トップ
>
一々
>
いち/\
ふりがな文庫
“
一々
(
いち/\
)” の例文
ですから、われ/\が、ある
一
(
ひと
)
つの
土地
(
とち
)
にはえた
木
(
き
)
を、やたらにわきへ
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
ったつて、それが
一々
(
いち/\
)
つくわけのものではありません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
極
(
きは
)
めて
短
(
みじ
)
かい
其時
(
そのとき
)
の
談話
(
だんわ
)
を、
一々
(
いち/\
)
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
べるたびに、
其
(
その
)
一々
(
いち/\
)
が、
殆
(
ほと
)
んど
無着色
(
むちやくしよく
)
と
云
(
い
)
つていゝ
程
(
ほど
)
に、
平淡
(
へいたん
)
であつた
事
(
こと
)
を
認
(
みと
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
さ
)
らばと
言
(
い
)
つて、
一寸
(
ちよつと
)
蛙
(
かへる
)
を、
承
(
うけたまは
)
りまする
儀
(
ぎ
)
でと、
一々
(
いち/\
)
町内
(
ちやうない
)
の
差配
(
さはい
)
へ
斷
(
ことわ
)
るのでは、
木戸錢
(
きどせん
)
を
拂
(
はら
)
つて
時鳥
(
ほとゝぎす
)
を
見
(
み
)
るやうな
殺風景
(
さつぷうけい
)
に
成
(
な
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それを
一々
(
いち/\
)
説明
(
せつめい
)
すれば
百科
(
ひやつか
)
の
學
(
がく
)
を
講釋
(
こうしやく
)
することになり、それは
私
(
わたし
)
には
出來
(
でき
)
ない
藝當
(
げいとう
)
であるのみならず、
一册
(
いつさつ
)
の
本
(
ほん
)
にはとうてい
收
(
をさ
)
め
切
(
き
)
れません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
誰
(
だれ
)
でも
實際
(
じつさい
)
に
當
(
あた
)
つて
一々
(
いち/\
)
營養
(
えいやう
)
の
如何
(
いかん
)
を
吟味
(
ぎんみ
)
して
食
(
く
)
ふ
者
(
もの
)
はない、
第
(
だい
)
一に
先
(
ま
)
づ
味
(
あぢ
)
の
美
(
び
)
を
目的
(
もくてき
)
として
食
(
く
)
ふのである。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
▼ もっと見る
一々
(
いち/\
)
名状
(
めいじやう
)
すべからず。大は口徑一尺餘。小は口徑一寸許り。
高
(
たか
)
さ
厚
(
あつ
)
さ亦區々なり。圖版中右の上に畫く所は
形状
(
けいじやう
)
を
主
(
しゆ
)
とす、大小の比例は必しも眞の如くならず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
俺
(
お
)
らそんなこた
知
(
し
)
らなかつたつけが、さうえこた
幾
(
いく
)
ら
懇意
(
こんい
)
だ
近所
(
きんじよ
)
だつちつたつて
一々
(
いち/\
)
他人
(
ひと
)
の
飯臺
(
はんだい
)
まで
蓋
(
ふた
)
とつちや
見
(
み
)
られねえから
俺
(
お
)
らも
知
(
し
)
らねえでたな、そんぢやそらまあ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
兵隊上
(
へいたいあが
)
りの
小使
(
こづかひ
)
のニキタは
亂暴
(
らんばう
)
にも、
隱
(
かくし
)
を
一々
(
いち/\
)
轉覆
(
ひつくりか
)
へして、
悉皆
(
すつかり
)
取返
(
とりか
)
へして
了
(
しま
)
ふので
有
(
あ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
乃
(
そこ
)
で
彼等
(
かれら
)
は
愛
(
あい
)
ちやんに
其
(
そ
)
の
爭論
(
さうろん
)
を
繰返
(
くりかへ
)
して
聞
(
き
)
かせました、
皆
(
みん
)
なが
殘
(
のこ
)
らず
各々
(
おの/\
)
一時
(
いちじ
)
に
話
(
はな
)
すので、それを
一々
(
いち/\
)
正確
(
せいかく
)
に
聽
(
き
)
き
取
(
と
)
ることは、
愛
(
あい
)
ちやんにとつて
非常
(
ひじよう
)
な
困難
(
こんなん
)
でありました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
外國
(
がいこく
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
では
搖
(
ゆ
)
り
戻
(
もど
)
しといはずして、
第二
(
だいに
)
の
地震
(
ぢしん
)
と
唱
(
とな
)
へた
場合
(
ばあひ
)
がある。つまり
初期微動部
(
しよきびどうぶ
)
、
主要部
(
しゆようぶ
)
を
合併
(
がつぺい
)
して
一箇
(
いつこ
)
の
地震
(
ぢしん
)
と
見
(
み
)
ないで、これを
一々
(
いち/\
)
別
(
べつ
)
なものと
見做
(
みな
)
したのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
何
(
なに
)
か
出
(
で
)
たかと
問
(
と
)
ひながらも、
眼
(
め
)
を四
方
(
はう
)
に
配
(
くば
)
つて
見
(
み
)
ると、
掘出
(
ほりだ
)
した
貝
(
かひ
)
は、
一々
(
いち/\
)
篩
(
ふるひ
)
で
振
(
ふる
)
つて、
貝
(
かひ
)
は
貝
(
かひ
)
だけとして、
山
(
やま
)
の
如
(
ごと
)
く
積
(
つ
)
んである。
破片
(
はへん
)
が
其所此所
(
そこここ
)
に
散亂
(
さんらん
)
して
居
(
ゐ
)
る。
胸
(
むね
)
は
土器々々
(
どき/\
)
である。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其時分
(
そのじぶん
)
は人間が
大様
(
おほやう
)
だから、
金
(
かね
)
を
預
(
あづ
)
ける
通帳
(
かよひちやう
)
をこしらへて、
一々
(
いち/\
)
附
(
つ
)
けては置いたが、その
帳面
(
ちやうめん
)
は
多助
(
たすけ
)
の
方
(
はう
)
へ
預
(
あづ
)
けた
儘
(
まゝ
)
国
(
くに
)
へ
帰
(
かへ
)
つたのを、
番頭
(
ばんとう
)
がちよろまかしてしまつたから、
何
(
なに
)
も
証拠
(
しようこ
)
はない。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
他人の事と思はれず、
我身
(
わがみ
)
の
誉
(
ほまれ
)
と
打忘
(
うちわす
)
れられて
嬉
(
うれ
)
しく
独
(
ひとり
)
笑
(
ゑみ
)
する心の
中
(
うち
)
には、
此群集
(
このぐんしふ
)
の人々にイヤ御苦労さま
抔
(
など
)
と
一々
(
いち/\
)
挨拶
(
あいさつ
)
もしたかりし、これによりて
推想
(
おしおも
)
ふも
大尉
(
たいゐ
)
が
一族
(
いちぞく
)
近親
(
きんしん
)
の
方々
(
かた/″\
)
はいかに
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
誰がどこに向ふと云ふこと、どう
脅喝
(
けふかつ
)
してどう談判すると云ふこと、取り出した金銭米穀はどう取り扱ふと云ふこと
抔
(
など
)
は、
一々
(
いち/\
)
方略に
取
(
と
)
り
極
(
き
)
めてあつたので、ここでも
為事
(
しごと
)
は自然に発展した。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
學校
(
がくかう
)
で
讀
(
よ
)
みました
書物
(
しよもつ
)
、
教師
(
けうし
)
から
言
(
い
)
ひ
聞
(
き
)
かして
呉
(
く
)
れました
樣々
(
さま/″\
)
の
事
(
こと
)
は、それはたしかに
私
(
わたし
)
の
身
(
み
)
の
爲
(
ため
)
にもなり、
事
(
こと
)
ある
毎
(
ごと
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
してはあゝで
有
(
あ
)
つた、
斯
(
か
)
うで
有
(
あ
)
つたと
一々
(
いち/\
)
顧
(
かへり
)
みられまするけれど
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
屑籠
(
くづかご
)
を
打
(
ぶ
)
ちあけさせて、
一々
(
いち/\
)
択
(
え
)
り分けて、本当に
酷
(
ひど
)
い目に
逢
(
あ
)
ひましたよ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
一々
(
いち/\
)
その報告を書いてみようとおもふ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
梯子
(
はしご
)
の
樣
(
やう
)
な
細長
(
ほそなが
)
い
枠
(
わく
)
へ
紙
(
かみ
)
を
張
(
は
)
つたり、ペンキ
塗
(
ぬり
)
の一
枚板
(
まいいた
)
へ
模樣畫
(
もやうぐわ
)
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
な
色彩
(
しきさい
)
を
施
(
ほど
)
こしたりしてある。
宗助
(
そうすけ
)
はそれを
一々
(
いち/\
)
讀
(
よ
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これらの
博物館
(
はくぶつかん
)
について
一々
(
いち/\
)
詳
(
くは
)
しくお
話
(
はな
)
しをすることは、この
本
(
ほん
)
の
紙面
(
しめん
)
が
許
(
ゆる
)
さないばかりでなく、
科學博物館
(
かがくはくぶつかん
)
や、
美術
(
びじゆつ
)
、
歴史
(
れきし
)
の
博物館
(
はくぶつかん
)
に
關
(
かん
)
しては
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
らしい。……
一々
(
いち/\
)
、そのぽぷらに
間近
(
まぢか
)
く
平屋
(
ひらや
)
のある、
荒
(
あら
)
もの
屋
(
や
)
の
婆
(
ばあ
)
さんを、
辻
(
つじ
)
の
番小屋
(
ばんごや
)
から
呼
(
よ
)
び
出
(
だ
)
すのは。——こゝで
分
(
わか
)
つた——
植木屋
(
うゑきや
)
の
親方
(
おやかた
)
