東西南北序とうざいなんぼくじょ
鐵幹、歌を作らず。しかも、鐵幹が口を衝いて發するもの、皆歌を成す。其短歌若干首、之を敲けば、聲、釣鐘の如し。世人曰く、不吉の聲なりと。鐵幹自ら以て、大聲は俚耳に入らずと爲す。其長歌若干首、之を誦するに、壯士劍に舞へば、風、木葉を振ふが如し。 …