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瓦
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かはら
ふりがな文庫
“
瓦
(
かはら
)” の例文
四谷
(
よつや
)
の
通
(
とほ
)
りへ
食料
(
しよくれう
)
を
探
(
さが
)
しに
出
(
で
)
て、
煮染屋
(
にしめや
)
を
見
(
み
)
つけて、
崩
(
くづ
)
れた
瓦
(
かはら
)
、
壁泥
(
かべどろ
)
の
堆
(
うづたか
)
いのを
踏
(
ふ
)
んで
飛込
(
とびこ
)
んだが、
心
(
こゝろ
)
あての
昆布
(
こぶ
)
の
佃煮
(
つくだに
)
は
影
(
かげ
)
もない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
多勢の子分を
督勵
(
とくれい
)
して、草を分け、
瓦
(
かはら
)
を剥ぐやうに下手人を嗅ぎ廻りましたが、相手が凄いせゐか、まるつ切り見當を付けさせません。
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
朝
(
あさ
)
になると
缺
(
か
)
かさず
通
(
とほ
)
る
納豆賣
(
なつとううり
)
の
聲
(
こゑ
)
が、
瓦
(
かはら
)
を
鎖
(
とざ
)
す
霜
(
しも
)
の
色
(
いろ
)
を
連想
(
れんさう
)
せしめた。
宗助
(
そうすけ
)
は
床
(
とこ
)
の
中
(
なか
)
で
其
(
その
)
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
きながら、
又
(
また
)
冬
(
ふゆ
)
が
來
(
き
)
たと
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
潜
(
くゞ
)
りしとか申程に
賤
(
いや
)
しく見えし
由
(
よし
)
然
(
さ
)
すれば
貴公樣
(
あなたさま
)
などは御
體
(
なり
)
は見惡ふ
入
(
いら
)
せられても
泥中
(
でいちう
)
の
蓮華
(
はちす
)
とやらで御人品は
自然
(
おのづ
)
から
瓦
(
かはら
)
と玉程に違ふを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
昔
(
むかし
)
のまゝ
練壁
(
ねりかべ
)
は
處々
(
ところ/″\
)
崩
(
くづ
)
れ
落
(
お
)
ちて、
瓦
(
かはら
)
も
完全
(
くわんぜん
)
なのは
見當
(
みあたら
)
ぬ
位
(
くらゐ
)
それに
葛蔓
(
かづら
)
が
這
(
は
)
い
上
(
のぼ
)
つて
居
(
ゐ
)
ますから、
一見
(
いつけん
)
廢寺
(
ふるでら
)
の
壁
(
かべ
)
を
見
(
み
)
るやうです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
かく
寡
(
やもめ
)
となりしを
便
(
たよ
)
りよしとや、
言
(
ことば
)
を
巧
(
たく
)
みていざなへども、
一〇四
玉と
砕
(
くだ
)
けても
瓦
(
かはら
)
の
全
(
また
)
きにはならはじものをと、幾たびか
辛苦
(
からきめ
)
を忍びぬる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
この
古
(
ふる
)
い
瓦
(
かはら
)
が
古
(
ふる
)
いお
寺
(
てら
)
の
境内
(
けいだい
)
や、
古
(
ふる
)
いお
寺
(
てら
)
のあつた
場所
(
ばしよ
)
で
今
(
いま
)
は
畑
(
はたけ
)
となつてゐるところから、よく
掘
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
されるのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
これには定て深き
仔細
(
しさい
)
も御座候はんと存候へども、玉と成り、
瓦
(
かはら
)
と成るも人の一生に候へば、
何卒
(
なにとぞ
)
昔の御身に
御立返
(
おんたちかへ
)
り
被遊
(
あそばされ
)
、私の焦れ居りまゐらせ候やうに
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
