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事実
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じじつ
ふりがな文庫
“
事実
(
じじつ
)” の例文
旧字:
事實
その
容疑
(
ようぎ
)
のもとは、
中内工学士
(
なかうちこうがくし
)
の
場合
(
ばあい
)
と
似
(
に
)
ていて、
金魚屋
(
きんぎょや
)
と
老人
(
ろうじん
)
との
間
(
あいだ
)
に
貸借関係
(
たいしゃくかんけい
)
があり、
裁判沙汰
(
さいばんざた
)
まで
起
(
おこ
)
したという
事実
(
じじつ
)
からである。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
もとより龍太郎も忍剣も、この
奇怪
(
きかい
)
な
事実
(
じじつ
)
が、
意味
(
いみ
)
もないものだとは思わなかったが、そうまでの落とし
穴
(
あな
)
とは気がつかなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに
就
(
つ
)
きては
本邦
(
ほんぽう
)
並
(
ならび
)
に
欧米
(
おうべい
)
の
名
(
な
)
ある
霊媒
(
れいばい
)
によりて
調査
(
ちょうさ
)
をすすめた
結果
(
けっか
)
、ドーも
事実
(
じじつ
)
として
之
(
これ
)
を
肯定
(
こうてい
)
しなければならないようであります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
私
(
わたし
)
は
危険区域
(
きけんくいき
)
の
線
(
せん
)
をこえない
範囲
(
はんい
)
でよくさう
云
(
い
)
ふ
風
(
ふう
)
な
悪戯
(
あくぎ
)
な
試
(
ため
)
しをするのであつたが、しかし
又
(
また
)
事実
(
じじつ
)
さうかも
知
(
し
)
れないと
思
(
おも
)
はれないこともなかつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
兼吉は、
腕力
(
わんりょく
)
では花前によりつけないから、五郎に
加勢
(
かせい
)
を
頼
(
たの
)
んだのだ。
事実
(
じじつ
)
は兼吉が牛をたたいたのかもしれないが、ふたりのいい
状
(
じょう
)
はそうであった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
真実
(
しんじつ
)
、
事実
(
じじつ
)
、
実際
(
じっさい
)
、まったく、
断然
(
だんぜん
)
、
俄然
(
がぜん
)
……ナニ、そんなに力に入れなくてもよろしい、このお蓮様、ほんとに伊賀の暴れン坊にまいっているんだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この
国
(
くに
)
にきたひとは、
黒
(
くろ
)
い
人
(
ひと
)
と
赤
(
あか
)
いそりのはなしを、
不思議
(
ふしぎ
)
な
事実
(
じじつ
)
として、だれでも
聞
(
き
)
かされるでありましょう。
黒い人と赤いそり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかしこんな
心遣
(
こころづかい
)
は
事実
(
じじつ
)
においても、
普通
(
ふつう
)
の
論理
(
ろんり
)
においても
考
(
かんが
)
えて
見
(
み
)
れば
実
(
じつ
)
に
愚々
(
ばかばか
)
しい
次第
(
しだい
)
で、
拘引
(
こういん
)
されるだの
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
かかる
次第
(
しだい
)
にして小栗等が仏人を
延
(
ひ
)
いて種々
計画
(
けいかく
)
したるは
事実
(
じじつ
)
なれども、その計画は造船所の設立、陸軍編制等の事にして、
専
(
もっぱ
)
ら
軍備
(
ぐんび
)
を整うるの
目的
(
もくてき
)
に外ならず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
温泉
(
いでゆ
)
の
町
(
まち
)
の、
谿流
(
けいりう
)
について
溯
(
さかのぼ
)
ると、
双六谷
(
すごろくだに
)
と
言
(
い
)
ふのがある——
其処
(
そこ
)
に
一坐
(
いちざ
)
の
大盤石
(
だいばんじやく
)
、
天然
(
てんねん
)
に
双六
(
すごろく
)
の
目
(
め
)
の
装
(
も
)
られたのが
有
(
あ
)
ると
言
(
い
)
ふが、
事実
(
じじつ
)
か、と
聞
(
き
)
いたのであつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
過日
御示
(
おしめし
)
被下
(
くだされ
)
候
(
そうろう
)
貴著
瘠我慢中
(
やせがまんちゅう
)
、
事実
(
じじつ
)
相違之廉
(
そういのかど
)
並
(
ならぴ
)
に
小生之
(
しょうせいの
)
所見
(
しょけん
)
もあらば云々との
御意
(
ぎょい
)
致拝承
(
はいしょういたし
)
候
(
そうろう
)
。昨今
別而
(
べっして
)
多忙
(
たぼう
)
に
付
(
つき
)
いずれ
其中
(
そのうち
)
愚見
(
ぐけん
)
