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このよ
ふりがな文庫
“
現世
(
このよ
)” の例文
と
申
(
もう
)
しまして、
私
(
わたくし
)
が
今
(
いま
)
いきなり
死
(
し
)
んでからの
物語
(
ものがたり
)
を
始
(
はじ
)
めたのでは、
何
(
なに
)
やらあまり
唐突
(
とうとつ
)
……
現世
(
このよ
)
と
来世
(
あのよ
)
との
連絡
(
つながり
)
が
少
(
すこ
)
しも
判
(
わか
)
らないので
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
心の清き者は
福
(
さいわい
)
なり、何故なればと云えば其人は神を見ることを得べければなりとある、何処でかと云うに、勿論
現世
(
このよ
)
ではない
聖書の読方:来世を背景として読むべし
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
銀の
伸板
(
のべ
)
をびいどろの棒で叩くような、それは
現世
(
このよ
)
のものとも思えない女の
咽喉
(
のど
)
。拳の連中は気がつかないが、藤吉はぐいと一つ顎をしゃくって
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
夜が明けかけても、二人の男女は少しも悪い容体にならずに、
現世
(
このよ
)
に
存
(
ながら
)
えている。Aは到頭我慢が出来なくなって、もう一度薬を飲むことにした。
花嫁の訂正:――夫婦哲学――
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
夫人
(
ふじん
)
は
屹度
(
きつと
)
無事
(
ぶじ
)
であらうと
言
(
い
)
はれたに
拘
(
かゝは
)
らず、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も、
私
(
わたくし
)
も、
最早
(
もはや
)
貴女
(
あなた
)
とは、
現世
(
このよ
)
でお
目
(
め
)
に
掛
(
かゝ
)
る
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
まいとばかり
斷念
(
だんねん
)
して
居
(
を
)
りましたに。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
現世
(
このよ
)
の人とも思はれぬが、薄き蒲団に包まれて、壁に向ひ臥したる後姿のみは、ありありとして
少女
(
おとめ
)
の胸を打ちぬ。
小むすめ
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「
現世
(
このよ
)
ではしやうがないなア。……強いといふことは、尊いといふこと、正しいといふことより、一枚上手ぢや。」
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
こんなに沢山言語を知つてゐては、
現世
(
このよ
)
では滅多に使ふ
機会
(
をり
)
もなからう、
寧
(
いつ
)
そ地獄へでも
墜
(
お
)
ちたら定めし晴々するに相違なからうと思はれる程だつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
予
(
わし
)
の
戀人
(
こひびと
)
よりも
美
(
うつく
)
しい!
何
(
なに
)
もかも
見通
(
みとほ
)
しの
太陽
(
たいやう
)
でも、
現世
(
このよ
)
創
(
はじま
)
って
以來
(
このかた
)
、
又
(
また
)
とは
彼女程
(
あれほど
)
の
女
(
をなご
)
をば
見
(
み
)
なんだのぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
両親に別れたんですから
現世
(
このよ
)
を
味気
(
あじき
)
なくぞんじ、また両親や
兄
(
あに
)
姉
(
あね
)
の冥福を
弔
(
とむら
)
わんために因果塚を
建立
(
こんりゅう
)
したいから、仏門に入れてくれと晋齋にせまります。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
現世
(
このよ
)
にて默想のうちにかの平安を味へる者の生くる愛を見しとき、我またかゝる人に似たりき 一〇九—一一一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
この我が
訓
(
おしえ
)
を
能
(
よ
)
く
記
(
おぼ
)
えて決して
背
(
そむ
)
くことなかれと
苦
(
ねん
)
ごろに
誡
(
いまし
)
め諭して
現世
(
このよ
)
を
逝
(
さ
)
りければ、兄弟共に父の遺訓に
随
(
したが
)
ひて互ひに助けあひつつ安楽に日を
消
(
くら
)
しけり。
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
それは併し
磔刑
(
はりつけ
)
にして、
現世
(
このよ
)
に有るべき理が無いのに、その時の若衆そっくりのが、他の土民等と道端に土下座しながら、面を上げてこちらを見詰めていた。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「そうだ、倉に満ちた金銀財宝に心が無くなれば、
現世
(
このよ
)
に用はなかろう、望み通り
彼
(
あ
)
の世へやってやろうが、来世には何になりたい、望みがあれば叶えてやる」
長者
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
もう一度丑松は自分が穢多であるといふことを忘れて見たいと思つた。もう一度丑松は彼の少年の昔と同じやうに、自由に、
