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畢
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をは
ふりがな文庫
“
畢
(
をは
)” の例文
菜
(
な
)
が
洗
(
あら
)
ひ
畢
(
をは
)
つた
時
(
とき
)
枯葉
(
かれは
)
の
多
(
おほ
)
いやうなのは
皆
(
みな
)
釜
(
かま
)
で
茹
(
ゆ
)
でゝ
後
(
うしろ
)
の
林
(
はやし
)
の
楢
(
なら
)
の
幹
(
みき
)
へ
繩
(
なは
)
を
渡
(
わた
)
して
干菜
(
ほしな
)
に
掛
(
か
)
けた。
自分等
(
じぶんら
)
の
晝餐
(
ひる
)
の
菜
(
さい
)
にも
一釜
(
ひとかま
)
茹
(
ゆ
)
でた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
汝が名誉を恢復するも此時にあるべきぞ。心のみ急がれて用事をのみいひ
遣
(
や
)
るとなり。読み
畢
(
をは
)
りて茫然たる面もちを見て、エリス云ふ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
蝙蝠
(
かはほり
)
をなおそれそ。かなたこなたへ飛びめぐれど、入るものにはあらず。神の子と共に
熟寐
(
うまい
)
せよ。斯く云ひ
畢
(
をは
)
りて、をぢは戸を
鎖
(
と
)
ぢて去りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と。
既
(
すで
)
に
馳
(
は
)
すること
(二九)
三
輩
(
はい
)
し
畢
(
をは
)
りて、
(三〇)
田忌
(
でんき
)
一
(
ひと
)
たび
勝
(
か
)
たずして
再
(
ふたた
)
び
勝
(
か
)
つ。
卒
(
つひ
)
に
王
(
わう
)
の千
金
(
きん
)
を
得
(
え
)
たり。
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
忌
(
き
)
、
孫子
(
そんし
)
を
威王
(
ゐわう
)
に
進
(
すす
)
む。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
掛るに家老本田外記中村
主計
(
かずへ
)
進み出一通り
挨拶
(
あいさつ
)
畢
(
をは
)
る時兩人は何等の御用に候や伺ひ奉つらんと申ければ小左衞門は
状
(
かたち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
斯くて稿を
畢
(
をは
)
つて、一八七九年の春から清書に
取掛
(
とりかか
)
つて行つたが、一八八二年の冬、或雑誌に、ジヨン・ペインの訳本が刊行されると云ふ予告が出た。
リチャード・バートン訳「一千一夜物語」に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今夜もし君の処へ行つたら、俺の仕事はきつと呪はれて滅茶々々な失敗に
畢
(
をは
)
るだらう。だから俺は行く事を控へる。それはたしかに「悪所通ひ」だからね!
