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獸
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けもの
ふりがな文庫
“
獸
(
けもの
)” の例文
新字:
獣
美
(
うつく
)
しい
瀬
(
せ
)
を
立
(
た
)
てて、
玉
(
たま
)
のやうな
礫
(
こいし
)
をおもしに、
獸
(
けもの
)
の
皮
(
かは
)
の
白
(
しろ
)
く
晒
(
さら
)
されたのが
浸
(
ひた
)
してある
山川
(
やまがは
)
に
沿
(
そ
)
うて
行
(
ゆ
)
くと、
山
(
やま
)
の
奧
(
おく
)
にまた
山
(
やま
)
があつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
野生
(
やせい
)
の
獸
(
けもの
)
だけでも、
二百六十八種
(
にひやくろくじゆうはつしゆ
)
、
牛
(
うし
)
や
馬
(
うま
)
その
他
(
ほか
)
家畜
(
かちく
)
動物
(
どうぶつ
)
は
十六種
(
じゆうろくしゆ
)
もゐますが、こゝでは
山
(
やま
)
に
棲
(
す
)
む
動物
(
どうぶつ
)
について
少
(
すこ
)
しくお
話
(
はなし
)
しませう。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
どうかすると
蘇生
(
いきかへ
)
つた
蜂
(
はち
)
に
追
(
お
)
はれて
刺
(
さ
)
されたといふ
人
(
ひと
)
の
話
(
はなし
)
も
聞
(
き
)
きました。さうなると
鐵砲
(
てつぱう
)
をかついで
獸
(
けもの
)
を
打
(
う
)
ちに
行
(
ゆ
)
くも
同
(
おな
)
じやうなものです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
其
(
そ
)
の
鄰
(
となり
)
、
其
(
そ
)
の
鄰
(
となり
)
、
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
、
其
(
そ
)
の
下
(
した
)
、
並
(
なら
)
んで、
重
(
かさな
)
つて、
或
(
あるひ
)
は
青
(
あを
)
く、
或
(
あるひ
)
は
赤
(
あか
)
く、
或
(
あるひ
)
は
黒
(
くろ
)
く、
凡
(
およ
)
そ
臼
(
うす
)
ほどの、
變
(
へん
)
な、
可厭
(
いや
)
な
獸
(
けもの
)
が
幾
(
いく
)
つともなく
並
(
なら
)
んだ。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それに私の考へでは、お
化
(
ばけ
)
といふものは、口の
利
(
き
)
けない
獸
(
けもの
)
の身體を借りるかも知れないけれど、普通の人間の姿を借りることは到底出來ないのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
埃及
(
えじぷと
)
には
頭
(
あたま
)
が
鳥
(
とり
)
だの
獸
(
けもの
)
だの
色々
(
いろ/\
)
の
化物
(
ばけもの
)
があるが
皆
(
みな
)
此内
(
このうち
)
である。
此
(
この
)
(一)に
屬
(
ぞく
)
するものは
概
(
がい
)
して
神祕的
(
しんぴてき
)
で
尊
(
たうと
)
い。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
...
吾
(
わ
)
が
子
(
し
)
に
告
(
つ
)
ぐる
所以
(
ゆゑん
)
は
是
(
かく
)
の
若
(
ごと
)
き
而已
(
のみ
)
』と。
孔子
(
こうし
)
去
(
さ
)
つて
弟子
(
ていし
)
に
謂
(
い
)
つて
曰
(
いは
)
く、『
鳥
(
とり
)
は
吾
(
われ
)
其
(
そ
)
の
能
(
よ
)
く
飛
(
と
)
ぶを
知
(
し
)
り、
魚
(
うを
)
は
吾
(
われ
)
其
(
そ
)
の
能
(
よ
)
く
游
(
およ
)
ぐを
知
(
し
)
り、
獸
(
けもの
)
は
吾
(
われ
)
其
(
そ
)
の
能
(
よ
)
く
走
(
はし
)
るを
知
(
し
)
る。 ...
