“手一”の読み方と例文
読み方割合
てひと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しようと思ってやって来た。何か欲しいものがあるのなら、遠慮なく言うが好い。己は葛城山の手一(てひと)つの神だ。
犬と笛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
手一(てひと)ツの女世帯(をんなじよたい)に追はれてゐる身は空が青く晴れて日が窓に射込(さしこ)み、斜向(すぢむかう)の「宮戸川(みやとがは)」と云(い)ふ鰻屋(うなぎや)の門口(かどぐち)の柳(やなぎ)が緑色の芽をふくのにやつと時候(じこう)の変遷(へんせん)を知るばかり。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
其(そ)れがお亡(な)くなりなすつて、母樣(おつかさま)が、女紅場(ぢよこうば)へいらつしやつて、踊(をどり)やなにか、遊藝(いうげい)の師匠(ししやう)を遊(あそ)ばして、手一(てひと)つで、貴下(あなた)をお育(そだ)てなさります時分(じぶん)は、蔭(かげ)ながらお顏(かほ)を見(み)ましたくらゐなもの。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)