トップ
>
通
>
とお
ふりがな文庫
“
通
(
とお
)” の例文
こんどは
京都
(
きょうと
)
の
羅生門
(
らしょうもん
)
に
毎晩
(
まいばん
)
鬼
(
おに
)
が出るといううわさが
立
(
た
)
ちました。なんでも
通
(
とお
)
りかかるものをつかまえては
食
(
た
)
べるという
評判
(
ひょうばん
)
でした。
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「そら、どらねこがきた。」といって、
顔
(
かお
)
を
出
(
だ
)
すと
水
(
みず
)
をかけたり、いたずらっ
子
(
こ
)
は、そばを
通
(
とお
)
ると、
小石
(
こいし
)
を
拾
(
ひろ
)
って
投
(
な
)
げたりしました。
ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
片
(
かた
)
ッ
方
(
ぽう
)
でもいけなけりゃ、せめて
半分
(
はんぶん
)
だけでも
揚
(
あ
)
げてやったら、
通
(
とお
)
りがかりの
人達
(
ひとたち
)
が、どんなに
喜
(
よろこ
)
ぶか
知
(
し
)
れたもんじゃねえんで。……
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
坊ちゃん政——それは私にいつの間にか付けられた
通
(
とお
)
り
名
(
な
)
だった。もちろんかねて
顔馴染
(
かおなじみ
)
の二刑事が覚えているのも
詮
(
せん
)
ないことだろう。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
紅
(
あか
)
い口びるを吸わして首席を占めたんだと、厳格で
通
(
とお
)
っている米国人の老校長に、思いもよらぬ浮き名を負わせたのも彼女である。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
可哀
(
かわい
)
そうな
子家鴨
(
こあひる
)
がどれだけびっくりしたか!
彼
(
かれ
)
が
羽
(
はね
)
の
下
(
した
)
に
頭
(
あたま
)
を
隠
(
かく
)
そうとした
時
(
とき
)
、一
匹
(
ぴき
)
の
大
(
おお
)
きな、
怖
(
おそ
)
ろしい
犬
(
いぬ
)
がすぐ
傍
(
そば
)
を
通
(
とお
)
りました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
前
(
まえ
)
にものべた
通
(
とお
)
り、こちらの
世界
(
せかい
)
は
造
(
つく
)
りつけの
現界
(
げんかい
)
とは
異
(
ことな
)
り、
場所
(
ばしょ
)
も、
家屋
(
かおく
)
も、
又
(
また
)
姿
(
すがた
)
も、
皆
(
みな
)
意思
(
おもい
)
のままにどのようにもかえられる。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「あれか? あれは
仏蘭西
(
フランス
)
の……まあ、女優と云うんだろう。ニニイと云う名で
通
(
とお
)
っているがね。——それよりもあの
爺
(
じい
)
さんを見ろよ。」
彼 第二
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
毎日毎夜
打
(
ぶ
)
っ
通
(
とお
)
しに眠れない。そうして、しまいには昼も夜もわからない、骨と皮ばかりの夢うつつみたいになって死んで行く奴が多い。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一首の意は、〔玉藻かる〕(枕詞)摂津の
敏馬
(
みぬめ
)
を
通
(
とお
)
って、いよいよ船は〔夏草の〕(枕詞)淡路の野島の埼に近づいた、というのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
と、すぐそばで
冷
(
ひ
)
やかすような
笑
(
わら
)
い
声
(
ごえ
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
悪
(
あく
)
たれで
通
(
とお
)
っているドゥチコフのいやな声だ。シューラは
思
(
おも
)
いがけなさにぴくっとなった。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
や、
巡査
(
じゅんさ
)
が
徐々
(
そろそろ
)
と
窓
(
まど
)
の
傍
(
そば
)
を
通
(
とお
)
って
行
(
い
)
った、
怪
(
あや
)
しいぞ、やや、また
誰
(
たれ
)
か
二人
(
ふたり
)
家
(
うち
)
の
前
(
まえ
)
に
立留
(
たちとどま
)
っている、
何故
(
なぜ
)
黙
(
だま
)
っているのだろうか?
