獣類けもの)” の例文
その事なれば及ばずながら、某一肢の力を添へん。われ彼の金眸きんぼう意恨うらみはなけれど、彼奴きゃつ猛威をたくましうして、余の獣類けものみだりにしいたげ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
総じて獣類けものは胎生なれど、多くは雌雄数匹すひきはらみて、一親一子はいと稀なり。さるに御身はただ一匹にて生まれしかば、その力五、六匹を兼ねたり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
金眸がひげちりをはらひ、阿諛あゆたくましうして、その威を仮り、数多あまた獣類けものを害せしこと、その罪諏訪すわの湖よりも深く、また那須野なすのはらよりもおおいなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)