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獣物
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けもの
ふりがな文庫
“
獣物
(
けもの
)” の例文
旧字:
獸物
私
(
わたし
)
たちは、
魚
(
さかな
)
や
獣物
(
けもの
)
の
中
(
なか
)
に
住
(
す
)
んでいるが、もっと
人間
(
にんげん
)
のほうに
近
(
ちか
)
いのだから、
人間
(
にんげん
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
って
暮
(
く
)
らされないことはないだろう。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
腕の
何処
(
どこ
)
かに触れたらしく、あっと低く、
呻
(
うめ
)
く声がしたと思うと、黒影は
咄嗟
(
とっさ
)
に二つに分れて、暗殺者が、傷ついた
獣物
(
けもの
)
の素早さで、闇に消え行く姿が見えた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
で、ジヤツクは起き上つて
提灯
(
ちょうちん
)
に火をつけてみましたが、何故
獣物
(
けもの
)
が騒ぎ出したのか分りませんでした。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
振り払い、振り払い、矢を負った
獣物
(
けもの
)
のように、私は夢中になって狭い急な
梯子段
(
はしごだん
)
を駆けおりた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
実はそうではなかったのかも知れないけれど、
脛
(
すね
)
に傷持つ庄太郎には、そうとしか考えられなかった。第一に、追いつめられた
獣物
(
けもの
)
の様な庄太郎の様子が、相手を驚かせた。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
といふお
話
(
はな
)
しを考へました、
是
(
これ
)
は
昔風
(
むかしふう
)
の
獣物
(
けもの
)
が
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
くといふお話の
筋
(
すぢ
)
でございます。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
後
(
あと
)
で聞けば、硫黄でえぶし立てられた
獣物
(
けもの
)
の、恐る恐る穴の口元へ首を出した処をば、清五郎が待構えて一打ちに
打下
(
うちおろ
)
す鳶口、それが
紛
(
まぐ
)
れ当りに運好くも、狐の眉間へと、ぐっさり突刺って、奴さん
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
魚
(
さかな
)
や、また
底深
(
そこぶか
)
い
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
に
棲
(
す
)
んでいる、
気
(
き
)
の
荒
(
あら
)
い、いろいろな
獣物
(
けもの
)
などとくらべたら、どれほど
人間
(
にんげん
)
のほうに、
心
(
こころ
)
も
姿
(
すがた
)
も
似
(
に
)
ているかしれない。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その様な感情を起させるものは、空を覆ってのしかかって来る様な、森の雄大さにもありましょう。或は又
萌
(
も
)
え立つ若葉から発散する、あの圧倒的な
獣物
(
けもの
)
の香気にもありましょう。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
捕り方たちは、
御用提灯
(
ごようぢょうちん
)
を振りかざして、
獲物
(
えもの
)
を狙う
獣物
(
けもの
)
のように、背中を丸めるようにして、押しつけて来るのだったが、さりとて急には飛び込めない。相手は何しろ、当時聞えた神出鬼没の怪賊。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
人間
(
にんげん
)
の
住
(
す
)
んでいる
町
(
まち
)
は、
美
(
うつく
)
しいということだ。
人間
(
にんげん
)
は、
魚
(
さかな
)
よりも、また
獣物
(
けもの
)
よりも、
人情
(
にんじょう
)
があってやさしいと
聞
(
き
)
いている。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そんなに
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
ですから、
人間
(
にんげん
)
も
登
(
のぼ
)
ってくることもなければ、めったに
獣物
(
けもの
)
も
上
(
のぼ
)
ってくるようなこともなかったのです。
山の上の木と雲の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜
(
よる
)
になると、
遠
(
とお
)
くで
獣物
(
けもの
)
のほえる
声
(
こえ
)
と、
永久
(
えいきゅう
)
に
黙
(
だま
)
って
冷
(
つめ
)
たく
輝
(
かがや
)
く
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
と、いずこへともなく
駆
(
か
)
けてゆく、
無情
(
むじょう
)
の
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
いたばかりであります。
山の上の木と雲の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そう
思
(
おも
)
って、
雲
(
くも
)
の
姿
(
すがた
)
をながめていると、
自分
(
じぶん
)
の
知
(
し
)
るかぎりの
山
(
やま
)
にすむ
獣物
(
けもの
)
も、
小鳥
(
ことり
)
も、みんな
空
(
そら
)
の
雲
(
くも
)
の一つ一つに
見
(
み
)
ることができるのでありました。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
