“毛物”の読み方と例文
読み方割合
けもの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しばしば洞窟の外で毛物けものの咆える声や、動きまわるけはいが聞え、それが熊かおおかみかはわからなかったが、いずれにせよ二人は助からないものとあきらめた。
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
今度の馬は杖でなぐる度ごとに、蹴ったり竿立さおだちになったりする毛物けもので、大部せき立ててやっと伸暢駈足ギャロップを始めたが、それがまた偉い勢で飛んで行くのである。
かへつてそまりあぐんだ樹は推し倒し、猟夫かりうどの追ひ失うた毛物けものはとつておさへ、旅人の負ひなやんだ荷は肩にかけて、なにかと親切をつくいたれば、遠近をちこちの山里でもこの山男を憎まうずものは
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)