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屹度
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きつと
ふりがな文庫
“
屹度
(
きつと
)” の例文
独逸
(
ドイツ
)
は
屹度
(
きつと
)
最後の独逸人となるまで戦ふだらう、
露西亜
(
ロシア
)
人もまた最後の露西亜人となるまで戦ふだらうが、唯
英吉利
(
イギリス
)
人は——さうさ
茶話:01 大正四(一九一五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
或
(
あるひ
)
は
屹度
(
きつと
)
、及第の通知が間違つてゐたのではないかと、
愬
(
うつた
)
へるやうにして父兄席を見ると、木綿の
紋付袴
(
もんつきはかま
)
の父は人の肩越しに
爪立
(
つまだ
)
ち
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「
茂
(
もつ
)
ちやんだつて
屹度
(
きつと
)
何とかしてくれるに違ひない。」と私は
曩
(
さき
)
に久しぶりで佐賀へ青服を着て帰つて来た友達をも頼みにしてゐた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
女等
(
をんなら
)
は
皆
(
みな
)
少時
(
しばし
)
の
休憩時間
(
きうけいじかん
)
にも
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ふには
笠
(
かさ
)
をとつて
地上
(
ちじやう
)
に
置
(
お
)
く。
一
(
ひと
)
つには
紐
(
ひも
)
の
汚
(
よご
)
れるのを
厭
(
いと
)
うて
屹度
(
きつと
)
倒
(
さかさ
)
にして
裏
(
うら
)
を
見
(
み
)
せるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
否、宗教ばかりではない、何につけても、それにはまり込んで了へば、
屹度
(
きつと
)
芸術はそこから逃げ出して行つて了ふやうなところがある。
黒猫
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
それから
又
(
また
)
『
毒
(
どく
)
』と
記
(
しる
)
してある
瓶
(
びん
)
から
澤山
(
たくさん
)
飮
(
の
)
めば、それが
屹度
(
きつと
)
晩
(
おそ
)
かれ
早
(
はや
)
かれ
體
(
からだ
)
の
害
(
がい
)
になるものだと
云
(
い
)
ふことを
决
(
けつ
)
して
忘
(
わす
)
れませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
秋野が預るとすると、男だから、
且
(
か
)
つは
土地者
(
ところもの
)
だけに
種々
(
いろいろ
)
な関係があつて、
屹度
(
きつと
)
何かの
反響
(
さしひびき
)
が起る。孝子はそれも考へたのだ。そして
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
やつぱり、
此方
(
こちら
)
が思ひ出せないのだ。その
中
(
なか
)
には、また
屹度
(
きつと
)
あの人達と顔を合せる機会があるに違ひない。屹度機会が来るに違ひない。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
にも
出入
(
でいり
)
のお
百姓
(
ひやくしやう
)
がありまして、お
餅
(
もち
)
をつくとか、お
茶
(
ちや
)
をつくるとかいふ
日
(
ひ
)
には、
屹度
(
きつと
)
お
手傳
(
てつだ
)
ひに
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『
其
(
その
)
眼
(
め
)
が
怪
(
あや
)
しい、
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
ではよく
眩惑
(
ごまか
)
されます、
貴下
(
あなた
)
は
屹度
(
きつと
)
流星
(
りうせい
)
の
飛
(
と
)
ぶのでも
見
(
み
)
たのでせう。』とビール
樽
(
だる
)
のやうな
腹
(
はら
)
を
突出
(
つきだ
)
して
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
嫁入
(
よめいり
)
の
支度
(
したく
)
で
忙殺
(
ばうさつ
)
されるのみならず、
屹度
(
きつと
)
貧殺
(
ひんさつ
)
されるだらうとか
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
になると、
子供
(
こども
)
のない
宗助
(
そうすけ
)
の
耳
(
みゝ
)
には
夫程
(
それほど
)
の
同情
(
どうじやう
)
も
起
(
おこ
)
し
得
(
え
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
造るのよむろん! そしてそれが貴方の胸の中の恋人に似れば似る程それは
屹度
(
きつと
)