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
彼は
終
(
つひ
)
に心を許し
肌身
(
はだみ
)
を許せし
初恋
(
はつごひ
)
を
擲
(
なげう
)
ちて、絶痛絶苦の
悶々
(
もんもん
)
の
中
(
うち
)
に一生最も
楽
(
たのし
)
かるべき大礼を挙げ
畢
(
をは
)
んぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
性
(
セツキス
)
のない芸術家になり
畢
(
をは
)
せようとしたこの女優は、象牙の塔から滑り落ちるやうな思ひで、また「女」に帰つて来た。そして恋しい男の
後
(
あと
)
を追うて死に急いだ。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
正慶二年(北朝年号)二月二日、赤坂城へ向つて、武恩に報ぜんがため、討死
仕
(
つかま
)
つり
畢
(
をは
)
んぬ
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「イエス・クリストよ。神の子よ。我等に
御恵
(
みめぐみ
)
を垂れ給へ。」先づかう唱へて、それから
頌
(
じゆ
)
を一つ
誦
(
じゆ
)
した。頌がまだ
畢
(
をは
)
らぬうちに、どこからか雀が一羽飛んで来て地の上に下りた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
今日の有樣にては後進の學生日に増加すと雖ども、學問を以て靜に身を
畢
(
をは
)
らんとする者は甚だ稀なるが如し。蓋し其の靜なるを好まざるに非ずと雖ども、靜にして依頼すべき中心を得ず。
帝室論
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼時に年二十七、而して其年三十に及んでは既に全く稿を
畢
(
をは
)
れり。知るべし日本の文学史に特筆大書して其大作たるを誇るべき日本外史は実に一個の青年男児に成りたるものなることを。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
積薪
(
せきしん
)
に
夕餉
(
ゆふげ
)
を
調
(
とゝの
)
へ
畢
(
をは
)
りて
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
りぬ。
一間
(
ひとま
)
なる
處
(
ところ
)
に
臥
(
ふ
)
さしめ、
姑
(
しうと
)
と
婦
(
よめ
)
は、
二人
(
ふたり
)
戸
(
と
)
を
閉
(
と
)
ぢて
別
(
べつ
)
に
籠
(
こも
)
りて
寢
(
い
)
ねぬ。
馴
(
な
)
れぬ
山家
(
やまが
)
の
旅
(
たび
)
の
宿
(
やど
)
りに
積薪
(
せきしん
)
夜更
(
よふ
)
けて
寢
(
い
)
ね
難
(
がた
)
く、
起
(
た
)
つて
簷
(
のき
)
に
出
(
い
)
づ。
時
(
とき
)
恰
(
あたか
)
も
良夜
(
りやうや
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
欺かえて
列
(
な
)
み伏せる時に、吾その上を蹈みて讀み度り來て、今
地
(
つち
)
に下りむとする時に、吾、
汝
(
いまし
)
は我に欺かえつと言ひ
畢
(
をは
)
れば、すなはち
最端
(
いやはて
)
に伏せる鰐、
我
(
あれ
)
を捕へて、悉に我が
衣服
(
きもの
)
を剥ぎき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
いや
放
(
はな
)
しませぬ
放
(
はな
)
されませぬお
前
(
まへ
)
さま
殺
(
ころ
)
しては
旦那
(
だんな
)
さまへ
濟
(
す
)
みませぬといふは
正
(
まさ
)
しく
勘藏
(
かんざう
)
か、とお
高
(
たか
)
の
詞
(
ことば
)
の
畢
(
をは
)
らぬ
内
(
うち
)
闇
(
やみ
)
にきらめく
白刄
(
しらは
)
の
電光
(
いなづま
)
アツと
一聲
(
ひとこゑ
)
一刹那
(
いつせつな
)
はかなく
枯
(
か
)
れぬ
連理
(
れんり
)
の
片枝
(
かたえ
)
は。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
遮莫
(
さもあらばあれ
)
、わがルーソー、ボルテイアの
輩
(
はい
)
に欺かれ了らず、又た新聞紙々面大の小天地に
翺翔
(
かうしやう
)
して、局促たる政治界の
傀儡子
(
くわいらいし
)
となり
畢
(
をは
)
ることもなく、
己
(
おの
)
が
夙昔
