“宇乃”の読み方と例文
読み方割合
うの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう云って、慶月院は、宇乃うのさん、と呼んだ。静かであるがよく徹る声で、返辞が聞え、まもなく、茶の間に通ずるふすまをあけて、宇乃が顔をみせた。
帯刀たてわきは話しをやめて、じっと宇乃うのの横顔を見まもった。彼は原田家の嗣子で、年は十七歳になる。父の甲斐には似ていない、おそらく母親似なのであろう。
畑は納戸なんど役(禄高不明)で夫婦の間に宇乃うのという十三歳の娘と、虎之助という六歳の男子があった。訪問者と聞いたとき、畑はふと不吉な予感におそわれた。