まるや様のやうに神々しく美しくなるのだわ。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
「
此
(
この
)
石の下には、
屹度
(
きつと
)
蟹
(
かに
)
が居るよ、さ、おツ
母
(
か
)
さんがかうして、石を引起して居るから坊やは自分で蟹を
掴
(
つか
)
んでお捕り……」
熊と猪
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
御訪ねをすると
屹度
(
きつと
)
大人のお煩ひになることを恐れますが、でも小生の止むに止まれぬ願を更めてお胸にお止め下さいまし
生前身後の事
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『
屹度
(
きつと
)
間
(
ま
)
もなくお
直
(
なほ
)
りでせう。』と、ニキタは
復
(
また
)
云
(
い
)
ふてアンドレイ、エヒミチの
脱捨
(
ぬぎすて
)
た
服
(
ふく
)
を
一纏
(
ひとまと
)
めにして、
小腋
(
こわき
)
に
抱
(
かか
)
へた
儘
(
まゝ
)
、
戸
(
と
)
を
閉
(
た
)
てゝ
行
(
ゆ
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
毎日
斯
(
か
)
うして二人で働いてゐたが、時々飛入りに手伝に来る職人があつた。
此奴
(
こいつ
)
が手伝に来ると、
屹度
(
きつと
)
娘を叱り飛ばす、
而
(
さう
)
してミハイロに
調戯
(
からか
)
ふ。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
彼女は
痛
(
ひど
)
く才の勝つた女で、
屹度
(
きつと
)
一生のうちに郷里の人の驚くやうな女になつてやらねば、とは束の間も彼女の胸に斷えたことのない祈願であつた。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「緑ちやん今夜は
外
(
はず
)
れだね。
屹度
(
きつと
)
これから好いよ。それに女の人が一枚入ると、がらりと変つて来るよ。
晴
(
はあ
)
ちやん助勢して、取りかへしなさいよ。」
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
差出すに於ては
返金
(
へんきん
)
は申に及ばず
御褒美
(
ごはうび
)
として
知行
(
ちぎやう
)
百石づつ下し置れる樣
拙者
(
せつしや
)
どもが
屹度
(
きつと
)
取り計ひ
遣
(
つかは
)
すべし若し御家來に御取立を
望
(
のぞ
)
まずば
永代
(
えいだい
)
倉元役
(
くらもとやく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
是非
(
ぜひ
)
吾助
(
ごすけ
)
も
拜見
(
はいけん
)
が
仕
(
し
)
たければ、
此頃
(
このごろ
)
に
姉樣
(
ねえさま
)
にお
願
(
ねが
)
ひなされ、お
書
(
か
)
き
捨
(
す
)
てを
頂
(
いたゞ
)
きて
給
(
たま
)
はれ、
必
(
かな
)
らず、
屹度
(
きつと
)
と
返事
(
へんじ
)
の
通路
(
つうろ
)
を
此處
(
こヽ
)
にをしへ、
一日
(
いちにち
)
を
待
(
ま
)
ち
二日
(
ふつか
)
を
待
(
ま
)
ち
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わし
)
が
屹度
(
きつと
)
改心
(
かいしん
)
さして見せるから、まアそんなに心配しないがいゝよ。なに世の中は案じるより
産
(
う
)
むが安いさ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ところが、ふとした
拍子
(
ひやうし
)
で此樣な
死態
(
しにざま
)
をするやうになツた……そりや偶然さ。いや、
屹度
(
きつと
)
偶然だツたらう。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
僅に殘つた親友の大川をはじめ二三の人々は、亨一の將來を氣づかひ、あの儘にしておけば彼は
屹度
(
きつと
)
終りを全くすることが出來なくなると云つて、其前途を危んだ。
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
今般、当村内にて、
切支丹
(
きりしたん
)
宗門の宗徒共、邪法を行ひ、
人目
(
じんもく
)
を
惑
(
まど
)
はし候儀に付き、私見聞致し候次第を、
逐一
(
ちくいち
)
公儀へ申上ぐ可き
旨
(
むね
)
、御沙汰相成り候段
屹度
(
きつと
)
承知
仕
(
つかまつ
)
り候。
尾形了斎覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
屹度
(
きつと
)
持參
(
ぢさん
)
の
事
(
こと
)
、と
言
(
い
)
ふ……
蓋
(
けだ
)
し
發會
(
はつくわい
)
第一番
(
だいいちばん
)
の——お
當
(
たう
)
めでたうござる——
幹事
(
かんじ
)
の
弴
(
とん
)
さんが……
實
(
じつ
)
は
剩錢
(
つりせん
)
を
集
(
あつ
)
める
藁人形
(
わらにんぎやう
)
に
鎧
(
よろひ
)
を
着
(
き
)
せた
智謀
(
