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勇氣
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ゆうき
しかも
知らうと
思ふ
事は
悉く
知る
事が
出來なかつた。
己れの
弱點に
付いては、
一言も
彼の
前に
自白するの
勇氣も
必要も
認めなかつた。
しかし、之を
聞いてゐる中に、下人の心には、
或勇氣が生まれて來た。それは、さつき、
門の
下でこの男に缺けてゐた勇氣である。
只彼は
目下其の
幾部分でも
要求することが、
自分の
火が
燒いた
其の
主人の
家に
對して
迚も
口にするだけの
勇氣が
起されなかつたのである。
愛ちやんは
最う
其れについて
質問する
勇氣も
何も
無くなつて
了ひ、
海龜の
方へ
振向き、『
其の
他何を
習つて!』
卿の
心さへ
變らずば、
女々しい
臆病心の
爲に、
敢行くる
勇氣さへ
弛まなんだら、
此度の
耻辱は
脱れられうぞ。
余は
不知庵がこの
書を
我文界に
紹介したる
勇氣をこよなく
喜ぶものなり。
第二
卷の
速に
出でんことを
待つ。
『それ、
櫻木大佐來!
電光艇の
應援ぞ! おくれて
彼方の
水兵に
笑はれな、
進め/\。』の
號令の
下に、
軍艦「
日の
出」の
士官水兵は
勇氣百倍、
息をもつかせず
發射する
彈丸は
何事も
自分で
勇氣を
起し、
難しい
事でも
分らない
事でも
何でも
自分が
主に
成てする
氣でなければ
决して
物は
上達しません。どうも
今日の
女學生には
兎角、
自主獨立といふ
心に
乏しいであります。
鐵拳に
撲倒す
勇氣はあれど
誠に
父母いかなる
日に
失せて
何時を
精進日とも
心得なき
身の、
心細き
事を
思ふては
干場の
傘のかげに
隱れて
大地を
枕に
仰向き
臥してはこぼるゝ
涙を
呑込みぬる
悲しさ
〔譯〕
刀槊の
技、
怯心を
懷く者は
衄け、
勇氣を
頼む者は
敗る。必や
勇怯を一
靜に
泯し、
勝負を一
動に
忘れ、之を
動かすに天を以てして、
廓然太公に、之を
靜むるに地を以てして、
物來つて
順應せん。
雄鷄はもう
高い
聲で
閧をつくるやうな
勇氣も
挫けまして
利害の
打算から
云へば
無論の
事、
單に
隣人の
交際とか
情誼とか
云ふ
點から
見ても、
夫婦はこれよりも
前進する
勇氣を
有たなかつたのである。
私は
此を、
難ずるのでも、
嘲けるのでもない。
況や
決して
羨むのではない。
寧ろ
其の
勇氣を
稱ふるのであつた。
おゝ、ヂュリエット、
卿の
艶麗さが
俺を
柔弱にならせて、
日頃鍛うておいた
勇氣の
鋒が
鈍ってしまうた。
苦しき
夜は
明けて、
太陽はまたもや
現はれて
來たが、
私は
最早起直つて
朝日の
光を
拜する
勇氣も
無い、
日出雄少年は
先刻より
半身を
擡げて、
海上を
眺めて
居つたが、
此時忽ち
大聲に
叫んだ。
世に
引かるヽ
心も
斷ちたきものと、
决心此處に
成りし
今宵、
切めては
妻戸ごしのお
聲きヽたく、
見とがめられん
罪も
忘れて
此處に
斯く
忍ぶ
身と
袖にすがりて
敏なげヽば、これを
拂ふ
勇氣今は
無く
けれども
彼は
自身に
家主の
宅へ
出向いてそれを
聞き
糺す
勇氣を
有たなかつた。
間接にそれを
御米に
問ふことは
猶出來なかつた。
ぐら/\と
來るか、おツと
叫んで、
銅貨の
財布と
食麺麭と
魔法壜を
入れたバスケツトを
追取刀で、
一々框まで
飛び
出すやうな
卑怯を
何うする。……
私は
大に
勇氣を
得た。
夕方になると、
最早畢世の
勇氣を
振つても、とても
口へ
入れる
心は
出ぬ。
卿の
其氣高い
姿は
徒の
蝋細工同樣、
男の
勇氣からは
外れたものぢゃ。
……
御馳走は十二
時と
云ふと
早や
濟んで、——
一つは
二人とも
其がために
勇氣がないので。……
敷合せ
疊三疊、
丁度座布團とともに、その
形だけ、ばさ/\の
煤になつて、うづたかく
重なつた。
下も
煤だらけ、
水びたしの
中に
畏つて、
吹きつける
雪風の
不安さに、
外へ
出る
勇氣はない。
身の
置處ないまでに、
右から、
左から、
路をせばめられて、しめつけられて、
小さく、
堅くなつて、おど/\して、
其癖、
驅け
出さうとする
勇氣はなく、
凡そ
人間の
歩行に、ありツたけの
遲さで
日露戰爭のすぐ
以前とは
言ひながら、
一圓づゝに
算へても、
紙幣の
人數五十枚で、
金の
鯱に
拮抗する、
勇氣のほどはすさまじい。
時は
二月なりけるが、
剩さへ
出陣に
際して、
陣羽織も、よろひもない。