瓦
(
かはら
)
が焼け落ちて、グワラ/\と
凄
(
すご
)
い音を立てます。逃げ迷ふ女子供の泣き
喚
(
わめ
)
く声やら、
馳
(
ま
)
せまはる男達の足音、叫び声などワヤ/\ガヤ/\聞えて
物凄
(
ものすご
)
い有様でした。
拾うた冠
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
「蓋!大きいが、
脆
(
もろ
)
い蓋だ!何うかすると、ぶツ
壊
(
こは
)
されたり、
燒
(
や
)
けたりする。併し直に
繕
(
つくろ
)
はれて、町の形を損せぬ。ただ
瓦
(
かはら
)
が新しくなツたり古くなツたりするだけだ。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
何物にか
執着
(
しふぢやく
)
して、黒く
焦
(
こ
)
げた柱、地に
委
(
ゆだ
)
ねた
瓦
(
かはら
)
のかけらの
側
(
そば
)
を離れ兼ねてゐるやうな人、
獣
(
けもの
)
の
屍
(
かばね
)
の
腐
(
くさ
)
る所に、
鴉
(
からす
)
や
野犬
(
のいぬ
)
の寄るやうに、何物をか
捜
(
さが
)
し
顔
(
がほ
)
にうろついてゐる人などが
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
六三
(
ろくさ
)
暇
(
いとま
)
を
傳
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
くより、
心
(
こヽろ
)
むすぼほれて
解
(
と
)
くること
無
(
な
)
く、
扨
(
さて
)
も
慈愛
(
じあい
)
ふかき
兄君
(
あにぎみ
)
が
罪
(
つみ
)
とも
言
(
い
)
はでさし
置給
(
おきたま
)
ふ
勿体
(
もつたい
)
なさ、
身
(
み
)
は
七万石
(
ひちまんごく
)
の
末
(
すゑ
)
に
生
(
うま
)
れて
親
(
おや
)
は
玉
(
たま
)
とも
愛給
(
めでたま
)
ひしに、
瓦
(
かはら
)
におとる
淫奔
(
いたづら
)
耻
(
はづ
)
かしく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
枝にも、葉にも、
瓦
(
かはら
)
にも
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
赤い
瓦
(
かはら
)
で
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
はツと
思
(
おも
)
つたのは、
凄
(
すさま
)
じい
音
(
おと
)
で、はた、と
落
(
おと
)
した
團扇
(
うちは
)
が、カラ/\と
鳴
(
な
)
つて、
廂屋根
(
ひさしやね
)
の
瓦
(
かはら
)
を
辷
(
すべ
)
つて、
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちたのである。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
燬
(
や
)
く
樣
(
やう
)
な
日
(
ひ
)
の
下
(
した
)
に、
渦
(
うづ
)
を
捲
(
ま
)
いて
狂
(
くる
)
ひ
出
(
だ
)
しさうな
瓦
(
かはら
)
の
色
(
いろ
)
が、
幾里
(
いくり
)
となく
續
(
つゞ
)
く
景色
(
けしき
)
を、
高
(
たか
)
い
所
(
ところ
)
から
眺
(
なが
)
めて、
是
(
これ
)
でこそ
東京
(
とうきやう
)
だと
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
さへあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
椽側の暗がりから口を容れたのは、中年輩の夫婦者、それは當夜の
仲人
(
なかうど
)
の、
瓦
(
かはら
)
町の荒物屋笹屋佐兵衞と後でわかりました。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
また
別
(
べつ
)
の
先生方
(
せんせいがた
)
からお
聞
(
き
)
きになる
場合
(
ばあひ
)
がありませう。なほ
古
(
ふる
)
いお
寺
(
てら
)
のあつたところには、
瓦
(
かはら