ちぼう
)
計數
(
けいすう
)
によつたのださうである。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
貴方は今に綿丈けになつた布団は掛けなければならなくなるでせう
屹度
(
きつと
)
。それでも悲しまないでね。
獄中の女より男に
(新字旧仮名)
/
原田皐月
(著)
けふは
妾
(
わたし
)
に
何
(
なに
)
か
言
(
ゆ
)
はれたのがよくよく、くやしかつたとみえまして、
目
(
め
)
が
覺
(
さ
)
めると、しくしく
泣
(
な
)
きながら、また
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つたんです。
屹度
(
きつと
)
、
酒屋
(
さかや
)
へです。
私
(
わたし
)
は
酒
(
さけ
)
を
憎
(
にく
)
みます。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
博士は「日本人は約束を守る誠実な国民だ。も一度来ると云へば
屹度
(
きつと
)
此
(
この
)
通りに来る。
加之
(
おまけ
)
に二人の詩人を
伴
(
つ
)
れて来た。
殊
(
こと
)
に日本婦人がツウルへ来た事は
之
(
これ
)
が始めであらう」
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「お、お前、吃驚してのう、さあ
屹度
(
きつと
)
京の誰かが死んだのに違ひないちて見たら、お前!」
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
慥
(
たし
)
かに小説になる。無信仰の現代に産れて、信仰に
憧
(
あくが
)
れる主人公は面白い、
屹度
(
きつと
)
書ける。辰馬が喜びさうな小説が出来よう。尤もこの事に付いては、是迄深く考へもしなかつた。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
屹度
(
きつと
)
従来の誤解を
慚愧
(
ざんき
)
なさるに相違ありませんよ——僕は
斯
(
か
)
う云ふ好人物を
毀
(
きずつ
)
けねばならぬかと思ふと、如何にも自分ながら情なくなつて、
寧
(
いつ
)
そ自分の探偵と云ふことを白状して
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
お母さんは若い時には
容色
(
きりやう
)
のいゝ方でしたつてね。お醫者さんのお婆さんがよくさう云つてたつて、お米さんが何時か私に話してゐましたよ。私も
屹度
(
きつと
)
さうだつたらうと思ひますよ。
母と子
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
本当
(
ほんたう
)
に困るぢやアないかね、
私
(
わたし
)
も
義理
(
ぎり
)
ある
間
(
なか
)
だから
小言
(
こごと
)
も
云
(
い
)
へないが、たつた一人の
兄
(
にい
)
さんを
置去
(
おきざ
)
りにして
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
るなんて……なに
屹度
(
きつと
)
早晩
(
いま
)
にぶらりと
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
るのが
落
(
おち
)
だらうが
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あの
深
(
ふか
)
い
山岳
(
さんがく
)
の
奧
(
おく
)
には
屹度
(
きつと
)
何
(
なに
)
か
怖
(
おそろ
)
しいものが
潛
(
ひそ
)
んでゐるに
相違
(
さうゐ
)
ないと
考
(
かんが
)
へた。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
上山から魚を買つて夜道すると
屹度
(
きつと
)
道が分からなくなるといふこともいはれた。夜更けてから、ほうい、ほうい、といふこゑがその山道あたりから聞こえるのはさう
稀
(
まれ
)
なことではなかつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
磔刑柱
(
はりつけばしら
)
の上にて
屹度
(
きつと
)
、
面
(
おもて
)
を
擡
(
もた
)
げ、小さき唇をキリ/\と噛み、美しく血走りたる
眥
(
まなじり
)
を輝やかしつゝ乱るゝ黒髪、
颯
(
さつ
)
と振り上げて左右を見まはすうち、
魂切
(
たまぎ
)
る如き声を立てゝ何やら叫び
出
(
いだ
)
せば
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私
(
わたし
)
はかうして
皆
(
みな
)
さんに
圍
(
かこ
)
まれてゐると、
氣持
(
きもち
)
の
好
(
い
)
いサナトリウムにでも
來
(
き
)
てゐるやうですよ、
私達
(
わたしたち
)
の
爲
(
ため
)
にも、
病院
(
びやうゐん
)
やサナトリウムが
設備
(
せつび
)
されてゐたら、
此間
(
このあひだ
)
亡
(
な
)
くなつたSさんなんか、
屹度
(
きつと
)
また
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