(
しゆくせき
)
の不平は転じて限りなき満足となり
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
鵞目
(
てうもく
)
一結
(
ひとゆひ
)
、
白米
(
しらよね
)
一
駄
(
だ
)
、白小袖一、送り
給
(
た
)
び
畢
(
をは
)
んぬ。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
これで事実は
畢
(
をは
)
つてゐる。
神童の死
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
大豆打
(
でえづぶち
)
にかつ
轉
(
ころ
)
がつた
見
(
み
)
てえに
面中
(
つらぢう
)
穴
(
めど
)
だらけにしてなあ」
剽輕
(
へうきん
)
な
相手
(
あひて
)
は
益
(
ます/\
)
惡口
(
あくこう
)
を
逞
(
たくま
)
しくした。
群衆
(
ぐんしふ
)
は
一聲
(
ひとこゑ
)
の
畢
(
をは
)
る
毎
(
ごと
)
に
笑
(
わら
)
ひどよめいた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
所謂伊沢分家は今の
主人
(
あるじ
)
徳
(
めぐむ
)
さんの世となつたのである。以下今に
迨
(
いた
)
るまでの家族の婚嫁生歿を列記して以て此稿を
畢
(
をは
)
らうとおもふ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
聲未だ
畢
(
をは
)
らざるに、我等は黒點の泡立てる巨濤の蔭に隱るゝを見たり。果せるかな老漁の目は我を欺かざりき。一群の人は周章の色を現せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
しかし第一の「徳川家康篇」だけは幸ひにも未成品に
畢
(
をは
)
つてゐない。いや僕の信ずる所によれば、寧ろ前人を
曠
(
むなし
)
うした、
戞々
(
かつかつ
)
たる
独造底
(
どくざうてい
)
の完成品である。
大久保湖州
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
拔
(
ぬい
)
て
詠
(
なが
)
むるに是も亦違もなき天下
三品
(
さんぴん
)
の短刀なりと拜見し
畢
(
をは
)
りて大膳に
戻
(
もど
)
し成程御證據の二品は慥なれ共天一坊殿に於ては
僞物
(
にせもの
)
に相違なしといふ
此時
(
このとき
)
天忠席を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
帝自らもいかにも気持がよささうだつたが、側近くに居並んで聴いてゐた侍臣達も、ほとほと感に堪へてゐる様子だつた。曲が
畢
(
をは
)
ると、玄宗は庭の花樹を指さした。
独楽園
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
捕縛が「その場
丈
(
だ
)
けとしては」とも角不成功に
畢
(
をは
)
つた事を思ふと、もうその後を「どうなつたか」と追究して考へる気にはなれなかつた程満足な自意識に酔つてゐた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
龐涓
(
はうけん
)
、
果
(
はた
)
して
夜
(
よる
)
、
斫木
(
しやくぼく
)
の
下
(
もと
)
に
至
(
いた
)
り、
白書
(
はくしよ
)
を
見
(
み
)
、
乃
(
すなは
)
ち
(五五)
火
(
ひ
)
を
鑽
(
き
)
りて
之
(
これ
)
を
燭
(
てら
)
す。
其書
(
そのしよ
)
を
讀
(
よ
)
み
未
(
いま
)
だ
畢
(
をは
)
らざるに、
齊
(
せい
)
の
軍
(
ぐん
)
の
萬弩
(
ばんど
)
倶
(
とも
)
に
發
(
はつ
)
す。
魏
(
ぎ
)
の
軍
(
ぐん
)
大
(
おほひ
)
に
亂
(
みだ
)
れ、
(五六)
相失
(
あひしつ
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
絶えてこれを知る者あらず。
凡
(
およ
)
そ人生
箇々
(
ここ
)
の裏面には必ず
如此
(
かくのごと
)
き内情
若
(
もし
)
くは秘密とも謂ふべき者ありながら、
幸
(
さいはひ
)
に他の
穿鑿
(
せんさく
)
を免れて、
瞹眛
(
あいまい
)
の
裏
(
うち
)
に葬られ
畢
(
をは
)
んぬる
例
(
ためし
)
尠
(
すくな
)
からず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