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
へえ、これは、その、
或
(
あ
)
る
家
(
いえ
)
の
前
(
まえ
)
を
通
(
とお
)
りますと、
槙
(
まき
)
の
木
(
き
)
の
生
(
い
)
け
垣
(
がき
)
にこれがかけて
干
(
ほ
)
してありました。
見
(
み
)
るとこの、
尻
(
しり
)
に
穴
(
あな
)
があいていたのです。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「聞きずてにならぬ
暴言
(
ぼうげん
)
、
用
(
よう
)
があればこそ
幕内
(
まくうち
)
へとおる。それは
奉行
(
ぶぎょう
)
の
役権
(
やっけん
)
じゃ。
役儀
(
やくぎ
)
の
権
(
けん
)
をもって
通
(
とお
)
るになんのふしぎがあろう。どけどけ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
通
(
とお
)
り
縋
(
すが
)
ると、どうしたのか、我を忘れたように、
私
(
わたし
)
は、あの、低い
欄干
(
らんかん
)
へ、腰をかけてしまったんです。抜けたのだなぞと言っては
不可
(
いけ
)
ません。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鳥
(
とり
)
が
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
ってしまうと、
杜松
(
ねず
)
の
木
(
き
)
は
又
(
また
)
元
(
もと
)
の
通
(
とお
)
りになりましたが、
手巾
(
はんけち
)
は
骨
(
ほね
)
と一しょに
何処
(
どこ
)
へか
消
(
き
)
えてしまいました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
ところが余り暑い盛りに大患後の
身体
(
からだ
)
をぶっ
通
(
とお
)
しに使うのはどんなものだろうという親切な心配をしてくれる人が出て来たので、それを
好
(
い
)
い
機会
(
しお
)
に
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
九月となりてわれはここに初めて団菊両優の
素顔
(
すがお
)
とその稽古とを見得たり。狂言はたしか『
水戸黄門記
(
みとこうもんき
)
』
通
(
とお
)
しにて中幕「
大徳寺
(
だいとくじ
)
」
焼香場
(
しょうこうば
)
なりしと記憶す。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「おっかあ、粕谷の仙ちゃんのお
妾
(
めかけ
)
の居た
家
(
うち
)
に越して来た東京のおかみさんが
通
(
とお
)
るから、出て来て見なァよゥ」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と、やがて
裏門
(
うらもん
)
に近づく人の
足音
(
あしおと
)
がして、だれか門をくぐると、
裏庭
(
うらにわ
)
を
通
(
とお
)
って法師の方へ近づいて来ました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
四五 猿の
経立
(
ふったち
)
はよく人に似て、女色を好み里の婦人を盗み去ること多し。
松脂
(
まつやに
)
を毛に
塗
(
ぬ
)
り砂をその上につけておる故、
毛皮
(
けがわ
)
は
鎧
(
よろい
)
のごとく鉄砲の
弾
(
たま
)
も
通
(
とお
)
らず。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
乗物
(
のりもの
)
の
支度
(
したく
)
もなかつたので、
私達
(
わたくしたち
)
はぞろ/\
打揃
(
うちそろ
)
うて
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
た。そして
円
(
えん
)
タクでも
通
(
とお
)
りかゝつたらばと
思
(
おも
)
つて、
寂
(
さび
)
しいN
町
(
まち
)
の
通
(
とお
)
りを、Tホテルの
方
(
ほう
)
へと
歩
(
ある
)
いた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
兵馬
(
へいば
)
の
権
(
けん
)
」とか「
弓馬
(
きゅうば
)
の
家
(
いえ
)
」とかいう語もあるほど、遠い昔から軍事の要具とせられている勇ましい馬の鳴声は、「お馬ヒンヒン」という
通
(
とお
)
り
詞
(
ことば
)
にあるとおり
駒のいななき
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
そのまま、しばらくにらみあいのままでいましたが、さて、
線路
(
せんろ
)
が
一筋
(
ひとすじ
)
なので、お
互
(
たがい
)
に
通
(
とお
)
りぬけることができません。どちらか
後
(
あと
)
しざりをしなければなりません。
ばかな汽車
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
秋の
中過
(
なかばすぎ
)
、冬近くなると
何
(
いず
)
れの
海浜
(
かいひん
)
を
問
(
とわ
)
ず、大方は
淋
(
さび
)
れて来る、
鎌倉
(
かまくら
)
も
其
(
その
)
通
(
とお
)
りで、自分のように年中住んで
居
(
い
)
る者の
