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緒
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を
ふりがな文庫
“
緒
(
を
)” の例文
眞新しい紅白の鈴の
緒
(
を
)
で縛り上げられた中年者の男が、二た突き三突き、
匕首
(
あひくち
)
で
刺
(
さ
)
されて、見るも
無慙
(
むざん
)
な死にやうをして居るのです。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いゝえ、私、何よりも見附かるのが
怖
(
こは
)
うございますの。ですから、その
緒
(
を
)
になるやうなことは何も申上げないことにいたします。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「そりや出来ない事もないが、——しかし温泉へ
行
(
ゆ
)
くなぞは
贅沢
(
ぜいたく
)
だな。僕はまだ
臍
(
ほぞ
)
の
緒
(
を
)
切つて以来、旅行らしい旅行はした事がない。」
塵労
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
息
(
いき
)
の
緒
(
を
)
に吾が
思
(
も
)
ふ君は
鶏
(
とり
)
が鳴く
東
(
あづま
)
の坂を今日か越ゆらむ」(同・三一九四)等、結句の同じものがあるのは注意すべきである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ここに
天
(
あめ
)
の
兒屋
(
こやね
)
の命、
布刀玉
(
ふとだま
)
の命、天の宇受賣の命、
伊斯許理度賣
(
いしこりどめ
)
の命、
玉
(
たま
)
の
祖
(
おや
)
の命、并せて
五伴
(
いつとも
)
の
緒
(
を
)
三
を
支
(
あか
)
ち加へて、
天降
(
あも
)
らしめたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
▼ もっと見る
と
困
(
こう
)
じた
状
(
さま
)
して、
白
(
しろ
)
い
緒
(
を
)
の
駒下駄
(
こまげた
)
の、
爪尖
(
つまさき
)
をコト/\と
刻
(
きざ
)
む
洋傘
(
かうもり
)
の
柄
(
え
)
の
尖
(
さき
)
が、
震
(
ふる
)
へるばかり、
身
(
み
)
うちに
傳
(
つた
)
うて
花
(
はな
)
も
搖
(
ゆ
)
れる。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今此方にて
不審
(
ふしん
)
致す詞の
緒
(
を
)
に付て
彼是
(
かれこれ
)
申は
可謂
(
いはゆる
)
引れ者の小
唄
(
うた
)
とやら取に足ずと申せしかば外記も
暫時
(
しばし
)
默止
(
もくし
)
居たりしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
花野を、
紅
(
あか
)
い
緒
(
を
)
の
塗笠
(
ぬりがさ
)
をかぶつて、狐葛の葉が飛んでゆく舞臺の
振
(
ふ
)
りは、どんなに幼心をとらへたらう。
春宵戯語
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
道の右は山を
𠠇
(
き
)
りて長壁と成し、
石幽
(
いしゆう
)
に
蘚碧
(
こけあを
)
うして、
幾条
(
いくすぢ
)
とも白糸を乱し懸けたる
細瀑小瀑
(
ほそたきこたき
)
の
珊々
(
さんさん
)
として
濺
(
そそ
)
げるは、
嶺上
(
れいじよう
)
の松の
調
(
しらべ
)
も、
定
(
さだめ
)
てこの
緒
(
を
)
よりやと見捨て難し。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
と
母親
(
はゝおや
)
よりの
言
(
い
)
ひつけを、
何
(
なに
)
も
嫌
(
い
)
やとは
言
(
い
)
ひ
切
(
き
)
られぬ
温順
(
おとな
)
しさに、
唯
(
たゞ
)
はい/\と
小包
(
こづゝ
)
みを
抱
(
かゝ
)
へて、
鼠小倉
(
ねづみこくら
)
の
緒
(
を
)
のすがりし
朴木齒
(
ほうのきば
)
の
下駄
(
げた
)
ひた/\と、
信如
(
しんによ
)
は
雨傘
(
あまがさ
)
さしかざして
出
(
いで
)
ぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
金澤氏の年々受け得た所の二樣の鑑札は、蒼夫さんの家の
筐
(
はこ
)
に滿ちてゐる。鑑札は白木の札に墨書して、
烙印
(
らくいん
)
を押したものである。札は
孔
(
あな
)
を
穿
(
うが
)
ち
緒
(
を
)
を貫き、
覆
(
おほ
)
ふに
革袋
(
かはぶくろ
)
を以てしてある。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「自分は
姶良
(
あひら
)
郡
帖佐
(
てうさ
)
の住人で