可申述
(
もうしのぶべく
)
候
(
そうろう
)
。
先
(
まず
)
は
不取敢
(
とりあえず
)
回音
(
かいおん
)
如此
(
かくのごとく
)
に候也。
瘠我慢の説:03 書簡
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
、
勝海舟
、
榎本武揚
(著)
この前にもその後にも、他人についてこれに類した
事実
(
じじつ
)
をしばしば目撃したが、こういうことが果たして強い証拠であろうかと思うと、何となく人を動物視したくなって来る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
殊
(
こと
)
に旧政府時代の
外交
(
がいこう
)
は内治に
関係
(
かんけい
)
することもっとも
重大
(
じゅうだい
)
にして、我国人の
記念
(
きねん
)
に
存
(
そん
)
すべきものもっとも多きにもかかわらず、今日すでにその
事実
(
じじつ
)
を失うは識者の常に
遺憾
(
いかん
)
とするところなりしに
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
生
(
い
)
きるとは、
再
(
ふたたび
)
の
我
(
われ
)
に
帰
(
かへ
)
るの意にして、
再
(
ふたゝび
)
の
我
(
われ
)
に帰るとは、
願
(
ねがひ
)
にもあらず、
望
(
のぞみ
)
にもあらず、
気高
(
けだか
)
き信者の見たる
明白
(
あからさま
)
なる
事実
(
じじつ
)
なれば、聖徒イノセントの墓地に
横
(
よこた
)
はるは
猶
(
なお
)
埃及
(
エジプト
)
の
砂中
(
さちう
)
に埋まるが如し。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
金貨
(
きんか
)
が
空中
(
くうちゅう
)
を
飛
(
と
)
ぶということは、
事実
(
じじつ
)
だったらしい。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
いまの
名残
(
なごり
)
の
吹
(
ふ
)
きあおられた
落葉
(
おちば
)
が、まだ一ひら二ひら
宙
(
ちゅう
)
に
舞
(
ま
)
っているのでもわかる。
鷲
(
わし
)
がこの
源氏閣
(
げんじかく
)
の
附近
(
ふきん
)
におりたのは
事実
(
じじつ
)
にちがいない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
爺
(
じい
)
さんの
述
(
の
)
べる
所
(
ところ
)
はまだしッくり
私
(
わたくし
)
の
胸
(
むね
)
にはまりませんでしたが、しかしそれが
一
(
ひ
)
ト
方
(
かた
)
ならず
私
(
わたくし
)
の
好奇心
(
こうきしん
)
をそそったのは
事実
(
じじつ
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
飢餓
(
きが
)
、
戦争
(
せんそう
)
、
奴隷
(
どれい
)
、
差別
(
さべつ
)
、みんな
人間
(
にんげん
)
の
社会
(
しゃかい
)
のことであって、かつて
鳥類
(
ちょうるい
)
や、
動物
(
どうぶつ
)
の
世界
(
せかい
)
にこんなようなあさましい、みにくい
事実
(
じじつ
)
があったであろうか。
太陽と星の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
べつに
怨恨
(
えんこん
)
など
抱
(
いだ
)
いてはいないのだと
答
(
こた
)
えたが
事実
(
じじつ
)
としては
青流亭
(
せいりゅうてい
)
の
女将
(
おかみ
)
と
同
(
おな
)
じく、いつも
夜
(
よる
)
になつてから
老人
(
ろうじん
)
を
訪
(
たず
)
ねるのが
常
(
つね
)
で、ある
時
(
とき
)
、ひどくはげしい
口調
(
くちょう
)
で
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
それは
事実
(
じじつ
)
か
否
(
いな
)
かは
知
(
し
)
らなかつたが、
誰
(
たれ
)
からも
好感
(
こうかん
)
をもたれない
私
(
わたし
)
とI
子
(
こ
)
との
事
(
こと
)
に
関
(
かん
)
して、さう
言
(
い
)
つたとすれば、それはS、H
氏
(
し
)
の
言
(
い
)
ひさうなことだとは
思
(
おも
)
はれた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
自分はなんらおかした
罪
(
つみ
)
はないと考えても、それがために
苦痛
(
くつう
)
の
事実
(
じじつ
)
が
軽
(
かる
)
くなるとは思えないのだ。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
もしもかかる
事実
(
じじつ
)
を以て外国人に
云々
(
しかじか
)
の
企
(
くわだて
)
ありなど認むるものもあらんには大なる
間違
(
まちがい
)
にして、
干渉
(
かんしょう
)
の危険のごとき、いやしくも時の事情を
知
(
し
)
るものの
何人
(
なんぴと
)
も認めざりしところなり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
君
(
きみ
)
は