だ。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
以上
(
いじよう
)
の
外
(
ほか
)
日本
(
につぽん
)
には
各地
(
かくち
)
に
老樹
(
ろうじゆ
)
名木
(
めいぼく
)
があつて、
一々
(
いち/\
)
あげて
數
(
かぞ
)
へることも
出來
(
でき
)
ません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
これを
調
(
しら
)
べるには、
和田氏
(
わだし
)
が
卷尺
(
まきしやく
)
を
持
(
も
)
つ、
余
(
よ
)
が一
方
(
ぱう
)
に
其端
(
そのはし
)
を
持
(
も
)
ち、一
方
(
ぱう
)
に
燈器
(
とうき
)
を
持
(
も
)
つ。
大野氏
(
おほのし
)
が
一々
(
いち/\
)
圖
(
づ
)
を
取
(
と
)
るといふ
役目
(
やくめ
)
で、
然
(
さ
)
うして
居
(
ゐ
)
る
間
(
うち
)
に、
頭
(
あたま
)
と
尻
(
しり
)
と
衝突
(
しやうとつ
)
する。
足
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
む。
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
く。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
と考へ
夫々
(
それ/\
)
趣向
(
しゆこう
)
をいたし、
一々
(
いち/\
)
口分
(
くちわけ
)
にして
番号札
(
ばんがうふだ
)
を
附
(
つ
)
け、ちやんと
棚
(
たな
)
へ、
何商法
(
なにしやうはふ
)
でもお
好次第
(
このみしだい
)
の
世辞
(
せじ
)
があるといふ
迄
(
まで
)
に準備が
出来
(
でき
)
た、
之
(
これ
)
で開店するといふのだが、
何
(
ど
)
うも
家屋
(
うち
)
の
構造
(
かゝり
)
が
六
(
むづ
)
かしい
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
貴方
(
あなた
)
の
仰
(
おつ
)
しやる所は
一々
(
いち/\
)
御尤もだと思ひますが、
私
(
わたくし
)
には結婚を承諾する程の勇気がありませんから、
断
(
ことわ
)
るより外に仕方がなからうと思ひます」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
品物
(
しなもの
)
には
一々
(
いち/\
)
わかるような
説明
(
せつめい
)
をつけて、それを
見
(
み
)
て
廻
(
まは
)
るうちに
自然
(
しぜん
)
に
學問
(
がくもん
)
が
出來
(
でき
)
るようにしてあるのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
ぐら/\と
來
(
く
)
るか、おツと
叫
(
さけ
)
んで、
銅貨
(
どうくわ
)
の
財布
(
さいふ
)
と
食麺麭
(
しよくパン
)
と
魔法壜
(
まはふびん
)
を
入
(
い
)
れたバスケツトを
追取刀
(
おつとりがたな
)
で、
一々
(
いち/\
)
框
(
かまち
)
まで
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
すやうな
卑怯
(
ひけふ
)
を
何
(
ど
)
うする。……
私
(
わたし
)
は
大
(
おほい
)
に
勇氣
(
ゆうき
)
を
得
(
え
)
た。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから
逆戻
(
ぎやくもど
)
りをして
塔頭
(
たつちゆう
)
を
一々
(
いち/\
)
調
(
しら
)
べに
懸
(
かゝ
)
ると、
一窓庵
(
いつさうあん
)
は
山門
(
さんもん
)
を
這入
(
はい
)
るや
否
(
いな
)
やすぐ
右手
(
みぎて
)
の
方
(
はう
)
の
高
(
たか
)
い
石段
(
いしだん
)
の
上
(
うへ
)
にあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かう
何
(
ど
)
うも、
番
(
ばん
)
ごと、どしんと、
駭
(
おど
)
ろかされて、
一々
(
いち/\
)
びく/\して
居
(
ゐ
)
たんでは
行
(
や
)
り
切
(
き
)
れない。さあ、もつて
來
(
こ
)
い、
何
(
なん
)
でも、と
向
(
むか
)
う
顱卷
(
はちまき
)
をした
所
(
ところ
)
で、
馬
(
うま
)
の
前
(
まへ
)
へは
立
(
た
)
たれはしない。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どうも
何
(
なん
)
ですな。大分御
忙
(
いそ
)
がしい様ですな。先生た余つ程
違
(
ちが
)
つてますね。——蟻なら
種油
(
たねあぶら
)
を
御注
(
おつ
)
ぎなさい。さうして
苦
(
くる
)
しがつて、穴から
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る所を
一々
(
いち/\
)
殺すんです。何なら
殺
(
ころ
)
しませうか
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
々
3画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