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引取
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ひきと
ふりがな文庫
“
引取
(
ひきと
)” の例文
「浄閑寺の投込みは、
廓
(
くるわ
)
の女郎衆で、
引取
(
ひきと
)
り
人
(
にん
)
のない者だけを埋葬する所。
地廻
(
じまわ
)
りの
無縁仏
(
むえんぼとけ
)
まで、ひきうけてくれるでしょうか」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お
見舞
(
みまい
)
の
方々
(
かたがた
)
も、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
にお
引取
(
ひきと
)
りなすってはどうじゃの、
御病人
(
ごびょうにん
)
は、
出来
(
でき
)
るだけ
安静
(
あんせい
)
に、
休
(
やす
)
ませてあげるとよいと
思
(
おも
)
うでの」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
これはとばかりに、若者は
真蒼
(
まっさお
)
になって
主家
(
しゅか
)
へ
駈込
(
かけこ
)
んで来たが、この時
既
(
すで
)
に娘は、哀れにも息を
引取
(
ひきと
)
っていたとの事である。
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
稽古
(
けいこ
)
は
引取
(
ひきと
)
つてからでも
充分
(
じうぶん
)
させられるから
其心配
(
そのしんぱい
)
も
要
(
い
)
らぬ
事
(
こと
)
、
兎角
(
とかく
)
くれさへすれば
大事
(
だいじ
)
にして
置
(
お
)
かうからと
夫
(
それ
)
は
夫
(
それ
)
は
火
(
ひ
)
のつく
樣
(
やう
)
に
催促
(
さいそく
)
して
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
町奉行の手へ
引取
(
ひきと
)
られ
翌々日
(
よく/\じつ
)
享保四年
極月
(
ごくげつ
)
十六日初めて文右衞門の一件
白洲
(
しらす
)
に於て
取調
(
とりしら
)
べとなり越前守殿出座有て文右衞門を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたくし
)
の
決心
(
けっしん
)
の
飽
(
あく
)
まで
固
(
かた
)
いのを
見
(
み
)
て、
両親
(
りょうしん
)
も
無下
(
むげ
)
に
帰家
(
きか
)
をすすめることもできず、そのまま
空
(
むな
)
しく
引取
(
ひきと
)
って
了
(
しま
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
他
(
た
)
に
例
(
れい
)
の
無
(
な
)
かつたのを
今回
(
こんくわい
)
見出
(
みだ
)
したのだ。
俵形
(
ひやうけい
)
の
土器
(
どき
)
から
植物
(
しよくぶつ
)
を
探
(
さが
)
し
出
(
だ
)
したのは、
實
(
じつ
)
に
余
(
よ
)
である。
危
(
あやう
)
く
人夫
(
にんぷ
)
が
捨
(
す
)
てやうとしたのを、
引取
(
ひきと
)
つて
調
(
しら
)
べたからである。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
とうとうしまひには、
引取
(
ひきと
)
り手のない死人を、この門へ持つて來て、棄てゝ行くと云ふ
習慣
(
しふくわん
)
さへ出來た。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
再び軽い
拍子木
(
ひやうしぎ
)
の
音
(
おと
)
を
合図
(
あひづ
)
に、
黒衣
(
くろご
)
の男が右手の
隅
(
すみ
)
に立てた
書割
(
かきわり
)
の一部を
引取
(
ひきと
)
ると
裃
(
かみしも
)
を着た
浄瑠璃語
(
じやうるりかたり
)
三人、
三味線弾
(
しやみせんひき
)
二人
(
ふたり
)
が、
窮屈
(
きうくつ
)
さうに
狭
(
せま
)
い台の上に
並
(
なら
)
んで
居
(
ゐ
)
て
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
仮令
(
たとい
)
親に勘当されても
引取
(
ひきと
)
って女房にするから決して心配するなと萩原様がいうと、女が
私
(
わたくし
)
は親に殺されてもお
前
(
まえ
)
さんの側は放れませんと、互いに話しをしていると
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もしあるとすればそれは極楽という空想であろう。また目の前に現れて来る光というものであろう。私の父が
呼吸
(
いき
)
を
引取
(
ひきと
)
る前にランプの光を見つめたことを覚えておる。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
下女のお竹は奉公人といっても遠縁の娘で、両親とも死に絶えて佐久間家に
引取
(
ひきと
)
られ、奉公人同様にコキ使われていたのですから、その気兼苦労は
一
(
ひ
)
と通りではありません。
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
後
(
のち
)
、折を見て、父が
在世
(
ざいせ
)
の頃も、その話が出たし、織次も
後
(
のち
)
に東京から
音信
(
たより
)
をして、
引取
(
ひきと
)
ろう、引取ろうと
懸合
(
かけあ
)
