“清癯”の読み方と例文
読み方割合
せいく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
竹越君曰く、透谷と月下に語れば清癯せいく飄渺へうべうとして神仙の如し、亦俗界の人に非るを覚ふ。蘇峰氏予につて曰く、透谷は銀匙なり君に至つてはすなはち鉄瓶のみ。
北村透谷君 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
一日昧爽まいそう櫛沐しつもくあたリ、打門ノ声甚ダ急ナルヲ聞キ、楼欄ニツテこれヲ観ルニ、客アリ。清癯せいく鶴ノ如シ。戸ニ当リテ立ツ。スミヤカニ倒屣とうしシテ之ヲ迎フ。既ニシテ門ニ入リ名刺ヲ出ダス。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
段の上にすッくと立って、名家の彫像のごとく、目まじろきもしないで、一じょうの光景を見詰めていた黒ききぬ、白きおもて清癯せいく鶴に似たる判事は、と下りて、ずッと寄って、お米の枕頭まくらもとに座を占めた。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)