師匠ししやう)” の例文
かくの如く山伏にはむづかしき事の御座候よし兼て師匠ししやうより聞及び候に私事は未だ若年じやくねんにて師匠の跡目あとめ相續の儀は過分くわぶんの儀なれば修驗のはふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたし間違まちがつたことひますれば、其處そこます師匠ししやう沙汰さたをしますはずともつてつてりますうへは、けつして相違さうゐないとぞんじます。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
げにも浮世うきよ音曲おんぎよく師匠ししやうもとしかるべきくわいもよほことわりいはれぬすぢならねどつらきものは義理ぎりしがらみ是非ぜひたれて此日このひ午後ひるすぎより
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこで賃仕事の片手間かたてま一中節いつちうぶし稽古けいこをし、もし上達するものとすれば師匠ししやうになるのも善いと思ひ出した。しかし一中節はむづかしかつた。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あの人達ひとたちはお前達まへたち祖父おぢいさんのことを『お師匠ししやうさま、お師匠ししやうさま』とんでました。あの人達ひとたち苗字めうじをつけるときのことをいまからおもひますと
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼等かれらしろ手拭てぬぐひあつまつてはるかひとほか師匠ししやううち格別かくべつ利益りえきもなく彼等かれら自分等じぶんらのみが一にちたのしくらるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何んとか流の踊りの師匠ししやうですが、それは滿身にたぎる魅力を踊りにかこつけてき散らし、山の手一帶を桃色に興奮させるやうな大變な女でした。
銭形平次捕物控:315 毒矢 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
それでも六でふと三畳と二室ふたまあツて、格子かうしを啓けると直ぐに六畳になツてゐた。此處でお房の母は、近所の小娘や若い者を集めてお師匠ししやうさんを爲てゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
とよは自分の身こそ一家の不幸のめに遊芸いうげい師匠ししやう零落れいらくしたけれど、わが子までもそんないやしいものにしては先祖の位牌ゐはいに対して申訳まをしわけがないと述べる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
へえーそれうも結構けつこうな事で。殿「別に師匠ししやうも取らず書物しよもついて独学どくがくをしたのぢやが、色々いろ/\な事を発明はつめいしたよ、まア見るがい、これだけ器械きかいを集めたから。 ...
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
五穀豊熟ごこくほうじゆくしてとしみつぎ心易こゝろやすさゝげ、諸民しよみん鼓腹はらつゞみの春にあひし時、氏神のまつりなどにあひしを幸に地芝居を興行こうぎやうする㕝あり。役者は皆其処の素人しろうとあるひは近村きんそんえきよりも来るなり。師匠ししやうは田舎芝居の役者やくしややとふ。
ぢやが、お前様めえさまやま先生せんせいみづ師匠ししやうふわけあひで、私等わしらにや天上界てんじやうかいのやうな東京とうきやうから、遥々はる/″\と……飛騨ひだ山家やまがまでござつたかね。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
致しまことの修驗と相成て後當村へかへり其時にこそ師匠ししやう感應院の院を續度つぎたく存ずるなりあはれ此儀を御許おんゆるし下され度夫迄それまでの内は感應院へはよろしき代りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
五日いつかの朝、僕の家にきたる。いまだ孫娘のを知らずといふ。意気な平生のお師匠ししやうさんとは思はれぬほど憔悴せうすゐし居たり。
『お師匠ししやうさま、孫子まごこつたはることでございますから、どうかまあ私共わたしどもにもささうな苗字めうじを一つおねがまをします。』
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「相手は何んだえ。圍ひ者か、お師匠ししやうか、それとも小料理屋のをんなか、——どうせ素人しろうとぢやあるめえ」
で、風流三昧ふうりうざんまい蘿月らげつむを得ず俳諧はいかいで世を渡るやうになり、おとよ亭主ていしゆ死別しにわかれた不幸つゞきにむかしを取つた遊芸いうげいを幸ひ常磐津ときはづ師匠ししやう生計くらしを立てるやうになつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
... どうかよろしく・……」「なんといふ名前です」「お師匠ししやうさん、わたしは年をつて物おぼえが悪くなつて、よくおぼえてりませぬが、なんでもく名前でしたが、忘れました」
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
五穀豊熟ごこくほうじゆくしてとしみつぎ心易こゝろやすさゝげ、諸民しよみん鼓腹はらつゞみの春にあひし時、氏神のまつりなどにあひしを幸に地芝居を興行こうぎやうする㕝あり。役者は皆其処の素人しろうとあるひは近村きんそんえきよりも来るなり。師匠ししやうは田舎芝居の役者やくしややとふ。
