ども)” の例文
無遠慮に婦人連の側へ割りこんだり、フランス語で話したり、女どもを笑わせたりするところは、ペテルブルグに於けると変りがなかった。
其事の始末は、鬼の為に誘はれ、近く候山々経歴し見候みそうろう此外このほか二三人失せし者をもうけたまわり候へども、それらは某見候者にも無く候。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
立んとて此大雪に出で行きたれどもなん甲斐かひやあらん骨折損ほねをりぞん草臥くたびれ所得まうけ今に空手からてで歸りんアラ笑止せうしの事やとひとごと留守るすしてこそは居たりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何たる優雅な贅沢ぜいたく! マターファの父は、「小鳥の王」といわれた位、小禽ことりどもの声を愛していたそうだが、其の血が彼にも伝わっているのだ。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
たまへ、露西亜ロシヤ帝国政府の無道擅制ぶだうせんせいは、露西亜国民の敵ではありませんか、ども独り露西亜政府のみでは無いです、各国政府の政策といへど
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
愉快ゆくわい々々、世界一せかいいち王樣わうさまだつて、此樣こん面白おもしろられるものでない。』と水兵すいへいども雀躍じやくやくした。日出雄少年ひでをせうねん猛狒ゴリラ死骸しがい流盻ながしめやりて
勿論、わたくしどものような頭の古いものには不思議のように思われましても、今の若い方たちには立派に解釈がついていらっしゃるかも知れません。
停車場の少女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
のみならず彼の周囲には、浮浪者めいた男女の悪友どもが、ウジャウジャと集まっていて、八方から彼をそそのかした。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
書物讀み弟子二十人計に相成、至極の繁榮はんえいにて、鳥なきさと蝙蝠かうもりとやらにて、朝から晝迄は素讀そどく、夜は講釋ども仕而、學者之鹽梅あんばいにてひとりをかしく御座候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
... 眞面目まじめ事實じゝつ流行りうかう小説せうせつとはすこおもむきことにしますから』と兒玉こだま微笑びせうらして『小説せうせつ面白おもしろ御座ございます。けれども事實じゝつさら面白おもしろ御座ございます。』
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「いや、なんともなんとも。今日こんにち閣下かくか昇天しようてん御勢おんいきほひにはわたくしどもまるで微塵みぢん有樣ありさまでございましたな。」
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
もし左に武道具持たる時不如意ふにょいに候えば片手にて取なり、太刀を取候事とりそうろうこと初め重く覚ゆれども後は自由に成候なりそうろう
巌流島 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
感化とか云うけれども、それも、作物の種類、性質に依っておのずから生じて来るものであるから、斯う云う方面の人を、斯う云う風に、斯う云う点で影響しようと云うのは
予の描かんと欲する作品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どもは天の眷属けんぞくでございます。つみがあってただいままで雁の形をけておりました。只今ただいまむくいをはたしました。私共は天に帰ります。ただ私の一人の孫はまだ帰れません。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いつまで曖昧あいまいな状態に置いては奉公人どもの示しが付かずせめて一けんの家に同棲どうせいさせるという方法を取ったので春琴自身もその程度ならあえて不服はなかったのであろう。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
此身このみ雲井くもゐとりがひ自由じゆうなる書生しよせい境界けうがいいましばしはあそばるゝこゝろなりしを、きの故郷ふるさとよりの便たよりにいはく、大旦那おほだんなさまこと其後そのご容躰ようだいさしたること御座ござなく候へども
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何でも応砲して見せると云うので、れから水夫どもを差図して大砲の掃除、火薬の用意して、砂時計をもって時を計り、物の見事に応砲が出来た。サア佐々倉が威張いばり出した。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「金が何だ。会社は事業をするために金がいる。己はいらねえ。己達おれたち夫婦が飯を食って、餓鬼どもの学校へ行くぜにが出せれば好い。金をめるようなしみったれは江戸子じゃあねえ。」
里芋の芽と不動の目 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
御用心ごようじんあそばさないといけません。あの童子どうじ詐欺師さぎしでございます。おそれながら、陛下へいかのおやまい侍医じい方々かたがたや、わたくしども丹誠たんせいで、もうそろそろ御平癒ごへいゆになるときになっておりました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
いつものように、『職員休憩室』へ、課長や工長どもの御機嫌とりにゆくとこだ。
工場新聞 (新字新仮名) / 徳永直(著)
アーぼくはね開成学校かいせいがくこう書生しよせいぢやがね、朋友ほういうどもすゝめにればうもきみ世辞せじうて不可いかぬ、世辞せじうたらからうちうから、ナニ書生輩しよせいはい世辞せじらぬことではないかとまうしたら
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