長年
(
ながねん
)
山
(
やま
)
に
住
(
す
)
んでいて、
獣物
(
けもの
)
にも
情
(
なさ
)
けがあり、また
礼儀
(
れいぎ
)
のあることを
聞
(
き
)
いていた
主人
(
しゅじん
)
は、くまが、
酒
(
さけ
)
を
買
(
か
)
いにきたのだということだけはわかったのです。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
暗
(
くら
)
い
塔
(
とう
)
の
中
(
なか
)
は、
冷
(
つめ
)
たい、しめった
空気
(
くうき
)
がみなぎっていました。また
階段
(
かいだん
)
には、
人
(
ひと
)
の
骨
(
ほね
)
だか、
獣物
(
けもの
)
の
骨
(
ほね
)
だかわからぬようなものが、
散
(
ち
)
らばっていたりしました。
黒い塔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
暖
(
あたた
)
かに
照
(
て
)
らしています。
波影
(
なみかげ
)
が、きらきらと
光
(
ひか
)
っています。
鳥
(
とり
)
もめったに
飛
(
と
)
んでこなければ、その
小
(
ちい
)
さな
島
(
しま
)
には、
人
(
ひと
)
も、
獣物
(
けもの
)
も
住
(
す
)
んでいませんでした。
ものぐさじじいの来世
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、
哀
(
あわ
)
れな
人間
(
にんげん
)
の
生活
(
せいかつ
)
の
有
(
あ
)
り
様
(
さま
)
や、
飢
(
う
)
えにないている、
哀
(
あわ
)
れな
獣物
(
けもの
)
などの
姿
(
すがた
)
をながめたのであります。
月とあざらし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
年老
(
としと
)
ったさるは、この
近傍
(
きんぼう
)
の
山
(
やま
)
や、
森
(
もり
)
にすむ、
獣物
(
けもの
)
や、
鳥
(
とり
)
たちから
尊敬
(
そんけい
)
されていました。それは、この
山
(
やま
)
の
生活
(
せいかつ
)
に
対
(
たい
)
して、
多
(
おお
)
くの
経験
(
けいけん
)
を
持
(
も
)
っていたためです。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ちょうど、ここから
見
(
み
)
ると、あの
太陽
(
たいよう
)
の
沈
(
しず
)
む、
渦巻
(
うずま
)
く
炎
(
ほのお
)
のような
雲
(
くも
)
の
下
(
した
)
だ。その
島
(
しま
)
に
着
(
つ
)
くと、三
人
(
にん
)
はひどいめにあった。
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで、
獣物
(
けもの
)
のように
使役
(
しえき
)
された。
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
はい
)
りゃ、
草
(
くさ
)
もあるし、
水
(
みず
)
もあるし、
木
(
き
)
の
実
(
み
)
もあるし、
遊
(
あそ
)
んでいて
楽
(
らく
)
に
暮
(
く
)
らしてゆけるじゃないか。そして、
獣物
(
けもの
)
の
王
(
おう
)
さまにならないともかぎらないじゃないか。
馬を殺したからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
北
(
きた
)
の
寒
(
さむ
)
い
国
(
くに
)
で
捕
(
と
)
らえられた、この
力
(
ちから
)
の
強
(
つよ
)
い
獣物
(
けもの
)
は、
見
(
み
)
せ
物
(
もの
)
にされるために、
南
(
みなみ
)
の
方
(
ほう
)
へ
送
(
おく
)
られる
途中
(
とちゅう
)
にあったのです。しかし、くまには、そんなことはわかりませんでした。
汽車の中のくまと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのほか、
怠
(
なま
)
けものの
獣物
(
けもの
)
や、いじ
悪
(
わる
)
い
動物
(
どうぶつ
)
はありましたが、
自分
(
じぶん
)
に
向
(
む
)
かってやさしく
話
(
はなし
)
をする、あの
鶏
(
にわとり
)
のような
友
(
とも
)
だちはなかったのです。
星
(
ほし
)
は
鶏
(
にわとり
)
のことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
していました。
ものぐさなきつね
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
山
(
やま
)
へいけば、たくさん、
獣物
(
けもの
)
がすんでいるのだね。」と、
武男
(
たけお
)
は、いいました。
山に雪光る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
だれか
一人
(
ひとり
)
、
若
(
わか
)
いものの
中
(
なか
)
にいなければならなかったのは、ちょうど、
人間
(
にんげん
)
の
社会
(
しゃかい
)
ばかりでなく、
他
(
た
)
の
獣物
(
けもの
)
の
集
(
あつ
)
まりの
中
(
なか
)
でも、
経験
(
けいけん
)
に
富
(
と
)
んだ、
年寄
(
としよ
)
りがいて、
野原
(
のはら
)
から、
野原
(
のはら
)
へ、
山
(
やま
)
から
なつかしまれた人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また白い毛の小さな
獣物
(
けもの
)
が、藪に走って行くのを見た。枯木というのは、幾年か前に雷が落ちて、枯れた木である。頭が二つの股に裂けて、全く木の皮が剥げ落ちて、日光に白く光っていた。
森の暗き夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
獣
常用漢字
中学
部首:⽝
16画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“獣物”で始まる語句
獣物等