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ほんたう
「こんなことでお
前世間が
騷がしくて
仕やうがないのでね、
私の
處でも
本當に
困つて
畢ふんだよ」
内儀さんは
巡査を
一寸見てさうして
お
京さん
己れが
本當に
乞食の
子ならお
前は
今までのやうに
可愛がつては
呉れないだらうか、
振向いて
見ては
呉れまいねと
言ふに
紙細工の
薔薇の花、この世にあるまじき美を
巧にも作り上げた
紙細工の
薔薇の花、もしや
本當の花でないかえ、
僞善の花よ、
無言の花よ。
「
本當にね。
兄さんにさへ
御金があると、
何うでもして
上げる
事が
出來るんだけれども」と、
御世辭でも
何でもない、
同情の
意を
表した。
『
俺も、あの
市來知にある、
野菊の
咲いてる
母親の
墓にだけは
行きたいと
思つてゐる。
本當に
市來知はいゝ
所だからなあ。』
私の
眼が
覺める
時分には、
誰も
私の
言ふことを
本當にして
呉れる
者はありませんでした。
御覽の
通り、
私は
今、お
稻荷さまの
社の
番人をして
居ます。
妾が子ープルスの
家へ
歸つて、
涙ながらに
良人の
濱島に
再會した
時には、
弦月丸の
沈沒の
噂は
大層でした。
何事も
天命と
諦めても、
本當に
悲しう
御坐んしたよ。
就て
思ふのに、
本當か
何うかは
知らないが、
蛙の
聲は、
隨分大きく、
高いやうだけれども、
餘り
遠くては
響かぬらしい。
有島さんの
池は、さしわたし
五十間までは
離れて
居まい。
「そしてどこかへ行くといふのは
本當か。」
お
袋はお
品をまだ
子供のやうに
思つて
迂濶にそれを
心付かなかつた。
本當にさうだと
思つた
時はお
品は
間もなく
肩で
息するやうに
成つた。
叔母は
自分の
云ふ
通りが、
宗助に
本當と
受けられないのを
氣にする
樣に、
安之助から
持ち
出した
資本の
高迄話した。それは五千
圓程であつた。
お
前さん
何時か
左樣言つたね、
運が
向く
時になると
己れに
糸織の
着物をこしらへて
呉れるつて、
本當に
調製へて
呉れるかえと
眞面目だつて
言へば
本當に
考へて
見れば、
一寸した
機會、また一
秒間の
時の
爲めに、
未來のどんな
運命が
湧き
出ないともかぎらないのだ。
これは
本當です、
現に
私の
一人の
悴も、七八
年以前の
事、
私が
切に
止めるのも
聽かで、十
月の
祟の
日に
家出をしたばかりに、
終に
世に
恐ろしい
海蛇に
捕られてしまいました。
但し
浮氣だつたり、おいたをすると、それは/\
本當に
可恐いのである。
「
俺がとこちつともこら
離んねえんだよ
仕やうねえやうだよ
本當に」おつぎはもう
段々手に
餘つて
來た
與吉を
膝にしていつた。
實際斯んな
發明は、
宗助から
見ると、
本當の
樣でもあり、
又嘘の
樣でもあり、
愈それが
世間に
行はれる
迄は、
贊成も
反對も
出來かねたのである。
蒲田屋の
奧に
飾つてあるやうな
本當のを、
重くても
搆はしない、やつちよいやつちよい
譯なしだと
捻ぢ
鉢卷する
男子のそばから、
夫れでは
私たちが
詰らない
本當にね、どうにかして
行つて
見ませうね。
私は、ステイシヨンについたらすぐに、
車でお
父樣のお
墓參りに
行かうと
思ひますわ。
創生川ぶちから
豐平橋を
渡つて
行くんですわ。
はじめて
奧樣や
日出雄樣が、
日本へお
皈りになると
承つた
時は
本當に
魂消えましたよ、
然しそれは
致方もありませんが、
其後よく
承ると、
御出帆の
時日は
時もあらうに、
今夜の十一
時半……。
ほんにお
前の
心遣ひが
思はれると
嬉しき
中にも
思ふまゝの
通路が
叶はねば、
愚痴の一トつかみ
賤しき
身分を
情なげに
言はれて、
本當に
私は
親不孝だと
思ひまする
兎も
角喜んでお
呉れ
惡い
事では
無いからと
言ふに、
本當か、
本當か、
吉は
呆れて、
嘘では
無いか
串戯では
無いか、
其樣な
事を
言つておどかして
呉れなくても
宜い
何うもしない、と
氣の
無い
返事をして、
上へあがつて
細螺を
數へながら、
本當に
嫌やな
小僧とつては
無い、
表向きに
威張つた
喧嘩は
出來もしないで、
温順しさうな
顏ばかりして
時鳥の
來る
時分に
餌をさがして
蛙などを
道の
草にさし、
夫れを
食はせてお
詫をするとか、
是れは
本當の
本當の
話しにて
和歌にさへ
詠めば、
姉樣に
聞きても
分ることヽ
吾助が
言ひたり
己れは
知りながら
逃げて
居たのでは
無い、
飯を
掻込んで
表へ
出やうとするとお
祖母さんがお
湯に
行くといふ、
留守居をして
居るうちの
騷ぎだらう、
本當に
知らなかつたのだからねと
本當に
好い
奴なれば、
今度僕の
沓したを
編みてたまはる
時彼れにも
何か
製らへて
給はれ、
宜しきか
姉樣、
屹度ぞかし
姉樣、と
熱心にたのみて、
覺束なき
承諾の
詞を
其通り
敏に
傳ふれば
連れて
來やうと
思ひましたけれど
彼の
子は
宵まどひで
最う
疾うに
寐ましたから
其まゝ
置いて
參りました、
本當に
惡戯ばかりつのりまして
聞わけとては
少しもなく、
外へ
出れば
跡を
追ひまするし
勝手にやつて
見ませうと
態とすねて、むつと
顏をして
見せるに、
野澤さんは
本當にどうか
遊していらつしやる、
何がお
氣に
障りましたのとお
縫はうつくしい
眉に
皺を
寄せて
心の
解しかねる
躰に
中姉樣は
何時もお
留守居のみし
給へば、
僕が
我長ならば
中姉樣ばかり
方々に
連れて
行きて、ぱのらまや
何かヾ
見せたきなり、
夫れは
色々の
畫が
活たる
樣に
描きてありて、
鐵砲や
何かも
本當の
樣にて