“欸乃”の読み方と例文
読み方割合
あいだい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒潮に洗われるこの浦の波の色は濃く紺青こんじょうを染め出して、夕日にかがやく白帆と共に、強い生々いきいきとした眺めである。これは美しいが、夜の欸乃あいだいは侘しい。訳もなしに身に沁む。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
漁舟江心に向かいてこぎ出せば欸乃あいだい風に漂うて白砂の上に黒き鳥の群れ居るなどは『十六夜日記いざよいにっき』そのままなり。浜松にては下りる人乗る人共に多く窮屈さ更に甚だしくなりぬ。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)