外
(
ほか
)
は、浜へ出て見ても、里の子、浦の子、
地曳網
(
じびきあみ
)
の男
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
兼吉
(
かねきち
)
が
尿板
(
にょうばん
)
のうしろを
通
(
とお
)
ろうとすると、一
頭
(
とう
)
の牛がうしろへさがって立ってるので通れないから、ただ
平手
(
ひらて
)
で
軽
(
かる
)
く牛のしりを打ったまでなのを、牛をだいじにする花前は
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
一
人前
(
にんまえ
)
、一
人分
(
にんぶん
)
、一と
通
(
とお
)
り、
人並
(
ひとなみ
)
、十
人並
(
にんなみ
)
、男一
匹
(
ぴき
)
の任務などいう言葉はわれわれのつねに聞くところである。なかんずく一人前という言葉は種々の場合に応用されている。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
どうしてって……おれにはわからない……お
待
(
ま
)
ちよ……じっさいまずい……第一、ばかげているから……そうだ、その
通
(
とお
)
りだ……ばかげている、
何
(
なん
)
の
意味
(
いみ
)
もない……そこだ。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
この「子を取ろ子とろ」が、この深夜、
材木町
(
ざいもくちょう
)
の
通
(
とお
)
りに斬りむすぶ剣林のなかに、始まった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それにこっちでこれだけ思っているのだから、皆までとは行かぬにしても、この心が幾らか向うに
通
(
とお
)
っていないことはない筈だ。なに。案じるよりは生むが易いかも知れない。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
形
(
なり
)
は
結城
(
ゆうき
)
の
藍微塵
(
あいみじん
)
に
唐桟
(
とうざん
)
の
西川縞
(
にしかわじま
)
の
半纒
(
はんてん
)
に、八丈の
通
(
とお
)
し
襟
(
えり
)
の掛ったのを着て
門口
(
かどぐち
)
に立ち。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あっちの
邦土
(
くに
)
は
誰
(
だれ
)
にも見せないと、意地悪く
通
(
とお
)
せん
坊
(
ぼう
)
をしているようにも見える位だ。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そういうカードを五
通
(
とお
)
り作って、合計二十五枚を一組の透視(実験用標準)カードとする。即ち一組の透視カードは、円、四角など五種類のものが、それぞれ五枚ずつあることになる。
心霊現象と科学:――『心の領域』について――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
しぜん人も馬も重苦しい気持に
沈
(
しず
)
んでしまいそうだったが、しかしふと
通
(
とお
)
り
魔
(
ま
)
が過ぎ去った
跡
(
あと
)
のような
虚
(
むな
)
しい
慌
(
あわただ
)
しさにせき立てられるのは、こんな日は
競走
(
レース
)
が
荒
(
あ
)
れて大穴が出るからだろうか。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
わたしは、またもう一つ読本の中にあったくまの
絵
(
え
)
をありありと思いだすことができます。それは、大きなくまが後足で立って、木の
枝
(
えだ
)
にさけをたくさん
通
(
とお
)
したのをかついでいくところです。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
友人たちは初め承知しなかったが、結局ヴラジーミル・ペトローヴィチは自説を
押
(
お
)
し
通
(
とお
)
した。二週間ののち、彼らが再び寄り合った時、ウラジーミル・ペトローヴィチは、その
約束
(
やくそく
)
を果した。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
被害者
(
ひがいしゃ
)
刈谷音吉老人
(
かりやおときちろうじん
)
は、もと
高利貸
(
こうりか
)
しでへんくつで、
昼日中
(
ひるひなか
)
でも
門
(
もん
)
に
締
(
しま
)
りをしていて、
呼
(
よび
)
りんを
押
(
お
)
さないと、
人
(
ひと
)
を
門内
(
もんない
)
へ
通
(
とお
)
さなかつたというほどに
用心
(
ようじん
)
ぶかく、それに
妻子
(
さいし
)
はなく
女中
(
じょちゅう
)
もおかず
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
三軒が皆
行
(
ゆ
)
き
通
(
とお
)
しのようになっていて、その
中央
(
なか
)
の家の、
立腐
(
たちぐさ
)
れになってる畳の上に、木の
朽
(
く
)
ちた、
如何
(
いか
)
にも怪し気な
長持
(
ながもち
)
が二つ置いてある、
蓋
(
ふた
)
は開けたなりなので、気味
悪
(
わ
)
る
悪
(
わ
)
る
内
(
なか
)
を
覘
(
のぞ
)
いて見ると
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
天から下界へ
通
