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張
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ぱ
ふりがな文庫
“
張
(
ぱ
)” の例文
肩
(
かた
)
を
掴
(
つか
)
んで、ぐいと
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
った。その
手
(
て
)
で、
顔
(
かお
)
を
逆
(
さか
)
さに
撫
(
な
)
でた八五
郎
(
ろう
)
は、もう一
度
(
ど
)
帯
(
おび
)
を
把
(
と
)
って、
藤吉
(
とうきち
)
を
枝折戸
(
しおりど
)
の
内
(
うち
)
へ
引
(
ひ
)
きずり
込
(
こ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
バルブレンはわたしの耳を
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
って、先にわたしを中へつっこんでおいて、自分もあとからはいって、ドアをぴしゃりと立てた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
私
(
わたし
)
も
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
りあのSさんのやうに
皆
(
みな
)
さんにもうお
訣
(
わか
)
れです、でもね
私
(
わたし
)
は
今
(
いま
)
、
大
(
おほ
)
きな
大
(
おほ
)
きな
丘陵
(
きうりよう
)
のやうに、
安心
(
あんしん
)
して
横
(
よこ
)
たはつてゐますのよ。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
風呂
(
ふろ
)
を
焚
(
た
)
いてゐましてね、
何
(
なに
)
か、
嗅
(
か
)
ぐと
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
り
石炭
(
せきたん
)
でしたが、
何
(
なん
)
か、よくきくと、たきつけに
古新聞
(
ふるしんぶん
)
と
塵埃
(
ごみ
)
を
燃
(
も
)
したさうです。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
葭簀
(
よしず
)
と
蓆
(
むしろ
)
っ
張
(
ぱ
)
りではあるが、もう出来上って装飾にとりかかっている、当る三日といえば明日のことだ——昨日小屋がけをして
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
「有難う、有難う、じゃ
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱ
)
りおれの安否を気遣って来てくれたのか。……伊兵衛、今日のことは忘れないよ、持つべきものは友達だ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
り
左樣
(
さう
)
か」と
云
(
い
)
つたが、
冗談
(
じようだん
)
でもなかつたと
見
(
み
)
えて、
別
(
べつ
)
に
笑
(
わらひ
)
もしなかつた。
細君
(
さいくん
)
も
近
(
きん
)
の
字
(
じ
)
は
丸
(
まる
)
で
氣
(
き
)
にならない
樣子
(
やうす
)
で
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
チョイと
突
(
つ
)
っ
張
(
ぱ
)
ってみる、いわゆる張りだね、女はそういうふうな男を勝手にしたり、また勝手にされてみたりすると、夢中になるものだ。
あの時分
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
どちらも
負
(
ま
)
けず
劣
(
おと
)
らぬえらい
力
(
ちから
)
でしたから、えいやえいや、
両方
(
りょうほう
)
で
頭
(
あたま
)
の
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
りこをしているうちに、
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けかかって、
鶏
(
にわとり
)
が
鳴
(
な
)
きました。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それから
卓
(
しよく
)
の
供物
(
くもつ
)
を
恰好
(
かつかう
)
よくして
居
(
ゐ
)
る
間
(
ま
)
に
總代等
(
そうだいら
)
は
箕
(
み
)
へ
入
(
い
)
れて
行
(
い
)
つた
注連繩
(
しめなは
)
を
樅
(
もみ
)
の
木
(
き
)
から
樅
(
もみ
)
の
木
(
き
)
へ
引
(
ひ
)
つ
張
(
ぱ
)
つて
末社
(
まつしや
)
の
飾
(
かざり
)
をした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
丑五郎は馬に食いつかれながらも馬の腿の肉を
咬
(
か
)
み取ったという
気象
(
きしょう
)
っ
張
(
ぱ
)
り、この故に
馬食
(
うまくら
)
いという
綽名
(
あだな
)
がついていました。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
『
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
り稻の穗を噛むのが癖だすな。……東京に居やはると、稻もおますまいがなア。……春は麥の穗を拔いて、秋は稻の穗や。
決
(
