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終
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つひ
ふりがな文庫
“
終
(
つひ
)” の例文
主人も行くがいいと勸め、我々
兩人
(
ふたり
)
もたつてと言つたのだが、
妾
(
わたし
)
はそれよりも
自宅
(
うち
)
で寢て居る方がいいとか言つて
終
(
つひ
)
に行かなかつた。
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
終
(
つひ
)
にロチスター氏の所へ來ると、彼女は、
爪先
(
トー
)
で、彼の前で身輕くくる/\まはり、それから、彼の足下に片膝をついて、云つた——
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
結納
(
ゆいのう
)
の
交
(
かは
)
されし日も宮は富山唯継を
夫
(
つま
)
と定めたる心はつゆ起らざりき。されど、己は
終
(
つひ
)
にその家に
適
(
ゆ
)
くべき身たるを忘れざりしなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
零落不平素志を達せずして
終
(
つひ
)
に道徳上世に
容
(
い
)
れられざる人となることもあるべし。
憤懣
(
ふんまん
)
短慮終に自己の名誉を
墜
(
おと
)
すこともあるべし。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
蓋
(
けだ
)
し透谷の感情は頗る激烈にして、彼れは之れが為に
終
(
つひ
)
に不幸なる運命に陥りし程の
漢子
(
をとこ
)
なりしと雖も、平時は
寧
(
むし
)
ろ温和なる方なりき。
透谷全集を読む
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
▼ もっと見る
終
(
つひ
)
には元禄七年甲戊十月十二日「
旅
(
たび
)
に
病
(
やみ
)
て
夢
(
ゆめ
)
は
枯埜
(
かれの
)
をかけ
廻
(
めぐ
)
る」の一句をのこして浪花の花屋が
旅囱
(
りよさう
)
に
客死
(
かくし
)
せり。是
挙世
(
きよせい
)
の知る処なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それが余り幾夜も続くので、私も、はア、
終
(
つひ
)
には気の毒になつて、重右だツて、人間だア。不具に生れたのは、
自分
(
われ
)
が悪いのぢやねえ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
芋蟲
(
いもむし
)
と
愛
(
あい
)
ちやんとは
互
(
たがひ
)
に
暫
(
しばら
)
く
默
(
だま
)
つて
睨
(
にらめ
)
ツ
競
(
こ
)
をして
居
(
ゐ
)
ましたが、
終
(
つひ
)
に
芋蟲
(
いもむし
)
が
其口
(
そのくち
)
から
煙管
(
きせる
)
を
離
(
はな
)
して、
舌
(
した
)
ッたるいやうな
眠
(
ねむ
)
さうな
聲
(
こゑ
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
併
(
しか
)
し館員は
終
(
つひ
)
に其れを許さなかつた。其れで僕は無駄に時を費した上に
某
(
なにがし
)
かの銅貨を
其
(
その
)
風来者に与へて礼を述べざるを得なかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
良兼は護の縁につながつて居る者の中の長者であつた。良兼の妻も内から
牝鶏
(
めんどり
)
のすゝめを試みた。雄鶏は
終
(
つひ
)
に
閧
(
とき
)
の声をつくつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ひそめ
彼
(
あの
)
御方の儀に付ては
一朝一夕
(
いつてういつせき
)
に
述
(
のべ
)
がたし
先
(
まづ
)
は
斯樣々々
(
かやう/\
)
の御身分の御方なりとて
終
(
つひ
)
に天一坊と赤川
大膳
(
だいぜん
)
に引合せ
則
(
すなは
)
ち御
墨付
(
すみつき
)
と御短刀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其後
(
そのご
)
の
一週間
(
いつしゆうかん
)
も
空
(
むな
)
しく
※去
(
すぎさ
)
つたならば、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
も
終
(
つひ
)
には
覺悟
(
かくご
)
を
定
(
さだ
)
めて、
稀世
(
きせい
)
の
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
と
共
(
とも
)
に、
海
(
うみ
)
の
藻屑
(
もくづ
)
と
消
(
き
)
えてしまう
事
(
こと
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
或
(
ある
)
ひは
一一二
山
賤
