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奇麗
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きれい
ふりがな文庫
“
奇麗
(
きれい
)” の例文
その前にはスエ子の誕生祝に三越へ行って
硝子
(
ガラス
)
製の
奇麗
(
きれい
)
な丸いボンボンいれを買ってやりました。やすいもの、だがいい趣味のもの。
獄中への手紙:03 一九三六年(昭和十一年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
奇麗
(
きれい
)
なすきとおった風がやって
参
(
まい
)
りました。まず
向
(
む
)
こうのポプラをひるがえし、青の
燕麦
(
オート
)
に
波
(
なみ
)
をたてそれから
丘
(
おか
)
にのぼって来ました。
おきなぐさ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と云いながら
傍
(
そば
)
へ寄って、源三の
衣領
(
えり
)
を
寛
(
くつろ
)
げて
奇麗
(
きれい
)
な指で触ってみると、源三はくすぐったいと云ったように頸を
縮
(
すく
)
めて
障
(
さえぎ
)
りながら
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その時地面と居宅の持主たるべき資格をまた
奇麗
(
きれい
)
に失ってしまった。
傍
(
はた
)
のものは若くなった若くなったと云ってしきりに
囃
(
はや
)
し立てた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「働かんと姉さん
口煩
(
くちうるさ
)
いから」おひろは微声で答えたが、始末屋で
奇麗
(
きれい
)
好きのお絹とちがって、面倒くさそうにさっさっとやっていた。
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
其處
(
そこ
)
で
其
(
その
)
翌日
(
あくるひ
)
は
愈〻
(
いよ/\
)
怠惰屋
(
なまけや
)
の
弟子入
(
でしいり
)
と、
親父
(
おやぢ
)
は
息子
(
むすこ
)
の
衣裝
(
みなり
)
を
作
(
こし
)
らへ
頭
(
あたま
)
も
奇麗
(
きれい
)
に
刈
(
かつ
)
てやつて、ラクダルの
莊園
(
しやうゑん
)
へと
出
(
で
)
かけて
行
(
い
)
つた。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
片手に
洋傘
(
こうもり
)
、片手に扇子と日本手拭を持っている。頭が
奇麗
(
きれい
)
に
禿
(
は
)
げていて、カンカン帽子を冠っているのが、まるで
栓
(
せん
)
をはめたように見える。
城のある町にて
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
二人はフランス語で話し合っていたが、わたしは今でも思い出す、ジナイーダの発音の
奇麗
(
きれい
)
さに、びっくりしたものである。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
へい、
何
(
ど
)
うも
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます、
是
(
これ
)
は
何
(
ど
)
うも
大層
(
たいそう
)
奇麗
(
きれい
)
なお薬で。殿「ウム、早く
云
(
い
)
へば
水銀剤
(
みづかねざい
)
だな。登「へえー、
之
(
これ
)
を
飲
(
のみ
)
ましたら
喉
(
のど
)
が
潰
(
つぶ
)
れませう。 ...
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
寛
(
くつろ
)
いで
他
(
ひと
)
にお
逢
(
あ
)
いする
時
(
とき
)
には、
斯
(
こ
)
んな
奇麗
(
きれい
)
な
所
(
ところ
)
に
住
(
す
)
んで、
斯
(
こ
)
んな
奇麗
(
きれい
)
な
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
せて
居
(
お
)
れど、わたくし
達
(
たち
)
とていつも
斯
(
こ
)
うしてのみはいないのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
やがて
雁首
(
がんくび
)
を
奇麗
(
きれい
)
に
拭
(
ふ
)
いて一
服
(
ぷく
)
すつてポンとはたき、
又
(
また
)
すいつけてお
高
(
たか
)
に
渡
(
わた
)
しながら
氣
(
き
)
をつけてお
呉
(
く
)
れ
店先
(
みせさき
)
で
言
(
い
)
はれると
人聞
(
ひとぎ
)
きか
惡
(
わる
)
いではないか
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「ねえ! とても
美
(
うつく
)
しい
鳥
(
とり
)
だよ。そしてこんな
奇麗
(
きれい
)
な、
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
を、わたしにくれたよ。どうだい、
立派
(
りっぱ
)
じゃないか。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
彼は
奇麗
(
きれい
)
に光る
禿顱
(
とくろ
)
を燈下に垂れて、ツル/\と
撫
(
な
)
で上げ撫で下ろせり、花吉は
絹巾
(
ハンケチ
)
に
失笑
(
をかしさ
)
を包みて、
窃
(
そ
)
と篠田を見つ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
少々
(
せう/\
)
怪我
(
けが
)
ぐらゐはする
