トップ
>
適
>
てき
ふりがな文庫
“
適
(
てき
)” の例文
一、
最初
(
さいしよ
)
の
一瞬間
(
いつしゆんかん
)
に
於
(
おい
)
て
非常
(
ひじよう
)
の
地震
(
ぢしん
)
なるか
否
(
いな
)
かを
判斷
(
はんだん
)
し、
機宜
(
きゞ
)
に
適
(
てき
)
する
目論見
(
もくろみ
)
を
立
(
た
)
てること、
但
(
たゞ
)
しこれには
多少
(
たしよう
)
の
地震知識
(
ぢしんちしき
)
を
要
(
よう
)
す。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
樹木
(
じゆもく
)
には、それ/″\
日陰地
(
ひかげち
)
にもよく
育
(
そだ
)
つ
木
(
き
)
や、また
日陰
(
ひかげ
)
と
日陽
(
ひなた
)
の
中間
(
ちゆうかん
)
のところを
好
(
この
)
む
等
(
など
)
、
種類
(
しゆるい
)
によつて、
土地
(
とち
)
に
適
(
てき
)
、
不適
(
ふてき
)
があります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
はまぐりの如き
貝殼
(
かいがら
)
は自然に
皿形
(
さらがた
)
を成し、且つ
相對
(
あひたい
)
する者二枚を合する時
葢
(
ふた
)
と身との部さへ
具
(
そな
)
はるが故に物を
貯
(
たく
)
ふる器とするに
適
(
てき
)
したり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
花
(
はな
)
のだん/\
咲
(
さ
)
き
調
(
とゝの
)
つて
行
(
ゆ
)
くありさまが、よく
詠
(
よ
)
んであります。その
上
(
うへ
)
に、いかにも
紫陽花
(
あぢさゐ
)
に
適
(
てき
)
した
氣分
(
きぶん
)
が
出
(
で
)
てゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
元来意見があつて、
人
(
ひと
)
がそれに
則
(
のつと
)
るのぢやない。
人
(
ひと
)
があつて、
其人
(
そのひと
)
に
適
(
てき
)
した様な意見が
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るのだから、
僕
(
ぼく
)
の説は
僕
(
ぼく
)
丈に通用する丈だ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
この
渓谷
(
けいこく
)
の水が
染物
(
そめもの
)
によく
適
(
てき
)
し、ここの
温度
(
おんど
)
が
革
(
かわ
)
づくりによいせいだというか、とにかく、
緋
(
ひ
)
おどし
谷
(
だに
)
の
開闢
(
かいびゃく
)
は、
信玄以来
(
しんげんいらい
)
のことである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鑿
(
のみ
)
のような
刃
(
やいば
)
のついてゐる
一寸
(
いつすん
)
ぐらゐの
小
(
ちひ
)
さい
石斧
(
せきふ
)
もありますが、これは
石斧
(
せきふ
)
といふよりも、
石鑿
(
いしのみ
)
といつた
方
(
ほう
)
が
適
(
てき
)
してゐるように
思
(
おも
)
はれます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
これを一読するに
惜
(
おし
)
むべし論者は
幕末
(
ばくまつ
)
外交の
真相
(
しんそう
)
を
詳
(
つまびらか
)
にせざるがために、
折角
(
せつかく
)
の評論も全く事実に
適
(
てき
)
せずして
徒
(
いたずら
)
に一篇の
空文字
(
くうもんじ
)
を
成
(
な
)
したるに過ぎず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
然れども「想」あり此に「形」なきを得ず、新詩形豈
止
(
や
)
むべけんや。唯何を以て新体詩の標準となさん乎に至つては未だ
適
(
てき
)
として依る所なきを見る也。
詩人論
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
蓋
(
けだ
)
し廃藩以来、士民が
適
(
てき
)
として
帰
(
き
)
するところを失い、或はこれがためその品行を
破
(
やぶっ
)
て
自暴自棄
(
じぼうじき
)
の
境界
(
きょうがい
)
にも
陥
(
おちい
)
るべきところへ、いやしくも肉体以上の心を養い
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
三
韓
(
かん
)
支那
(
しな
)
の
建築
(
けんちく
)
は
木材
(
もくざい
)
と
甎
(
せん
)
と
石
(
いし
)
との
混用
(
こんよう
)
であるが、これも
彼
(
か
)
の
土
(
ど
)
における
木材
(
もくざい
)
が
比較的
(
ひかくてき
)
貧少
(
ひんせう
)
であるのと、
石材
(
せきざい
)
及
(
およ
)
び
甎
(
せん
)
に
適
(
てき
)
する
材料
(
ざいれう
)
が
豊富
(
ほうふ
)
であるがためである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
「それどころですか、ダイアナ、あの方が私に申し込をなすつたたゞ一つのお考へは、あの方の印度での仕事に
適
(
てき
)
した働き仲間を得ようとなさるからなんです。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ものを