板倉屋のお絹は、その頃御藏前中の人氣者で、下谷淺草中の若い男は、お絹を
垣間
(
かいま
)
見るのを、何よりの樂しみにし、板倉屋の前を通る若い男達は、一度は
屹度
(
きつと
)
躓
(
つまづ
)
いたとさへ言はれてをりました。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いや、いや、
屹度
(
きつと
)
開けぬ積りぢやな。好し、それなら
此方
(
こなた
)
にもする術があるぞよ。——(菊枝に。)やいの、女子よ。そなたは
少時
(
しばらく
)
此処に待つておぢやれ。——何、此方にもする術があるぢやまで。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
「知らなくつて。それ、其所に木に
倚
(
よ
)
つ掛つて居るのがリツプさ。」と云はれて、リツプは驚き乍ら、人の指ざす方を見れば、成程自分に
酷
(
よく
)
肖
(
に
)
た、同じ様に貧乏らしい、
屹度
(
きつと
)
また同じ様に無性な男が
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
愚なる私の
心得違
(
こころえちがひ
)
さへ
無御座候
(
ござなくさふら
)
はば、
始終
(
しじゆう
)
御側
(
おんそば
)
にも居り候事とて、さやうの
思立
(
おもひたち
)
も
御座候節
(
ござさふらふせつ
)
に、
屹度
(
きつと
)
御諌
(
おんいさ
)
め申候事も
叶
(
かな
)
ひ候ものを、返らぬ愚痴ながら私の浅はかより、みづからの一生を誤り候のみか
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
あれは
屹度
(
きつと
)
物言はぬ幾千年の魚だらう
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
一瞬の
後
(
のち
)
に、わたしは
屹度
(
きつと
)
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
また子供はチビの圭一郎の因果が宿つて並外れて脊丈が低かつた。子供が學校で
屹度
(
きつと
)
一番のびりつこであることに疑ひの餘地はない。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「そんぢや、わし
蜀黍
(
もろこし
)
隱
(
かく
)
して
置
(
お
)
く
處
(
とこ
)
見出
(
めつけ
)
あんすから、
屹度
(
きつと
)
有
(
あ
)
んに
極
(
きま
)
つてんだから」といふ
聲
(
こゑ
)
を
後
(
あと
)
にして
畑
(
はたけ
)
の
小徑
(
こみち
)
をうねりつゝ
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『もう
爲
(
し
)
ないから、
萬望
(
どうぞ
)
話
(
はな
)
して
頂戴
(
ちやうだい
)
な』と
愛
(
あい
)
ちやんは
極
(
ご
)
く
謙遜
(
けんそん
)
して、『二
度
(
ど
)
と
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れないわ。
屹度
(
きつと
)
そんな
井戸
(
ゐど
)
が
一
(
ひと
)
つ
位
(
くらゐ
)
あつてよ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「この
鐘楼
(
しゆろう
)
の石段は
屹度
(
きつと
)
一つだけ土にでも埋もれてゐるんぢや無からうか。今一つ
宛
(
づつ
)
踏んで居るのに、
何
(
ど
)
うしても
段拍子
(
だんびやうし
)
に合はない。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「それはあるわよ……。
屹度
(
きつと
)
あるわよ。でなくつちや生きてゐられないもの……。私と同じね……。それで、
明日
(
あす
)
貴方行くの?」
アンナ、パブロオナ
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
「だが、私は気になります。私は唐沢さんが自殺しやしないかと思つてゐるのです。何うもやりさうですよ。
屹度
(
きつと
)
やりますよ。」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
弦月丸
(
げんげつまる
)
には、
珍
(
めづ
)
らしく
澤山
(
たくさん
)
の
黄金
(
わうごん
)
と
眞珠
(
しんじゆ
)
とが
搭載
(
とうさい
)
されて
居
(
ゐ
)
ます、
眞珠
(
しんじゆ
)
と
黄金
(
わうごん
)
とが
夥
(
おびたゞ
)
しく
海上
(
かいじやう
)
で
集合
(
あつまる
)
と
屹度
(
きつと
)
恐
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き
祟
(
たゝり
)
があります。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
屹
漢検1級
部首:⼭
6画
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
“屹度”で始まる語句
屹度可相立旨