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見舞
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みま
ふりがな文庫
“
見舞
(
みま
)” の例文
呂宋兵衛の辞退をきくと、半助は、だれも
刑場
(
けいじょう
)
へでると、一
種
(
しゅ
)
の
鬼気
(
きき
)
におそわれる、その
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
に
見舞
(
みま
)
われたなと、
苦笑
(
くしょう
)
するさまで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
折
(
をり
)
から、
従弟
(
いとこ
)
は
当流
(
たうりう
)
の一
派
(
ぱ
)
とゝもに、九
州地
(
しうぢ
)
を
巡業中
(
じゆんげふちう
)
で
留守
(
るす
)
だつた。
細君
(
さいくん
)
が、
園
(
その
)
と
双方
(
さうはう
)
を
兼
(
か
)
ねて
見舞
(
みま
)
つた。
其
(
そ
)
の三
度
(
ど
)
めの
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
なので。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
早苗が
見舞
(
みま
)
いにゆくと、磯吉は
眼帯
(
がんたい
)
をした顔を
膝
(
ひざ
)
につくほどうつむきこんで、いっそ死んだほうがよかったとしょげきっていたという。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
が、
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
す
丈
(
だけ
)
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
し、
泣
(
な
)
きたい
丈
(
だけ
)
泣
(
な
)
きつくした
時
(
とき
)
に、
後
(
あと
)
には
何
(
なん
)
ともいえぬしんみりと
安
(
やす
)
らかな
気分
(
きぶん
)
が
私
(
わたくし
)
を
見舞
(
みま
)
ってくれました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼は我が児以上に春琴の身を案じたまたま
微恙
(
びよう
)
で欠席する等のことがあれば直ちに
使
(
つかい
)
を道修町に走らせあるいは自ら
杖
(
つえ
)
を
曳
(
ひ
)
いて
見舞
(
みま
)
った。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
非局部性
(
ひきよくぶせい
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
を
起
(
おこ
)
す
事
(
こと
)
のある
海洋底
(
かいようてい
)
に
接
(
せつ
)
した
海岸地方
(
かいがんちほう
)
は、
大搖
(
おほゆ
)
れの
地震
(
ぢしん
)
に
見舞
(
みま
)
はれた
場合
(
ばあひ
)
、
津浪
(
つなみ
)
についての
注意
(
ちゆうい
)
を
要
(
よう
)
する。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
そのあくる日、うさぎはおみその中に
唐
(
とう
)
がらしをすり
込
(
こ
)
んでこうやくをこしらえて、それを
持
(
も
)
ってたぬきのところへお
見舞
(
みま
)
いにやって
来
(
き
)
ました。
かちかち山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
僕
(
ぼく
)
は又滝田
君
(
くん
)
の
病中
(
びょうちゅう
)
にも一
度
(
ど
)
しか
見舞
(
みま
)
うことが出来なかった。滝田
君
(
くん
)
は
昔
(
むかし
)
夏目先生が「金太郎」とあだ名した滝田
君
(
くん
)
とは
別人
(
べつじん
)
かと
思
(
おも
)
うほど
憔悴
(
しょうすい
)
していた。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
祭
(
まつ
)
り
延
(
の
)
ばすから早くよくなれ」本家のおばあさんが
見舞
(
みま
)
いに行って、その子の頭をなでて言いました。
ざしき童子のはなし