考
(
かんが
)
えるには、こうして
暗
(
くら
)
い
道
(
みち
)
を
歩
(
ある
)
くのが
適
(
てき
)
したばかりでなしに、せっかく、
楽
(
たの
)
しい、かすかな
空想
(
くうそう
)
の
糸
(
いと
)
を
混乱
(
こんらん
)
のために、
切
(
き
)
ってしまうのが
惜
(
お
)
しかったのです。
青い星の国へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
伸一先生
(
しんいちせんせい
)
の
柔和
(
にうわ
)
にして
毅然
(
きぜん
)
たる
人物
(
じんぶつ
)
は、これ
等
(
ら
)
の
教訓
(
けうくん
)
を
兒童
(
こども
)
の
心
(
こゝろ
)
に
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
むに
適
(
てき
)
して
居
(
ゐ
)
たのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
木曾
(
きそ
)
のやうに
山坂
(
やまさか
)
の
多
(
おほ
)
いところには、その
土地
(
とち
)
に
適
(
てき
)
した
馬
(
うま
)
があります。いくら
體格
(
たいかく
)
の
好
(
い
)
い
立派
(
りつぱ
)
な
馬
(
うま
)
でも、
平地
(
へいち
)
にばかり
飼
(
か
)
はれた
動物
(
どうぶつ
)
では、
木曾
(
きそ
)
のやうな
土地
(
とち
)
には
適
(
てき
)
しません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼
(
かれ
)
の
風呂敷包
(
ふろしきづゝみ
)
から
獲
(
え
)
つゝあつた
金錢
(
きんせん
)
は
些少
(
すこし
)
のものであつたが、それは
時
(
とき
)
として
彼
(
かれ
)
の
硬
(
こは
)
ばつた
舌
(
した
)
に
適
(
てき
)
した
食料
(
しよくれう
)
の
或
(
ある
)
物
(
もの
)
を
求
(
もと
)
める
外
(
ほか
)
に一
部分
(
ぶぶん
)
は
與吉
(
よきち
)
の
小
(
ちひ
)
さな
手
(
て
)
に
落
(
おと
)
されるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そこで金太郎は、二三米先へ歩いていつて自轉車を起すと、またそれにまたがつて、今度はペタルから足を
離
(
はな
)
さぬ樣に注意し、
適
(
てき
)
當に速さを加減しながら坂の下へおりていつた。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
我
(
わ
)
が
品川
(
しながは
)
の
住居
(
じうきよ
)
から
遠
(
とほ
)
くもあらぬ
桐
(
きり
)
ヶ
谷
(
や
)
の
村
(
むら
)
、
其所
(
そこ
)
に
在
(
あ
)
る
氷川神社
(
ひがはじんじや
)
の
境内
(
けいだい
)
に、
瀧
(
たき
)
と
名
(
な
)
に
呼
(
よ
)
ぶも
如何
(
いかゞ
)
であるが、一
日
(
にち
)
の
暑
(
しよ
)
を
避
(
さ
)
けるに
適
(
てき
)
して
居
(
ゐ
)
る
靜地
(
せいち
)
に、
清水
(
しみづ
)
の
人造瀧
(
じんざうたき
)
が
懸
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
るので
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
御存
(
ごぞん
)
じの
方
(
かた
)
は、
武生
(
たけふ
)
と
言
(
い
)
へば、あゝ、
水
(
みづ
)
のきれいな
處
(
ところ
)
かと
言
(
い
)
はれます——
此
(
こ
)
の
水
(
みづ
)
が
鐘
(
かね
)
を
鍛
(
きた
)
へるのに
適
(
てき
)
するさうで、
釜
(
かま
)
、
鍋
(
なべ
)
、
庖丁
(
はうてう
)
、
一切
(
いつさい
)
の
名産
(
めいさん
)
——
其
(
そ
)
の
昔
(
むかし
)
は、
聞
(
きこ
)
えた
刀鍛冶
(
かたなかぢ
)
も
住
(
す
)
みました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
信州
御岳参
(
みたけまゐ
)
り七回の
経験
(
けいけん
)
あるを
聞
(
き
)
き衆皆之を
壮
(
さう
)
とす、此峠を
過
(
す
)
ぐれば字上ヶ原の大平野あり、
広袤
(
こうばう
)
凡一万町歩、
水
(
みづ
)
あり
良草
(
りやうさう
)
あり以て
牧塲
(
ぼくじやう
)
となすに
適
(
てき
)
す、今之を不毛に
附
(
ふ
)
し
去
(
さ
)
るは
遺憾
(
いかん
)
と云ふべし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
適
(
てき
)
せざる
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
もし
右
(
みぎ
)
のような
火
(
ひ
)
の
性質
(
せいしつ
)
を
心得
(
こゝろえ
)
てゐると、
心
(
こゝろ
)
の
落着
(
おちつき
)
も
出來
(
でき
)
るため、
危急
(
ききゆう
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
機宜
(
きゞ
)
に
適
(
てき
)
する
處置
(
しよち
)
も
出來
(
でき
)
るようにもなるものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
以上
(
いじよう
)
お
話
(
はなし
)
したのは、つゞめていふと
暑
(
あつ
)
い
𤍠帶
(
ねつたい
)
から
暖
(
だん
)
、
温
(
おん
)
、
寒
(
かん
)
といふ
風
(
ふう
)
にその
各地方
(
かくちほう
)
に
適
(
てき
)
してよく
育
(
そだ
)
つ
森林
(
しんりん
)
の
區域
(
くいき
)
と、その
帶
(
たい
)
の
特徴
(
とくちよう
)
とでした。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
獸骨器の
右
(
みぎ
)
に
畫
(
ゑが
)
きたるは魚骨器なり。
上端
(
じやうたん
)
の孔は糸を貫くに
適
(
てき
)
したり。
思
(
おも
)
ふに此骨器は
粗
(
あら
)
き物を
縫
(
ぬ
)
ひ合はする時に
針
(
はり
)
として用ゐられしならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
やら
性質
(
せいしつ
)
が、
夫程
(
それほど
)
盲目的
(
まうもくてき
)
に
猛烈
(
まうれつ
)
な
働
(
はたらき
)
を
敢
(
あへ
)
てするに
適
(
てき
)
しない
事
(
こと
)
を
深
(
ふか
)
く
悲
(
かな
)
しんだ。
况
(
いは
)
んや
自分
(
じぶん
)
の
此
(
この
)
山
(
やま
)
で
暮
(
く
)
らすべき
日
(
ひ
)
は
既
(
すで
)
に
限
(
かぎ
)
られてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
雲
(
くも
)
にしようか。」と、お
思
(
おも
)
いになりました。
雲
(
くも
)
は、はてしもない
大空
(
おおぞら
)
を、
毎日
(
まいにち
)
、あてもなく
漂
(
ただよ
)
っているのですから、おじいさんのようなものぐさ
者
(
もの
)
には、いちばん
適
(
てき
)
していました。
ものぐさじじいの来世
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこで
適
(
てき
)
當な人はゐないかと
周圍
(
しうい
)
を
眺
(
なが
)
め始めた。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
海岸
(
かいがん
)
には、
枝
(
えだ
)
ぶりのうつくしいくろまつがつらなり
生
(
は
)
えたりしてゐます。
同
(
おな
)
じ
松
(
まつ
)
でもあかまつは
山
(
やま
)
に
適
(
てき
)
してゐますが、くろまつは
潮風
(
しほかぜ
)
に
最
(
もつと
)
も
強
(
つよ
)
い
木
(
き
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
余は既に土器の中に
湯水
(
ゆみづ
)
を飮むに
適
(
てき
)
したる
椀形
(
わんがた
)
のもの有る事を述べしが、別に
急須形
(
きうすがた
)
のもの有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
普通
(
ふつう
)
の
住宅
(
じゆうたく
)
ならば
椅子
(
いす
)
、
衣類
(
いるい
)
で
充滿
(
じゆうまん
)
した
箪笥
(
たんす
)
、
火鉢
(
ひばち
)
、
碁盤
(
ごばん
)
、
將棊盤
(
しようぎばん
)
など、
總
(
すべ
)
て
堅牢
(
けんろう
)
な
家具
(
かぐ
)
ならば
身
(
み
)
を
寄
(
よ
)
せるに
適
(
てき
)
してゐる。これ
等
(
ら
)
の
適例
(
てきれい
)
は
大地震
(
だいぢしん
)
の
度毎
(
たびごと
)
にいくらも
見出
(
みいだ
)
される。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
そのなかに、
彼
(
かれ
)
は
年
(
とし
)
に
合
(
あ
)
はしては
複雜
(
ふくざつ
)
な
實用
(
じつよう
)
に
適
(
てき
)
しない
頭
(
あたま
)
を
有
(
も
)
つてゐながら、
年
(
とし
)
よりも
若
(
わか
)
い
單純
(
たんじゆん
)
な
性情
(
せいじやう
)
を
平氣
(
へいき
)
で
露
(
あら
)
はす
子供
(
こども
)
ぢやないかといふ
質問
(
しつもん
)
があつた。
宗助
(
そうすけ
)
はすぐそれを
首肯
(
うけが
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
また
有珠山
(
うすさん
)
の
明治四十三年
(
めいじしじゆうさんねん
)
の
噴火
(
ふんか
)
は
數日前
(
すうじつぜん
)
から
地震
(
ぢしん
)
を
先發
(
せんぱつ
)
せしめたので、
時
(
とき
)
の
室蘭警察署長
(
むろらんけいさつしよちよう
)
飯田警視
(
いひだけいし
)
が
爆發
(
ばくはつ
)
を
未然
(
みぜん
)
に
察
(
さつ
)
し、
機宜
(
きゞ
)
に
適
(
てき
)
する
保安上
(
ほあんじよう
)
の
手段
(
しゆだん
)
を
取
(
と
)
つたことは
特筆
(
とくひつ
)
すべき
事柄
(
ことがら
)
である。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
適
常用漢字
小5
部首:⾡
14画
“適”を含む語句
適合
適当
適宜
快適
適當
適切
適々
悠々自適
適確
適中
不適當
適用
適例
胡適
閑適
適役
適否
室適
適応
適従
...