臍
(
へそ
)
の
緒
(
を
)
切つて
以来
(
このかた
)
演説などいふ下らぬ事をやつた事もなし、またやらうとも思はなかつたが、一生に一度の積りで今日は
喋舌
(
しやべ
)
らして貰ひたい」といふ
冒頭
(
まくら
)
で
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
Bは保護するつもりで女の
後
(
あと
)
について歩いて行つてゐたが、その白足袋を穿いた足が、草鞋のあらくれた
緒
(
を
)
で十文字にくゝられた足が、時々尖つた石に躓きかけるのを堪らない心持で見た。
山間の旅舎
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
堪忍嚢
(
かんにんぶくろ
)
の
緒
(
を
)
は
切
(
き
)
れました。それでも
強
(
つよ
)
い
角
(
つの
)
をつかうほどでもありません。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
逢
(
あ
)
ふまでのかたみに契る中の
緒
(
を
)
のしらべはことに変はらざらなん
源氏物語:13 明石
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
瑠璃
(
るり
)
はささやく
紅玉
(
こうぎよく
)
に、(さあれ苦の
緒
(
を
)
の
一聯
(
ひとつらね
)
)
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「悲哀」の
琴
(
きん
)
の絲の
緒
(
を
)
を、ゆし
按
(
あん
)
ずるぞ
無益
(
むやく
)
なる。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
幼き年の滅びゆく吐息を
洩
(
もら
)
し夢の
緒
(
を
)
に
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
紅緒
(
べにを
)
の
木履
(
かつこ
)
も
緒
(
を
)
が
切
(
き
)
れた。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
惜しき
頸輪
(
くびわ
)
の
緒
(
を
)
を解きて
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
生命
(
いのち
)
の
緒
(
を
)
断
(
た
)
つ
氷鋏
(
ひばさみ
)
わなゝき
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
星の光の
絲
(
いと
)
の
緒
(
を
)
に
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
赤き
緒
(
を
)
の
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
大賽錢箱
(
だいさいせんばこ
)
の前に立つと、赤い紙入を出して、小錢を
摘
(
つま
)
んでポイと投げ、鈴の
緒
(
を
)
に心持觸れて、
双掌
(
もろて
)
を合せたまゝ、ひた拜みに拜み入るのでした。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
勘弁
(
かんべん
)
して
下
(
く
)
らつせえ。うゝとも、すうとも
返答
(
へんたふ
)
打
(
う
)
つ
術
(
すべ
)
もねえだ…
私
(
わし
)
、
先生
(
せんせい
)
と
言
(
い
)
はれるは、
臍
(
ほぞ
)
の
緒
(
を
)
切
(
き
)
つては
最初
(
はじめて
)
だでね。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
せざりし者と
泣々
(
なく/\
)
頼
(
たの
)
む
貰
(
もら
)
ひ乳の足ぬ
勝
(
がち
)
なる
養育
(
やういく
)
に
繋
(
つな
)
ぐ我が子の玉の
緒
(
を
)
の
細
(
ほそ
)
くも五
體
(
たい
)
痩
(
やせ
)
ながら
蟲氣
(
むしけ
)
も有ぬ
健
(
すこや
)
かさ
縁
(
えん
)
有ればこそ親子と成何知らぬ兒に此
憂苦
(
いうく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私の心の
緒
(
を
)
を
斷
(
た
)
ち切りながら、あなたは、私の惡い
根性
(
こんじやう
)
を
根絶
(
ねだやし
)
するとばかり思つていらつしやる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
初春
(
はつはる
)
の
初子
(
はつね
)
の
今日
(
けふ
)
の
玉箒
(
たまばはき
)
手
(
て
)
に
取
(
と
)
るからにゆらぐ
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
〔巻二十・四四九三〕 大伴家持