覚悟
(
かくご
)
で、
幻覚
(
げんかく
)
、
錯視
(
さくし
)
かと
自
(
みづか
)
ら
怪
(
あや
)
しむ、その
水
(
みづ
)
の
彩
(
いろど
)
りに、一
段
(
だん
)
と、
枝
(
えだ
)
にのびて
乗出
(
のりだ
)
すと、
余
(
あま
)
り
奇麗
(
きれい
)
さに、
目
(
め
)
が
眩
(
くら
)
んだのであらう。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昼寐
(
ひるね
)
の
夜具
(
やぐ
)
を
敷
(
し
)
きながら
墓地
(
ぼち
)
の
方
(
はう
)
を
見下
(
みおろ
)
すと、いつも
落葉
(
おちば
)
に
埋
(
うづも
)
れたまゝ
打棄
(
うちす
)
てゝある
古
(
ふる
)
びた
墓
(
はか
)
も
今日
(
けふ
)
は
奇麗
(
きれい
)
に
掃除
(
さうぢ
)
されて、
花
(
はな
)
や
線香
(
せんかう
)
が
供
(
そな
)
へられてゐる。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
入院の手続は連の人が既にしてくれたので直に二階のある一室へ這入った。二等室というので余り広くはないが白壁は
奇麗
(
きれい
)
で天井は二間ほどの高さもある。
病
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
あの
赤坊
(
あかんぼう
)
は
奇麗
(
きれい
)
かは知りませんが、アノ従四位様のお家筋に坊の
気高
(
けだか
)
い器量に及ぶ者は一人もありません。
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
乳母 ま、あのよな!
姫
(
ひい
)
さまえ、あのよなお
方
(
かた
)
、
世界中
(
せかいぢゅう
)
の
女衆
(
をなごしゅ
)
が……ほんに
奇麗
(
きれい
)
な、
蝋細工
(
らうざいく
)
見
(
み
)
たやうな。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
このごちゃごちゃした屠場の中を獣医は見て廻って、「オイ正月に成ったら御装束をもっと
奇麗
(
きれい
)
にしよや」
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
さような不勉強から、折角習ったフランス語も船中で全く
奇麗
(
きれい
)
に忘却してしまって、上陸の際はぐっともすっともいえない上に
勿論
(
もちろん
)
何をいわれても一切聞えなかった。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
黒髪が人並よりぐっと黒いので、まれに
交
(
まじ
)
っているわずかな白髪が、
銀砂子
(
ぎんすなご
)
のように
奇麗
(
きれい
)
に光る。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
遣
(
つか
)
はし其場を
濟
(
すま
)
せし事迄を落なく語りければ與惣次は大いに
感心
(
かんしん
)
なし如何にも今の世には得難き人なり殊に女房叔母ともに
奇麗
(
きれい
)
に向ふへ
遣
(
つかは
)
し
温順
(
おとなし
)
き心底なりと傳吉が
徳
(
とく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
川床に突出する森の下蔭は、湿りっ気が、最も多いかして、蘇苔が、
奇麗
(
きれい
)
に
布
(
し
)
かれている。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
奇麗
(
きれい
)
に
浚
(
さら
)
つてしまつて、井筒にもたれ、
井底
(
せいてい
)
深
(
ふか
)
く二つ三つの涌き口から
潺々
(
せん/\
)
と清水の湧く音を聴いた時、
最早
(
もう
)
水汲
(
みづく
)
みの難行苦行も
後
(
あと
)
になつたことを、嬉しくもまた
残惜
(
のこりを
)
しくも思つた。
水汲み
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
少年
(
せうねん
)
は
端艇
(
たんてい
)
、
野球等
(
やきゆうとう
)
の
他
(
ほか
)
、
暇
(
ひま
)
があると
石
(
いし
)
を
投
(
な
)
げる、
樹
(
き
)
に
登
(
のぼ
)
る、
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
を
曳
(
ひき
)
つれて
野山
(
のやま
)
を
驅
(
か
)
けめぐる、
其爲
(
そのため
)
に
體格
(
たいかく
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
見事
(
みごと
)
に
發達
(
はつたつ
)
して、
以前
(
いぜん
)
には
人形
(
にんぎよう
)
のやうに
奇麗
(
きれい
)
であつた
顏
(
かほ
)
の
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
和田先生は持
點
(
てん
)
八十
點
(
てん
)
だが、五十前後の年
輩
(
はい
)
の方には
珍
(
めづら
)
しい
奇麗
(
きれい
)
な、こまかな
突
(
つ
)
き
振
(
ふ
)
りをされる。しかも、やや
淫
(
いん
)
するといへるほどの
熱
(
ねつ
)
心家で、
連夜
(
れんや
)
殆
(
ほとん
)
ど出
席
(
せき
)
を
欠
(
か
)
かされた事がなかつた。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
鬢
(
びん
)
も
頬髯
(
ほおひげ
)
も白髪になった重吉が表に
莚
(
むしろ
)
