必要ひつえう)” の例文
よくたゞしてると、しかく平氣へいきをとこも、時々とき/″\歡樂くわんらく飽滿はうまん疲勞ひらうして、書齋しよさいのなかで精神せいしんやすめる必要ひつえうおこるのださうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これ政府せいふ指導しだうまた消費節約せうひせつやく奬勵しやうれいわたつたとふよりも、むし國民自體こくみんじたい事柄ことがら必要ひつえうかんじてつたからだとおもふのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
かれは一ぱん百姓ひやくしやうがすることはなくてはらないので、ことには副食物ふくしよくぶつとして必要ひつえうなので茄子なす南瓜たうなす胡瓜きうりやさういふもの一通ひととほりはつくつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
王樣わうさま氣遣きづかはしげに白兎しろうさぎ御覽ごらんになりました、白兎しろうさぎ低聲こゞゑで、『陛下へいか證人しようにん相手方あひてかた證人しようにん詰問きつもんせらるゝ必要ひつえうがあります』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
すなは太古たいこ國民こくみんかならずしもいし工作こうさくして家屋かをくをつくることをらなかつたのではない。たゞその心理しんりから、これを必要ひつえうとしなかつたまでゞある。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
さあ、みんなかへれ。してたれ宿屋やどやつて、わたし大鞄おほかばん脊負しよつてもらはう。——なかにすべて仕事しごと必要ひつえう道具だうぐがある。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
電光艇でんくわうてい必要ひつえうなる十二の秘密藥液ひみつやくえき凖備じゆんびして、たゞちに暗號電報あんがうでんぽうをもつて本國ほんごく政府せいふ許可きよかけ、全速力ぜんそくりよくをもつて橄欖島かんらんたうむかこと出來できます、さらば!。
あゝいふ先生せんせい教育けういくされるのだとおもふと、いよいよ我々われ/\は、婦人ふじんのために、讀書どくしよ必要ひつえうおもはざるをない。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
段々だん/″\うけたまはれば蓄音器ちくおんきから御発明ごはつめいになつたとふ事を聞きましたがえらいもんや、うしてもこれからの世界に世辞せじふものは無ければならぬ、必要ひつえうのものぢや
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
石斧製造いしおのせいざう必要ひつえうなる砂及び水は各々おの/\適宜てきたうなる大さの土器中にたくはへられしものと想像さうざうせらる。(續出)
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
無論作品さくひんといふものに、表現形式へうげんけいしき完全くわんぜんといふ事は必要ひつえうな事ですが、表現の如何いかんを問はず、作者さくしやがかういふ意味いみ眞實しんじつを捉へて、それを適確てきかくに現はし得てゐるとすれば
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
巡査じゆんさ此處こゝはじめ新聞しんぶん手離てばなした。自分じぶんはホツと呼吸いきをしてわれかへつた。義母おつかさんはウンともスンともはれない。べつわれかへ必要ひつえうもなくかへるべきわれもつられない
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しかるに這麼不潔こんなふけつ有樣ありさまでは駄目だめだ。また滋養物じやうぶつ肝心かんじんである。しかるに這麼臭こんなくさ玉菜たまな牛肉汁にくじるなどでは駄目だめだ、また補助者ほじよしや必要ひつえうである、しかるに這麼盜人計こんなぬすびとばかりでは駄目だめだ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
をつとをして三井みつゐ白木しろき下村しもむら売出うりだ広告くわうこくの前に立たしむればこれあるかな必要ひつえうの一器械きかいなり。あれがしいのうつたへをなすにあらざるよりは、がうもアナタの存在をみとむることなし
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
酒亭さかやはひった當座たうざには、けん食卓テーブルしたたゝきつけて「かみよ、ねがはくは此奴こいつ必要ひつえうあらしめたまふな」なぞといってゐながら、たちまち二杯目はいめさけいて、なん必要ひつえういのに
但馬守たじまのかみ玄竹げんちくあいしたのは、玄竹げんちく岡部美濃守をかべみののかみ頓死とんし披露ひろうするにもつと必要ひつえう診斷書しんだんしよを、なんもとむるところもなく、淡白たんぱくあたへたといふこゝろ潔白けつぱくつたのがだい一の原因げんいんである。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
母のない子供たちは父親の前に、ごく必要ひつえうなものの外何も要求しはしなかつた。
青い風 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
しかもらうとおもことこと/″\こと出來できなかつた。おのれの弱點じやくてんいては、一言ひとことかれまへ自白じはくするの勇氣ゆうき必要ひつえうみとめなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれえずあるものさがすやうなしか隱蔽いんぺいした心裏しんりあるものられまいといふやうな、不見目みじめ容貌ようばう村落むらうちさら必要ひつえうやうやげんじてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すなは戰時中せんじちう膨張ぼうちやうした日本にほん經濟けいざい戰後せんごおい收縮しうしゆくした状態じやうたいついての國民自體こくみんじたい自覺じかく喚起くわんきすることが非常ひじやう必要ひつえうである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ウィリアムだいせい其人そのひと立法りつぱふ羅馬ローマ法皇はふわう御心みこゝろかなひ、たちまちにして首領しゆれう必要ひつえうありし英人えいじんしたがところとなり、ちかくは纂奪さんだつおよ征服せいふくほしひまゝにするにいたりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
のこ一群いちぐん水兵すいへいと、わたくしと、日出雄少年ひでをせうねんとは、てい乘組のりく必要ひつえういので、ふたゝ海岸かいがんいへかへつたのである。
建築家けんちくか勿論もちろん、一ぱん人士じんしへず建築界けんちくかい問題もんだい提出ていしゆつして論議ろんぎたゝかはすことはきわめて必要ひつえうなことである。假令たとひその論議ろんぎ多少たせう常軌じやうきいつしてもそれ問題もんだいでない。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
未開人民みかいじんみんの現状に由つて考ふれば遮光器の必要ひつえう積雪せきせつ多き時に於て殊に深くかんずるものの如し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
しかきみわたしなにもワルシヤワへ必要ひつえういのだから、きみ一人ひとりたまへ、さうしてわたし何卒どうぞさき故郷こきやうかへしてください。』アンドレイ、エヒミチは哀願あいぐわんするやうにふた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
だから、このしゆ書物以外しよもついぐわいに、婦人向ふじんむきの書物しよもつかんがへて必要ひつえうがある。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
必要ひつえうなは卯平うへい丈夫ぢやうぶつていた。それからかべるのにはあひだいて二三にちかゝつた。勘次かんじ有繋さすが勞力らうりよくをしまなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「ではられるだけかしていても差支さしつかへありませんか」といたら、醫者いしやようさへなければべつおこ必要ひつえうもあるまいとこたへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
解禁後かいきんご國民こくみん覺悟かくごついひろ國民こくみん理解りかいくことは將來しようらい金本位制きんほんゐせい維持ゐぢもつと必要ひつえう事項じかうかんがふるところである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
し、大海嘯おほつなみいまから二三にち以前いぜんことで、海底戰鬪艇かいていせんとうてい船渠ドツクうちなら、第一だいいち警戒けいかいすべき塲所ばしよ其處そこだが、いまは、左迄さまいそいで、檢査けんさする必要ひつえういとかんがへたのである。
陪審官ばいしんくわんはそれを『必要ひつえう』ときつけ、また或者あるものは『不必要ふひつえう』ときつけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
これは多層建築たそうけんちく必要ひつえうなかつたためで、地震ぢしん考慮かうりよしたためではない。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
すなは此處こゝこと必要ひつえうであるとかんがへて、安心あんしんをしてゐるのみです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)