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ここに天皇、天の下の氏氏名名の人どもの、氏
姓
(
かばね
)
が
忤
(
たが
)
ひ
過
(
あやま
)
て
三
ることを愁へまして、
味白檮
(
うまかし
)
の
言八十禍津日
(
ことやそまがつひ
)
の
前
(
さき
)
四
に、
玖訶瓮
(
くかべ
)
五
を据ゑて、天の下の
八十伴
(
やそとも
)
の
緒
(
を
)
六
の氏姓を定めたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
夜すがら
両個
(
ふたり
)
の運星
蔽
(
おほ
)
ひし
常闇
(
とこやみ
)
の雲も晴れんとすらん、
隠約
(
ほのぼの
)
と
隙洩
(
すきも
)
る
曙
(
あけぼの
)
の影は、玉の
緒
(
を
)
長く座に入りて、光薄るる
燈火
(
ともしび
)
の
下
(
もと
)
に並べるままの茶碗の
一箇
(
ひとつ
)
に、
小
(
ちひさ
)
き
蛾
(
が
)
有りて、落ちて浮べり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
自分の
願望
(
ぐわんまう
)
の
秤
(
はかり
)
も、一方の皿に便利な国を載せて、一方の皿に夢の故郷を載せたとき、便利の皿を
弔
(
つ
)
つた
緒
(
を
)
をそつと引く、白い、優しい手があつたにも
拘
(
かかは
)
らず、
慥
(
たし
)
かに夢の方へ傾いたのである。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
哀
(
あは
)
れ
手向
(
てむけ
)
の
花
(
はな
)
一
枝
(
し
)
に千
年
(
ねん
)
のちぎり
萬年
(
まんねん
)
の
情
(
じやう
)
をつくして、
誰
(
た
)
れに
操
(
みさを
)
の
身
(
み
)
はひとり
住
(
ずみ
)
、あたら
美形
(
びけい
)
を
月花
(
つきはな
)
にそむけて、
世
(
よ
)
は
何時
(
いつ
)
ぞとも
知
(
し
)
らず
顏
(
がほ
)
に、
繰
(
く
)
るや
珠數
(
じゆず
)
の
緒
(
を
)
の
引
(
ひ
)
かれては
御佛
(
みほとけ
)
輪廻
(
りんゑ
)
にまよひぬべし
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「悲哀」の
琴
(
きん
)
の糸の
緒
(
を
)
を、ゆし
按
(
あん
)
ずるぞ
無益
(
むやく
)
なる。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
八十伴
(
やそとも
)
の
緒
(
を
)
は
玉
(
たま
)
ぶちの
冕冠
(
かむり
)
も
高
(
たか
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
わたしの恋の琴の
緒
(
を
)
に
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
星の光の糸の
緒
(
を
)
に
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
やがて
町
(
まち
)
に
近
(
ちか
)
い、
鈴
(
すゞ
)
の
緒
(
を
)
と
云
(
い
)
ふ
橋
(
はし
)
が、
河原
(
かはら
)
の
晃々
(
きら/\
)
と
白
(
しろ
)
い、
水
(
みづ
)
の
蒼
(
あを
)
い、
對岸
(
むかうぎし
)
の
暗
(
くら
)
い、
川幅
(
かははゞ
)
を
横
(
よこ
)
に
切
(
き
)
つて、
艷々
(
つや/\
)
と
一條
(
ひとすぢ
)
架
(
かゝ
)
る。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「御覽の通り、頸には、絞め殺した時の
紐
(
ひも
)
の
跡
(
あと
)
が付いて居るが、それで見ると、刀の
下
(
さ
)
げ
緒
(
を
)
か前掛の紐か、——兎に角、恐ろしく丈夫な一風
編
(
あ
)
み方の變つた
眞田紐
(
さなだひも
)
だ」
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さ
寝
(
ぬ
)
らくはたまの
緒
(
を
)
ばかり恋ふらくは富士の
高嶺
(
たかね
)
の
鳴沢
(
なるさは
)
の
如
(
ごと
)
(巻十四・三三五八)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
斯くて澤井友次郎は彼の町人の
勸
(
すゝ
)
めにより水口の宿外れよりお花を駕籠に
乘
(
のせ
)
其身は町人と共に咄
等
(
など
)
爲乍
(
しなが
)
ら駕籠の
後
(
あと
)
に付て
行
(
ゆく
)
程に一里餘りにして大野と
云
(
いへ
)
る
建場
(
たてば
)
に來りしが友次郎は過つて草鞋の
緒
(
を
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
やぶれ
菅笠
(
すげがさ
)
、しめ
緒
(
を
)