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
このことが
帝
(
みかど
)
のお
耳
(
みゝ
)
に
達
(
たつ
)
しましたので、お
使
(
つか
)
ひを
下
(
くだ
)
されてお
見舞
(
みま
)
ひがありました。
翁
(
おきな
)
は
委細
(
いさい
)
をお
話
(
はなし
)
して
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
珍
(
めづ
)
らしく
家内中
(
うちゞう
)
との
觸
(
ふ
)
れに
成
(
なり
)
けり、
此
(
この
)
お
供
(
とも
)
を
嬉
(
うれ
)
しがるは
平常
(
つね
)
のこと、
父母
(
ちゝはゝ
)
なき
後
(
のち
)
は
唯
(
たゞ
)
一人の
大切
(
たいせつ
)
な
人
(
ひと
)
が、
病
(
やま
)
ひの
床
(
とこ
)
に
見舞
(
みま
)
ふ
事
(
こと
)
もせで、
物見遊山
(
ものみゆさん
)
に
歩
(
ある
)
くべき
身
(
み
)
ならず
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
同伴者
(
どうばんしゃ
)
に
連立
(
つれだ
)
たうとて、
同門跣足
(
どうもんせんそく
)
の
或
(
ある
)
御坊
(
ごばう
)
を
尋
(
たづ
)
ねて、
町
(
まち
)
で
或
(
ある
)
病家
(
びゃうか
)
をお
見舞
(
みま
)
やってゐるのに
逢
(
あ
)
うたところ、
町
(
まち
)
の
檢疫
(
けんえき
)
の
役人衆
(
やくにんしゅう
)
に
兩人
(
ふたり
)
ながら
時疫
(
じえき
)
の
家
(
うち
)
にゐたものぢゃと
疑
(
うたが
)
はれて
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
可なりの
生活
(
くらし
)
をして居ながら、
銭
(
ぜに
)
になると云えば、
井浚
(
いどざら
)
えでも屋根
葺
(
ふき
)
の手伝でも何でもする
隣字
(
となりあざ
)
の九右衛門
爺
(
じい
)
さんは、此雹に畑を
見舞
(
みま
)
われ、失望し切って
蒲団
(
ふとん
)
をかぶって寝てしもうた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
たずねて
見
(
み
)
ると、
一昨日
(
いっさくじつ
)
から
地主
(
じぬし
)
の
老人
(
ろうじん
)
は、しゃっくりがとまらないので、すっかり
体
(
からだ
)
がよわって、
床
(
とこ
)
についているということでした。それで、
海蔵
(
かいぞう
)
さんはお
見舞
(
みま
)
いに
枕
(
まくら
)
もとまできました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
また
松島海軍大佐
(
まつしまかいぐんたいさ
)
の
令妹
(
れいまい
)
なる
彼
(
かれ
)
の
夫人
(
ふじん
)
にはまだ
面會
(
めんくわい
)
はせぬが、
兄君
(
あにぎみ
)
の
病床
(
やまひ
)
を
見舞
(
みま
)
はんが
爲
(
た
)
めに、
暫時
(
しばし
)
でも
其
(
その
)
良君
(
おつと
)
に
別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げ、
幼
(
いとけな
)
き
兒
(
こ
)
を
携
(
たづさ
)
へて、
浪風
(
なみかぜ
)
荒
(
あら
)
き
萬里
(
ばんり
)
の
旅
(
たび
)
に
赴
(
おもむ
)
くとは
仲々
(
なか/\
)
殊勝
(
しゆしよう
)
なる
振舞
(
ふるまひ
)
よと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「四郎馬鹿さんに
見舞
(
みま
)
われた店はどうも
繁昌
(
はんじょう
)
するようだ」
みちのく
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
といってその
胸
(
むな
)
もとへ、
石火
(
せっか
)
にのびてきた
朱柄
(
あかえ
)
の
槍
(
やり
)
の
石突
(
いしづ
)
きは、かれの大刀が相手の身にふれぬうちに、かれの
肋骨
(
あばら
)
の下を
見舞
(
みま
)
った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとしきり笑いさざめいたあげく、ともかく学校へ向かった。
途中
(
とちゅう
)
で出あう人たちは、いちいち
見舞
(
