“石火”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せっか85.7%
いしび14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
といってそのむなもとへ、石火せっかにのびてきた朱柄あかえやり石突いしづきは、かれの大刀が相手の身にふれぬうちに、かれの肋骨あばらの下を見舞みまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
次郎は、絶望の目をあげて、天上の小さな月を一瞥いちべつしながら、太刀を両手にかまえたまま、兄の事や沙金しゃきんの事を、一度に石火せっかのごとく、思い浮かべた。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いまから考へると多分の嫉妬しっともあつたやうに思ふ。さういふけわしい石火いしびり合つて、そこの裂目さけめからまれる案外甘い情感の滴り——その嗜慾しよくに雪子は魅惑を感じた。
過去世 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)