きま
)
つてる。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
いつヤングが消えてしまったのか解らなかったわ……まあそう……出帆前ってそんなに忙がしいものなの……じゃ
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱ
)
りあんたの云うように
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と、ちっちゃい
木橋
(
もくきょう
)
があった。幅三尺、長さ五尺、川には水なんか流れていない。でも
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱ
)
り渡らなければならない。
奥さんの家出
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
引っ詰め髪に黒い
上
(
うわ
)
っ
張
(
ぱ
)
りを着けた、素朴な娘である。指の先を
炭酸紙
(
カーボン
)
で青く染めている。ハキハキと答えてくれる。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「それは、ほんとうにお
世話
(
せわ
)
さまでした。さあおまえは、こちらへおいで。」と、
母親
(
ははおや
)
は、おじいさんに
礼
(
れい
)
をいいながら、
子供
(
こども
)
の
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
りました。
雪の上のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あつちと
同
(
おな
)
じでいゝのよ。お
願
(
ねが
)
ひするわ。
宿賃
(
やどちん
)
だけ
余計
(
よけい
)
になるけど。」と
言
(
い
)
ひながら、
道子
(
みちこ
)
は
一歩一歩
(
ひとあしひとあし
)
男
(
をとこ
)
を
橋向
(
はしむかう
)
の
暗
(
くら
)
い
方
(
はう
)
へと
引
(
ひ
)
ツ
張
(
ぱ
)
つて
行
(
ゆ
)
かうとする。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
岡は思い入ったようにこういって、ちょうどそこに看護婦が持って来た二枚の白い
上
(
うわ
)
っ
張
(
ぱ
)
りのうち少し古く見える一枚を取って倉地よりも先に着始めた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
『
其
(
そ
)
の
福鼠
(
ふくねずみ
)
を
彩色
(
いろど
)
れ』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
金切聲
(
かなきりごゑ
)
で
叫
(
さけ
)
ばれました。『
其
(
そ
)
の
福鼠
(
ふくねずみ
)
を
斬
(
き
)
れ!
其
(
そ
)
の
福鼠
(
ふくねずみ
)
を
法廷
(
はふてい
)
から
逐
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
せ!それ、
抑
(
おさ
)
えよ!そら
抓
(
つね
)
ろ!
其
(
そ
)
の
髯
(
ひげ
)
を
引
(
ひ
)
ッ
張
(
ぱ
)
れ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
どうかすると
鼻
(
はな
)
っ
張
(
ぱ
)
りの強いその気象と同じに、とても征服しきれない肉塊に対してでもいるような気がしていたが、それもだんだん
頽
(
くず
)
されそうになって来た。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱ
)
り私、帰った方が
好
(
い
)
いわ。あんた怒りゃしないわね。又来るには泊らない方が出好いもの、ね」
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あたし、此頃になってつくづく思うのだけれど、お兄様、
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱ
)
し偉いわね。お兄様の手紙で、喬子は、自分の気持をかなりハッキリと解剖することが出来ました。
偽悪病患者
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
裁判官か郵便局員が着ていそうな不思議な
上
(
うわ
)
ッ
張
(
ぱ
)
りを纒っているのは、何か知らん? 腰から上はルパシカのようでもあり、支那服にも似ているけれど、襟の工合や
蘿洞先生
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
モヂリ・
鯉口
(
こいぐち
)
・
上
(
うわ
)
っ
張
(
ぱ
)
り、或いはこの頃はやる
割烹着
(
かっぽうぎ
)
の類まで、この作業の
頻々
(
ひんぴん
)
たる変更に、適用せしめようとした発明は数多いが、もともと働かないための着物を
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
宵
(
よい
)
っ
張
(
ぱ
)
りの私もここへ来てからは、九時の鐘を聴かないうちに寝ることにした。(大正七年一月)
春の修善寺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
自分でかいた画が、今ケョルンの博覧会に出してあるとか云って、その
天然色写真
(
オートクローム
)
を見せてくれたが、
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱ
)
