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石火
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せっか
ふりがな文庫
“
石火
(
せっか
)” の例文
といってその
胸
(
むな
)
もとへ、
石火
(
せっか
)
にのびてきた
朱柄
(
あかえ
)
の
槍
(
やり
)
の
石突
(
いしづ
)
きは、かれの大刀が相手の身にふれぬうちに、かれの
肋骨
(
あばら
)
の下を
見舞
(
みま
)
った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次郎は、絶望の目をあげて、天上の小さな月を
一瞥
(
いちべつ
)
しながら、太刀を両手にかまえたまま、兄の事や
沙金
(
しゃきん
)
の事を、一度に
石火
(
せっか
)
のごとく、思い浮かべた。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
石火
(
せっか
)
を
交
(
まじ
)
えざる
刹那
(
せつな
)
に、はっと受けた印象は、学者の一言のために打ち消されるものではない。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
龍
(
りゅう
)
うそぶき
虎
(
とら
)
哮
(
ほ
)
えるありさま、ややしばらく、人まぜもせず、
石火
(
せっか
)
の秘術をつくし合ったが、
隙
(
すき
)
をみて、走りよった
伊那丸
(
いなまる
)
が、陣刀一
閃
(
せん
)
、又八の片腕サッと斬りおとす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お延の頭に
石火
(
せっか
)
のようなこの暗示が
閃
(
ひら
)
めいた時、彼女の意志も
平常
(
へいぜい
)
より倍以上の力をもって彼女に
逼
(
せま
)
った。彼女はついに自分を
抑
(
おさ
)
えつけた。どんな色をも顔に現さなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
禅の
機鋒
(
きほう
)
は
峻峭
(
しゅんしょう
)
なもので、いわゆる
石火
(
せっか
)
の
機
(
き
)
となると
怖
(
こわ
)
いくらい早く物に応ずる事が出来る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
座敷の微震がやむまでは
茫然
(
ぼうぜん
)
としていた三四郎は、
石火
(
せっか
)
のごとく、さっきの嘆声と今の列車の響きとを、一種の
因果
(
いんが
)
で結びつけた。そうして、ぎくんと飛び上がった。その因果は恐るべきものである。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“石火”の意味
《名詞》
石火(せっか)
火打石を打つことで出る火。
一瞬の間や動作。
(出典:Wiktionary)
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
“石火”で始まる語句
石火矢
石火箭
石火矢砲