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
日頃氣取つてばかり居る中年増のお袖も、譯のわからぬ事を歌ひ續け乍ら、あられもない
双肌脱
(
もろはだぬぎ
)
になつて、尻尾に火の付いた
獸
(
けもの
)
のやうに、船の中を飛び廻ります。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まるで
獸
(
けもの
)
の牙のやうな刀樹の頂きを半ばかすめて(その刀樹の梢にも、多くの亡者が纍々と、五體を
貫
(
つらぬ
)
かれて居りましたが)
中空
(
なかぞら
)
から落ちて來る一輛の牛車でございませう。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雪
(
ゆき
)
に
覆
(
おほ
)
はれたその
切
(
き
)
り
崩
(
くづ
)
しの
斜面
(
しやめん
)
に、
獸
(
けもの
)
の
足跡
(
あしあと
)
が、
二筋
(
ふたすぢ
)
についてゐるのは、
犬
(
いぬ
)
か
何
(
なに
)
かゞ
驅
(
か
)
け
下
(
お
)
りたのであらう、それとも、
雪崩
(
なだれ
)
になつて
轉
(
ころ
)
げ
下
(
お
)
りて
來
(
き
)
た
塊
(
かたま
)
りの
走
(
はし
)
つた
跡
(
あと
)
でもあらうかと
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
知らぬ
獸
(
けもの
)
に
邂逅
(
でつくわ
)
した山羊の樣な眼をして、女は
卓子
(
テーブル
)
の
彼方
(
むかう
)
に立つた! 然しアノ眼に、俺を厭がる色が
些
(
ちつ
)
とも見えなかつた。然うだ、
吃驚
(
びつくり
)
したのだ。唯
吃驚
(
びつくり
)
したのだ。尤も俺も惡かつた。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
聞時は
頻
(
しき
)
りに
憎
(
にく
)
く思はれ
他人
(
ひと
)
の事にても
何分
(
なにぶん
)
捨
(
すて
)
置れぬ
性質
(
せいしつ
)
なり是犬は
陽
(
やう
)
にして正直なる
獸
(
けもの
)
ゆゑ
猫
(
ねこ
)
狸
(
たぬき
)
其外
(
そのほか
)
魔性
(
ましやう
)
の
陰獸
(
いんじう
)
を見る時は
忽地
(
たちまち
)
噛殺
(
かみころ
)
すが如し
己
(
おのれ
)
が
性
(
せい
)
に
反
(
はん
)
して
陰惡
(
いんあく
)
を
巧
(
たく
)
むものは
陽正
(
やうせい
)
の者是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
心臟
(
ハート
)
の
王樣
(
わうさま
)
と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
とがお
着
(
ちやく
)
になり、
其
(
そ
)
の
玉座
(
ぎよくざ
)
につかせられました
時
(
とき
)
、
多勢
(
おほぜい
)
のものどもが
其周
(
そのまは
)
りに
集
(
あつ
)
まつて
來
(
き
)
ました——
骨牌
(
カルタ
)
の
一
(
ひ
)
ト
包
(
つゝみ
)
と
同
(
おな
)
じやうな、
小鳥
(
ことり
)
や
獸
(
けもの
)
が
殘
(
のこ
)
らず、
軍人
(
ネーブ
)
は
鎖
(
くさり
)
に
繋
(
つな
)
がれて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
樫いとどにほふ眞闇となりにけり夜ふけくるひたつ
鳥
(
とり
)
獸
(
けもの
)
のこゑ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鋭
(
するど
)
く
拂
(
はら
)
つてお
高
(
たか
)
どの
詞
(
ことば
)
ばかりは
嬉
(
うれ
)
しけれど
眞實
(
まこと
)
やら
何
(
なに
)
やら
心
(
こゝろ
)
まで
見
(
み
)
る
目
(
め
)
は
芳之助
(
よしのすけ
)
あやにく
持
(
も
)
たず
父御
(
てゝご
)
の
心
(
こゝろ
)
も
大方
(
おほかた
)
は
知
(
し
)
れてあり
甲斐性
(
かひしよ
)
なしの
我
(
わ
)
れ
嫌
(
いや
)
になりて
縁
(
えん
)
の
絶
(
た
)
ちどが
無
(
な
)
さに
計略三昧
(
けいりやくざんまい
)
かゝりし
我等
(
われら
)
は
罠
(
わな
)
のうちの
獸
(
けもの
)
ぞ
手
(
て
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
飢ゑてさまよふ
獸
(
けもの
)
かととがめたまはめ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
獸
(
けもの
)
のやうな
榛
(
はん
)
の木が腕を突き出し
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
花百合のなかに
獸
(
けもの
)
の
檻
(
をり
)
は見ゆ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
つどへよ
獸
(
けもの
)
、
列
(
つら
)
なりて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
山の
獸
(
けもの
)
はそんな日に
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
此
(
これ
)
で
思
(
おも
)
ふと……
石
(
いし
)
を
投
(
な
)
げた
狂人
(
きちがひ
)
と
云
(
い
)
ふのも、
女學生
(
ぢよがくせい
)
を
連
(
つ
)
れた
黒
(
くろ
)
い
媼
(
ばあ
)
さんの
行列
(
ぎやうれつ
)
も、
獸
(
けもの
)
のやうに、
鳥
(
とり
)
のやうに、
散
(
ち
)
つた、
駈
(
か
)
けたと
云
(
い
)
ふ
中
(
うち
)
に、
其
(
それ
)
が
皆
(
みな
)
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
みゝづくはとらふづくの
類
(
るい
)
で、
獸
(
けもの
)
のような
顏
(
かほ
)
で、
耳
(
みゝ
)
のようなものが
立
(
た
)
つてゐます。しかしこれは
耳
(
みゝ
)
たぶではなく、
實
(
じつ
)
は
毛
(
け
)
が
立
(
た
)
つてゐるだけなのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
お
前達
(
まへたち
)
の
好
(
す
)
きなお
伽話
(
とぎばなし
)
の
本
(
ほん
)
や
雜誌
(
ざつし
)
の
中
(
なか
)
に
出
(
で
)
て
來
(
く
)
るやうな、
鳥
(
とり
)
や
獸
(
けもの
)
まで
幼少
(
ちひさ
)
い
時分
(
じぶん
)
の
父
(
とう
)
さんにはお
友達
(
ともだち
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私はまるで、私が打つか押しのけるかした
獸
(
けもの
)
が、人間の眼をして私を見上げ、人間の聲で私を呪つてゐるやうな恐しさを感じた。——水を持つて來ておくれ! あゝ、早くして!