彼等
(
かれら
)
を
信
(
しん
)
じなさるな。
嘘
(
うそ
)
なのです。
私
(
わたし
)
の
病気
(
びょうき
)
と
云
(
い
)
うのはそもそもこうなのです。二十
年来
(
ねんらい
)
、
私
(
わたし
)
はこの
町
(
まち
)
にいてただ
一人
(
ひとり
)
の
智者
(
ちしゃ
)
に
遇
(
あ
)
った。
所
(
ところ
)
がそれは
狂人
(
きちがい
)
であると
云
(
い
)
う、これだけの
事実
(
じじつ
)
です。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
われらは、ともすると、
雲
(
くも
)
に
入
(
い
)
つて
雲
(
くも
)
を
忘
(
わす
)
るゝ……三
本木
(
ぼんぎ
)
は、
柳田国男
(
やなぎだくにを
)
さんの
雑誌
(
ざつし
)
——(
郷土研究
(
きやうどけんきう
)
)と、
近
(
ちか
)
くまた(
郷土会記録
(
きやうどくわいきろく
)
)とに
教
(
をし
)
へられた、
伝説
(
でんせつ
)
をさながら
事実
(
じじつ
)
に
殆
(
ほとん
)
ど
奇蹟的
(
きせきてき
)
の
開墾地
(
かいこんち
)
である。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いや、それだけならいい! それだけの
事実
(
じじつ
)
だったなら、まだ地上の人々も、こうまでは
胆
(
きも
)
をつぶさなかったにちがいない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最後
(
さいご
)
に
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る
玉手箱
(
たまてばこ
)
の
話
(
はなし
)
、あれも
事実
(
じじつ
)
ではありませぬ。
別
(
べつ
)
にこの
竜宮
(
りゅうぐう
)
に
開
(
あ
)
ければ
紫
(
むらさき
)
の
煙
(
けむり
)
が
立
(
た
)
ちのぼる、
玉手箱
(
たまてばこ
)
と
申
(
もう
)
すようなものはありませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
なんで
夢
(
ゆめ
)
のもんですか。みんな
事実
(
じじつ
)
ですよ。この
公園
(
こうえん
)
には、
黒
(
くろ
)
い
百合
(
ゆり
)
の
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いたり、
不思議
(
ふしぎ
)
な
毒蛾
(
どくが
)
がきたりしたために、
人間
(
にんげん
)
が
大騒
(
おおさわ
)
ぎをしていますよ。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一人
(
ひとり
)
のその
若
(
わか
)
い
女性
(
ぢよせい
)
にさういふ
風
(
ふう
)
に
働
(
はた
)
らきかけて
行
(
い
)
つたのは
事実
(
じじつ
)
であつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
三
人
(
にん
)
ともに、
老人
(
ろうじん
)
の
家
(
うち
)
へ
時々
(
ときどき
)
出入
(
でい
)
りしているという
事実
(
じじつ
)
がある。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
一切
(
いつさい
)
、
事実
(
じじつ
)
だ、と
老爺
(
ぢゞい
)
は
答
(
こた
)
へたのである。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
また、めったにあめを
買
(
か
)
わないので、
紙芝居
(
かみしばい
)
のおじさんにとって、けっしていい
得意
(
とくい
)
でなかったのも
事実
(
じじつ
)
です。
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ほんとうに、ペストや、コレラが
入
(
はい
)
ってきたよりもおそろしい、
防禦
(
ぼうぎょ
)
のできない
事実
(
じじつ
)
であったからであります。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ぼくは、
馬
(
うま
)
の
身
(
み
)
にもなれば、
男
(
おとこ
)
のたちばにもなって
考
(
かんが
)
えたのです。なんという、
矛盾
(
むじゅん
)
した、いたましい
事実
(
じじつ
)
でしょうか。
男
(
おとこ
)
に、
馬
(
うま
)
の
苦
(
くる
)
しみをわからぬはずがない。
道の上で見た話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
たとえ、それが
事実
(
じじつ
)
であっても、この
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
では、まだ
少年
(
しょうねん
)
に
真
(
しん
)
に
同情
(
どうじょう
)
するものがなかったのです。
少年
(
しょうねん
)
は、また
重
(
おも
)
そうに
病
(
や
)
める
足
(
あし
)
を
引
(
ひ
)
きずりながら、
歩
(
ある
)
いていきました。
