くわん)” の例文
新字:
宗助そうすけにも御米およねにもおもけないほどたまきやくなので、二人ふたりともなにようがあつての訪問はうもんだらうとすゐしたが、はたして小六ころくくわんするけんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つげ後藤五左衞門秀盛入道は此時五十五歳にてまづくわん八州をこゝろざし再び武者修行にぞ立出たちいでける扨又後に殘りし後藤半四郎秀國ひでくには丸龜の道場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かくわたしはばけものといふものは非常ひぜう面白おもしろいものだとおもつてるので、これくわんするほんの漠然ばくぜんたる感想かんさうを、いさゝこゝぶるにぎない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
だがのいづれの相乘あひのりにも、ひとしくわたしくわんせざることふまでもない。とにかく、色氣いろけいさゝ自棄やけで、おだやかならぬものであつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
B ぼくか。ぼく政治せいぢ關係くわんけいがないのだから、そんなことはどうでもいゝ。しか事苟こといやしくも葉書はがきくわんする以上いじやう其點そのてんいさゝぼく注意ちういいてるのだがな。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
すると、裁縫さいほうほんとか、料理れうりほんとか、あるひまた育兒いくじくわんするほんとかいふものがある。ほどこれは、大抵たいてい場合ばあひ婦人ふじんのみにようのある書物しよもつである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
猛虎まうこほふるといふ投鎗なげやりかたち髣髴ほうふつとして、その兩端りようたん一種いつしゆ奇妙きめう鋭角えいかくをなしてる、この鋭角えいかくが、てい速力そくりよくくわんして、きわめて緊要きんえうなる特色とくしよくさうである。
老子らうし(一一)道徳だうとくをさむ、其學そのがくみづかかくしてきをもつつとめせり。しうることこれひさしうして、しうおとろふるをすなはつひつて、(一二)くわんいたる。
寢食しんしよくことまをすにおよばず、器物きぶつ取扱とりあつかひことみづこと掃除さうぢこと其外そのほかさい仕事しごとくわんしてみん銘々めい/\獨立心どくりつしんつておこなへば自然しぜん責任せきにんおもんずるやうになる。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
かゝる淺薄せんぱくなる研究けんきうもつて、日本先住民にほんせんじうみん大疑問だいぎもんくわんし、解决かいけつ容易ようゐあたらるべきか、如何どうか。
ふのは、たゞたんどもたちのためにとばかりではく、わたしは此等これらのはなしのなか人生じんせい社會しやくわいおよびその運命うんめい生活せいくわつくわんする諸問題しよもんだい眞摯まじめにとりあつかつてみたからであります。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
とにかく文壇ぶんだんでもわかさくたちあいだにだいぶはやり出したといふ。くわん西では令孃れいぜう人のあいだに大りう行だといふ。球突たまつき趣味しゆみは今のところひろまつて行くばかりらしい。(一五、二、一六)
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
事件じけんくわんして、其方そのはうぞんじてることは!』と王樣わうさまあいちやんにまをされました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
兎角するうちに、木城氏はくわんしう荒地くわうち開墾御用係といふものを命ぜられた。そして御勘定奉行ごかんぢやうぶぎやう小栗下總守をぐりしもふさのかみといふ人と一緒に、大阪から江戸に下つて來た。わしもその一行のうちに居た。
兵馬倥偬の人 (旧字旧仮名) / 塚原渋柿園塚原蓼洲(著)
ねんねんゆめぎ、未亡人びぼうじん操行さうかうくわんして誰一人たれひとり陰口かげぐちものもなかつた。まづしくはあつたけれど彼女かのぢよ家柄いへがらもよかつたので、多少たせう尊敬そんけい心持こゝろもちもくはへて人々ひと/″\彼女かのぢよ信用しんようした。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
なにを考へてゐたかといふと、はなは漠然バウとしたことで、彼自身じしんにも具體的ぐたいてき説明せつめいすることは出來できない。難然けれども考へてゐることは眞面目まじめだ、すこ大袈裟おほげさツたら、彼の運命うんめい消長せうちやうくわんすることである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
君子くんし庖廚はうちうことになんぞ、くわんしないでたが、段々だん/\ちやり、座敷ざしきおよんで、たな小棚こだなきまはし、抽斗ひきだしをがたつかせる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これ子供こどもくわんする夫婦ふうふ過去くわこであつた。このにが經驗けいけんめた彼等かれらは、それ以後いご幼兒えうじついあまおほくをかたるをこのまなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しも太古たいこにおいて國民こくみんが、地震ぢしんをそれほどにおそれたとすれば、當然たうぜん地震ぢしんくわんする傳説でんせつ太古たいこから發生はつせいしてゐるはずであるが、それはとん見當みあたらぬ。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
A てよ。對話たいわは『中外ちうぐわい』にせるんだから、そんなはなしすこ遠慮ゑんりよしてかうよ。それよりかモツト葉書はがきくわんする無邪氣むじやき面白おもしろはなしでもないかい。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
この大問題だいもんだいたる彌生式やよひしきくわんしてであるので、注意ちういうへにも注意ちういくはへて、其土器そのどき状態じやうたい結果けつくわ彌生式貝塚やよひしきかひづかとして發表はつぺうするにる、特種とくしゆ遺跡ゐせきといふこと確認かくにんした。
つまり、料理れうりとか裁縫さいほうとか、育兒いくじとかといふ書物以外しよもついぐわいに——婦人ふじん實生活じつせいくわつなかつとめる役割やくわりくわんした書物以外しよもついぐわいに、婦人ふじんにのみようのある書物しよもつがあるかどうかといふこと疑問ぎもんである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
由三は此のくわん門を通り抜けて、森川町から本郷通りへブラリ/″\進む。雑踏ひとごみなかちよつと古本屋の前に立停ツたり、小間物店や呉服店をチラとのぞいて見たりして、いつものやうに日影町ひかげちようから春木町に出る。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
上部うはべからると、夫婦ふうふともさうもの屈托くつたくする氣色けしきはなかつた。それは彼等かれら小六ころくことくわんしてつた態度たいどついてもほゞ想像さうざうがつく。流石さすが女丈をんなだけ御米およねは一二
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
A 葉書はがきくわんするきみ知識ちしき非常ひじやう豐富ほうふだね。をんなはなしばかりが專門せんもんかと思つたら、葉書はがきの話も專門せんもんだね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
しからば善美ぜんびとはなんであるかと反問はんもんするであらう。それしよくくわんしてべたところ同工異曲どうこうゐきよくで、建築けんちくてはめてへば、ぜんとは科學的條件くわがくてきでうけん具足ぐそくとは藝術的條件げいじゆつてきでうけん具足ぐそくである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
勿論もちろんこの問題もんだい專門家せんもんかよつ飽迄あくまで研究けんきうされねばならぬのであるが。我輩わがはいは、こゝにはふか哲學的議論てつがくてきぎろんにはらないで、きはめて通俗的つうぞくてきこれくわんする感想かんさうの一たんべてよう。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
わたしのばけものにくわんするかんがへは、世間せけん所謂いはゆる化物ばけものとは餘程よほど範圍はんゐことにしてゐる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
だい日本にほん神話しんわ地震ぢしんくわんするけんがないやうである。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)