“斯世”の読み方と例文
読み方割合
このよ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
而して斯かる国の斯世このよに於て無きことは言わずして明かである、義の国は義の君が再び世にきたり給う時に現わる
くと聞くより冷笑あざわらって、お前も武士の女房でないか、幽霊の変化のと云う物が斯世このよにあろうと思うか、馬鹿もいい加減にしろと頭ごなしに叱り付けたが妹は中々承知せず
お住の霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あゝ、父は丑松の為に『忘れるな』の一語ひとことを残して置いて、最後の呼吸にまで其精神を言ひ伝へて、斯うして牧場の土深く埋もれて了つた——もう斯世このよの人では無かつたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)