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
武家はちよいと
怖
(
こは
)
い顏をして居るが、よく/\見ると顏の造作の刻みが深いといふだけのことで、まことに人相に毒がねえ、——
牙
(
きば
)
のある
獸
(
けもの
)
に角がなく、角のある獸に牙がねえのと同じ
理窟
(
りくつ
)
で
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
殺
(
あや
)
めしが如くまだ
生々
(
なま/\
)
しき
膏
(
あぶら
)
の
浮
(
うい
)
て見ゆれば
偵
(
さすが
)
に吉兵衞は
愕然
(
ぎよつ
)
として扨ても山賊の住家なり
斯
(
かゝ
)
る所へ泊りしこそ
不覺
(
ふかく
)
なれと
後悔
(
こうくわい
)
すれど今は
網裡
(
まうり
)
の魚
函中
(
かんちう
)
の
獸
(
けもの
)
また
詮方
(
せんかた
)
ぞ
無
(
なか
)
りければ如何はせんと再び
枕
(
まくら
)
に
就
(
つき
)
ながらも次の間の
動靜
(
やうす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
獸
(
けもの
)
かと
跫音
(
あしおと
)
忍びかへり來ぬ。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
つどへよ
獸
(
けもの
)
、
列
(
つら
)
なりて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
我れは醜き
獸
(
けもの
)
にして
氷島
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
申
(
まを
)
さば
其
(
その
)
お
心
(
こゝろ
)
が
恨
(
うら
)
みなり
父樣
(
とゝさま
)
が
惡計
(
わるだくみ
)
それお
責
(
せ
)
め
遊
(
あそ
)
ばすにお
答
(
こた
)
への
詞
(
ことば
)
もなけれど
其
(
その
)
くやしさも
悲
(
かな
)
しさもお
前
(
まへ
)
さまに
劣
(
おと
)
ることかは
人知
(
ひとし
)
らぬ
夜
(
よ
)
の
家具
(
やぐ
)
の
襟
(
えり
)
何故
(
なにゆゑ
)
にぬるゝものぞ
涙
(
なみだ
)
に
色
(
いろ
)
のもしあらば
此袖
(
このそで
)
ひとつにお
疑
(
うたが
)
ひは
晴
(
は
)
れやうもの
一
(
ひと
)
つ
穴
(
あな
)
の
獸
(
けもの
)
とは
餘
(
あま
)
りの
仰
(
おほ
)
せつもりても
御覽
(
ごらん
)
ぜよ
繋
(
つな
)
がれねど
身
(
み
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
雲
(
くも
)
暗
(
くら
)
し、
雲
(
くも
)
暗
(
くら
)
し、
曠野
(
あらの
)
を
徜徉
(
さまよ
)
ふ
狩
(
かり
)
の
公子
(
こうし
)
が、
獸
(
けもの
)
を
照
(
てら
)
す
炬火
(
たいまつ
)
は、
末枯
(
うらがれ
)
の
尾花
(
をばな
)
に
落葉
(
おちば
)
の
紅
(
べに
)
の
燃
(
も
)
ゆるにこそ。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
登山者
(
とざんしや
)
が
熊
(
くま
)
にぶつかるなどといふことは、さう/\あるものではないのです。しかし、
本州
(
ほんしゆう
)
、
四國
(
しこく
)
、
九州
(
きゆうしゆう
)
の
山
(
やま
)
にわたつてくま、ゐのしゝ、しか、かもしか
等
(
など
)
の
大
(
おほ
)
きな
獸
(
けもの
)
が
棲
(
す
)
んでゐるのは
事實
(
じじつ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
鈍き音、——あやし
獸
(
けもの
)
の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
あくる
朝
(
あさ
)
、
命
(
いのち
)
の
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
まうとすると、
釣瓶
(
つるべ
)
に
一杯
(
いつぱい
)
、
汚
(
きたな
)
い
獸
(
けもの
)
の
毛
(
け
)
が
浮
(
う
)
いて
上
(
あが
)
る……
三毛猫
(
みけねこ
)
の
死骸
(
しがい
)
が
投込
(
なげこ
)
んであつた。その
斷
(
ことわ
)
られたものの
口惜
(
くやし
)
まぎれの
惡戲
(
いたづら
)
だらうと
言
(
い
)
ふのである。——
朝
(
あさ
)
の
事
(
こと
)
で。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
續
(
つゞ
)
いて、どの
獸
(
けもの
)
の
面
(
つら
)
も
皆
(
みな
)
笑
(
わら
)
つた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
獸
部首:⽝
19画
“獸”を含む語句
獸類
野獸
獸物
猛獸
海獸
禽獸
獸皮
獸骨
半獸
走獸
獸肉屋
獸類同然
畜獸
百獸
禽獸的生活
該獸等
鳥獸魚介
陰獸
靈獸
鳥獸
...