現世
(
このよ
)
の
歓楽
(
たのしみ
)
の香を嗅いで見たいと思つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
左様
(
さよう
)
、全く罪なことでござるよ、あんなのはいっそ助けない方がようござるな、添うに添われず、生きるに生きられず、
現世
(
このよ
)
で
叶
(
かな
)
わぬ恋を未来で遂げようというのじゃ
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と云うのは何んでも夜になると、その鳰鳥は
一瞬間
(
ほんのひととき
)
、
現世
(
このよ
)
から
黄泉
(
あのよ
)
へ行くそうじゃ。言い換えるとつまり死ぬのじゃな。そうして
一旦
(
いったん
)
死んで置いて、それから間もなく生き返るそうじゃ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
然れども、時に之等に伍して、
紅絹裏
(
もみうら
)
などのついたる晴やかの女着の衣裳の懸けらるゝ事なきにあらず。
恰
(
あたか
)
も
現世
(
このよ
)
の人の路を踏み誤つて陰府に迷ひ入れるが如し。かゝる時の亡霊共の迷惑思ひやらる。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ああ、これが
現世
(
このよ
)
の
見納
(
みおさめ
)
かなあ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
竜神
(
りゅうじん
)
というのは
一
(
ひ
)
と
口
(
くち
)
に
言
(
い
)
えば
元
(
もと
)
の
活神
(
いきがみ
)
、つまり
人間
(
にんげん
)
が
現世
(
このよ
)
に
現
(
あら
)
われる
前
(
まえ
)
から、こちらの
世界
(
せかい
)
で
働
(
はたら
)
いている
神々
(
かみがみ
)
じゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
饑渇
(
うえかわ
)
く如く義を慕う者は
福
(
さいわい
)
なり、其故如何? 其人の饑渇は充分に癒さるべければ也とのことである、而して是れ
現世
(
このよ
)
に於て在るべきことでない事は明である
聖書の読方:来世を背景として読むべし
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
斯
(
か
)
うして
現世
(
このよ
)
に生きながらへるといふことすら、既にもう不思議な運命の力としか思はれなかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
現世
(
このよ
)
に
存在得
(
ありう
)
べからざる
海魔
(
かいま
)
とか
船幽靈
(
ふなゆうれい
)
とかよりは
百倍
(
ひやくばい
)
も
千倍
(
せんばい
)
も
恐怖
(
おそ
)
るべき
或
(
ある
)
者
(
もの
)
の
仕業
(
しわざ
)
で、
何
(
なに
)
か
企圖
(
くわだ
)
つる
所
(
ところ
)
があつて、
我
(
わ
)
が
弦月丸
(
げんげつまる
)
を
彼處
(
かしこ
)
の
海上
(
かいじやう
)
へ
誘引
(
おび
)
き
寄
(
よ
)
せやうとしたのではあるまいか
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其時
(
そのとき
)
の八
人
(
にん
)
の
内
(
うち
)
で、
活東
(
くわつとう
)
天仙
(
てんせん
)
古閑
(
こかん
)
の三
子
(
し
)
は、
今
(
いま
)
は
現世
(
このよ
)
の
人
(
ひと
)
であらぬ。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
未だ生きていたい
現世
(
このよ
)
に心をのこして去ったのだった。
釘抜藤吉捕物覚書:06 巷説蒲鉾供養
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
現世
(
このよ
)
に何の希望も無かつた。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
而して「
諸
(
すべて
)
の人」と云えば過去の人をも含むのであって、彼等も亦何時か神の救を見ることを得べしと云う、而して是れ
現世
(
このよ
)
に於て在るべき事でないことは
明瞭
(
あきらか
)
である
聖書の読方:来世を背景として読むべし
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
もう二度と
現世
(
このよ
)
で見ることは出来ないかのやうな、悲壮な心地に成つて、橋の上から遠く
眺
(
なが
)
めると、西の空すこし南寄りに一帯の冬雲が浮んで、丁度
可懐
(
なつか
)
しい故郷の丘を望むやうに思はせる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
さながら
現世
(
このよ
)
にて地獄の声を聴くに異らず。
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
“現世”の意味
《名詞》
(仏教)三世の一つ。現在の世。この世。
(出典:Wiktionary)
“現世”の解説
現世(げんせ、げんせい、うつしよ)とは、現在の世のこと。古くは「げんぜ」とも読む。
(出典:Wikipedia)
現
常用漢字
小5
部首:⽟
11画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
“現世”で始まる語句
現世利益
現世時代
現世紀
現世生活中
現世式
現世的
現世観
現世生活
現世利益弁
現世安穏後生善処