みま
)
いのことばをおくった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
さて、
取
(
と
)
るものも
取
(
と
)
りあへず
福井
(
ふくゐ
)
の
市
(
まち
)
を
出發
(
しゆつぱつ
)
した。これが
鎭守府
(
ちんじゆふ
)
の
病院
(
びやうゐん
)
に、
夫
(
をつと
)
を
見舞
(
みま
)
ふ
首途
(
かどで
)
であつた。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
やう/\のこと、
國
(
くに
)
の
役人
(
やくにん
)
の
世話
(
せわ
)
で
手輿
(
てごし
)
に
乘
(
の
)
せられて
家
(
いへ
)
に
着
(
つ
)
きました。そこへ
家來
(
けらい
)
どもが
駈
(
か
)
けつけて、お
見舞
(
みま
)
ひを
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げると、
大納言
(
だいなごん
)
は
杏
(
すもゝ
)
のように
赤
(
あか
)
くなつた
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
いて
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
耳形
(
みゝがた
)
の
𣠽
(
つか
)
を
掴
(
つか
)
んで
其
(
その
)
劍
(
けん
)
をお
拔
(
ぬ
)
きゃれ、
速
(
はや
)
うせぬと
乃公
(
おれ
)
の
劍
(
けん
)
が
足下
(
おぬし
)
の
耳元
(
みゝもと
)
へお
見舞
(
みま
)
ひ
申
(
まう
)
すぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
正太
(
しようた
)
は
此日
(
このひ
)
日
(
ひ
)
がけの
集
(
あつ
)
めを
休
(
やす
)
ませ
貰
(
もら
)
ひて、三五
郎
(
らう
)
が
大頭
(
おほがしら
)
の
店
(
みせ
)
を
見舞
(
みま
)
ふやら、
團子屋
(
だんごや
)
の
背高
(
せいたか
)
が
愛想氣
(
あいそげ
)
のない
汁粉
(
しるこ
)
やを
音
(
おと
)
づれて、
何
(
ど
)
うだ
儲
(
まう
)
けがあるかえと
言
(
い
)
へば、
正
(
しよう
)
さんお
前
(
まへ
)
好
(
い
)
い
處
(
ところ
)
へ
來
(
き
)
た
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これは
文化
(
ぶんか
)
の
進
(
すゝ
)
んだ
國
(
くに
)
としては
地震
(
ぢしん
)
に
見舞
(
みま
)
はれる
機會
(
きかい
)
の
多
(
おほ
)
いからにもよるのであるが、なほ
他
(
た
)
の
一因
(
いちいん
)
として
明治維新後
(
めいじいしんご
)
、わが
國
(
くに
)
の
文化開發事業
(
ぶんかかいはつじぎよう
)
の
補助者
(
ほじよしや
)
として
招聘
(
しようへい
)
した
歐米人
(
おうべいじん
)
が、
多
(
おほ
)
くは
其道
(
そのみち
)
に
於
(
おい
)
て
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
で、ある
日
(
ひ
)
お
爺
(
じい
)
さんが
見舞
(
みま
)
われた
時
(
とき
)
私
(
わたくし
)
は
訊
(
たず
)
ねました。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「そんなこと いうても たったの 一年生が 親にも ないしょで
見舞
(
みま
)
いに きたんじゃもん いかんと おれるかい ゆんとん さんじゃい」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
初対面
(
しょたいめん
)
のあいさつや、陣中の
見舞
(
みま
)
いなどをのべおわってのち、
八風斎
(
はっぷうさい
)
は、れいの
秘図
(
ひず
)
をとりだし、主人
勝家
(
かついえ
)
からの
贈
(
おく
)
り物として、うやうやしく、
伊那丸
(
いなまる
)
の
膝下
(
しっか
)
にささげた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
否
(
いゝえ
)
、
私等
(
わたくしども
)
は
東京
(
とうきやう
)
へ
修行
(
しゆぎやう
)
に
參
(
まゐ
)
つて
