此夜このよ)” の例文
往返わうへんし旅人の懷中ふところねら護摩ごまはひの頭なり因て半四郎が所持の金に目をかけ樣々さま/″\にして終に道連となりしかば此夜このよ何卒なにとぞして半四郎の胴卷どうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
作者はこの老人が此夜このよに限らず時々得意とも慨嘆ともつかない気分の表象としてする仕方話のポーズをここに紹介する。
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
大勘定おほかんぢやうとて此夜このよあるほどのかねをまとめて封印ふういんことあり、御新造ごしんぞそれ/\とおもして、すゞり先程さきほど屋根やねやの太郎たらう貸付かしつけのもどり彼金あれが二十御座ござりました、おみねみね
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ミユンヘン、ヰインの話をなほのち長き事として糸口いとぐちばかり語りりしも此夜このよさふらふ巴里パリイ此処ここださばかり時の掛け隔つまじと思ひさふらものからいとど悲しく、居給ふの中を心はいくたび歩みさふらひけん。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
あはれ、此夜このよのむし暑さ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)