此處
(
こゝ
)
さへ
離
(
はな
)
れて
行
(
い
)
つたならば
何
(
ど
)
んな
美
(
うつく
)
しく
良
(
い
)
い
處
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
られるかと、
斯
(
か
)
ういふ
事
(
こと
)
を
是非
(
ぜひ
)
とも
考
(
かんが
)
へます、で
御座
(
ござ
)
いますから、
私
(
わたし
)
も
矢張
(
やつぱり
)
その
通
(
とほ
)
りの
夢
(
ゆめ
)
にうかれて、
此樣
(
こん
)
な
不運
(
ふうん
)
で
畢
(
をは
)
るべきが
天縁
(
てんえん
)
では
無
(
な
)
い
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
同じ戦場にて命をとどめ
畢
(
をは
)
んぬ
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたくしは
前
(
さき
)
に蘭軒を叙し
畢
(
をは
)
つた時、これに論賛を附せなかつた如くに、今叙述全く終つた後も、復総評のために
辞
(
ことば
)
を費さぬであらう。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
曲
畢
(
をは
)
りて姫は衆人に向ひて謝辭を
陳
(
の
)
べ、再びこゝに來んことを約せり。姫はこよひもあまたゝび呼出されぬ。歸途に人々の車を挽けるも亦同じ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
南
(
みなみ
)
の
家
(
いへ
)
では
少
(
すこ
)
しばかり
養蠶
(
やうさん
)
をしたので
百姓
(
ひやくしやう
)
の
仕事
(
しごと
)
が
凡
(
すべ
)
て
手後
(
ておく
)
れに
成
(
な
)
つたのであつた。
村落
(
むら
)
の
大抵
(
たいてい
)
が
田植
(
たうゑ
)
を
畢
(
をは
)
り
掛
(
か
)
けたので
慌
(
あわ
)
てゝ
大勢
(
おほぜい
)
の
手
(
て
)
を
傭
(
やと
)
うた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「言、未だ
畢
(
をは
)
らず。門
忽
(
たちま
)
ち
啓
(
ひら
)
く。数人有り。
一巨桶
(
いちきよとう
)
を
扛
(
かう
)
して出づ。一吏文書を執つてその後に随つて去る。衆即ち裸婦を擁して入る。賈も
亦
(
また
)
随つて入る。」
鴉片
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僕の方から云はせれば、君こそ単に基督のお弟子としてのみ
畢
(
をは
)
る事は惜しくてならないのですが。しかし僕は、君が自由思想家になる事を君に勧めようとは思ひません。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
須磨子も一旦は「死」の悲しみを突きぬけて、芸術に生きよう、抱月氏の愛を
完
(
まつた
)
うするためには、女性を捨てて芸術家になり
畢
(
をは
)
せよう、それより外に道は無いと思ひ込んだらしかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
かの妨げられし恋は、破鏡の再び合ふを得て楽み、吾が
割
(
さか
)
れし愛は落花の
復
(
かへ
)
る無くして
畢
(
をは
)
らんのみ! いで、吾はかくて空く
埋
(
うづも
)
るべきか、風に
因
(
よ
)
りて飛ぶべきか、水に落ちて流るべきか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
私
(
わたし
)
より
願
(
ねが
)
ふことゝいふ
詞
(
ことば
)
聞
(
き
)
きも
畢
(
をは
)
らずそれならばお
話
(
はなし
)
ありお
聽
(
き
)
き
下
(
くだ
)
さりますかと
怪
(
あや
)
しの
根問
(
ねど
)
ひお
高
(
たか
)
さまお
前
(
まへ
)
さまのお
胸
(
むね
)
一
(
ひと
)
つ
伺
(
うかゞ
)
へば
譯
(
わけ
)
のすむ
事
(
こと
)
外
(
ほか
)
でもなし
實
(
まこと
)
の
姉
(
ねえ
)
さまにおなり
下
(
くだ
)
さらぬかと
決然
(
きつぱり
)
いはれて
御串戯
(
ごじやうだん
)
私
(
わたし
)
こそ
實
(
まこと
)
の
妹
(
いもと
)
と
思召
(
おぼしめ
)
してと
言
(
い
)
ふを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
