天気てんき)” の例文
旧字:天氣
天気てんきのよくないは、あたりがくらく、がいっそうみじかいようにおもわれたのです。小鳥ことりがぬれながら、あちらのえだにとまりました。
おきくと弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一廻ひとまはりくるりとにまはつて前足まへあしをついて、棒杭ばうぐひうへつて、お天気てんきるのであらう、仰向あをむいてそらた。れるといまにくよ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
外はあかるい、よいお天気てんきでした。まず部屋へやの中で見つけたパンをたべて、それから、ガチョウと牝牛めうしに朝のたべものをやりました。
廿四日、天気てんきし。となりきゃくつとめて声高こわだか物語ものがたりするに打驚うちおどろきてめぬ。何事なにごとかと聞けば、衛生えいせい虎列拉これらとの事なり。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あくもいいお天気てんきで、お日様ひさまあお牛蒡ごぼうにきらきらしてきました。そこで母鳥ははどり子供達こどもたちをぞろぞろ水際みずぎわれてて、ポシャンとみました。
わたしはくらげといって竜王りゅうおう御家来ごけらいさ。今日きょうはあんまりお天気てんきがいいので、うかうかこのへんまであそびにたのですが、なるほどこのさるしまはいいところですね。
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
とき丁度ちょうど時過じすぎ。いつもなら院長いんちょう自分じぶんへやからへやへとあるいていると、ダリュシカが、麦酒ビール旦那様だんなさま如何いかがですか、と刻限こくげん戸外こがいしずか晴渡はれわたった天気てんきである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
天気てんきのいゝに、嘉十かじふかけてきました。かて味噌みそなべとをしよつて、もうぎんいろのしたすすきの野原のはらをすこしびつこをひきながら、ゆつくりゆつくりあるいてつたのです。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
明日あした天気てんきだ。
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
極楽ごくらくです、ほんとうですよ、おじさん。うみのあなたに、極楽ごくらくがあって、いつもあちらはお天気てんきなんです。」と、子供こどもはいいました。
熊さんの笛 (新字新仮名) / 小川未明(著)
外にはだれもいませんでしたが、大きな部屋へやの中には、若い女工じょこうたちがすわって、マッチを箱につめていました。天気てんきがいいので、まどはあけはなされていました。
愉快おもしろいな、愉快おもしろいな、お天気てんきが悪くつてそとあそべなくつてもいゝや、かさみのて、あめるなかをびしよ/″\れながら、はしうへわたつてくのはいぬしゝだ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それは田舎いなかなつのいいお天気てんきことでした。もう黄金色こがねいろになった小麦こむぎや、まだあお燕麦からすむぎや、牧場ぼくじょうげられた乾草堆ほしくさづみなど、みんなきれいなながめにえるでした。
年々ねんねんあきのみのりどきになりますと、このかみさまのがりものに、きている人間にんげん一人ひとりずつそなえないと、お天気てんきわるくなって、あめってもらいたいときにはらないし
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「さあ、どこのいえでしょうね。どこでも、このお天気てんきのうちに、をつけるんですよ。きっと、このあとは、ゆきがふりますからね。」
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
小屋こやて二ちやうばかりくとすぐさかがあつて、さか下口おりくち一軒いつけん鳥屋とりやがあるので、樹蔭こかげなんにもない、お天気てんきのいゝときあかるい/\ちひさなみせで、町家まちやのきならびにあつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「ああ、いいお天気てんきだ。だがおまえさんはあまりみかけない人だが、どこからたのだね。」
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それが、きょう急にすばらしい天気てんきになりましたので、地上の人たちは、あたたかいお日さまの光と、みどりの森がこいしくなって、じっと仕事をしていることができなくなりました。
すがすがしい天気てんきで、青々あおあお大空おおぞられていましたが、その奥底おくそこに、ひかったつめたいがじっと地上ちじょうをのぞいているようなでした。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
天気てんきさへれたかくもつたかわけわからず、まじろぎもしないですた/\とねてのぼる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ある日さるとかにはお天気てんきがいいので、れだってあそびに出ました。その途中とちゅう山道やまみちさるかきたねひろいました。またしばらくくと、かわのそばでかにはおむすびをひろいました。かには
猿かに合戦 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「おじいさん、今日こんにちは、いいお天気てんきだから、どこかへおかけなさい。」と、うちのものがいうと、おじいさんは、はげあたまそらけて
ものぐさじじいの来世 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それでもなか/\捗取はかどらず、七日なぬかつたので、あとのこつて附添つきそつて兄者人あにじやひと丁度ちやうど苅入かりいれで、此節このせつが八ほんしいほどいそがしい、お天気てんき模様もやうあめのやう、長雨ながあめにでもなりますと
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うららかないいお天気てんきで、まっさおうみの上には、なみ一つちませんでした。稲妻いなづまはしるようだといおうか、るようだといおうか、目のまわるようなはやさでふねは走って行きました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ぼんは、たがいにあたまって、かなたのまちほうていました。天気てんきのいいには、しろけむりや、くろけむりのぼっていました。