(
がつ
)
の
椎柴
(
しひしば
)
をおほひて雨露を
凌
(
しの
)
ぎ、
終
(
つひ
)
に
擒
(
とら
)
はれて此の嶋に
謫
(
はぶ
)
られしまで、皆
義朝
(
よしとも
)
が
姦
(
かだま
)
しき
計策
(
たばかり
)
に
困
(
くるし
)
められしなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
然
(
しか
)
るに
言
(
い
)
はうと
云
(
い
)
ふ
望
(
のぞみ
)
は、
終
(
つひ
)
に
消
(
き
)
えず
忽
(
たちまち
)
にして
總
(
すべて
)
の
考
(
かんがへ
)
を
壓去
(
あつしさ
)
つて、
此度
(
こんど
)
は
思
(
おも
)
ふ
存分
(
ぞんぶん
)
、
熱切
(
ねつせつ
)
に、
夢中
(
むちゆう
)
の
有樣
(
ありさま
)
で、
言
(
ことば
)
が
迸
(
ほとばし
)
り
出
(
で
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
最甚
(
もつともはなはだ
)
しい一例は、江戸への使者を、初に森正左衞門に命じ、次いで月瀬
右馬允
(
うめのじよう
)
に改め、又元の森に改め、
終
(
つひ
)
に坪田正右衞門に改めたのである。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
認
(
したゝ
)
め是より我は足の痛み強ければ一人東京へ歸らんと云ひ梅花道人は太華氏露伴氏の跡を追ふて西京に赴むくといふ
終
(
つひ
)
に
此
(
こゝ
)
にて別杯を酌みかはし
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
然ニ去ル七月廿七日及八月朔日、小倉合戦
終
(
つひ
)
ニ落城と承り候。扨御内談承り候事の如く、御妙策被
レ
行候事と奉
レ
存候。
手紙:036 慶応二年八月十六日 三吉慎蔵あて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
人
終
(
つひ
)
に戦はずして勝つ能はざるか、仆れずして
起
(
おき
)
る能はざるか、われは文覚の為に悲しむ、われは彼の
発機
(
はつき
)
を観じて、彼の為に且つ泣き且つ喜ぶ
心機妙変を論ず
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ミルトンの
詩
(
し
)
を
高
(
たか
)
らかに
吟
(
ぎん
)
じた
処
(
ところ
)
で
饑渇
(
きかつ
)
は
中
(
なか
)
々に
医
(
い
)
しがたくカントの
哲学
(
てつがく
)
に
思
(
おもひ
)
を
潜
(
ひそ
)
めたとて
厳冬
(
げんとう
)
単衣
(
たんい
)
終
(
つひ
)
に
凌
(
しの
)
ぎがたし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
人々がちよつとでも不満な憧れを起すとすぐにその心の中にとり入つて
終
(
つひ
)
には孔雀と同じやうな運命になつてしまふ
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
實
(
げ
)
にや
輪王
(
りんのう
)
位
(
くらゐ
)
高
(
たか
)
けれども
七寶
(
しつぱう
)
終
(
つひ
)
に身に添はず、
雨露
(
うろ
)
を凌がぬ
檐
(
のき
)
の下にも
圓頓
(
ゑんどん
)
の花は匂ふべく、
眞如
(
しんによ
)
の月は照らすべし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
然
(
しか
)
れども
韓非
(
かんぴ
)
は
説
(
ぜい
)
の
難
(
かた
)
きを
知
(
し
)
り、
説難
(
ぜいなん
)
の
書
(
しよ
)
を
爲
(
つく
)
ること
甚
(
はなは
)
だ
具
(
そな
)
はれるも、
終
(
つひ
)
に
秦
(
しん
)
に
死
(
し
)
し、
自
(
みづか
)
ら
脱
(
のが
)
るること
能
(
あた
)
はざりき。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
マラルメ、ヴェルレエヌの名家これに観る処ありて、清新の機運を促成し、
終
(
つひ
)
に象徴を唱へ、自由詩形を説けり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
八十吉は
終
(
つひ
)
に蘇らなかつたことを下男が来て話して呉れた。八十吉のこの事があつた時父は他村に用足しに行つて、日暮時に入つてやうやく帰つて来た。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
終
(
つひ
)
に日米間に神奈川条約が締結され、下田及び函館の二港が
互市場
(
ごしぢやう
)
として開かれて、安政三年には米国領事ハリスが、米国旗を掲揚して下田に駐在した。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
そしてそれが
朽敗
(
きうはい
)
または
燒失
(
せうしつ
)
すれば、また
直
(
たゞち
