“此世:このよ” の例文
“此世:このよ”を含む作品の著者(上位)作品数
樋口一葉4
吉川英治3
マルセル・シュウォッブ2
江戸川乱歩2
野村胡堂2
“此世:このよ”を含む作品のジャンル比率
文学 > 英米文学 > 戯曲33.3%
文学 > イタリア文学 > 詩7.1%
文学 > フランス文学 > 小説 物語5.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
つみもけがれもなく、此世このよおくつてことでせうが、あのにくむべき息子むすこ海賊かいぞく
かつて寺院の奥で拝んだことのある“浄土曼陀羅図じょうどまんだらず”そのままな国が此世このよにもあったのかと思う。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ネープルスに濱島武文はまじまたけぶみ——しまた春枝夫人はるえふじん此世このよにあるものならば
成程なるほど太郎たらうわかれてかほられぬやうにならば此世このよたとて甲斐かひもないものを
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
殿とのにくしみにふべきほどの果敢はかなきうんちて此世このようまれたるなれば
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あれこそは此世このよ名譽めいよといふ名譽めいよが、った一人ほとり王樣わうさまとなって、すわ帝座ていざぢゃ。
代助が黙然もくねんとして、自己じこは何のため此世このよなかうまれてたかを考へるのはう云ふ時であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
娘御むすめご出世しゅっせねがひ、その昇進しょうしんをば此世このよ天國てんごくともおもはしゃった貴下こなた
また諸所しよしよ修道院しうだうゐんともらつて、もはや此世このよない会友くわいいうためいのり
一九二八年の真夏、狂詩人が此世このよを去つてしまつた頃から私の健康もとかくすぐれなかつた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
それはんなあきらめのよいさとつたおかたにしたところが、是非ぜひ此世このよなかつまらない面白おもしろくないもので
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れはかゝ果敢はかなきうんちて此世このようまれたるなれば
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
悲命の最期をとげたのは、頭殿こうのとのばかりではない。嫡男の悪源太義平よしひらどのも、次男の朝長どのも、もはや此世このよのお人ではない——と云い聞かせた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それとも又、私に、もっと芸術的な天分が、与えられていましたなら、例えば美しい詩歌によって、此世このよ味気あじきなさを、忘れることが出来たでもありましょう。
人間椅子 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そは永久とこしへせいなる自然、なれ此世このよに呼びたればなり。
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
御扶手おんたすけて此世このよすくたまうてより、今年ことしまで一千二百十二年いつせんにひやくじふにねんになるが、このあたしにはおたすけい。
廣介自身を此世このよからき消して了うことは、比較的容易でありましたが、この一個の人間の死体を、絶対に人目にかからぬ様に始末することは、非常な難事に相違ありません。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
れはいさぎよ此世このよおもつたので
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
だから此世このよいやなものとめました。
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人々ひとびと御主おんあるじよ、われをもたすたまへ。」此世このよ御扶おんたすけ蒼白あをじろいこのわが罪業ざいごふあがなたまはなかつた。
こゑ晝夜ちうやえず、ねぶるといふことふつにければ落入おちいりたるまなこ形相ぎやうさうすさまじく此世このよひとともおぼえずなりぬ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
我が抜苦ばつく与楽よらく説法せつぱううたがふ事なく一図いちづありがたがツて盲信まうしんすれば此世このよからの極楽ごくらく往生おうじやうけつしてかたきにあらず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
事實じゝつ此世このよひとかもれないが、ぼくにはあり/\とえる、菅笠すげがさかぶつた老爺らうやのボズさんが細雨さいううちたつる。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『さう』とつて公爵夫人こうしやくふじんは、『それにも徳義とくぎがある——「それは、それは友愛いうあいです、それは友愛いうあいです、それは此世このよ圓滑ゑんくわつにするところのものです!」』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
黄金色こがねいろの夕陽を浴びた山々、その先に碧をたたえた海、すべてが此世このよとも覚えぬ美しさの裏に、次第に明るさを失って、東の空から、薄紫の夕陽を破って、大きな名月が、ツ、ツ、ツと豊かな姿を現わすのです。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
逢わで此世このよ
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
足袋たび股引もゝひき支度したくながらに答へたるに人々ひと/\そのしをらしきを感じ合ひしがしをらしとはもと此世このよのものにあらずしをらしきがゆゑ此男このをとこ此世このよ車夫しやふとは落ちしなるべし。
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
下司げすは、口さがないものというが、まったく、うるさい京雀きょうすずめだ。この人たちは、人間のみにくいところと、世の中の汚いところばかりに興味をもっている。そんな裏覗きばかりしないで、もっと、人間と此世このよの、いい所、美しい所も、少しは、見たらどうだろう」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは決して世間並の奇談ではありません。話の中には妖怪変化が出て来るわけでもなく、常識を超越した不思議な事件が起るわけでもないのです。ただしかし、私はその様な道具立のおどろおどろしき物語よりも、此世このよの中には、もっともっと不思議な事件があるような気がしてならないのです。
惜くもなき命は有りさふらふものにて、はやそれより七日なぬか相成候あひなりさふらへども、なほ日毎ひごとに心地くるしく相成候やうに覚え候のみにて、今以つて此世このよを去らず候へば、未練の程のおんつもらせもぞかしと、口惜くちをしくも御恥おんはづかし存上参ぞんじあげまゐらせ候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)