をひろげた上で、「文明開化」を歌いながら、不器用に見える太い指を器用に動かして作る飯櫃入れは
藁
(
わら
)
に
艶
(
つや
)
が増したように
奇麗
(
きれい
)
にでき上ってゆく。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
柴車
(
しばぐるま
)
を
挽
(
ひ
)
いて来るおばさんも、
苅田
(
かりた
)
をかえして居る娘も、木綿着ながらキチンとした
身装
(
みなり
)
をして、
手甲
(
てっこう
)
かけて、足袋はいて、髪は
奇麗
(
きれい
)
に
撫
(
な
)
でつけて居る。労働が
余所目
(
よそめ
)
に美しく見られる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
塞
(
ふさ
)
げない事になつて
何
(
な
)
にも
彼
(
か
)
にも
免
(
まぬか
)
れぬ
弊風
(
へいふう
)
といふのが
時世
(
ときよ
)
なりけりで今では
極点
(
きよくてん
)
に
達
(
たつ
)
したのだ
髪
(
かみ
)
だけは
曰
(
いは
)
く
有
(
あ
)
つて
奇麗
(
きれい
)
にする
年紀
(
としごろ
)
の娘がせつせと
内職
(
ないしよく
)
に
夜
(
よ
)
の目も合はさぬ時は
算筆
(
さんぴつ
)
なり
裁縫
(
さいほう
)
なり第一は
起居
(
たちゐ
)
なりに
習熟
(
しうじよく
)
すべき時は五十
仕上
(
しあ
)
げた
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「君は真面目になるんだろう。——僕の前で
奇麗
(
きれい
)
に藤尾さんとの関係を絶って見せるがいい。その証拠に小夜子さんを連れて行くのさ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「急にここへ引越しました。家は古くて
奇麗
(
きれい
)
でありませんが、心持のよい人達です。×夫人のところへは歩いて十分で行けます」
沈丁花
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それは下の平原の雪や、ビール色の日光、茶いろのひのきでできあがった、しずかな
奇麗
(
きれい
)
な日曜日を、一そう美しくしたのです。
水仙月の四日
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
私
(
わたし
)
はもう
今宵
(
こよひ
)
かぎり
何
(
ど
)
うしても
歸
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
は
致
(
いた
)
しませぬとて、
斷
(
た
)
つても
斷
(
た
)
てぬ
子
(
こ
)
の
可憐
(
かわゆ
)
さに、
奇麗
(
きれい
)
に
言
(
い
)
へども
詞
(
ことば
)
はふるへぬ。
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「お前が来ると知つて居りや、湯も
沢山
(
たくさん
)
、
沸
(
わ
)
かして置いたのに」と伯母が炉上の
茶釜
(
ちやがま
)
をせゝるを、「なに、伯母さん、雪路だから、足も
奇麗
(
きれい
)
ですよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
かねて
竜宮界
(
りゅうぐうかい
)
は
世
(
よ
)
にも
奇麗
(
きれい
)
な、
華美
(
はで
)
なところと
伺
(
うかが
)
って
居
(
お
)
りますので、
私
(
わたくし
)
もそのつもりになり、
白衣
(
びゃくい
)
の
上
(
うえ
)
に、
私
(
わたくし
)
の
生前
(
せいぜん
)
一
番
(
ばん
)
好
(
す
)
きな
色模様
(
いろもよう
)
の
衣裳
(
いしょう
)
を
重
(
かさ
)
ねました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
紅葉先生
(
こうえふせんせい
)
在世
(
ざいせい
)
のころ、
名古屋
(
なごや
)
に
金色夜叉夫人
(
こんじきやしやふじん
)
といふ、
若
(
わか
)
い
奇麗
(
きれい
)
な
夫人
(
ふじん
)
があつた。
申
(
まを
)
すまでもなく、
最大
(
さいだい
)
なる
愛讀者
(
あいどくしや
)
で、
宮
(
みや
)
さん、
貫一
(
くわんいち
)
でなければ
夜
(
よ
)
も
明
(
あ
)
けない。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「贅沢って、
奇麗
(
きれい
)
ですものね」と、彼女は答えた。——「わたしなんでも奇麗なのが好き」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
書齋
(
しよさい
)
の
前
(
まへ
)
の
小庭
(
こには
)
は
奇麗
(
きれい
)
に
掃除
(
さうぢ
)
がして
有
(
あ
)
つて、
其處
(
そこ
)
へは
鷄
(
とり
)
も
入
(
い
)
れないやうにしてあります。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
私はね
何
(
ど
)
うも
死度
(
しにた
)
いよ、私のような
斯
(
こ
)
んなお婆さんを、お前が能く看病をしておくれで、私はお前の様な若い
奇麗
(
きれい
)
な人に看病されるのは気の毒だ/\と思うと、
猶
(
なお
)
病気が
重
(
おも
)
って来る、ね
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
花
(
はな
)
の
顏
(
かほ
)
に
潛
(
ひそ
)
む
蝮
(
まむし
)
の
心
(
こゝろ
)
! あんな
奇麗
(
きれい
)
な
洞穴
(
ほらあな
)
にも
毒龍
(
どくりう
)
は
棲
(
すま
)
ふものか?