うけれども、ちるの、びるので
纏
(
まと
)
まらず、追っかけて
追詰
(
せりつ
)
めれば
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
家
(
いへ
)
に
引取
(
ひきと
)
つた
小六
(
ころく
)
さへ
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
では
兄
(
あに
)
に
敬意
(
けいい
)
を
拂
(
はら
)
つてゐなかつた。
二人
(
ふたり
)
が
東京
(
とうきやう
)
へ
出
(
で
)
たてには、
單純
(
たんじゆん
)
な
小供
(
こども
)
の
頭
(
あたま
)
から、
正直
(
しやうぢき
)
に
御米
(
およね
)
を
惡
(
にく
)
んでゐた。
御米
(
およね
)
にも
宗助
(
そうすけ
)
にもそれが
能
(
よ
)
く
分
(
わか
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
黙っていられず、自分も
早速
(
さっそく
)
悔
(
くやみ
)
に行った、そして
段々
(
だんだん
)
聴いてみると、急病といっても二三日
前
(
ぜん
)
からわるかったそうだが、とうとう
今朝
(
けさ
)
暁方
(
あけがた
)
に、息を
引取
(
ひきと
)
ったとの事、自分がその姿を見たのも
闥の響
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
妻女は
愈々
(
いよいよ
)
哀れに思い死骸を
引取
(
ひきと
)
り、厚く埋葬を
為
(
し
)
てやったが、
丁度
(
ちょうど
)
三七日の
逮夜
(
たいや
)
に何か
拵
(
こしら
)
えて、近所へ配ろうとその用意をしているところへ、
東洋鮨
(
とうようずし
)
から鮨の
折詰
(
おりづめ
)
を沢山
持来
(
もちきた
)
りしに不審晴れず
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
引取
(
ひきと
)
り
元
(
もと
)
主人
(
しゆじん
)
五兵衞方へ
改
(
あらた
)
めて養子にぞ
遣
(
つか
)
はしける然ば
昨日迄
(
きのふまで
)
に遠き八丈の
島守
(
しまもり
)
となりし身が今日は此
大家
(
たいか
)
の養子と
成
(
なり
)
し事實に忠義の
餘慶
(
よけい
)
天より
福
(
さいは
)
ひを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
袋
(
ふくろ
)
は
田舍
(
いなか
)
へ
嫁入
(
よめい
)
つた
姉
(
あね
)
の
處
(
ところ
)
に
引取
(
ひきと
)
つて
貰
(
もら
)
ひまするし、
女房
(
にようぼ
)
は
子
(
こ
)
をつけて
實家
(
さと
)
へ
戻
(
もど
)
したまゝ
音信不通
(
いんしんふつう
)
、
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
ではあり
惜
(
を
)
しいとも
何
(
なん
)
とも
思
(
おも
)
ひはしませぬけれど
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それが
何時
(
いつ
)
の間にやら、恋心に変ったのですが、父親の三也は、そんな事に一向お構いなく、これも五六年前から小田切家に
引取
(
ひきと
)
って居る、遠縁の若侍
半沢良平
(
はんざわりょうへい
)
と厄年を嫌って
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
愛想
(
あいそ
)
も
盡
(
つ
)
かさず、こいつを
病人
(
びやうにん
)
あつかひに、
邸
(
やしき
)
へ
引取
(
ひきと
)
つて、
柔
(
やはら
)
かい
布團
(
ふとん
)
に
寢
(
ね
)
かして、
寒
(
さむ
)
くはないの、と
袖
(
そで
)
をたゝいて、
清心丹
(
せいしんたん
)
の
錫
(
すゞ
)
を
白
(
しろ
)
い
指
(
ゆび
)
でパチリ……に
至
(
いた
)
つては、
分
(
ぶん
)
に
過
(
す
)
ぎたお
厚情
(
こゝろざし
)
。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
答『しばらくは
母親
(
ははおや
)
の
手元
(
てもと
)
に
置
(
お
)
かれるが、やがて
修業場
(
しゅぎょうば
)
の
方
(
ほう
)
で
引取
(
ひきと
)
るのじゃ。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
新「
引取
(
ひきと
)
りますとも、
貴方
(
あなた
)
が勘当されゝば私は
仕合
(
しあわ
)
せですが、一人娘ですから御勘当なさる
気遣
(
きづか
)
いはありません、
却
(
かえ
)
って
後
(
あと
)
で
生木
(
なまき
)
を
割
(
さ
)
かれるような事がなければ
宜
(
い
)
いと思って私は苦労でなりませんよ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母
(
はゝ
)
は
安兵衛
(
やすべゑ
)
が
同胞
(
けうだい
)
なれば
此處
(
こゝ
)
に
引取
(
ひきと
)
られて、これも二
年
(
ねん
)
の
後
(
のち
)
はやり
風
(
かぜ
)
俄
(
には
)
かに
重
(
おも
)
く
成
(
な
)
りて
亡
(
う
)
せたれば、
後
(
のち
)
は
安兵衞
(
やすべゑ
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
親
(
おや
)
として、十八の
今日
(
けふ
)
まで
恩
(