つばめと魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さらに、
事実
(
じじつ
)
を
上
(
あ
)
げると、
先日
(
せんじつ
)
のこと、
男
(
おとこ
)
は、かきの
木
(
き
)
にとまった、すずめをねらっていました。この
木
(
き
)
は
火
(
ひ
)
をまぬかれた
老木
(
ろうぼく
)
で、
枝
(
えだ
)
を
張
(
は
)
り、すずめなどのいい
遊
(
あそ
)
び
場所
(
ばしょ
)
でした。
春はよみがえる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
事実
(
じじつ
)
、おじさんは、
方々
(
ほうぼう
)
へでかけたし、ぼくたちの
知
(
し
)
らない
町
(
まち
)
で、めずらしいものを
見
(
み
)
たり、いろいろの
人々
(
ひとびと
)
とあって、
聞
(
き
)
いたおもしろい
話
(
はなし
)
を、ぼくたち
兄弟
(
きょうだい
)
にしてくれたのでした。
緑色の時計
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幾
(
いく
)
十
世紀
(
せいき
)
かの
間
(
あいだ
)
には、
海
(
うみ
)
が
陸
(
りく
)
となったり、また
陸
(
りく
)
が
海
(
うみ
)
になったりして、おどろくような
事実
(
じじつ
)
があるにちがいないが、それよりも、
人間
(
にんげん
)
の
生命
(
いのち
)
のはかなさというものを、より
強
(
つよ
)
く
感
(
かん
)
じられる。
アパートで聞いた話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
事実
(
じじつ
)
、
金
(
かね
)
さえあれば、
新高山
(
にいたかやま
)
の
頂
(
いただき
)
にあったというらんも、この
手
(
て
)
に
入
(
はい
)
るのですが、ここで
私
(
わたし
)
の
考
(
かんが
)
えたことは、
自然
(
しぜん
)
の
美
(
び
)
というものが、はたして、
金
(
かね
)
で
買
(
か
)
えるものであるかということでした。
らんの花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「この
金属
(
きんぞく
)
を、
分析
(
ぶんせき
)
してみなければ、わからぬことだ。おなじ
金属
(
きんぞく
)
でつくったものなら、この一つだけが、くさらぬというわけがあるまい。」と、
博士
(
はかせ
)
は、
科学者
(
かがくしゃ
)
なら、
空想
(
くうそう
)
を
事実
(
じじつ
)
として
うずめられた鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ものにおびえるような
目
(
め
)
つきは、
日
(
ひ
)
に
幾回
(
いくかい
)
となく、ゲリゾン
注射
(
ちゅうしゃ
)
や、ぶどう
糖
(
とう
)
注射
(
ちゅうしゃ
)
や、ときには
輸血
(
ゆけつ
)
をもしなければならなかったので、そのたび
苦痛
(
くつう
)
を
訴
(
うった
)
えて、
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶ
事実
(
じじつ
)
を
語
(
かた
)
るのであります。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
に
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げて
死
(
し
)
ぬほどの
勇気
(
ゆうき
)
もなく、いたずらに、
醜
(
みぐるし
)
く
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
って
木
(
き
)
の
枯
(
か
)
れるように
死
(
し
)
んでしまうことが、その
美
(
うつく
)
しい
死
(
し
)
に
較
(
くら
)
べたら、どんなにか
陰気
(
いんき
)
で、また
暗
(
くら
)
い
事実
(
じじつ
)
でありましたでしょう?
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
監督
(
かんとく
)
は
恐縮
(
きょうしゅく
)
して、いまあった
事実
(
じじつ
)
を
答
(
こた
)
えました。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ああ、
何人
(
なにびと
)
が、つぎのような
事実
(
じじつ
)
を
知
(
し
)
ろう。
奥さまと女乞食
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“事実”の意味
《名詞》
事 実(じじつ)
実際に起こった事柄。
(出典:Wiktionary)
“事実”の解説
事実(じじつ、la: factum、fr: fait、en: fact)とは、
ことの真実。真実のことがら。本当にあったことがら。
(哲学用語)もともと神によってなされたことを意味し、時間と空間の中に見出される実在的なできごとや存在のこと。
(出典:Wikipedia)
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
実
常用漢字
小3
部首:⼧
8画
“事実”で始まる語句
事実上
事実譚
事実談
事実与件
事実奇談
事実文編