)
にこれを
再造
(
さいざう
)
した。が、
伐
(
き
)
れども
盡
(
つ
)
きぬ
自然
(
しぜん
)
の
富
(
とみ
)
は、
終
(
つひ
)
に
國民
(
こくみん
)
をし、
木材以外
(
もくざいいぐわい
)
の
材料
(
ざいれう
)
を
用
(
もち
)
ふるの
機會
(
きくわい
)
を
得
(
え
)
ざらしめた。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
然かも此の残稿
終
(
つひ
)
に亦た之を惜み、乃ち以て子聿に付す。紹煕改元立夏日書。(渭南文集、巻二十七)
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
緩いのも、急なのもあるが、とにかく疲勞を知らぬ一大運動があつて、兩端の
終
(
つひ
)
に合する事の無い組踊の中に萬物を引込むのである。歳が暮れて行く、まだ一日あるぞ。
落葉
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
じ
思
(
おも
)
ひてなるべき
恋
(
こひ
)
かあらぬか
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
して
爪
(
つま
)
はじきされなん
恥
(
はづ
)
かしさには
再
(
ふたゝ
)
び
合
(
あは
)
す
顔
(
かほ
)
もあらじ
妹
(
いもと
)
と
思
(
おぼ
)
せばこそ
隔
(
へだ
)
てもなく
愛
(
あい
)
し
給
(
たま
)
ふなれ
終
(
つひ
)
のよるべと
定
(
さだ
)
めんにいかなる
人
(
ひと
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
斯うした不自然な同棲生活の
終
(
つひ
)
に成り立たざること、心の負擔に堪へざること、幻滅の日、破滅の日は決してさう遠くはないぞ、一旦の妄念を棄て別れなければならぬ。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
二に曰く、
篤
(
あつ
)
く三宝を敬へ、三宝は
仏
(
ほとけ
)
法
(
のり
)
僧
(
ほふし
)
なり、則ち
四生
(
よつのうまれ
)
の
終
(
つひ
)
の
帰
(
よりところ
)
、万国の
極宗
(
きはめのむね
)
なり。
何
(
いづれ
)
の世何の人か
是
(
こ
)
の
法
(
みのり
)
を貴ばざる。人
尤
(
はなは
)
だ
悪
(
あ
)
しきもの
鮮
(
すくな
)
し、
能
(
よ
)
く教ふるをもて従ひぬ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
然
(
しか
)
しながら
震原距離
(
しんげんきより
)
が
三十里
(
さんじゆうり
)
以上
(
いじよう
)
にもなると、
初動
(
しよどう
)
は
可
(
か
)
なり
緩漫
(
かんまん
)
になつて
一秒間
(
いちびようかん
)
一二回
(
いちにかい
)
の
往復振動
(
おうふくしんどう
)
になり、
更
(
さら
)
に
距離
(
きより
)
が
遠
(
とほ
)
くなると
終
(
つひ
)
には
地震動
(
ぢしんどう
)
の
最初
(
さいしよ
)
の
部分
(
ぶぶん
)
は
感
(
かん
)
じなくなつて
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
終
(
つひ
)
に道ふみたがへて、石の巻といふ
湊
(
みなと
)
に出づ。こがね花咲くと詠みて奉りたる金花山、海上に見わたし、数百の廻船、入江につどひ、人家地をあらそひて、
竈
(
かまど
)
の煙たちつづけたり。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
どんな場合にも袴をとつた事のない氏は、その度に袴の裾をからげるのがうるさいからといつて、
終
(
つひ
)
にはその袴に
態
(
わざ
)
と
綻
(
ほころ
)
びを拵へてその儘にしてゐたといふ事を聞いた事があつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
幼児
(
をさなご
)
は
黙
(
だま
)
つて、あたしを
見
(
み
)
つめてくれた。この
森蔭
(
もりかげ
)
の
端
(
はづれ
)
まであたしは
一緒
(
いつしよ
)
に
行
(
い
)
つてやつた。
此児
(
このこ
)
は
顫
(
ふる
)
へもしずに
歩
(
ある
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
終
(
つひ
)
にその
赤
(
あか
)
い
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
が、
遠
(
とほ
)
く
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
消
(
き
)
えるまで
見送
(
みおく
)
つた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
過去に
就
(
つい
)
て云ひ
得
(
う
)
べき事は現在に就ても言ひ
得
(
