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皮下注射
昨日の
午後より
谷中の
母さんが
急病、
癪氣で
御座んすさうな、つよく
胸先へさし
込みまして、一
時はとても
此世の
物では
有るまいと
言ふたれど、お
醫者さまの
皮下注射やら
何やらにて
さま/″\
物をおもひ
給へば、
奧樣時々お
癪の
起る
癖つきて、はげしき
時は
仰向に
仆れて、
今にも
絶え
入るばかりの
苦るしみ、
始は
皮下注射など
醫者の
手をも
待ちけれど、
日毎夜毎に
度かさなれば