り先生みたいに、細かい筆づかいで、マロヤの秋が画いてある。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
私なんぞは首が三ツあっても足りねえ身体だ、十一の時から狂い出して、
脱
(
ぬ
)
け
参
(
めえ
)
りから江戸へ流れ、悪いという悪い事は二三の水出し、
遣
(
や
)
らずの
最中
(
もなか
)
、
野天丁半
(
のでんちょうはん
)
の
鼻
(
はな
)
ッ
張
(
ぱ
)
り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
旅人
(
りょじん
)
にだまされて林の中に
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
り込まれて
強姦
(
ごうかん
)
された村の子守りの話、三人組の強盗が
抜刀
(
ばっとう
)
で
上村
(
かみむら
)
の豪農の家にはいって、主人と細君とをしばり上げて金を奪って行った話
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
(お父さん。もう帰ろうよ。)と
申
(
もう
)
されながら
須利耶
(
すりや
)
さまの
袂
(
たもと
)
を
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
りなさいます。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
今日
(
けふ
)
に
限
(
かぎ
)
つて
其
(
その
)
やうな
事
(
こと
)
いはれる
覺
(
おぼ
)
えは
何
(
なに
)
もなけれどマア
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
ふてぞといふ
顏
(
かほ
)
じつと
打
(
うち
)
仰
(
あふ
)
ぎて
夫々
(
それ/\
)
それが
矢
(
や
)
ツ
張
(
ぱ
)
りお
隔
(
へだ
)
て
何故
(
なぜ
)
その
樣
(
やう
)
にお
藏
(
か
)
くし
遊
(
あそ
)
ばす
兄弟
(
きやうだい
)
と
仰
(
おつ
)
しやつたはお
僞
(
いつは
)
りか
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
……わたしは
二
(
に
)
、
三遍
(
さんべん
)
そこをのぞきに行ったが、油じみた
上
(
うわ
)
っ
張
(
ぱ
)
りを着て、
頬
(
ほお
)
のこけた顔をした、もじゃもじゃ
髪
(
がみ
)
の
痩
(
や
)
せた男の子が十人ほど、四角な
印刷台木
(
いんさつだいぎ
)
を
締
(
し
)
めつける木の
梃子
(
てこ
)
へ
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
工場に寢泊りするものもあつたが、通ひのものもあり、年寄りのまだ元氣な家などでは、百姓仕事は年寄りに任せておいて、夫婦して白い
上
(
うは
)
つ
張
(
ぱ
)
りを着て自轉車で通ふといふ風だつた。
続生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
善三郎 あっしは見ませんでしたが、さッき来た婆と、口をきいていたっていうから、どうで東両国の
菰
(
こも
)
ッ
張
(
ぱ
)
りの外で、さあさあざっとご覧よご覧よと
囀
(
さえず
)
ってる、夜鷹の
立番
(
たちばん
)
でしょう。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
読
(
よ
)
み
上
(
あ
)
げられた
者
(
もの
)
は、
一人々々
(
ひとり/\
)
検疫医
(
けんえきい
)
の
列
(
なら
)
んだ
段階子
(
だんばしご
)
の
下
(
した
)
を
通
(
とほ
)
つて
上
(
うへ
)
へ
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
く。『ミストル・アサヤーマ』。「ヤ」で
調子
(
てうし
)
を
上
(
あ
)
げて
少
(
すこ
)
し
引
(
ひ
)
ツ
張
(
ぱ
)
つて「マ」で
下
(
さ
)
げる。
成程
(
なるほど
)
山
(
やま
)
のやうに
聞
(
きこ
)
える。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
さっきから感じていた何か知らぬ不安は、
矢
(
や
)
ッ
張
(
ぱ
)
り事実だったのだ。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「あなたも
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
り人間なのか、ジエィン? 確かにさうなの?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「これは先生、大分
宵
(
よい
)
っ
張
(
ぱ
)
りでいらっしゃいますね」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
研究室の中では、ヒゲの
引
(
ひ
)
つ
張
(
ぱ
)
り合ひよ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
わたしたちが道に
迷
(
まよ
)
ったことがわかると、もうからだになんの力も
残
(
のこ
)
らないように思われた。親方はわたしのうでを
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
った。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「
左
(
さ
)
うよなあ。
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