おつぎがかようたはり師匠ししやううちでもよめきまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
めづらしやおたかさま今日けふ御入來おいで如何どういふかぜふきまはしか一昨日をとゝひのお稽古けいこにも其前そのまへもおかほつひにおせなさらずお師匠ししやうさまもみなさまも大抵たいていでないおあんがな一日いちにちうはさしてをりましたとうれしげに出迎でむか稽古けいこ朋輩ほうばい錦野にしきのはなばれて醫學士いがくしいもと博愛はくあい仁慈じんじきこえたかきあに
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
くみまゐりし者は當時は拙者弟子なれども元は師匠ししやう天道てんだうが弟子にてかれは師匠が未だ佐渡さど淨覺院じやうがくゐんの持主たりし時門前にて有しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
前様めえさまもの、祖父殿おんぢいどん真似まねをするだ、で、わし自由じいうにはんねえだ。間違まちがへて先生せんせいだ、師匠ししやうはつしやるなら、祖父殿おんぢいどんばらつせえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
本所ほんじよ横網町よこあみちやうに住める一中節いつちうぶし師匠ししやう。名は鐘大夫かねだいふ。年は六十三歳。十七歳の孫娘と二人暮らしなり。
前達まへたち祖父おぢいさんは、この御幣餅ごへいもちきでした。日頃ひごろむら人達ひとたちから『お師匠ししやうさま、お師匠ししやうさま。』としたしさうにばれてたのも、この御幣餅ごへいもちきな祖父おぢいさんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「朝つぱらから惚氣のろけの賣り込みかい、道理で近頃は姿を見せないと思つたよ。ところで相手は誰だ、横町の師匠ししやうか、羅生門河岸らしやうもんがし怪物くわいぶつか、それとも煮賣屋のお勘子か——」
さいはひ師匠ししやうはマア寄席よせへもおなさいません閑人ひまじんでいらつしやる事でげすから、御苦労ごくらうながら三いうしや総代そうだいとして、貴方あなた京都きやうとつてくださるわけにはまゐりませんかと、円朝わたくしたのまれました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
師匠ししやうのおとよ縁日えんにちものゝ植木鉢うゑきばちならべ、不動尊ふどうそん掛物かけものをかけたとこうしろにしてべつたりすわつたひざの上に三味線しやみせんをかゝへ、かしばちで時々前髪まへがみのあたりをかきながら、掛声かけごゑをかけてはくと
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ともあれ勘藏かんざうといふものある以上いじやうなまなかのこと言出いひだしてうたがひのたねになるまじともがたしおためにならぬばかりかはひととの逢瀬あふせのはしあやなくたえもせばなにかせんるべきみちのなからずやとまどふはこゝろつゝむ色目いろめなにごともあらはれねど出嫌でぎらひときこえしおたか昨日きのふいけはた師匠ししやうのもとへ今日けふ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一寸ちよつとくとだれでもおもふだらう、ところちがふんだ、客筋きやくすぢのぢやない。みんな師匠ししやう追善つゐぜんなんだ。」
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小唄の師匠ししやうへ行つて、一刻も變な聲を出してうなつて、歸りには手拭をらして、錢湯へ行つたやうな顏をするといふのは、その頃の大商人の奉公人にはよくあることでした。
一中節いつちうぶし師匠ししやうになることはとうとうおそうさんには出来なかつた。お宗さんはあの震災のために家も何も焼かれたとかいふことだつた。のみならず一時は頭の具合ぐあひも妙になつたとかいふことだつた。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
やまたにみづも、其処そこにはわたくし師匠ししやうがある、としんた。はたして貴下あなたにおにかゝつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三味線堀の手踊りの師匠ししやう紀久榮きくえ——親分も御存じでせう。
れがおくなりなすつて、母樣おつかさまが、女紅場ぢよこうばへいらつしやつて、をどりやなにか、遊藝いうげい師匠ししやうあそばして、手一てひとつで、貴下あなたをおそだてなさります時分じぶんは、かげながらおかほましたくらゐなもの。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「横町の師匠ししやうがやられましたよ」
女紅場ぢよこうばで、お師匠ししやうさんをなさります、のおこゝろうちぞんじながら、勿體もつたいない、引張ひつぱりの地獄宿ぢごくやどで、たこあしかじりながら、袖崎そでさき御新姐ごしんぞ直傳ぢきでんだ、と紀伊國きいのくに音無瀬川おとなせがはきつねいた人畜にんちく
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わし師匠ししやうきびしかつたし、きやう身体からだぢや、はださへいだことはついぞおぼえぬ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
間違まちがへば、師匠ししやう沙汰さたをなされます。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)