トップ
>
乃
>
すなは
ふりがな文庫
“
乃
(
すなは
)” の例文
(七)
舜禹
(
しゆんう
)
の
間
(
あひだ
)
(八)
岳牧
(
がくぼく
)
咸
(
みな
)
薦
(
すす
)
む。
乃
(
すなは
)
ち
之
(
これ
)
を
(九)
位
(
くらゐ
)
に
試
(
こころ
)
み、
職
(
しよく
)
を
典
(
つかさど
)
らしむること
數
(
すう
)
十
年
(
ねん
)
、
(一〇)
功用
(
こうよう
)
既
(
すで
)
に
興
(
おこ
)
り、
然
(
しか
)
る
後
(
のち
)
政
(
まつりごと
)
を
授
(
さづ
)
く。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
乃美
乃
(
すなは
)
ち杉山松助、時山直八をして、状を探らしむ。二人帰り報じて曰く、俊太郎逮捕の為め、或ひは不穏の事あらん。
宜
(
よろし
)
く邸門の守を
大衆維新史読本:07 池田屋襲撃
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
写真班
(
しやしんはん
)
の
英雄
(
えいゆう
)
は、
乃
(
すなは
)
ちこの
三岐
(
みつまた
)
で一
度
(
ど
)
自動車
(
じどうしや
)
を
飛下
(
とびお
)
りて、
林間
(
りんかん
)
の
蝶
(
てふ
)
に
逍遥
(
せうえう
)
する
博士
(
はかせ
)
を
迎
(
むか
)
ふるために、
馳
(
は
)
せて
後戻
(
あともど
)
りをした
処
(
ところ
)
である。——
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
短所を視れば、
乃
(
すなは
)
ち其長所を知るべし。君子は其過を見て其仁を知る、亦此の意なり。能と不能とを明識するもの、始めて人を談ずべし。
大久保湖州
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
善惡共に語つても、決して恥ぢることアないんだから——第一人稱が
乃
(
すなは
)
ち第三人稱、主觀的が乃ち客觀的、破壞が直ちに建設だ。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
▼ もっと見る
諸君よ、諸君は彼等の口の余りに大なるを以て無数の
蛙群
(
あぐん
)
なりと誤る
勿
(
なか
)
れ。彼等は
乃
(
すなは
)
ち口をあいて茫然自失せる十五億の
蒼生
(
さうせい
)
にてある也。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
して、事
露
(
あらは
)
れなば
一振
(
ひとふり
)
の
刃
(
やいば
)
に血を見るばかり。
情
(
じやう
)
の火花のぱつと燃えては消え失せる
一刹那
(
いつせつな
)
の夢こそ
乃
(
すなは
)
ち熱き此の国の人生の
凡
(
すべ
)
てゞあらう。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
竹越君曰く、透谷と月下に語れば
清癯
(
せいく
)
飄渺
(
へうべう
)
として神仙の如し、亦俗界の人に非るを覚ふ。蘇峰氏予に
謂
(
い
)
つて曰く、透谷は銀匙なり君に至つては
乃
(
すなは
)
ち鉄瓶のみ。
北村透谷君
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
有志之士、
不堪杞憂
(
きいうにたへず
)
、
屡
(
しば/\
)
正論
讜議
(
たうぎ
)
すと雖、雲霧
濛々
(
もう/\
)
、
毫
(
がう
)
も採用せられず。
乃
(
すなは
)
ち断然
奸魁
(
かんくわい
)
を
斃
(
たふ
)
して、朝廷の反省を促す。下情
壅塞
(
ようそく
)
せるより起ると云ふは
即是也
(
すなはちこれなり
)
。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
乃
(
すなは
)
ち
巴里
(
パリ
)
叫喊
(
きようかん
)
地獄の詩人として胸奥の悲を述べ、人に
叛
(
そむ
)
き世に抗する数奇の放浪児が為に、大声を仮したり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
是に
於
(
お
)
いて、使者還り来て曰く、墓所に到りて視れば、
封
(
かため
)
埋
(
うづ
)
めるところ動かず。
乃
(