)
のほかに
大
(
おほ
)
きな
柱
(
はしら
)
の
礎石
(
そせき
)
が
殘
(
のこ
)
つてゐることもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
武士らかしこまりて、又豊雄を押したてて
彼所
(
かしこ
)
に行きて見るに、
厳
(
いかめ
)
しく造りなせし門の柱も
朽
(
く
)
ちくさり、軒の
瓦
(
かはら
)
も大かたは
砕
(
くだ
)
けおちて、
一八二
草しのぶ
生
(
お
)
ひさがり、人住むとは見えず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
石
(
いし
)
か
瓦
(
かはら
)
の如く取扱ふ事
偖々
(
さて/\
)
世
(
よ
)
の
渡世
(
とせい
)
の
貧福
(
ひんぷく
)
は是非もなし我に八十兩の金あれば主人に不自由もさせず一ツには
勘當
(
かんだう
)
の
詫
(
わび
)
の
種
(
たね
)
にもなり二ツには妻に
辛
(
つら
)
き奉公はさせまじと
倩々
(
つく/″\
)
思ひ
運
(
めぐら
)
す
程
(
ほど
)
世の
無端
(
あじきなき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
屋根の
瓦
(
かはら
)
も、
破風板
(
はふいた
)
も
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
また
瓦
(
かはら
)
は
一體
(
いつたい
)
に
大
(
たい
)
へん
大
(
おほ
)
きく、
今日
(
こんにち
)
の
瓦
(
かはら
)
の
二倍
(
にばい
)
くらゐもあります。またその
竝
(
なら
)
べ
方
(
かた
)
も
今日
(
こんにち
)
とは
少
(
すこ
)
し
違
(
ちが
)
つてをりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それから物干臺に登つて見ましたが、
碧血
(
へきけつ
)
が新しい手摺から
簾子張
(
すのこばり
)
を染めて、下の
瓦
(
かはら
)
に及んでをります。
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
瓦
(
かはら
)
を
粉
(
こ
)
にしたやうな
眞赤
(
まつか
)
な
砂煙
(
すなけむり
)
に、
咽喉
(
のど
)
を
詰
(
つま
)
らせて
歸
(
かへ
)
りがけ、
見付
(
みつけ
)
の
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
櫓
(
やぐら
)
の
頂邊
(
てつぺん
)
で、かう、
薄赤
(
うすあか
)
い、おぼろ
月夜
(
づきよ
)
のうちに、
人影
(
ひとかげ
)
の
入亂
(
いりみだ
)
れるやうな
光景
(
くわうけい
)
を
見
(
み
)
たが。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
縁側
(
えんがは
)
に
出
(
で
)
て、
高
(
たか
)
い
庇
(
ひさし
)
を
仰
(
あふ
)
ぐと、
黒
(
くろ
)
い
瓦
(
かはら
)
の
小口
(
こぐち
)
丈
(
だけ
)
が
揃
(
そろ
)
つて、
長
(
なが
)
く一
列
(
れつ
)
に
見
(
み
)
える
外
(
そと
)
に、
穩
(
おだや
)
かな
空
(
そら
)
が、
蒼
(
あを
)
い
光
(
ひかり
)
をわが
底
(
そこ
)
の
方
(
はう
)
に
沈
(
しづ
)
めつゝ、
自分
(
じぶん
)
と
薄
(
うす
)
くなつて
行
(
ゆ
)
く
所
(
ところ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
廻り大石殿より
家々
(
いへ/\
)
片付
(
かたづけ
)
の
金使
(
かねつか
)
ひに命ぜられたれども不足の時は各々より二十三十づつ
借請
(
かりうけ
)
る
樣
(
やう
)
にと申されたりと云て
各々
(
めい/\
)
より
請取
(
うけとり
)
其外
(
そのほか
)
衣類
(
いるゐ
)
夜具迄
(
やぐまで
)
も所々にて借入
何處
(
いづく
)
共
(
とも
)
なく
迯亡
(
にげうせ
)
けり
是
(
これ
)
福貴
(
ふくき
)
なり
共
(
とも
)
人
(
ひと
)
百年の壽命は保ち難し
瓦
(