おん
)
はいふに
及
(
およ
)
ばず
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
例
(
れい
)
の
梶棒
(
かぢぼう
)
を
横
(
よこ
)
に
見
(
み
)
せて
並
(
なら
)
んだ
中
(
なか
)
から、
毛
(
け
)
むくじやらの
親仁
(
おやぢ
)
が、しよたれた
半纏
(
はんてん
)
に
似
(
に
)
ないで、
威勢
(
ゐせい
)
よくひよいと
出
(
で
)
て、
手繰
(
たぐ
)
るやうにバスケツトを
引取
(
ひきと
)
つてくれたは
可
(
い
)
いが、
續
(
つゞ
)
いて
乘掛
(
のりか
)
けると
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
結局は、刀で脅かされて、折から御難続きの源太夫に、手切れともなく五十両の金をやり、一切の縁と関係を断つことにして、安城郷太郎の
妾
(
めかけ
)
として
引取
(
ひきと
)
られたのでした。お鳥はその時十九
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
丈「
跡方
(
あとかた
)
は清次どのお頼み申す早く此の場をお
引取
(
ひきと
)
りなされ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
勿體
(
もつたい
)
ない
事
(
こと
)
であつたれど
知
(
し
)
らぬ
事
(
こと
)
なればゆるして
下
(
くだ
)
され、まあ
何時
(
いつ
)
から
此樣
(
こん
)
な
業
(
こと
)
して、よく
其
(
その
)
か
弱
(
よは
)
い
身
(
み
)
に
障
(
さわ
)
りもしませぬか、
伯母
(
おば
)
さんが
田舍
(
いなか
)
へ
引取
(
ひきと
)
られてお
出
(
いで
)
なされて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『お
城趾
(
しろあと
)
の
方
(
はう
)
さ
行
(
い
)
つては
成
(
な
)
んねえだ。』と
云
(
い
)
つて
其
(
そ
)
の
男
(
をとこ
)
が
引取
(
ひきと
)
めました……
私
(
わたくし
)
は
家内
(
かない
)
の
姿
(
すがた
)
を
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
で
見失
(
みうしな
)
つたが、
何
(
ど
)
うも、
向
(
むか
)
ふが
空
(
そら
)
へ
上
(
あが
)
つたのではなく、
自分
(
じぶん
)
が
谷底
(
たにそこ
)
へ
落
(
お
)
ちてたらしい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
惣領の正太郎は私が方へ
引取
(
ひきと
)
るから
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼
(
あ
)
んな
浮
(
う
)
いた
心
(
こゝろ
)
では
何時
(
いつ
)
引取
(
ひきと
)
つて
呉
(
く
)
れるだらう、
考
(
かんが
)
へるとつく/″\
奉公
(
ほうこう
)
が
嫌
(
い
)
やになつてお
客
(
きやく
)
を
呼
(
よ
)
ぶに
張合
(
はりあい
)
もない、あゝくさ/\するとて
常
(
つね
)
は
人
(
ひと
)
をも
欺
(
だま
)
す
口
(
くち
)
で
人
(
ひと
)
の
愁
(
つ
)
らきを
恨
(
うら
)
みの
言葉
(
ことば
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
五
日
(
か
)
以上
(
いじやう
)
……
滋養
(
じやう
)
灌腸
(
くわんちやう
)
なぞは、
絶対
(
ぜつたい
)
に
嫌
(
きら
)
ひますから、
湯水
(
ゆみづ
)
も
通
(
とほ
)
らないくらゐですのに、
意識
(
いしき
)
は
明瞭
(
めいれう
)
で、
今朝
(
こんてう
)
午前
(
ごぜん
)
三
時
(
じ
)
に
息
(
いき
)
を
引取
(
ひきと
)
りました
一寸前
(
ちよつとぜん
)
にも、
種々
(
しゆ/″\
)
、
細々
(
こま/″\
)
と、
私
(
わたし
)
の
膝
(
ひざ
)
に
顔
(
かほ
)
をのせて
話
(
はなし
)
をしまして。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まして
他人
(
たにん
)
の
誰
(
た
)
れにか
慨
(
かこ
)
つべき、
月
(
つき
)
の十日に
母
(
はゝ
)
さまが
御墓
(
おんはか
)
まゐりを
谷中
(
やなか
)
の
寺
(
てら
)
に
樂
(
たの
)
しみて、しきみ
線香
(
せんかう
)
夫〻
(
それ/\
)
の
供
(
そな
)
へ
物
(
もの
)
もまだ
終
(
おは
)
らぬに、
母
(
はゝ
)
さま
母
(
はゝ
)
さま
私
(
わたし
)
を
引取
(
ひきと
)
つて
下
(
くだ
)
されと
石塔
(
せきたう
)
に
抱
(
いだ
)
きつきて
遠慮
(
ゑんりよ
)
なき
熱涙
(
ねつるい
)
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
來合
(
きあは
)
せて
立停
(
たちどま
)
つた、
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
少年
(
せうねん
)
の
驛夫
(
えきふ
)
が
引取
(
ひきと
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
“引取”で始まる語句
引取人
引取手
引取所