すなは
)
ち開きて
屍骨
(
かばね
)
を見れば、既に
空
(
むな
)
しくなりたり。
唯
(
た
)
だ
衣物
(
きもの
)
畳みて
棺
(
ひつぎ
)
の上に置けり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
彼は
女四書
(
じよししよ
)
の
内訓
(
ないくん
)
に出でたりとて
屡
(
しばし
)
ば父に聴さるる「
五綵服
(
ごさいふく
)
を
盛
(
さかん
)
にするも、以つて身の
華
(
か
)
と為すに足らず、
貞順道
(
ていじゆんみち
)
に
率
(
したが
)
へば、
乃
(
すなは
)
ち以つて婦徳を進むべし」の
本文
(
ほんもん
)
に
合
(
かな
)
ひて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
乃
(
すなは
)
ち溪聲を樹間に求め、樹に
縋
(
すが
)
り、石に
凭
(
よ
)
りて
纔
(
わづ
)
かにこれを窺ふ。水は國道の絶崖に
偏
(
かたよ
)
りて、其處に劒の如く
聳立
(
しやうりつ
)
せる
大岩
(
たいがん
)
に
衝
(
あた
)
り、その飛沫の飛散する霧のごとく
烟
(
けぶり
)
の如し。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
哀しきかも我が父、痛ましきかも我が母、一身死に向ふ途を
患
(
うれ
)
へず、唯二親世に
在
(
いま
)
す苦を悲しぶ。今日長く別れなば、何れの世にか
覲
(
み
)
ることを得む。
乃
(
すなは
)
ち歌六首を作りて
死
(
みまか
)
りぬ。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「コノ日、天気晴朗ニシテ、空ニ一点ノ雲無ク、
乃
(
すなは
)
チ一瓢ヲ携ヘテ
柴門
(
さいもん
)
ヲ出ヅ……」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
粋は仁に
邇
(
ちか
)
し、即ち魔境に他を
慈
(
いつく
)
しむ者。粋は義に近し、粋は信に邇し、仮偽界に信義を守る者。
乃
(
すなは
)
ち迷へる内に迷はぬを重んじ、不徳界に君子たる可きことを以て粋道の極意とはするならし。
粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
検するに、およそ将門は本意の敵にあらず、これ源氏の縁坐也云〻。
孀母
(
さうぼ
)
は堂に在り、子にあらずば誰か養はん、田地は数あり、我にあらずば誰か領せん、将門に
睦
(
むつ
)
びて云〻、
乃
(
すなは
)
ち対面せんと擬す
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
來
(
く
)
る
可
(
べ
)
き
船
(
ふね
)
の
來
(
こ
)
ぬ
塲合
(
ばあひ
)
には、それを
以
(
もつ
)
て
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
の
運命
(
うんめい
)
を
卜
(
ぼく
)
し、
自
(
みづから
)
も
亦
(
ま
)
た
天運
(
てんうん
)
の
盡
(
つき
)
と
諦
(
あきら
)
めて、
其時
(
そのとき
)
は
最後
(
さいご
)
の
手段
(
しゆだん
)
、
乃
(
すなは
)
ち
海賊船
(
かいぞくせん
)
とか
其他
(
そのた
)
強暴
(
きようぼう
)
なる
外國
(
ぐわいこく
)
の
軍艦等
(
ぐんかんとう
)
に、
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
覺
(
さと
)
られぬが
爲
(
ため
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其歌集に序する、亦何ぞ妨げむ。
乃
(
すなは
)
ち序をつくる。
東西南北序
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
勇士
乃
(
すなは
)
ち輝ける兵車をおりて地に立ちて
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
立出たり然るに伊豆守殿御役宅は
西丸下
(
にしまるした
)
なり越前守の御役宅は
數寄屋橋
(
すきやばし
)
御門内なれば
其道筋
(
そのみちすぢ
)
も
隔
(
へだ
)