(
とお
)
って来て
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「
風
(
かぜ
)
がなくていいな。」と
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
だけれど
思
(
おも
)
っていたときです。
蒸気
(
じょうき
)
ポンプの
轍
(
わだち
)
が、あちらの
広
(
ひろ
)
い
通
(
とお
)
りを
横
(
よこ
)
の
方
(
ほう
)
へ
曲
(
ま
)
がったようです。
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
百姓
(
ひゃくしょう
)
は「
桑原
(
くわばら
)
、
桑原
(
くわばら
)
。」と
唱
(
とな
)
えながら、
頭
(
あたま
)
をかかえて一
本
(
ぽん
)
の大きな木の下に
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
んで、
夕立
(
ゆうだち
)
の
通
(
とお
)
りすぎるのを
待
(
ま
)
っていました。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
と、
思
(
おも
)
いました。そしてまだじっとしていますと、
猟
(
りょう
)
はなおもその
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
ではげしく
続
(
つづ
)
いて、
銃
(
じゅう
)
の
音
(
おと
)
が
水草
(
みずくさ
)
を
通
(
とお
)
して
響
(
ひび
)
きわたるのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「その
通
(
とお
)
り。——お
上
(
かみ
)
さん。
太夫
(
たゆう
)
の
人気
(
にんき
)
は
大
(
たい
)
したもんでげすぜ。これからァ、
何
(
な
)
んにも
恐
(
こわ
)
いこたァねえ、
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
勢
(
いきお
)
いでげさァ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ハバトフはその
間
(
あいだ
)
何故
(
なにゆえ
)
か
黙
(
もく
)
したまま、さッさと六
号室
(
ごうしつ
)
へ
這入
(
はい
)
って
行
(
い
)
ったが、ニキタは
例
(
れい
)
の
通
(
とお
)
り
雑具
(
がらくた
)
の
塚
(
つか
)
の
上
(
うえ
)
から
起上
(
おきあが
)
って、
彼等
(
かれら
)
に
礼
(
れい
)
をする。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あなたも
御承知
(
ごしょうち
)
の
通
(
とお
)
り、こちらの
世界
(
せかい
)
では、
何
(
なに
)
をやるにも、
手間暇間
(
てまひま
)
は
要
(
い
)
りません。
思
(
おも
)
い
立
(
た
)
ったが
吉日
(
きちじつ
)
で、すぐに
実行
(
じっこう
)
に
移
(
うつ
)
されて
行
(
ゆ
)
きます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「殿様、
私
(
わたくし
)
はあなた方に御別れ申してから、すぐに
生駒山
(
いこまやま
)
と
笠置山
(
かさぎやま
)
とへ飛んで行って、この
通
(
とお
)
り御二方の御姫様を御助け申してまいりました。」
犬と笛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それかといって葉子はなべての女の順々に
通
(
とお
)
って行く道を通る事はどうしてもできなかった。通って見ようとした事は幾度あったかわからない。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
彼はその光る身体で私の原稿紙の上に寝たものだから、油がずっと下まで
滲
(
し
)
み
通
(
とお
)
って私をずいぶんな目に
逢
(
あ
)
わせた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで、ことによると、だれか
通
(
とお
)
りがかりの人が気のどくに思って承知してくれるかもしれないと、そんなことを当てにして、
大通
(
おおどおり
)
へ腰をおろしました。
死神の名づけ親(第二話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「ウーム、
強
(
た
)
って
通
(
とお
)
さんとあらばぜひがない。では、ただいま
奥
(
おく
)
へにないこんだ
婦人
(
ふじん
)
をこれへだしてもらいたい」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“通”の意味
《名詞》
(ツウ)趣味の分野において、特に暗黙のルールとなっていることまで知悉していること。江戸時代、元禄期における趣味人の価値が「粋」であったのに対し、化政期において重視された価値。
(とおり 「通り」とも) 特に市街地の内部にあって、形状がおおむね同一で、連続する道路の呼称。
(出典:Wiktionary)
通
常用漢字
小2
部首:⾡
10画
“通”を含む語句
普通
通過
一通
大通
通路
通行
通常
人通
密通
貫通
姦通
切通
表通
裏通
見通
通帳
風通
目通
行通
二通
...