縛られたあひる (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある日いつものとおり保名やすなはたけに出て、くず一人ひとりさびしく留守居るすいをしていました。お天気てんきがいいので子供こどもへとんぼをりに行ったまま、あそびほおけていつまでもかえってませんでした。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
じめじめした、いやな天気てんきがつづきました。生活力せいかつりょくとぼしい金魚きんぎょは、みんなよわってんでしまったけれど、どじょうは元気げんきでした。
どじょうと金魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さるさん、さるさん、今日こんにちは、いいお天気てんきですね。」
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ひかりがかげって、天気てんきわりそうになったので、そばにっている人々ひとびとは、しだいにすくなく、みんなあちらにいってしまいました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いいお天気てんきだねえ。」
かちかち山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
日曜にちよう午前ごぜんでした。そらは、くもっていました。どうしたことか、このごろは、れたり、ったりして、おかしな天気てんきがつづくのでした。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふゆになっても、むすめのきた地方ちほうは、ゆきりませんでした。いつもあたたかないい天気てんきがつづいて、北国ほっこくはる時節じせつのような景色けしきでした。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天気てんきはいいし、子供こどもたちのあそんでいるこえが、きこえるし、もうしん一は、じっとして、いえにいることが、できなかったのです。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
「このうみえて、しまたっすることは容易よういのことでない。つかれをやすめて、おだやかな、いい天気てんきのつづくとうではないか。」
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いまごろ、かね行列ぎょうれつが、まちとおるであろうひるすぎになって、まちへいこうとした、そのじぶんから、きゅうに天気てんきがあやしくなりました。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
「あすは、おてらのお開帳かいちょうで、どんなにかこのへん人通ひとどおりのおおいことだろう。お天気てんきであってくれればいいが。」といいました。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしたちも、そのしま見物けんぶつにゆくのですよ。それでここへきて、天気てんきはからっているのです。」と、つばめはいいました。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて日曜日にちようびになりまして、そのあさからよいお天気てんきでありましたから、正雄まさおねえさんと、おじいさんのうちかけました。
おじいさんの家 (新字新仮名) / 小川未明(著)
平常いつもはもとより、たとえ天気てんきのよくないようなであっても、このみなとなかだけはあまりなみたかたず、ここにさえのがれれば安心あんしんというので
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうち、あいにくゆきがふりだしました。北国ほっこくふゆ天気てんきほど、あてにならぬものはありません。たちまちゆきはつもって、みちをふさぎました。
きつねをおがんだ人たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、あちらは、極楽ごくらくなんだよ。いつもお天気てんきで、あたたかで、はながさいて、とりいているところだ。」といいました。
熊さんの笛 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おばさん、きょうはいいお天気てんきですが、ご機嫌きげんはいかがですか?」と、いって、ってきました。いつも、おばさんは、たのしかったのです。
海のおばあさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あらしのためにこまってげてきたのだ。天気てんきになればどこへかいってしまうとおもって、だまっていたんだ。」といいました。
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
十二がつ日曜日にちようびでした。かぜのないしずかなお天気てんきであります。たつ一は、午後ごごから、××のへいってみようとおもいました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
不思議ふしぎなことには、そののちあかいろうそくが、やまのおみやともったばんは、いままで、どんなに天気てんきがよくても、たちまちおおあらしとなりました。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるとしなつのことでありました。幾日いくにち幾日いくにちも、天気てんきばかりがつづいて、あめというものがすこしもりませんでした。
神は弱いものを助けた (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほんとうのうぐいすですよ。はないているから、んできたのです。さあ、あんたもはやきて、おかおあらいなさい。いいお天気てんきですよ。」
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、いいお天気てんきだから、おまえだけいってみておいでなさい。わたし年寄としよりだから、あるくのがたいそうです。」と、おばあさんはこたえました。
海からきた使い (新字新仮名) / 小川未明(著)
あたたかな春風はるかぜは、そよそよとそらいて、野原のはらや、うえわたっていました。ほんとうに、いい天気てんきでありました。
春の真昼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほんとうに、そのは、いい天気てんきでありましたから、小鳥ことりえだにきていていました。しかし、ふゆみじかくて、じきにれかかりました。
雪だるま (新字新仮名) / 小川未明(著)