たれば伊豆守殿には越前守より
少
(
すこ
)
しく先に御登城あり
御用
(
ごよう
)
取次
(
とりつぎ
)
は未だ登城なく
御側衆
(
おそばしう
)
の泊番高木伊勢守のみ
相詰
(
あひつめ
)
たり
乃
(
すなは
)
ち伊豆守殿
芙蓉
(
ふよう
)
の
間
(
ま
)
に於て高木伊勢守を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
宇宙万般の事万般を貫くの理法ありて、洩さず、乱れず、発しては
乃
(
すなは
)
ち不可不の因を成し、収まつては乃ち不許不の果を作る。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
第二は去年の夏、義雄に伴はれて甲州へ行つて、初めて温泉のお客さまとなつたことだ。そして第三が、
乃
(
すなは
)
ち、この贈り物を受けたことだ。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
士卒
(
しそつ
)
未
(
いま
)
だ
附
(
つ
)
かず、百
姓
(
せい
)
信
(
しん
)
ぜず。
人
(
ひと
)
微
(
び
)
にして
權
(
けん
)
輕
(
かろ
)
し。
願
(
ねが
)
はくは
君
(
きみ
)
の
寵臣
(
ちようしん
)
・
國
(
くに
)
の
尊
(
たつと
)
ぶ
所
(
ところ
)
を
得
(
え
)
て
以
(
もつ
)
て
軍
(
ぐん
)
を
監
(
かん
)
せしめば、
乃
(
すなは
)
ち
可
(
か
)
ならん
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
活
(
い
)
けては置かじと
囁
(
ささや
)
く
様
(
やう
)
にて、心済まねば謂ひも出でず、もしそれ胸中の
疑磈
(
ぎくわい
)
を吐きて智識の
教
(
をしへ
)
を
請
(
う
)
けむには、
胸襟
(
きようきん
)
乃
(
すなは
)
ち
春
(
はる
)
開
(
ひら
)
けて臆病
疾
(
とみ
)
に
癒
(
い
)
えむと思へど
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今
(
この
)
春
自
(
よ
)
り
已来
(
このかた
)
秋稼
(
しうか
)
に至り風雨
序
(
ついで
)
に
順
(
したが
)
ひて五穀豊かに
穣
(
みの
)
れり。此れ
乃
(
すなは
)
ち誠を
徴
(
あらは
)
し願を
啓
(
ひら
)
くこと、
霊貺
(
りやうきやう
)
答ふるが如し。
載
(
すなは
)
ち
惶
(
おそ
)
れ、載ち惶れて以て
自
(
みづか
)
ら
寧
(
やす
)
みするとき無し。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
乃
(
すなは
)
ち長崎の
夕凪
(
ゆうなぎ
)
とか
称
(
とな
)
へて、烈しい炎暑の
一日
(
いちじつ
)
の
後
(
あと
)
、入日と共に空気は死するが如くに沈静し、
木葉
(
このは
)
一枚動かぬやうな森閑とした
黄昏
(
たそがれ
)
、自分は海岸から堀割をつたはつて
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
今や友人春水の子俊秀
斯
(
かく
)
の如きを見て、彼は曰へり、千秋子あり之を教へて実才を為さしめず
乃
(
すなは
)
ち詞人たらしめんと欲する
乎
(
か
)
、宜しく先づ史を読んで古今の事を知らしむべし
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
僕は
暫
(
しばら
)
く君と共に天下の文芸を論じなかつた為めか、君の文を読んだ時に一撃を加へたい欲望を感じた。
乃
(
すなは
)
ち一月ばかり遅れたものの、
聊
(
いささ
)
か君の論陣へ返し矢を飛ばせる
所以
(
ゆゑん
)
である。
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「この而のか様になり候様に引つける也。」
乃
(
すなは
)
ち知る、茶山は上肢に痙攣を起すことがあつたのである。是は恐くは消食管壅塞の病に聯繋した徴候ではなからう。恐くは別の病証であらう。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
樊噲だって立派な将軍だが、「生きて
乃
(
すなは
)
ち噲等と伍を為す」と仕方が無しの苦笑をした韓信の笑には涙が催される。氏郷の書院柱に