が切れて
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
二
(
に
)
の
緒
(
を
)
には、
青
(
あを
)
うなばらや
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
〔
八十伴
(
やそとも
)
の
緒
(
を
)
の
氏姓
(
うぢかばね
)
〕
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
何
(
なん
)
だとヱ
良
(
りやう
)
さんに
失礼
(
しつれい
)
だがお
帰
(
か
)
へり
遊
(
あそ
)
ばしていたゞきたいとあゝさう
申
(
まを
)
すよ
良
(
りやう
)
さんおきゝの
通
(
とほり
)
ですからとあはれや
母
(
はゝ
)
は
身
(
み
)
も
狂
(
きやう
)
するばかり
娘
(
むすめ
)
は一
語
(
ご
)
一
語
(
ご
)
呼吸
(
こきふ
)
せまりて
見
(
み
)
る/\
顔色
(
かほいろ
)
青
(
あほ
)
み
行
(
ゆ
)
くは
露
(
つゆ
)
の
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
今宵
(
こよひ
)
はよもと
思
(
おも
)
ふに
良之助
(
りやうのすけ
)
起
(
た
)
つべき
心
(
こゝろ
)
はさらにもなけれど
臨終
(
いまは
)
に
迄
(
まで
)
も
心
(
こゝろ
)
づかひさせんことのいとを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
されば
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の絶えしにあらねば、
現
(
うつゝ
)
に
号泣
(
がうきふ
)
する糸より細き
婦人
(
をんな
)
の声は、
終日
(
ひねもす
)
休
(
や
)
む
間
(
ひま
)
なかりしとぞ。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鈴は
紅白
(
こうはく
)
の
緒
(
を
)
ごと引千切られ、玉垣の下には、鈴の緒で縛られた死骸があつたと申します。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三
(
さん
)
の
緒
(
を
)
は、
瑞樹
(
みづき
)
のかくれ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
たゞ
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
のしるしばかり、
髮
(
かみ
)
は
絲
(
いと
)
で
結
(
むす
)
んでも、
胡沙
(
こさ
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
は
肩
(
かた
)
に
亂
(
みだ
)
れた、
身
(
み
)
は
痩
(
や
)
せ、
顏
(
かほ
)
は
窶
(
やつ
)
れたけれども、
目鼻立
(
めはなだ
)
ちの
凛
(
りん
)
として、
口許
(
くちもと
)
の
緊
(
しま
)
つたのは、
服裝
(
なり
)
は
何
(
ど
)
うでも
日本
(
やまと
)
の
若草
(
わかくさ
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お信乃が取出したのは、子供らしい大きな
守袋
(
まもりぶくろ
)
——男の手縫らしい縫目をほぐすと、中から現はれたのは、お信乃の
臍
(
へそ
)
の
緒
(
を
)
書きと、それに三枚のお
守札
(
まもり
)
、それから一枚の手紙でした。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
足駄
(
あしだ
)
の
緒
(
を
)
が
少
(
すこ
)
し
弛
(
ゆる
)
んで
居
(
ゐ
)
るので、
足許
(
あしもと
)
を
氣
(
き
)
にして、
踏揃
(
ふみそろ
)
へて、
袖
(
そで
)
の
下
(
した
)
へ
風呂敷
(
ふろしき
)
を
入
(
い
)
れて、
胸
(
むね
)
をおさへて、
顏
(
かほ
)
だけ
振向
(
ふりむ
)
けて
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
るので。
大方
(
おほかた
)
女
(
をんな
)
の
身
(
み
)
でそんなもの
見
(
み
)
るのが
氣恥
(
きはづ
)
かしいのであらう。
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“緒”の意味
《名詞》
いとぐちのこと。
(出典:Wiktionary)
緒
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“緒”を含む語句
情緒
由緒
端緒
一緒
緒口
下緒
内緒
紅緒
緒方
緒言
前鼻緒
心緒
鼻緒
革緒
御一緒
鼻緒屋
情緒纏綿
楠緒
由緒書
由緒付
...