
(
とたん
)
、がらんとした
桔梗
(
ききょう
)
いろの空から
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
橋の
眼鏡
(
めがね
)
の
下
(
した
)
を行く
濃
(
こ
)
い
紫
(
むらさき
)
の水の色、みるに心が結ぼれて——えい、かうまでも思ふのに、さても
情
(
つれ
)
ないマノンよと、恨む
途端
(
とたん
)
に、ごろ、ごろ、ごろ、遠くで
雷
(
らい
)
が鳴りだして、
風
(
かぜ
)
の
飜
(
あふり
)
が
蒸暑
(
むしあつ
)
い。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
第
(
だい
)
一
番
(
ばん
)
には
大野氏
(
おほのし
)
が
入
(
い
)
る
筈
(
はづ
)
だからと
考
(
かんが
)
へながら、
猶
(
なほ
)
今
(
いま
)
一
度
(
ど
)
窟
(
いはや
)
の
底部
(
ていぶ
)
を
照
(
て
)
らして
見
(
み
)
やうとして、
龕燈
(
がんどう
)
を
持直
(
もちなほ
)
す
途端
(
とたん
)
に、
余
(
よ
)
の
足
(
あし
)
は
入口
(
いりくち
)
のくづれたる
岩面
(
いはづら
)
を
踏
(
ふ
)
んだので、ツル/\と
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
へ
濘
(
すべ
)
り
落
(
お
)
ちた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
甚だ
妖
(
あや
)
しき、ぞくぞく感である。これは妙だと思った
途端
(
とたん
)
。
しゃもじ(杓子)
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
途端
(
とたん
)
に、
夏繪
(
なつゑ
)
は
手
(
て
)
を
叩
(
たた
)
きながら、
復讐的
(
ふくしふてき
)
に
野次
(
やじ
)
り
立
(
た
)
てた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
と、
途端
(
とたん
)
にガチャーンといって
硝子
(
ガラス
)
の
破
(
わ
)
れるような
凄
(
すさま
)
じい音がして、これにはクラブ
館
(
ハウス
)
の誰もがハッキリと
変事
(
へんじ
)
に気がついたのだった。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし顔はよく似ているから親子だろう。おれは、や、来たなと思う
途端
(
とたん
)
に、うらなり君の事は
全然
(
すっかり
)
忘れて、若い女の方ばかり見ていた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此時
(
このとき
)
不意
(
ふゐ
)
に、
車外
(
しやぐわい
)
の
猛獸
(
まうじう
)
の
群
(
むれ
)
は
何者
(
なにもの
)
にか
愕
(
おどろ
)
いた
樣子
(
やうす
)
で、
一時
(
いちじ
)
に
空
(
そら
)
に
向
(
むか
)
つて
唸
(
うな
)
り
出
(
だ
)
した。
途端
(
とたん
)
、
何處
(
いづく
)
ともなく、
微
(
かす
)
かに
一發
(
いつぱつ
)
の
銃聲
(
じうせい
)
!
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
これは
成
(
な
)
らぬと
力足
(
ちからあし
)
を
踏
(
ふみ
)
こたゆる
途端
(
とたん
)
、さのみに
思
(
おも
)
はざりし
前鼻緒
(
まへはなを
)
のずる/\と
㧞
(
ぬ
)
けて、
傘
(
かさ
)
よりもこれこそ一の
大事
(
だいじ
)
に
成
(
な
)
りぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いい年をした男が、ひょっとこの面をかぶって来たから兵馬も笑い出して、それを避ける
途端
(
とたん
)
に道庵はころころと往来へ転がってしまいました。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“途端”の意味
《名詞》
途端(とたん)
ちょうどその時。何かのはずみ。同時。接続助詞的にも用いられる。
(出典:Wiktionary)
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“途端”で始まる語句
途端場