靠
(
よ
)
りかかって月に泣いた此の涙には
片頬
(
かたほ
)
の
笑
(
えみ
)
が催されるではないか。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
コノ時暴風進路ヲ
遮
(
さへぎ
)
リテ船危ク、
乃
(
すなは
)
チかつど岬ニ還リテソノ付近ノぷろゐんすたんニ難ヲ避ケヌ——今ヤ殖民地ノ位置ヲ選択スルコト何ヨリモ急ニ、探険隊ノ相分レテソノ捜索ニ従事スルコト五週間
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「愛」は
乃
(
すなは
)
ち馳せ
走
(
さ
)
りつ、馳せ走りながら打泣きぬ。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
一切の枝葉を
掃
(
はら
)
ひ、一切の
被服
(
ひふく
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ、六尺
似神
(
じしん
)
の赤裸々を提げて、平然として目ざす城門に肉薄するのが
乃
(
すなは
)
ち此手紙である。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「少くとも、この論文を書きあげる間は、死ぬべきものではない」といふ考へが浮ぶ、悲痛の哲理は
乃
(
すなは
)
ち生の哲學である。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
龐涓
(
はうけん
)
既
(
すで
)
に
魏
(
ぎ
)
に
事
(
つか
)
へ、
惠王
(
けいわう
)
の
將軍
(
しやうぐん
)
と
爲
(
な
)
るを
得
(
え
)
て、
自
(
みづか
)
ら
以爲
(
おも
)
らへく
(一五)
能
(
のう
)
・
孫臏
(
そんびん
)
に
及
(
およ
)
ばずと、
乃
(
すなは
)
ち
陰
(
ひそか
)
に((人ヲシテ))
孫臏
(
そんびん
)
を
召
(
め
)
さしむ。
臏
(
ひん
)
至
(
いた
)
る。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
かくて
餘物
(
よぶつ
)
を
覩
(
み
)
るや。
皆
(
みな
)
丘山
(
きうざん
)
もたゞならず、
乃
(
すなは
)
ち
自
(
みづか
)
ら
射
(
い
)
る。
射
(
い
)
るに
從
(
したが
)
うて、
𥶡
(
りん
)
盡
(
こと/″\
)
く
蟲
(
むし
)
の
心
(
むなもと
)
を
貫
(
つらぬ
)
く。
以
(
もつ
)
て
飛衞
(
ひゑい
)
に
告
(
つ
)
ぐ。
先生
(
せんせい
)
、
高踏
(
かうたふ
)
して
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
曰
(
いは
)
く、
汝得之矣
(
なんぢこれをえたり
)
。
術三則
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
乃
(
すなは
)
ち其の外側から眺めるにつけて、其の内側に潜んでゐる日本現代の生活と日本人の性情とがいかに甚しく日本的風景と其の趣きを
異
(
こと
)
にしてゐるかに一驚せざるを得ない。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
乃
(
すなは
)
ち
辞
(
いな
)
び譲りて曰く、
臣
(
やつがれ
)
、
不幸
(
さいはひなき
)
、元より
多
(
さはの
)
病有り。何ぞ
能
(
よ
)
く
社稷
(
くにいへ
)
を保たむ。願くは
陛下
(
きみ
)
、天
の
下を挙げて皇后に附けよ。
仍
(
よ
)
りて大友皇子を立てて、
宜
(
よろ
)
しく
儲君
(
まうけのきみ
)
と
為
(
し
)
たまへ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
之を誦して児童走卒も亦点頭するの工夫に至ては、
乃
(
すなは
)
ち漠然として顧みず、詩形を造る唯之を字を読むの眼に訴へて字を知らざる者の耳に訴へず、是豈に今の一大欠点に非ずや。
詩人論
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
乃
(
すなは
)
ち人をして才人巨源を
何処
(
いづこ
)
かの
逆旅
(
げきりよ
)
