“けもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ケモノ
語句割合
75.6%
8.3%
獣物6.6%
毛物1.7%
1.7%
野獣1.3%
家畜1.0%
海獣0.3%
獣類0.3%
獸類0.3%
動物0.3%
怪物0.3%
毛族0.3%
獣蓄0.3%
獸物0.3%
着物0.3%
群畜0.3%
0.3%
走者0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう云って、多田刑事は、小さい紙片しへんを手渡した。警部はけもののように低くうなりつつ、多田の聞書というのを読んだ。「よし、会おう」
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
野生やせいけものだけでも、二百六十八種にひやくろくじゆうはつしゆうしうまそのほか家畜かちく動物どうぶつ十六種じゆうろくしゆもゐますが、こゝではやま動物どうぶつについてすこしくおはなししませう。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
腕の何処どこかに触れたらしく、あっと低く、うめく声がしたと思うと、黒影は咄嗟とっさに二つに分れて、暗殺者が、傷ついた獣物けものの素早さで、闇に消え行く姿が見えた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
今度の馬は杖でなぐる度ごとに、蹴ったり竿立さおだちになったりする毛物けもので、大部せき立ててやっと伸暢駈足ギャロップを始めたが、それがまた偉い勢で飛んで行くのである。
巧みにけものの状をして人を脅かし非を遂げたのであろう。
私は初めて人間の生血をる、恐ろしい野獣けものの所為をまのあたり見た。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
そのうえ、上の入歯をくしたせいもあったでしょうか、いやに下唇ばかり突き出てしまって、それを見るとほんとうに、ひとしお家畜けものめいていじらしく思われました
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「折竹さん、海獣けものとばかり交際つきあってて、あたしを忘れちゃ駄目だよ。一度、ぜひ伺わせて貰うからね」
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
こりゃね、一つお前さんに仕方ばなしをして貰おうよ。海獣けものの訓練の順序を
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その事なれば及ばずながら、某一肢の力を添へん。われ彼の金眸きんぼう意恨うらみはなけれど、彼奴きゃつ猛威をたくましうして、余の獣類けものみだりにしいたげ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
総じて獣類けものは胎生なれど、多くは雌雄数匹すひきはらみて、一親一子はいと稀なり。さるに御身はただ一匹にて生まれしかば、その力五、六匹を兼ねたり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
獸類けもののごとくに悲しまむ。
氷島 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
いかなれば獸類けものの如く
氷島 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
きしうへあつまつた一たいは、それこそ滑稽こつけい觀物みものでした——とり諸羽もろは泥塗どろまみれに、動物けもの毛皮もうひ毛皮もうひ膠着くツつかんばかりに全濡びしよぬれになり、しづくがたら/\ちるのでからだよこひねつて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
うとましの怪物けもの鎌首かまくび
しやうりの歌 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
自分はまず黒白斑くろしろぶちの牛と赤牛との二頭を牽出ひきだす。彼ら無心の毛族けものも何らか感ずるところあると見え、残る牛も出る牛もいっせいに声を限りと叫び出した。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
なんじけがらわしき物は何もくらなかれ。汝らがくらうべき獣蓄けものこれなりすなわち牛、羊、山羊やぎ牡鹿おじか羚羊かもしか、小鹿、やまひつじくじかおおじかおおくじか、など。すべ獣蓄けもの中蹄うちひづめの分れ割れて二つの蹄を成せる反蒭獣にれはむけものは汝らこれくらうべし。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
臆病な獸物けもののやうな眼が、平次の救ひを求めます。
林「エヽイ、くもかねえもらねえ、放さねえかよ、これ放さねえかてえにあれ着物けものが裂けてしまうじゃアねえか、裂けるよ、放さねえか、放しやがれ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
群畜けものらかの速き泉に就きぬ
わがひとに与ふる哀歌 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
多治見たじみにいち早く私たちを出迎えてくれて、それから中津川に着くまでの汽車中を分時ふんじも宣伝の饒舌じょうぜつを絶たなかった、いささかけものへんの恵那峡人Yという、鼻の白くて高い痩せ形の熱狂者が
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
庵主あんじゅは、魚面人身ぎょめんじんしん、よく幻術を行のうて、存亡自在、冬、雷を起こし、夏、氷を造り、飛者とりを走らしめ、走者けものを飛ばしめるといううわさである。悟浄はこの道人に月仕えた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)