“このよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コノヨ
語句割合
此世37.7%
現世32.8%
斯世4.9%
是世4.9%
此夜4.9%
今世3.3%
人生1.6%
人界1.6%
人間界1.6%
此土1.6%
(他:3)5.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つみもけがれもなく、此世このよおくつてことでせうが、あのにくむべき息子むすこ海賊かいぞく
かつて寺院の奥で拝んだことのある“浄土曼陀羅図じょうどまんだらず”そのままな国が此世このよにもあったのかと思う。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なにやらあまり唐突とうとつ……現世このよ来世あのよとの連絡つながりすこしもわからないので
この我がおしえおぼえて決してそむくことなかれとねんごろにいましめ諭して現世このよりければ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あゝ、父は丑松の為に『忘れるな』の一語ひとことを残して置いて、最後の呼吸にまで其精神を言ひ伝へて、斯うして牧場の土深く埋もれて了つた——もう斯世このよの人では無かつたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
兄は武士、くと聞くより冷笑あざわらって、お前も武士の女房でないか、幽霊の変化のと云う物が斯世このよにあろうと思うか、馬鹿もいい加減にしろと頭ごなしに叱り付けたが妹は中々承知せず
お住の霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
『自分はこれから将来さき奈何どうしよう——何処へ行つて、何を為よう——一体自分は何の為に是世このよの中へ生れて来たんだらう。』思ひ乱れるばかりで、何の結末まとまりもつかなかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ちり是世このよにこれやこの
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
作者はこの老人が此夜このよに限らず時々得意とも慨嘆ともつかない気分の表象としてする仕方話のポーズをここに紹介する。
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ミユンヘン、ヰインの話をなほのち長き事として糸口いとぐちばかり語りりしも此夜このよさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
生者いけるものつひにもぬるものにあれば今世このよなるたぬしくをあらな (同・三四九)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
予は今世このよの別れとは知り、忍びざるも、然れども露国に対するの戦端開け、又一が召集せらるるも近きにあらんか、依てすみやかに又一を札幌に出でしめ、責めては存命中に又一に面会せしめて、十分に話を致させるとして出発するも、心は残りて言うべからざるに迫まれり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
死の連想が恐ろしいのだ。……そうして本当に恐ろしいのは、生きているということだ。……死の連想におびやかされながらいつまでも人間は生きたがる。……それは恐ろしさを味わいたいからだ。……人生このよに恐怖がなかったら、どんなに退屈なものだろう。……臆病者は自殺する。死の連想に喰われたのだ。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
鼻高く眼長く、唇薄くその色赤く、眉は秀でて一文字に引かれ、まさしく美男には相違なかったが、それは人界このよの「美」ではなく黄泉よみの国の幽霊か、仮面を冠った人かのようで、精気もなければ血の気もない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
薔薇色の火光におぼめかされて人間界このよならぬ神秘幽幻の気が八方岩石に囲繞された湖の面に漂っているようだ。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すゑたのみをみなからし、たゞ一粒ひとつぶだけのこった種子たね此土このよたのもしいは彼兒あればかりでござる。
すでよるふかく、くわふるに當夜このよなみおだやかにして、ふねいさゝか動搖ゆるぎもなければ
ながひとやつながれし人間ひとの、急に社会このよへ出でし心地して、足も空に金眸きんぼうほらきたれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
社會このよはえはたがためぞ。
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)