“このよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コノヨ
語句割合
此世41.6%
現世29.9%
此夜6.5%
斯世3.9%
是世3.9%
今世2.6%
此余2.6%
人生1.3%
人界1.3%
人間界1.3%
此土1.3%
當夜1.3%
社会1.3%
社會1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人々ひとびと御主おんあるじよ、われをもたすたまへ。」此世このよ御扶おんたすけ蒼白あをじろいこのわが罪業ざいごふあがなたまはなかつた。わが甦生よみがへりまでわすれられてゐる。
心の清き者はさいわいなり、何故なればと云えば其人は神を見ることを得べければなりとある、何処でかと云うに、勿論現世このよではない
作者はこの老人が此夜このよに限らず時々得意とも慨嘆ともつかない気分の表象としてする仕方話のポーズをここに紹介する。
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
くと聞くより冷笑あざわらって、お前も武士の女房でないか、幽霊の変化のと云う物が斯世このよにあろうと思うか、馬鹿もいい加減にしろと頭ごなしに叱り付けたが妹は中々承知せず
お住の霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
せめては是世このよに君とお雪と及ばず乍ら自身媒妁ばいしゃくの労を執って、改めて君にめあわせんものと決心致し、昨夜、一昨夜、殆ど眠らずしてその方法を考え申候……ここに一つの困難というは
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
生者いけるものつひにもぬるものにあれば今世このよなるたぬしくをあらな (同・三四九)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
蒲原かんばら郡の新潟にひがたは北海第一のみなとなれば福地たることろんまたず。此余このよ豊境はうきやうしばらくりやくす。此地皆十月より雪る、そのふかきあさきとは地勢ちせいによる。なほすゑろんぜり。
……死の連想におびやかされながらいつまでも人間は生きたがる。……それは恐ろしさを味わいたいからだ。……人生このよに恐怖がなかったら、どんなに退屈なものだろう。……臆病者は自殺する。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それは人界このよの「美」ではなく黄泉よみの国の幽霊か、仮面を冠った人かのようで、精気もなければ血の気もない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
薔薇色の火光におぼめかされて人間界このよならぬ神秘幽幻の気が八方岩石に囲繞された湖の面に漂っているようだ。目前に鏡のように湖が拡がっているではないか!
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
カピ長 いや、はやるものははやくづるゝ。すゑたのみをみなからし、たゞ一粒ひとつぶだけのこった種子たね此土このよたのもしいは彼兒あればかりでござる。さりながら、パリスどの、言寄いひよってむすめこゝろをばうごかしめされ。
すでよるふかく、くわふるに當夜このよなみおだやかにして、ふねいさゝか動搖ゆるぎもなければ、船客せんきやく多數おほかたすでやすゆめつたのであらう、たゞ蒸滊機關じようききくわんひゞきのかまびすしきと
ながひとやつながれし人間ひとの、急に社会このよへ出でし心地して、足も空に金眸きんぼうほらきたれば。金眸は折しも最愛の、照射ともしといへる侍妾そばめの鹿を、ほとり近くまねきよせて、酒宴に余念なかりけるが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
社會このよはえはたがためぞ。
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)