茶話:03 大正六(一九一七)年 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五 (旧字旧仮名) / 司馬遷(著)
銭形平次捕物控:090 禁制の賦 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
下の子二人は孰れもよく泣く子であつた。上二人の兄弟は恐る/\手を引き合つて表に出て往來を眺めてゐた。
続俳諧師:――文太郎の死―― (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
手療法一則:(二月例会席上談話) (旧字旧仮名) / 荻野吟子(著)
こちらがみやげも呉れず見すぼらしい樣子をしてゐるのを孰れも皆輕蔑してゐるやうであつた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
信一郎は、その孰れかゞ瑠璃子と呼ばれはしないかと、熱心に見詰めた。二人とも、死んだ青年の妹であることが、直ぐ判つた。兄に似て二人とも端正な美しさを持つてゐた。
「実にこれまで度々戦ひ候へ共、二合と戦ひ候者は稀に覚え候へ共、今度の敵多勢とは申しながら孰れも万夫不当の勇士、誠にあやふき命を助かり申候、先づは御安心下さるべく候……」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録 (旧字旧仮名) / 秋月種樹、佐藤一斎(著)
茶話:02 大正五(一九一六)年 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
孰れとも義雄の胸で取れたり、うち消されたりしてゐる間に、汽車出發の汽笛が鳴つた。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
孰れも只周圍の勢力に制せられて殆ど無我夢中で今日迄來た。鴨川堤を離れて吉田町に曲りかけた時、三藏は漸く我に歸つたやうな顏をして「山本君、叡山はどの山かい」と聞いた。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人生に相渉るとは何の謂ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
此商人の家は水戸家の用達で、眞志屋と號した。しかし用達になつたのと、落胤問題との孰れが先と云ふことは不明である。その後代々の眞志屋は水戸家の特別保護の下にある。
その相談はどうせ小樽に着してからでなければ孰れとも定められない事情であつた。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)