浴し
畢
(
をは
)
つて榛軒は
犢鼻褌
(
とくびこん
)
を著け、跳躍して病人
溜
(
だまり
)
の間を過ぎ、書斎に入つた。上原も亦主人に倣つて、
褌
(
こん
)
を著け、跳躍して溜の間に入つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
絶頂新秋生夜涼
(
ぜつちやうのしんしうやりやうをしやうず
)
。
鶴翻松露滴衣裳
(
つるはひるがへつてしようろいしやうにしたたる
)
。
前峯月照一江水
(
ぜんぽうつきはてるいつかうのみづ
)
。
僧在翠微開竹房
(
そうはすゐびにあつてちくばうをひらく
)
。」題し
畢
(
をは
)
つて
後
(
のち
)
行く事数十里、途上
一江水
(
いつかうすゐ
)
は
半江水
(
はんかうすゐ
)
に
若
(
し
)
かざるを覚り、
直
(
ただち
)
に題詩の処に
回
(
かへ
)
れば
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
広沢は五十幅目を
書
(
か
)
き
畢
(
をは
)
ると、
草臥
(
くたび
)
れたやうに筆を投げ出した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
六日目は谷も
畢
(
をは
)
りの日である。此日は極めてはやく行つた。
炭焼のむすめ
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
逍遙子おほいに後沒理想の論を説き、説き
畢
(
をは
)
りて書をわれにおくりていはく。沒理想に關する論辨はこれにて
一旦
(
いったん
)
止むべし。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
云ひ
畢
(
をは
)
ると共に、利仁は、一ふり振つて狐を、遠くの
叢
(
くさむら
)
の中へ、
抛
(
はふ
)
り出した。
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
されど物語の
畢
(
をは
)
りしとき、彼は色を正して
諫
(
いさ
)
むるやう、この一段のことは
素
(
も
)
と生れながらなる弱き心より出でしなれば、今更に言はんも甲斐なし。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
逍遙子が前の三派、後の二派に就きては既に論じ
畢
(
をは
)
んぬ。これよりは其批評の標準を措いて、其批評の手段に及ばむ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
日の要求に応じて
能事
(
のうじ
)
畢
(
をは
)
るとするには足ることを知らなくてはならない。足ることを知るといふことが、自分には出来ない。自分は永遠なる不平家である。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「いや。けふは修行中の
草鞋穿
(
わらぢばき
)
だから御免
蒙
(
かうむ
)
る。焉馬あつたら又
逢
(
あ
)
はう。」
云
(
い
)
ひ
畢
(
をは
)
つて壽阿彌は、岡崎町の地藏橋の方へ、
錫杖
(
しやくぢやう
)
を
衝
(
つ
)
き鳴らして去つたと云ふのである。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
此日には刀自の父榛軒が壽阿彌に
讀經
(
どきやう
)
を請ひ、それが
畢
(
をは
)
つてから饗應して
還
(
かへ
)
す例になつてゐた。
饗饌
(
きやうぜん
)
には必ず
蕃椒
(
たうがらし
)
を
皿
(
さら
)
に一ぱい盛つて附けた。壽阿彌はそれを
剩
(
あま
)
さずに食べた。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
わたくしは壽阿彌の手紙と題する此文を草して
將
(
まさ
)
に稿を
畢
(
をは
)
らむとした。然るに何となく心に
慊
(
あきたら
)
ぬ
節
(
ふし
)
があつた。何事かは知らぬが、
當
(
まさ
)
に
做
(
な
)
すべくして做さざる所のものがあつて存する如くであつた。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“畢”の解説
畢(ひつ)は、西周・春秋時代の小諸侯国。国君は姫姓畢氏。
(出典:Wikipedia)
畢
漢検準1級
部首:⽥
11画
“畢”を含む語句
畢竟
畢生
畢世
畢寛
言畢
迦畢試
畢鉢羅
畢了
給畢
聞畢
畢竟落寞
畢竟誇大妄想病者
白絹帳中皓體畢呈
看畢
送給畢
能事畢
見畢
視畢
送給候畢
了畢
...