かはら
)
となりて
保
(
たも
)
たんより玉となりて
碎
(
くだ
)
けよとは
宜
(
むべ
)
なる哉大石と
倶
(
とも
)
に死しなば美名は萬世に殘るべきを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
指さしたあたり、成程土塀の上に置いた
瓦
(
かはら
)
は十數枚落ちて、
腐葉土
(
ふえふど
)
の上に滅茶々々に割れて居ります。
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
麹町
(
かうぢまち
)
、
番町
(
ばんちやう
)
の
火事
(
くわじ
)
は、
私
(
わたし
)
たち
鄰家
(
りんか
)
二三軒
(
にさんげん
)
が、
皆
(
みな
)
跣足
(
はだし
)
で
逃出
(
にげだ
)
して、
此
(
こ
)
の
片側
(
かたがは
)
の
平家
(
ひらや
)
の
屋根
(
やね
)
から
瓦
(
かはら
)
が
土煙
(
つちけむり
)
を
揚
(
あ
)
げて
崩
(
くづ
)
るゝ
向側
(
むかうがは
)
を
駈拔
(
かけぬ
)
けて、いくらか
危險
(
きけん
)
の
少
(
すく
)
なさうな、
四角
(
よつかど
)
を
曲
(
まが
)
つた
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「何が入つて居るんだ。石つころか
瓦
(
かはら
)
か、後ですり替へられちや迷惑だ、中を見せて貰はうか」
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
當時
(
たうじ
)
寫眞
(
しやしん
)
を
見
(
み
)
た——
湯
(
ゆ
)
の
都
(
みやこ
)
は、たゞ
泥
(
どろ
)
と
瓦
(
かはら
)
の
丘
(
をか
)
となつて、なきがらの
如
(
ごと
)
き
山
(
やま
)
あるのみ。
谿川
(
たにがは
)
の
流
(
ながれ
)
は、
大
(
おほ
)
むかでの
爛
(
たゞ
)
れたやうに……
其
(
そ
)
の
寫眞
(
しやしん
)
も
赤
(
あか
)
く
濁
(
にご
)
る……
砂煙
(
すなけむり
)
の
曠野
(
くわうや
)
を
這
(
は
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
飛んで行つて見ると、その土塀の上の
瓦
(
かはら
)
には、眞夏の陽に乾いてベツトリ血潮。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
引
(
ひ
)
き
息
(
いき
)
で
飛着
(
とびつ
)
いた、
本堂
(
ほんだう
)
の
戸
(
と
)
を、
力
(
ちから
)
まかせにがたひしと
開
(
あ
)
ける、
屋根
(
やね
)
の
上
(
うへ
)
で、ガラ/\といふ
響
(
ひゞき
)
、
瓦
(
かはら
)
が
殘
(
のこ
)
らず
飛上
(
とびあが
)
つて、
舞立
(
まひた
)
つて、
亂合
(
みだれあ
)
つて、
打破
(
うちやぶ
)
れた
音
(
おと
)
がしたので、はツと
思
(
おも
)
ふと、
目
(
め
)
が
眩
(
くら
)
んで
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今は跡形もありませんが、其頃流行つた
瓦
(
かはら
)
町の
焙烙
(
はうろく
)
地藏樣の門前、お百度石の側で、同じ町内の糸屋の娘お駒が、
銀簪
(
ぎんかんざし
)
に右の眼玉を突かれて、藝妓奴と同じやうに、
無慙
(
むざん
)
な死に樣をして居たのです。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“瓦”の意味
《名詞》
かわら。屋根を葺くことに用いる建材。
(出典:Wiktionary)
“瓦”の解説
瓦(かわら、en: roof tiles)は、屋根葺きに用いられる代表的な建材である。
(出典:Wikipedia)
瓦
常用漢字
中学
部首:⽡
5画
“瓦”を含む語句
瓦礫
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棟瓦
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瓦斯
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