に刺殺せしめたりと言ふ。
按
(
あん
)
ずるに自殺に
怯
(
けふ
)
なるものは、他殺にも怯なりと言ふべからず。巨源のこの理を
辨
(
わきま
)
へず、
妄
(
みだ
)
りに今人を罵つて
畢
(
つひ
)
に刀下の
怨鬼
(
えんき
)
となる。
八宝飯
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「愛」は
乃
(
すなは
)
ち
馳
(
は
)
せ
去
(
さ
)
りつ、馳せ走りながら打泣きぬ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
乃
(
すなは
)
ち知る、人亡ぶと雖も
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
葬式の日、矢張今日のそれと同じく唯六人であつた会葬者の、三人は
乃
(
すなは
)
ち新山堂の伯母さんとお苑さんと自分とであつた。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
晏嬰
(
あんえい
)
乃
(
すなは
)
ち
田穰苴
(
でんじやうしよ
)
を
薦
(
すす
)
めて
曰
(
いは
)
く、『
穰苴
(
じやうしよ
)
は
田氏
(
でんし
)
の
(四)
庶孽
(
しよげつ
)
なりと
雖
(
いへど
)
も、
然
(
しか
)
れども
其人
(
そのひと
)
、
文
(
ぶん
)
は
能
(
よ
)
く
衆
(
しう
)
を
附
(
つ
)
け、
武
(
ぶ
)
は
能
(
よ
)
く
敵
(
てき
)
を
威
(
おど
)
す。
願
(
ねが
)
はくは
君
(
きみ
)
之
(
これ
)
を
試
(
こころ
)
みよ』
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
若し神なり、偉人なりがありとすれば、それは
乃
(
すなは
)
ち自分その物の範圍内であるのを信じてゐる。自分に關係なきものは、すべて空想であるからであると。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
道理
(
だうり
)
で、そこらの
地内
(
ちない
)
や
横町
(
よこちやう
)
へ
入
(
はひ
)
つても、つきとほしの
笄
(
かうがい
)
で、
褄
(
つま
)
を
取
(
と
)
つて、
羽子
(
はね
)
を
突
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
るのが、
聲
(
こゑ
)
も
掛
(
か
)
けはしなかつた。
割前勘定
(
わりまへかんぢやう
)
。
乃
(
すなは
)
ち
蕎麥屋
(
そばや
)
だ。と
言
(
い
)
つても、
松
(
まつ
)
の
内
(
うち
)
だ。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然り、
夜深
(
よふけ
)
の街の趣味は、
乃
(
すなは
)
ちこの不安と懐疑と好奇の念より呼び起さるゝ神秘に
有之候
(
これありそろ
)
。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
乃
(
すなは
)
ち
其
(
その
)
(二二)
僕
(
ぼく
)
と
車
(
くるま
)
の
(二三)
左駙馬
(
さふば
)
の
左驂
(
ささん
)
とを
斬
(
き
)
り、
以
(
もつ
)
て三
軍
(
ぐん
)
に
徇
(
とな
)
ふ。
使者
(
ししや
)
を
遣
(
や
)
り
還
(
かへ
)
り
報
(
はう
)
ぜしめ、
然
(
しか
)
る
後
(
のち
)
行
(
ゆ
)
く。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「ああ、自分は馬鹿であつた! 豐太閤や伊藤公の
透
(
す
)
き、
乃
(
すなは
)
ち、拔けてゐた缺點をいつも指摘しながら、自分も亦いつのまにかその缺陷があつたのだ。」
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
“乃”の解説
乃(だい)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
乃
漢検準1級
部首:⼃
2画
“乃”を含む語句
乃公
乃至
木乃伊
乃舅
乃父
犬塚信乃
乃翁
乃木大将
乃木
信乃
宇乃
喜乃
乃祖
乃枝
乃木希典
木乃伊取
欸乃
余乃
木伊乃
士乃
...