う
)
べき道理であり、また未来に
就
(
つ
)
いても下し
得
(
う
)
べき理窟であるとすると、一生は
終
(
つひ
)
に夢よりも不確実なものになつてしまはなければならない。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
本紙は既に屡々注意を与へたるに拘はらず、ペエテルブルク町の商家ルキアノツフ氏の住宅には、庖厨より居室に通ずる階段の既に久しく腐朽せるものあり。右の階段は今
終
(
つひ
)
に陥落したり。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
虚共実共
終
(
つひ
)
にしれずして、方々におゐて自害有し人々、一人も及
二
白状
一
、某は不
レ
存、かれは存知たると云人もなく、ぬれ
衣
(
ぎぬ
)
を着て旅に赴きぬる事、
宿業
(
しゆくごふ
)
の程あさましと観念し終にけり
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
終
(
つひ
)
には労働者の数を増加し労働供給の過剰を招き、久しからずして賃銀の市場価格は下落し、結局自然価格はおろか、時には反動的現象としてそれ以下に下落すること
稀
(
ま
)
れにあらざるなり——。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
列座
(
れつざ
)
の
方々
(
かた/″\
)
、いづれも
豫
(
かね
)
て
御存
(
ごぞん
)
じの
如
(
ごと
)
く、
某
(
それがし
)
勝手
(
かつて
)
不如意
(
ふによい
)
にて、
既
(
すで
)
に
先年
(
せんねん
)
公義
(
こうぎ
)
より
多分
(
たぶん
)
の
拜借
(
はいしやく
)
いたしたれど、なか/\
其
(
それ
)
にて
取續
(
とりつゞ
)
かず、
此際
(
このさい
)
家政
(
かせい
)
を
改革
(
かいかく
)
して
勝手
(
かつて
)
を
整
(
とゝの
)
へ
申
(
まを
)
さでは、
一家
(
いつか
)
も
終
(
つひ
)
に
危
(
あやふ
)
く
候
(
さふらふ
)
。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから又二十三日の記に、「此
夜
(
よ
)
(八)の八を草して
黎明
(
れいめい
)
に至る。
終
(
つひ
)
に脱稿せず。たうときものは
寒夜
(
かんや
)
の炭。」とあり。
何
(
なん
)
となく嬉しきくだりなり。(八)は
金色夜叉
(
こんじきやしや
)
の(八)。(八月二十一日)
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そのはてにのこるは何と問ふな説くな友よ歌あれ
終
(
つひ
)
の十字架
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「田村君
終
(
つひ
)
に倒るか」と、氷峰も亦そのそばへ横たはる。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
終
(
つひ
)
に斃れし
旅芸人
(
たびげいにん
)
のかつぽれが
臨終
(
りんじゆう
)
の
道化姿
(
どうけすがた
)
ぞ目に浮ぶ。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
忽
(
たちま
)
ち
流星
(
りうせい
)
あり、長く光を
曳
(
ひ
)
いて、
終
(
つひ
)
に飛散すれど
カンタタ
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
段々大胆になつて来て、
終
(
つひ
)
には身の上話を始めた。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
身の
飾
(
かざり
)
、ふさはじそれも、
終
(
つひ
)
の日の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
あゝ
終
(
つひ
)
の夕は来りぬ
秋の一夕
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
草鞋を埋むる霜柱を踏んで、午前十時四十五分、
終
(
つひ
)
に
金精
(
こんせい
)
峠の絶頂に出た。眞向ひにまろやかに高々と聳えてゐるのは男體山であつた。
みなかみ紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
終
(
つひ
)
には元禄七年甲戊十月十二日「
旅
(
たび
)
に
病
(
やみ
)
て
夢
(
ゆめ
)
は
枯埜
(
かれの
)
をかけ
廻
(
めぐ
)
る」の一句をのこして浪花の花屋が
旅囱
(
りよさう
)
に
客死
(
かくし
)
せり。是
挙世
(
きよせい
)
の知る処なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
終
常用漢字
小3
部首:⽷
11画
“終”を含む語句
始終
終夜
終日
臨終
終局
最終
終焉
終始
終了
始中終
終末
終宵
終幕
命終
末始終
終生
初中終
終身
終極
一部始終
...