いいえおはなしいたしませぬ。今頃いまごろましあそばしましては、お身分みぶんかかわりまする。もしまた、たっておましあそばしますなら、一おうわたくしどもから御家老ごかろうへ、そのよしつたえいたしませねば。……
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
まあ、それが本当なら結構じゃが……。しかし火星の飛空機が月から帰って来たのに、いざ着いて見ると、中から火星人ならぬ地球人がぞろぞろ現われた、とあっては火星人どもがびっくり仰天してどんなことを
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
『——知らせ申す可候べくそうらども、今日』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すかし申しこの婚姻相延あいのべ申候よう決行致し候なおまた近日参上つかまつり入りこみたる御話し委細申上もうしあぐべく心得に候えども差当り先日七蔵に渡され候金百円及び御礼の印までに金百円進上しおき候あいだ御受納下されたく不悉ふしつ 亀屋吉兵衛様へ岩沼子爵家従けらい田原栄作たはらえいさくとありて末書に珠運様とやらにも此旨このむね鶴声かくせい相伝あいつたえられたく候と筆を
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いとなみ候へども彼地は至て邊鄙へんぴなれば家業もひまなり夫故それゆゑ此度同所を引拂ひきはらひ少々御内談ないだんも致度事これありて伯父上をぢうへ御許おんもと態々わざ/\遠路ゑんろ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いま無上むじやう愉快ゆくわいときだぞ、いま一層いつそうのぞみには、あらたきたへたこの速射砲そくしやほうで、彼奴等きやつらつくき海賊かいぞくども鏖殺みなごろしにしてれんに。
しかども彼にとつて目下の最大苦心問題は満洲占領に非ず、日本との戦争に非ずして、露西亜の軍隊に在り、彼等が砲剣によつて外国侵略を計画しつゝある時、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ふまでもなくうまむちぼく頭上づじやうあられの如くちて來た。早速さつそくかねやとはれた其邊そこら舟子ふなこども幾人いくにんうをの如く水底すゐていくゞつて手にれる石といふ石はこと/″\きしひろあげられた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
かんしんいたし候ゆえ文して申遣もうしつかわし参らせそろ左候さそうらえば日にまし寒さに向い候えどもいよいよかわらせなく相くらされこのかたも安心いたしおり候ととさんともうしかかさんと申誠に誠に難有ありがたく………
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これよりちいさなものの形が完全かんぜんに私どもに見えるはずはけっしてないのです。
手紙 三 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それがございましたので、はじたゞ骨惜ほねをしみをしない、親切しんせつ同宿どうしゆくだとぞんじてゐました豐干ぶかんさんを、わたくしども大切たいせつにいたすやうになりました。するとふいとつてしまはれました。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
一 さかなにはたいもすゞきもござれども、おどにきこいしからのかるうめ
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
次第しだい短氣たんきのまさりて我意わがまゝつよく、これ一つはとしせいには御座ござ候はんなれど、隨分ずいぶんあたりのものげんのりにくゝ、大心配おほしんぱいいたすよし、わたくしなど古狸ふるだぬきなれば兎角とかくつくろひて一日二日とすごし候へども
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「むすめどものことをお訊ねか」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
得ずそうらえ共お辰様身の上につき御厚情こうせい相掛あいかけられし事承り及びあり難く奉存候ぞんじたてまつりそうろうさて今日貴殿御計おんはからいにてお辰婚姻取結ばせられ候由驚入申おどろきいりもうし仔細しさいこれあり御辰様儀婚姻には私かた故障御座候故従来の御礼かたがたまかり出て相止申あいとめもうすべくともぞんい候えども如何いかにも場合切迫致しかつはお辰様心底によりては私一存にも参りがたくようの義に至り候ては
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
乘行のせゆき丑刻過やつどきすぎに歸り候處町内の天水桶にて刄物はものあらふ者あり其形容そのかたち勘太郎に髣髴よくにたりとは存じながら私しども見屆けるにも及ばざる事ゆゑ路次を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
水兵すいへいども澤山たくさん御馳走ごちさうこしらへてつてはづだから、その以前いぜんにヒヨツコリとかへつてはけうい、し/\。
欧米列国は日本にくみせん、去れど独逸ドイツ露西亜ロシヤの友邦なるべしとは、ほとんど世界の各所に於て信ぜらるゝ所なり、しかども諸君よ、我等は此際分析を要するにあらずや、あへて問ふ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
畫人武清上州桐生きりふ遊候時あそびそろとき、桐生の何某なにがし申候には、數年玉池ぎよくちへ詩を直してもらひにつかはさふらども兎角とかく斧正ふせい麤漏そろうにて、時として同字などある時もありてこまり申候、これよりは五山へ願可申候間ねがひまうすべくそろあひだ
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
一方、私どもかんずる光の波長はちょう
手紙 三 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)