面
(
かほ
)
は
天使
(
てんし
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
海濱
(
かいひん
)
の
其處此處
(
そここゝ
)
には、
毛布
(
ケツト
)
や、
帆布
(
ほぬの
)
や、
其他
(
そのほか
)
樣々
(
さま/″\
)
の
武器等
(
ぶきとう
)
を
應用
(
おうよう
)
して
出來
(
でき
)
た、
富士山
(
ふじさん
)
の
摸形
(
もけい
)
だの、
二見
(
ふたみ
)
ヶ
浦
(
うら
)
の
夕景色
(
ゆふげしき
)
だの、
加藤清正
(
かとうきよまさ
)
の
虎退治
(
とらたいぢ
)
の
人形
(
にんぎよう
)
だのが、
奇麗
(
きれい
)
な
砂
(
すな
)
の
上
(
うへ
)
にズラリと
並
(
なら
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今頃は
奇麗
(
きれい
)
な背に奇麗な膿の流れ居るが如く思ふこそはかなき限りなれ。
明治卅三年十月十五日記事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
押
(
おさ
)
へ少し
辛抱
(
しんばう
)
して居らるゝと
屹度
(
きつと
)
出世
(
しゆつせ
)
も出來まする其御邸と申のは至つて
風儀
(
ふうぎ
)
も
能
(
よい
)
との事
傍輩衆
(
はうばいしう
)
も大勢有て御
奇麗
(
きれい
)
好
(
ずき
)
の方々ゆゑ毎日朝から
化粧
(
つくろひ
)
が御奉公安心なる物なりと口から
出次第
(
でしだい
)
喋舌立
(
しやべりたて
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
隅田川
(
すみだがわ
)
の水はいよいよ濁りいよいよ悪臭をさえ放つようになってしまったので、その後わたくしは一度も河船には乗らないようになったが、思い返すとこの河水も明治大正の頃には
奇麗
(
きれい
)
であった。
向島
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「ほたって、髪
結
(
ゆ
)
うて、去年のように
奇麗
(
きれい
)
なべべを着てこうがいの」
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
すつかり
奇麗
(
きれい
)
に
刈
(
か
)
りあげるのはなか/\
大變
(
たいへん
)
な
仕事
(
しこと
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
霧は
奇麗
(
きれい
)
に拭われて、雨にはならなかった。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
杉本副院長が再度修善寺へ診察に来た時、
畳替
(
たたみがえ
)
をして待っていますと妻に云い置かれた言葉をすぐに思い出したほど
奇麗
(
きれい
)
である。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あのイーハトーヴォの岩礁の多い
奇麗
(
きれい
)
な海岸へ行って今ごろありもしない卵をさがせというのはこれは
慰労
(
いろう
)
休暇のつもりなのだ。
ポラーノの広場
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
はっきりした日差しに
苔
(
こけ
)
の上に木の影が
踊
(
おど
)
って私の手でもチラッと見える
鼻柱
(
はなばしら
)
でも我ながらじいっと見つめるほどうす赤い、
奇麗
(
きれい
)
な色に輝いて居る。
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
“奇麗”の意味
《形容動詞》
詳細は、「きれい」参照。
(出典:Wiktionary)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
麗
常用漢字
中学
部首:⿅
19画
“奇麗”で始まる語句
奇麗事