り、あゝ
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があると、
永
(
なが
)
く
迄
(
まで
)
後
(
あと
)
へ
響
(
ひゞ
)
くものだからな」と
答
(
こた
)
へて、
因果
(
いんぐわ
)
は
恐
(
おそ
)
ろしいと
云
(
い
)
ふ
風
(
ふう
)
をする。
叔母
(
をば
)
は
重
(
かさ
)
ねて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
力まかせに引ッ
張
(
ぱ
)
りだして、イヤというほど
叩
(
たた
)
きつけようとすると、蛾次郎、
頬
(
ほ
)
ッぺたをおさえて
飛
(
と
)
び
退
(
の
)
きながら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、また
正
(
しょう
)
ちゃんの
顔
(
かお
)
をなめ、
起
(
お
)
こそうと
着物
(
きもの
)
をくわえて
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
ったのです。
正
(
しょう
)
ちゃんは、はね
起
(
お
)
きました。
僕がかわいがるから
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
煮
(
に
)
てくろうよう」
與吉
(
よきち
)
はそれを
聞
(
き
)
いて
又
(
また
)
せがんでおつぎへ
飛
(
と
)
びついて、
被
(
かぶ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
手拭
(
てぬぐひ
)
を
引
(
ひ
)
つ
張
(
ぱ
)
つた。おつぎは
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この
馬
(
うま
)
をうかうか
京都
(
きょうと
)
まで
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
って
行
(
い
)
って、もし
知
(
し
)
っている
者
(
もの
)
にでも
逢
(
あ
)
って、
盗
(
ぬす
)
んで
来
(
き
)
たなぞと
疑
(
うたが
)
われでもしたら、とんだ
迷惑
(
めいわく
)
な
目
(
め
)
にあわなければならない。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
感
(
かんじ
)
の宜い絵じゃありませんか。何んて深味のある緑色でしょうね……貴郎も
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱ
)
りそう思われて?」
温室の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
向
(
むか
)
うの
水道端
(
すゐだうばた
)
に、いまの
女房
(
かみ
)
さんが
洗濯
(
せんたく
)
をして
居
(
ゐ
)
る、
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
は
青空
(
あをぞら
)
で、
屋根
(
やね
)
が
遮
(
さへぎ
)
らないから、スツ/\
晃々
(
きら/\
)
と
矢
(
や
)
ツ
張
(
ぱ
)
り
通
(
とほ
)
るのである。「おかみさん。」
私
(
わたし
)
は
呼
(
よ
)
んだ。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ホテル
前
(
まえ
)
の
電車
(
でんしや
)
を
突切
(
つき
)
る
頃
(
ころ
)
、
私
(
わたし
)
はM、H
夫人
(
ふじん
)
と
話
(
はな
)
しながら
歩
(
ある
)
いてゐたが、
彼女
(
かのじよ
)
は
私
(
わたし
)
が
自動車
(
じどうしや
)
にでも
轢
(
ひ
)
かれはしないかと
気遣
(
きつか
)
つて、どうかすると
袖
(
そで
)
を
引
(
ひ
)
つ
張
(
ぱ
)
つたりして
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
日本の警察だって
甘
(
あめ
)
えもんじゃねえか。聞いてた程がものはねえや。サヤマだってそうだ。世界一の名探偵が聞いて呆れるよ。なあに
矢
(
や
)
っ
張
(
ぱ
)
り三万円が欲しくなったのよ。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そのまえに、三根夫少年はみんなから
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
り
凧
(
だこ
)
だった。三根夫が一日はやく怪星ガンの町を見てきているので、町のようすについて三根夫はくわしく答えることができた。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
応接室まで来て
上
(
うわ
)
っ
張
(
ぱ
)
りを脱ぐと、看護婦が
噴霧器
(
ふんむき
)
を持って来て倉地の身のまわりに消毒薬を振りかけた。そのかすかなにおいがようやく葉子をはっきりした意識に返らした。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
“張(張(姓))”の解説
張(ちょう)は、漢姓の一つ。中華圏で多い姓の1つである。
(出典:Wikipedia)
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“張”を含む語句
矢張
引張
緊張
出張
突張
威張
誇張
見張
硝子張
鯱張
頬張
張合
薩張
葭簀張
大威張
縄張
主張
高張提灯
弓張提灯
繩張
...