居
(
ゐ
)
るものでござるが、
今度
(
こんど
)
國許
(
くにもと
)
に
父
(
ちゝ
)
が
急病
(
きふびやう
)
と
申
(
まを
)
す
電報
(
でんぱう
)
が
懸
(
かゝ
)
つて、
其
(
それ
)
で
歸
(
かへ
)
るのでござるが、
急
(
いそ
)
いで
見舞
(
みま
)
はんければなりませんので、
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
船
(
ふね
)
にしました。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
日
(
ひ
)
も
暮
(
くれ
)
れ
近
(
ちか
)
く
旦那
(
だんな
)
つりより
惠比須
(
ゑびす
)
がほして
歸
(
かへ
)
らるれば、
御新造
(
ごしんぞ
)
も
續
(
つゞ
)
いて、
安産
(
あんざん
)
の
喜
(
よろこ
)
びに
送
(
おく
)
りの
車夫
(
もの
)
にまで
愛想
(
あいそう
)
よく、
今宵
(
こよひ
)
を
仕舞
(
しま
)
へば
又
(
また
)
見舞
(
みま
)
ひまする、
明日
(
あす
)
は
早
(
はや
)
くに
妹共
(
いもとゞも
)
の
誰
(
た
)
れなりとも
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それについては
津浪襲來
(
つなみしゆうらい
)
の
常習地
(
じようしゆうち
)
といふものがある。この
常習地
(
じようしゆうち
)
は
右
(
みぎ
)
に
記
(
しる
)
したような
地震
(
ぢしん
)
に
見舞
(
みま
)
はれた
場合
(
ばあひ
)
、
特別
(
とくべつ
)
の
警戒
(
けいかい
)
を
要
(
よう
)
するけれども、
其他
(
そのた
)
の
地方
(
ちほう
)
に
於
(
おい
)
ては
左程
(
さほど
)
の
注意
(
ちゆうい
)
を
必要
(
ひつよう
)
としないのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「あのね、
見舞
(
みま
)
ひに
行
(
ゆ
)
きますのは、
私
(
わたし
)
の
主人
(
しゆじん
)
……まあ、
旦那
(
だんな
)
なんですよ。」
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
呼
(
よ
)
びたりとか
病
(
やまい
)
の
元
(
もと
)
はお
前様
(
まへさま
)
と
云
(
い
)
はるゝも
道理
(
どうり
)
なり
知
(
し
)
らざりし
我
(
われ
)
恨
(
うら
)
めしくもらさぬ
君
(
きみ
)
も
恨
(
うら
)
めしく
今朝
(
けさ
)
見舞
(
みま
)
ひしとき
痩
(
や
)
せてゆるびし
指輪
(
ゆびわ
)
ぬき
取
(
と
)
りてこれ
形見
(
かたみ
)
とも
見給
(
みたま
)
はゞ
嬉
(
うれ
)
しとて
心細
(
こゝろぼそ
)
げに
打
(
う
)
ち
笑
(
ゑ
)
みたる
其心
(
そのこゝろ
)
今少
(
いますこ
)
し
早
(
はや
)
く
知
(
し
)
らば
斯
(
か
)
くまでには
衰
(
おとろ
)
へさせじを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
深夜
(
しんや
)
の
雪
(
ゆき
)
を
分
(
わ
)
けて、
幾度
(
いくど
)
か
見舞
(
みま
)
はう、と
思
(
おも
)
つたほどだつたさうである。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
打
(
う
)
ち
寄
(
よ
)
れば
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
よ。
今度
(
こんど
)
の
大災害
(
だいさいがい
)
につけては、
先
(
さき
)
んじて
見舞
(
みま
)
はねばならない、
燒
(
や
)
け
殘
(
のこ
)
りの
家
(
いへ
)
の
無事
(
ぶじ
)
な
方
(
はう
)
が
後
(
あと
)
になつて——
類燒
(
るゐせう
)
をされた、
何
(
なん
)
とも
申
(
まを
)
しやうのない
方
(
かた
)
たちから、
先手
(
せんて
)
を
打
(
う
)
つて
見舞
(
みま
)
はれる。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
舞
常用漢字
中学
部首:⾇
15画
“見舞”で始まる語句
見舞者
見舞申
見舞参
見舞客
見舞物