“けだもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
67.2%
獣物15.3%
6.8%
獸物3.4%
獣類1.7%
動物1.1%
怪物1.1%
野獣1.1%
0.6%
獸類0.6%
毛族0.6%
野獸0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自然界では、鳥、けだもの、虫けらの果てにいたるまで、毎日、無量の殺し合いをしているが、かつて刑罰を受けたということを聞かない。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その腕を広げて、あろうことか、私にみだらしいいどみを見せてまいったのです。そして、その獣物けだもののような狂乱が、とうとう私に……
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ちょうどみなさんが遠足えんそくくときにもちひる水筒すいとうおなじものでありますが、これははじめはけだものかはつくつた水袋みづぶくろからそのかたちたのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
あれこそは此世このよ名譽めいよといふ名譽めいよが、った一人ほとり王樣わうさまとなって、すわ帝座ていざぢゃ。おゝ、なんといふ獸物けだものぢゃわしは、かりにもかたわるういふとは!
「イヤ。トテモ大椿事おおごとですばい。アンタ方は知りなさるまいが、鯨はアレで魚じゃない。獣類けだものですばい」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「だからぼく、さういつたんだ、いゝえ、あの、先生せんせい、さうではないの。ひとも、ねこも、いぬも、それからくまみんなおんなじ動物けだものだつて。」
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
や、戯謔じやうだんぢやない、今度は真面目まじめの話だ——ソレ、の向ふに北海道土人の阿房払あはうばらひ宜しくと云ふ怪物けだものが居るだらう、サウ/\、あの丸井の禿顱はげと話してる、——彼奴あいつ誠に人情を解せん石部党で
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
いや、女の肉に飢えた野獣けだものだ! 兄上! もはやこの軍使と言葉を交す要はござりませぬ。札荅蘭ジャダラン族の運命は決まった。ひとり残らず、この地球の表面おもてから抹殺されるだけのことだ。
プリニウスの説に、驢は寒を恐る、故にポンツスに産せず、また他のけだもの通り、春分を以て交わらしめず、夏至において交わらしむと。
これを概するに、荷を負うけだものにもそれぞれ向々むきむきがあって、馬は平原によろしく、象は藪林に適し、砂漠に駱駝、山岡に驢がもっともよく役に立つ。
をとこらしうもをなごらしうもえて、獸類けだものらしうもゆるともない振舞ふるまひ! はてさて、あきてた。誓文せいもんわし今少もすこ立派りっぱ氣質きだてぢゃとおもうてゐたに。
平和へいわみだ暴人ばうじんども、同胞どうばうもっ刃金はがねけが不埓奴ふらちやつ……きをらぬな?……やア/\、汝等おのれらよこしまなる嗔恚しんにほのほおの血管けっくわんよりながいづむらさきいづみもっさうとこゝろむる獸類けだものども
そんな無法な目にひながら、いまだ借りざる先の紳士たる徳義や、良心を持つてゐて耐るものか。孝経が解るくらゐなら高利アイスは貸しません、彼等は銭勘定の出来る毛族けだもの
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
わかつたか馬鹿野郎ばかやらう!』と、イワン、デミトリチはさけんで、こぶしかためてたゝく。『やいけろ! けろ! けんか! 開けんなら打破ぶちこはすぞ! 人非人ひとでなし! 野獸けだもの!』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)